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更新日:2021年7月12日 ページID:037032
要請文
2013年12月16日
駐日アメリカ合衆国大使館特命全権大使
キャロライン・ケネディ大使 閣下
広島市長 松井 一實
長崎市長 田上 富久
このたび、駐日アメリカ合衆国大使館特命全権大使に就任されましたことを、心から 御祝い申し上げます。
貴台は、大使就任に当たり、米国議会上院外交委員会公聴会やビデオメッセージにおいて、1978年の広島訪問を「心を大きく揺さぶられた。」「より良い平和な世界の実現に貢献したいと切に願うようになった。」と振り返られ、また、先日は就任後のお忙しい時期に長崎を訪問して下さるなど被爆地に特別な思いをお持ち下さっていることに感謝いたします。
同時に、御尊父・ケネディ大統領が、適切な判断でキューバ危機を回避された翌年、1963年にアメリカン大学で行われた演説「平和のための戦略」を深い敬意と共に思い起こしています。
この演説では、世界平和のために絶えず努力し続ける大切さを指摘するとともに、軍拡競争の停止は米国とソ連の共通利益とし、「相違があっても世界が平穏であり続けるように力を注ぐことができる。」と述べ、対話による核実験禁止条約の締結などを訴えられました。後に部分的核実験禁止条約の締結へと繋がったこの演説は、核軍縮・不拡散へと世界の流れを変える画期的なものとして、被爆地にも大きな勇気を与え、今も読み継がれています。
しかし、人類の進むべき道を指し示した御尊父の演説から半世紀を経て、未だ世界には1万7千発もの核兵器が存在しています。平均年齢が78歳を超えた被爆者は、放射線による後障害に苦しみながらも、今も世界の誰にも二度と核兵器による惨禍を体験させてはならないと自らの辛く苦しい体験を語り、核兵器廃絶を訴え続けています。ただ、ひたすらに「核兵器のない世界」の実現を願ってきた被爆地の市民にとって、世界平和を追求し続けた御尊父の思いを受け継ぐ、貴台の大使就任は大きな希望です。
貴台におかれましては、長崎を訪問していただきありがとうございました。次は是非とも早期に広島を訪問していただきますようお願いいたします。広島市民は35年前と同様に貴台を心から歓迎いたします。そして、日米両国の新たな架け橋として、ヒロシマ・ナガサキの思いを本国政府に伝え、オバマ大統領の被爆地訪問の実現に御尽力いただきたいと願っています。被爆地で直接、被爆の実相に触れていただければ、大統領が示された「核兵器のない世界」というゴールが間違いないものと確信できるはずです。そのうえで、核兵器廃絶へのゆるぎない決意を被爆地から世界へと発信していただきたいと思っています。
被爆地の市民は、これからも貴台及びオバマ大統領と共に「核兵器のない世界」を目指して取り組み続けてまいります。
末筆ながら、貴台のますますの御活躍と御健勝を心からお祈りいたします。
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