ここから本文です。
更新日:2021年7月12日 ページID:037080
抗議文
2003年04月25日
在本邦アメリカ合衆国大使館
特命全権大使
ハワード・H・ベーカー 閣下
長崎市長 職務代理者
長崎市助役 内田進博
本日、貴国がプルトニウムを用いた核兵器の起爆装置の製造を14年ぶりに再開したとの情報に接しました。
これは、58年前、15万人もの長崎市民を殺傷した原子爆弾と同じプルトニウム原爆を起爆装置とする水爆の核弾頭製造を再開するものにほかならず、核軍縮の流れに逆行する暴挙であります。
折りしも、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発問題などをめぐる貴国と中国、北朝鮮による高官協議の中で、北朝鮮代表が核兵器を保有していると発言した旨の情報が届き、私たちは、北朝鮮へ厳重な抗議を行っているところであります。
このような中にあって、核軍拡競争への扉を再び開き、平和への道を閉ざそうとする貴国の行為は、一日も早い核兵器廃絶を訴え続けてきた長崎市民をはじめ、長年にわたる国際社会の努力さえも無にしようとするものであり、断じて許すことはできません。
貴国は、「核兵器は一般的に国際法に違反する」との国際司法裁判所の勧告的意見に従い、包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准することにより、2000年5月のNPT再検討会議で採択された「核保有国による核兵器廃絶への明確な約束」を誠実に実行すべきです。
ここに、被爆地長崎の市民を代表し、プルトニウム・ピットの製造を直ちに中止するよう厳重に抗議するとともに、核兵器のない平和な21世紀の実現に向け、世界の大国としての責務を果たすよう強く求めます。
以上の内容について、本国へ伝達されますようお願いいたします。
より良いホームページにするために、ご意見をお聞かせください。コメントを書く