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更新日:2013年3月1日 ページID:000593
(しゅんとくじのねはんず)
指定年月日 平成15年3月25日
所在地 長崎市夫婦川町11番1号 春徳寺内
本図は作者不詳であるが、中国で明代(1368~1644)以降に制作され、わが国に請来されたものである。本図の特徴は、表現方法において釈迦の涅槃に道教の不老長寿の思想が重ねられていることである。また、韋駄天(いだてん)が釈迦を守護する場面を描くなど、黄檗宗(おうばくしゅう)の影響を読みとることができる。
明末清初、浙江省寧波(ニンポー)では浙派(せっぱ)とよばれる仏画師達が、寧波仏画とよばれる仏画を注文制作した。彼らはそれまでの伝統的な涅槃図とは大きく異なる独特の構図で涅槃図を制作した。本図は、明末に流行した浙派の画系に属するもので、極楽往生という仏教と、不老長寿という道教が共存するという点でそれまでのわが国の涅槃図とは大いに異なるものである。わが国の涅槃図の資料として、さらには黄檗宗に代表される長崎の文化資料及び絵画史、中国貿易史の資料として重要なものである。
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