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更新日:2024年8月6日 ページID:001645
人と動物が共通してかかる感染症(病気)の一つで、致死率は100%です。
人と動物の共通感染症に関するガイドライン(PDF形式:1,220KB)
狂犬病ウイルス(Rabies Virus)であることが分かっています。
病名に代表される犬だけがかかる病気のように思われがちですが、猫、キツネ、スカンク、アライグマ、コウモリ、野生動物、家畜など、特に哺乳動物で感受性が高く、感染源の動物間で感染環を形成しています。
感染動物の唾液や血液にウイルスが分泌されます。
感染動物による咬傷感染が主ですが、飛沫や胎盤からも感染が起こることが知られています。
世界的には現在、年間約3万5,000人が死亡しており、その約80%がアジア近隣諸国で発生しています。日本では、1897(明治30)年から1956(昭和31)年の間には毎年発生していましたが、1957(昭和32)年以降、国内での感染は見られていません。ただし、1970(昭和45)年、2006(平成18)年と2020(令和2)年に、渡航先で犬に咬まれて帰国後に発症した輸入感染症例があります。
動物:約1ヶ月ほどで急性の脳炎を併発し、前駆期には、発熱、不安感、食欲不振を呈し、その後狂躁期へ移行し、特に犬では狂躁発作時の嗜咬、併走などの行動がはなはだしくなり、唾液などの分泌機能や反射機能の亢進が起こり、この期に多数の動物や人に被害をおよぼします。
この後、麻痺期に進行して全身のけいれんと麻痺により呼吸停止で死に至ります。致死率は100%です。
人:通常、ウイルスは咬傷部位から侵入し、動物の場合と同様に、前駆期、狂躁期、麻痺期に推移します。ウイルスは末消神経の末端から神経系に入り、脊髄から脳に達し、ウイルス性の脳炎で死に至ります。致死率は100%です。
予防注射が毎年1回義務付けられているのには、このような背景があるからです。
この他の予防対策としては、狂犬病指定動物の輸入検疫対応としてのけい留検疫と、輸出国でのワクチン接種が義務づけられています。
未接種の方に接種をお願いすると、「日本には法律で義務付けられているから仕方がない」という返事が返ってくることがありますが、それは逆で、人と動物の生命にとって重大であるからこそ、義務付けられているのです。
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