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市長記者会見(臨時)【2023年8月9日】

更新日:2023年8月18日 ページID:040819

市長記者会見(臨時)

1.日時

令和5年8月9日(水曜日) 14時00分~14時55分

 ▶ 会見の様子(YouTube動画)は、こちら(新しいウィンドウで開きます)。

2.市長発表

市長発表

台風6号接近に伴う災害警戒について
新型コロナウイルス感染症の現状等と市民のみなさまへのお願いについて
海外出張(NPT再検討会議第1回準備委員会)の出席について
被爆78周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典について

市長発表への質疑応答

3.会見録

市長発表

台風6号接近に伴う災害警戒について

鈴木市長
 私から4点、お知らせ及び報告をさせていただきます。
 まず1点目ですけれども、台風6号の関係でございます。台風6号、今夜遅くに長崎市に最も接近する見込みというふうになっております。勢力を維持しておりまして、九州の西側を北上しておりまして、長崎地方気象台の情報によりますと、本日夜に長崎市に最も接近するということでございます。
 台風6号の特徴でございますけれども、台風の進行速度が遅いことから、雨や風が強い状態が続くということ。それから波が高い状況。こういった状況も長時間続くことが予想されます。これらから、台風の影響によります暴風雨、高波、土砂災害、河川の増水・氾濫、あるいは低い土地の浸水などに警戒が必要な状況でございます。それから、九州北部地域におきましては、線状降水帯の発生による大雨災害の危険性も危惧されるところでございます。

新型コロナウイルス感染症の現状等と市民のみなさまへのお願いについて

 鈴木市長
 それから、台風6号のこの動きを踏まえて、市民の皆さんへのお願いでございます。不要不急の外出を控えて、安全な場所でお過ごしください。現在、市内119か所に指定避難所を開設しております。避難所に移動する際は、風や雨に十分注意の上、移動されてください。避難所におけますマスクの着用などにつきましては、後ほどコロナの感染状況についても報告申し上げますが、そういう感染状況も踏まえながら、基本的に個人の判断となりますけれども、そういう感染状況に応じた対応をお願いしたいと思います。
 そのコロナの発生状況でございます。昨日も長崎県の大石知事のほうから、お盆に向けた感染対策についてということで記者会見が開催されたと承知しておりますけれども、私からも改めて、長崎市におけます新型コロナウイルス感染症の現状と、市民の皆様へのお願いをさせていただきたいと思います。
 5類移行後の市内の定点医療機関から報告された、感染者数の推移を示したグラフが、こちらのグラフになります。7月以降、急激に感染者の報告数が増加している状況でございます。直近では、1定点当たりの平均報告数が約35.4人となっておりまして、現在の状況は第9波とも言われておりますけれども、既に第8波のピークと同程度の状況となっております。
 感染者の増加に伴いまして、長崎医療圏におけます入院者数も増加傾向で推移しているところでございまして、その入院者数の棒グラフでございます。8月2日時点、一番右側です。8月2日時点で218人ということになっておりまして、5類移行後、最も多くなっております。
 続きまして、救急搬送困難事案でございますけれども、これは長崎消防局管内での救急車患者の搬送先がすぐに見つからなかったような事案の推移になります。入院者数と同様に、7月以降、急激に増加している傾向が分かるかと思います。救急搬送困難事案に占めるコロナ疑いの件数、下の濃い赤の部分になりますけれども、この割合も急激に増えているという状況が見てとれます。
 また、上のほうに青い折れ線グラフがありますけれども、その青い折れ線グラフで示しておりますのは、救急車の出動件数でございます。過去最高の件数であった昨年をさらに上回るペースで増加しておりまして、救急車を待ってもらう事案が発生するなど、大変厳しい状況となっております。
 これを踏まえまして、市民の皆様へのお願いでございます。これからお盆の時期を迎えまして、帰省などでふだん合わない方との接触の機会が増加しますけれども、これによって感染のリスクが高まります。この時期、例年感染が拡大しておりますので、市民の皆様には基本的な感染防止対策への御協力をお願いしたいと思います。
 また、高齢者あるいは基礎疾患をお持ちの方は、感染すると重症化しやすいことがありますので、特に御留意いただきたいと思います。
 また、発熱など体調不良時は無理せず外出をお控えいただき、やむを得ず外出される場合は、マスクの着用をお願いいたします。
 医療の逼迫を防ぐため、症状が重い場合を除いて、医療機関の受診はなるべく平日の診療時間内にお願いしたいと思います。
 具体的に、基本的な感染対策については、まず換気や手洗い、あるいは場面に応じたマスクの着用など、基本的な感染対策の継続をお願いいたします。
 それから、マスクにつきましては、重症化リスクの高い方を守るためにも、医療機関や高齢者施設を訪問する際には、着用をお願いしたいと思います。
 また、繰り返しになりますけれども、発熱など体調不良時は、無理せず外出を控えていただき、やむを得ず外出する場合は、マスクの着用をお願いいたします。
 次に、医療現場において増加するコロナ患者の対応や、救急受入れによりまして厳しい状況が迫っている状況にあります。医療の逼迫を防ぐために、症状が重い場合を除いて、医療機関の受診は、なるべく平日の診療時間内にお願いしたいと思います。
 また、先ほど申し上げましたとおり、救急搬送困難事案が増加しております。重い病気やひどいけがなど、緊急性が高いときはすぐに救急車の要請が必要でありますけれども、一方で、救急車の数が限られておりますので、安易に救急要請をすることは望ましくありません。実際に、直近1か月間においても、救急搬送された方の中で入院などが必要でなく軽傷とされた方の割合が増加している傾向にございます。適正な医療提供のためにも、真に救急車が必要な方のため、また、いざというときの皆様自身のためにも、救急車の適正利用に御協力をお願いいたします。
 3点目でございます。体調不良時の備えについてございますけれども、急に体調が悪くなった場合に備えて、抗原検査キットや解熱剤を事前に御準備くださいますようお願いします。また、症状が軽い場合は解熱剤などで自宅療養することも可能ですので、御協力をお願いいたします。
 4点目でございますけれども、感染した際の対応でございます。発症翌日から5日間かつ症状軽快後24時間は外出を控えることが推奨されております。また、感染後10日間が経過するまではマスクを着用するなど、周りの方に移さないよう御配慮をお願いいたします。
 次に5点目、ワクチン接種についてでございます。高齢者など、重症化リスクの高い方は新型コロナワクチンの接種を御検討くださいますようお願いいたします。現在、長崎市では、令和5年春夏接種を実施しております。9月19日終了予定となっておりますので、対象の方は接種を御検討ください。
 最後になりますけれども、大変厳しい中にあっても懸命に市民の命を守っていただいております医療従事者の皆様に、深く感謝申し上げたいと思います。
 より緊急性の高い方が適切な医療を受けることができますよう、市民の皆様の御理解、御協力をどうぞよろしくお願いいたします。

海外出張(NPT再検討会議第1回準備委員会)の出席について

鈴木市長
 次に、話が変わりまして、NPT再検討会議第1回準備委員会がウィーンで行われまして、私、松井広島市長などとともに出席してまいりましたので、御報告したいと思います。
 出張期間は7月29日から8月4日までの日程でございました。
 まず、第1回準備委員会でのスピーチでございますけれども、松井広島市長とともに、NGOセッションにおいてスピーチを行いました。スピーチにおきましては、核兵器使用をタブー視する風潮が低下しているということを問題提起させていただきまして、被爆の実相を知ることの大切さを訴えました。そして、世界の9割の核弾頭を保有しております米ロに対しまして、核軍縮のリーダーシップを求めるとともに、新STARTの後継について交渉を開始するよう要請いたしました。
 また、大きく揺らいでおりますNPT体制を、国際的な核軍縮不拡散の体制の礎石として、引き続き堅持、そして強化することを強く求めさせていただきました。
 「長崎を最後の戦争被爆地に」というgの思い、そして市民社会の核兵器廃絶に向けた思いをしっかりと伝えることができたというふうに思っております。
 次に、国連関係者でありますとか各国政府代表者などと面会、会談を行いましたので、それについて御報告したいと思います。
 まず、中満国連事務次長兼軍縮担当上級代表との面会でございますけれども、これは松井広島市長でありますとか、あるいは広島の高校生と一緒に面会しております。広島の高校生のほうからもいろんな意見が出まして、それに対して中満次長のほうから丁寧に御回答をいただいておりました。中満事務次長のほうから、「若者の行動に勇気づけられたと。若者には恐れることなく活動を続け、自分たちの声をどんどん上げてほしい」というふうな激励の言葉もございました。
 また、私自身、中満次長の言葉として印象に残っておったのは、やっぱりその多様性が重要なんだと。だから反対意見を、もう積極的に聞くと。そこがぜひ必要なんだということを強調されていたのが印象的でございました。
 特に国連という場について、中満次長は、得てして国連というのは理想主義的な場だというふうに言われがちだけれども、そうじゃなくて、極めてリアリスト、現実主義的なんだと。つまり各国、いろんな意見が錯綜していると。それぞれ利害が対立していると。そういう中で、現実的な妥協点を見出す、それが国連の役割であり、そこが彼らが今一生懸命やっていることなんだということ、それを強調されておりました。そういう中で、今NPTの中でも、まさに国連の役割というのは、また求められているということ、そういうことを言っておられました。
 それから、今回の準備委員会の議長を務めるヴィーナネン議長とも面会いたしまして、ヴィーナネン議長に対して、こちらのほうから厳しい国際情勢の中で、新たなプロセスの出発点となる、つまり2026年に次のNPT再検討会議が予定されておりますので、そのための第1回となる、その準備委員会でございましたので、この準備委員会に対する期待を当方のほうから伝えました。
 それから、核兵器の問題を自分事として捉えてもらうためにも、被爆の実相を知ってもらうことが重要であることから、被爆地訪問の働きかけをお願いしております。
 これを受けまして、ヴィーナネン議長のほうからは、被爆地からのメッセージ、これは今回の会議に参加する全ての代表団にとって重要であるということ、それから核軍縮不拡散の先に、「核兵器のない世界」があり、核軍縮が進展しない状況を変えなくてはならないという見解も示されたところでございます。
 それから、各国政府代表との面会でございますけれども、G7広島サミットの議長国である日本、それからG7参加国で核保有国であるアメリカ、イギリス、フランス、それからG7の招待国でありましたブラジル、これらの国の政府代表者と面会しまして、広島サミットを転換点に、新たな核軍縮に向けた潮流を生み出すための考えや取組などについて意見交換をすることができました。
 特に、今回のG7広島サミットでは、G7広島サミットに参加した各国リーダーのほうから、被爆の実相に触れて、そういう被爆の実相に触れることの大切さに関する発言もありましたし、また今回初めて核軍縮に特化したG7サミットの成果文書であります、「広島ビジョン」が出されておりますけれども、その広島ビジョンにおいても、そういう被爆の実相に触れるということの大切さについて触れられておりますので、そういったことを契機にして、NPTの交渉も前に進めてほしいということを伝えさせていただきました。
 面会した方々からは、核兵器のない世界については、彼らとしても、我々と同様に共有していると。目標は同じなんだということは各国とも言っておりました。他方で、アプローチに関する隔たりは各国ありまして、それぞれの国内の事情、あるいは現在の国際的な安全保障環境などもあって、なかなか現実問題としては難しいところがあると。交渉は厳しい状況にあるという見解も示されておりました。ただ、そういう中でも、2026年に予定されておりますNPT再検討会議、これはぜひ結果を出したい。これはどの国も強調しておりました。これまで2回続けてNPT再検討会議成果文書が出せない状況が続いておりますので、3度目の正直で、この2026年の再検討会議、何とか成果文書を出したい。これはどの国も同じという認識が示されております。
 続きまして、イベントへの出席などでございます。
 世界8,200都市以上が参加しております「平和首長会議」、これは広島市が会長、そして私、長崎市長が副会長を務めておりますけれども、この平和主張会議の枠組みを使いまして、今回のNPTの会議に併せて、役員都市による意見交換会でありますとか、あるいは若者を主体としたNGOサイドイベント、そして被爆の実相などを伝える「平和首長会議原爆展」を行っているところでございます。
 今回は、長崎からもナガサキ・ユース代表団、これは大学生7名から構成されておりますけども、この7名を当会議に派遣しておりまして、ユース代表団が主催するNGOサイドイベントに出席しております。帰国便の都合上、短い時間しか私自身は出席できませんでしたけれども、書道を通じて平和への思いを共有するという試みがなされており、まさに若者の発想の豊富さに感心したところでございます。
 今回の出張の総括でございますけども、核保有国間での分断が進んでおります。非常に厳しい状況にあるということを実感したところでございますけれども、他方で、意見を交わしたいずれの国からも、このNPT体制を崩壊させるわけにはいかないと。次回の再検討会議を成功に導くために、各国とも全力を尽くすという言葉を聞くことができました。
 私としては、核軍縮に関わる国際会議への始めての出席となりましたけれども、今回の訪問を通じまして、厳しい状況であっても市民社会が粘り強く声を上げ続けることの大切さ、それから被爆地として、「原子雲の下で何が起こったのか」ということを伝えるということ。人間の安全保障の観点での議論を呼びかけることの重要性。こういったことを改めて強く認識したところでございます。
 今後も広島市をはじめといたしまして、核兵器廃絶に向け行動する人々と連携を強化しながら、被爆地の役割をしっかり果たし続けていきたいというふうに考えております。
 以上が、NPT出張の概要でございます。

被爆78周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典について

鈴木市長
 最後に、本日行われました、平和祈念式典について、若干コメントをさせていただきたいと思います。
 おかげをもちまして、本日、被爆78周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典、長崎市関係者のみということになりましたけれども、市役所関係者、それから市議会関係者参列の下、厳粛な雰囲気の下で滞りなく無事に挙行することができましたこと、この場をお借りしまして、御協力いただきました方々に厚く御礼申し上げますとともに、今回、特に台風が近づいているということで、直前の会場の変更、そして式典の内容の変更となったわけでございますけれども、そういう変更にもかかわらず、例えば長崎にいらっしゃる予定だったんだけれども、もうそのスケジュールを変更していただくことに御協力いただいた皆様でありますとか、あるいは、この式典の実施に際して、いろいろと準備に当たって大変な部分があったと思いますが、尽力してもらった市職員の各位、本当に皆様のいろんな尽力があって、おかげさまで無事に挙行ができたというふうに思っております。本当に感謝しております。
 また、岸田総理大臣はじめ、来賓の皆様からメッセージが届けられまして、長崎市民を代表して感謝申し上げたいと思います。
 また、式典の中で、被爆者代表としては、「平和への誓い」を述べられた工藤武子さん、力強い発言、すばらしいメッセージをいただきました。テレビあるいはYouTubeで御覧になった方も多いのではないかと思いますけれども、胸を打ったのではないかというふうに思います。
 私自身、両親が被爆者という被爆2世でありますけれども、市長として初めての平和祈念式典となりましたけれども、平和公園でできなかったということは、これは多くの被爆者、あるいは被爆者の御家族の皆様、そして御遺族の皆様、様々な関係者の皆様とともに、いわば聖地とも言うべき平和公園でできなかったことは大変残念ではありましたけれども、これは台風が近づいている状況の中で、人命保護、安全確保を第一に考える中で、これはもう仕方がないことだというふうに思っております。
 しかしながら、そういう中で、先ほど申し上げましたように、被爆地・長崎として、「長崎を最後の被爆地に」というメッセージを含めて、この長崎から世界に向けて発信することができたこと、これが何よりも成果として挙げられるのではないかというふうに思っております。このように平和祈念式典を開催できたこと、改めまして御礼申し上げます。

市長発表への質疑応答

新型コロナウイルス感染症の現状等と市民のみなさまへのお願いについて

記者(読売新聞)
 コロナの関係で、1点。救急搬送困難事案が非常に増えているということで、適正利用を呼びかけておられましたが、具体的に、そのコロナにかかった場合、こういう症状のときは呼んだほうがいい。こういうときは呼ばなくてもいいという、何か判断の目安みたいなものはあるのでしょうか。

消防局警防課
 目安としては、まず第1に、それぞれが症状、そして発熱がある、ないにかかわらず、自分がやっぱりきついというふうな状況はそれぞれだと思いますので、そういうふうな場合は119番をしていただいて、緊急性ということを考慮していただいて呼んでいただきたいなと思っております。特に、こういうときに呼んでくださいということはないのですけども、それぞれの状況の中で必要と思ったときに呼んでいただければと思います。

海外出張(NPT再検討会議第1回準備委員会)の出席について

記者(読売新聞)
 準備委員会の関係ですが、1点。各国のその代表者と対話する中で、隔たりもある部分もあったとおっしゃってましたけど、特に市長がリーダーシップをと求めてる米ロの関係者でいうと、対話する中でどういうような反応というか、その核軍縮に向けたリーダーシップという意味では、どういう話がありましたか。

鈴木市長
 まず、ロシアに関しては、私は面会しておりません。アメリカとは面会いたしましたが、アメリカのほうが言っておりましたのは、現在やはり既に核兵器というのは存在するんだと。特に今の国際の安全保障秩序を見たときに、その国際安全保障秩序にチャレンジしようとしているロシアあるいは中国といった国があると。そういった国が現に各兵器を保有して、それを増強しようとしたり、あるいは、その使用をまさにロシアがウクライナ侵攻で使用をちらつかせて威嚇している状況にあると。そういう中にあっては、それとの対向において、自分たちがその核兵器を諦める、廃棄する、減らすということは、なかなか厳しい状況にあるということが述べられております。
 それに対して、私のほうからは、ただ今、米ロで核兵器の9割以上を保有している状況でございます。やはりその米ロの強いリーダーシップというのは不可欠であるので、その米ロ間で何とか新STARTの後継となるようなものを早期に初めていただくなど、米ロ間の交渉でこの状況を打開してほしいということを強く望んだところでございます。

被爆78周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典について

記者(読売新聞)
 今日の式典に関することで、最初にまず市長も人命を第一に考え、こういう形にしたとおっしゃってましたが、もちろんそうだと思いますけど、被爆者の中には、少しでも参加できるように何とか調整できなかったかと残念に思っている声もありました。今回のその規模縮小の程度だとか判断のタイミングについて、改めて適切だったかどうか、教えてください。

鈴木市長
 はい。今回改めまして、本来であれば平和公園で行って、そして被爆者の皆様を含め、多数の方に御参列いただいて平和祈念式典を挙行したいという思い、私自身、初めての平和祈念式典ということで、それをぜひ多くの方と一緒に平和に向けて祈りたいという思い、それは強く持っておりましたが、台風がこう近づいていると。特にその参列者の中には、遠方からいらっしゃっている方、これは各国大使も含めて遠方からいらっしゃってる方もいて、もう既に長崎に早めにいらっしゃろうとしている方もいらっしゃったという状況でございます。
 具体的には、8月6日は私、午前中は広島の平和祈念式典に参加しておりまして、それを終えてから長崎に戻ってまいりました。戻ってから、長崎の平和祈念式典をどうするかということの会議を行うということで、その8月6日の14時40分に行うということで、もう長崎駅に着いたら直行して、それで会議をさせていただきました。その時点で、正直言って、私その時点では、会場の変更はやむを得ないかなと。やっぱり雨風強い中で危険でもあるし、これはやっぱり屋内の開催はやむを得ないなと。しかし、できるだけ参列者は多く参加してもらいたいなという思いは強く持っておりました。実際に会議のときに、最初に会議の中で事務的に案として聞いたのは、出島メッセでの屋内の開催ということであるんだけれども、子供たちが8月9日の登校日が休校になるような場合には、そこは、そういう状況であれば参加は難しいよねという話は出ておりましたけど、それ以外はできるだけ参加するほうでどうかという話が最初ありましたけれども、その会議の場に気象庁の方も入っていただいておりました。県警の方も入っていただいておりました。気象庁の方から詳細に実施の9日の予報、どういう予報が考えられるかと。最悪の場合には、どういうことが考えられるかということも含めていろいろ伺いました。その気象庁の予報を聞きますと、その9日のやはり午前中、かなりの確率で暴風警報が出る可能性があるということで伺いました。暴風雨になるという可能性が高いということで伺いました。したがって、そういう状況でありますと、当然大雨もそうでございますし、そういう暴風雨、それから大雨ということに関して、その警報級の可能性があるという状況の中で、お客様を招待するということは、やっぱりできないんじゃないかと。招待者として。したがって、これは主催者のみの開催にしようというふうに判断させていただきました。
 実際に今の結果を見ると、台風のスピードがちょっと落ちていますので、そういう意味では今のところ最悪の事態は避けられてますけれども、少なくとも6日の時点の状況からいくと、9日の午前中に何らかの、その人命とか、あるいは人の安全、あるいは財産に対して具体的な被害が発生しているような、そういう状況もあり得ると。つまり、我々、災害対策本部を立ち上げますけども、災害対策本部が立っているような状況もあり得るというふうに思いました。すると、そういう状況で式典がそもそもできるかどうか。あるいは、やったとしても、お客様は少なくとも呼べないだろうということで、まずお客様の御招待はもうキャンセルしようという判断にさせていただきました。
 そうしないと、その8月6日に何でその判断をしたかということですけれども、もう既に8月6日のその広島の式典を終わって、その足で、その広島からそのまま長崎に向かう人がたくさんいらっしゃいました。実際、もう既に長崎へ向けて移動されているような人もおりましたけれども、そういう方々の動きを止めるためにも、もうできるだけ早く判断しなくちゃいけないというふうに思いましたので、これは私の判断で、もう招待者はもう呼ばないということで判断させていただきました。

記者(読売新聞)
 もう1点。先日の会見のときにもお話しされていましたが、今回実施できなかった合唱などの行事を、また別で行ったり、あるいは来られなかった首相に、例えば改めて来訪を求めて、併せて、その被爆者団体による対面での要望活動を実現させたり、そういう別日程で何かを行う、今のところのお考えはありますか。

鈴木市長
 まず、子供たちの合唱などでございますけども、子供たちも8月9日、今日に向けて、これまでずっと練習をしてきて、その成果を皆さんの前で聞いてもらうという、そういう舞台でもあったと思いますけれども、それがかなわなかったということになりますので、せめて代わりの場をつくるということで、今調整中でございます。代わりの何かのイベント、あるいは何かのセレモニーで、そういう披露の場をつくりたいと、今調整中でございます。
 それから、総理が長崎を訪問された際に被爆者の皆様と面会していただいて、そして被爆者からの要望を聞いていただくということを当初予定しておりましたが、それもかなわぬこととなってしまいました。これも、実は私、昨日、岸田総理にお電話させていただきまして、それで岸田総理とお話ししましたところ、岸田総理としても、そういう場は必要だと。ぜひ調整したいというお話をいただいております。
 ということで、今後、厚生労働省のほうになると思いますけども、厚生労働省のほうとも調整させていただいて、被爆者の皆様に、恐らく上京していただいて岸田総理に会っていただく。そういう場を設けるべく、調整させていただきたいと存じます。
 すいません。岸田総理と電話させていただいたのは、昨日ではなくて一昨日でした。失礼いたしました。

記者(読売新聞)
 それで、岸田さんが来られるというよりは、被爆者団体の皆さんが上京されて、岸田首相に直接要望、活動行えるように調整するという。

鈴木市長
 はい。そういうことになります。

記者(共同通信)
 今日の平和宣言についてお伺いしたいのですけれども、最初の起草の段階だと、G7広島サミットで出ていた広島ビジョンの成果を肯定するというか、全面的に評価するという内容を、最終的には核抑止の肯定を批判する内容になっていたと思いますけど、改めて内容が変わった経緯と、改めて今日、平和宣言を発表された思いをお伺いしたいです。
 もう1点、式典に関連してお伺いしたくて、首相のメッセージの挨拶の中では、G7広島サミットの成果を肯定して、成果を肯定する文言があったと思いますけど、今回の鈴木さんの平和宣言とは異なるというか、核抑止の批判はなかった首相の挨拶文と、ちょっと内容が異なるものだったと思いますけど、それについて、どういった御感想というか御意見があるのか、お伺いしたいです。よろしくお願いします。

鈴木市長
 まず1点目の、当初、私のその平和宣言文の案が、広島ビジョンを全面的に肯定していたというふうにおっしゃっていますけど、そこは多分認識の違いなかと思いまして、実際に当初の宣言文でも、まだ不十分だというところは指摘していたと思います。ただ、そこの指摘が抽象的で具体的ではなかったということを平和宣言文の起草委員会のほうでもいろいろ御指摘を受けておりまして、もっと具体的に、そういう広島ビジョンの足りないところですね。あるいは、そのG7広島サミットでやっぱり足りないところということについて、もうちょっと具体的に言及したほうがいいのではないかという御指摘をいただきましたので、それを踏まえまして具体的に盛り込ませていただきました。
 それから2点目ですけれども、核抑止については、いろんなお考えがあろうかと思います。ただ、我々被爆地としては、それを核抑止に頼っていては、核兵器廃絶は達成できないという強い思い、これはこの機会にぜひ発信しなくてはいけないという強い思いから平和宣言文の中に盛り込ませていただきました。

記者(毎日新聞)
 今回の、まず総理の不参加が99年以来というのは伺ってましたけど、理由というのは市のほうで何か把握されてますか。99年の総理の不参加、不参列の理由。1999年に、総理が平和祈念式典に来られてないと思いますけども。すみません。そちらの基本的なほうから。

調査課
 おっしゃっていただくように、平成11年に当時の総理が来ていないことは事実でございます。代わりに厚生労働大臣がお越しになっておりますが、その理由等については把握をしておりません。

記者(毎日新聞)
 分かりました。
 あともう1点、その関連で。60年前も台風のために場所が変更で大丈夫でしょうか。

調査課
 はい。おっしゃっていただくとおり、昭和38年に雨の影響というふうになっておりますが、現在の平和会館のほうの屋内会場で実施したという実績がございます。

記者(毎日新聞)
 岸田総理との、その被爆者4団体が面会の、詳しくお伺いしたいのですけども、岸田首相は、もう早期にその面会を希望されているという感じだったのでしょうか。

鈴木市長
 御質問ありがとうございます。
 岸田総理のほうから、具体的な時期についての言及はございませんでした。ただ、そういう場が必要だという認識を示していただきました。それで、そのための調整をしたいというお話をいただいております。

記者(毎日新聞)
 分かりました。では、これはまた、今後継続してという感じですか。

鈴木市長
 はい、継続してですね。

記者(毎日新聞)
 分かりました。以上です。ありがとうございます。

記者(NBC)
 今日は涼しいですけれども、8月9日というと暑さがものすごくて、皆さんの高齢化も進む中で、今回の出島メッセでの開催の実績が、次回以降の開催の検討に何らか影響を及ぼすことも考えられるのでしょうか。
 また、被爆80年、100年に向けて、式典のあるべき姿、何か考えておられることがあったらお願いいたします。

鈴木市長
 今回初めて、出島メッセを使った平和祈念式典ということになったわけでございます。おかげをもちまして、式典自体はもう無事に滞りなく何の問題もなく実施できたというふうに思っておりまして、そういう意味での実績ができたというふうに思っております。
 他方で、私も冒頭申し上げましたけれども、やはり平和公園という場自体は、いわば聖地といいますか、その場所に対する思いというのは、皆様、特に被爆者の皆様は特別の考えがあるのではないかというふうに思っております。また、平和祈念像の前でやるということ、これもシンボリックな象徴的な話だというふうに思っております。
 そういうことも踏まえながら、今後どうするかというのは考えていくということになろうかと思いますが、今回の実績自体は、非常に出島メッセということもまたオプションとしてあるということは我々としても手ごたえを感じることができましたので、今後また何か、こういう気象条件などで、あの平和公園で実施することが難しい、あるいは暑さというふうにおっしゃってましたけど、そこをどう考えるかということ、そこはまた改めて考えていきたいと思います。よろしくお願いします。

記者(NBC)
 あともう1点。田川元市長も立たれた場、違う場ではありますけれども、同じ平和宣言を読まれて、その点で何か思いがありましたら、お願いいたします。

鈴木市長
 はい。祖父、田川務もですね、その在任中に平和宣言を読んでいたわけでございます。それをまた孫の私がこういう形で平和宣言を読み上げさせていただく。そういう意味では、こういう、本当に御縁をいいますか、考え深いものがございます。
 これをまた、この時代に応じた形の平和宣言というところもありますので、これまでのうちの祖父に限らず、これまでのその市長が読み上げてきた平和宣言から、また今の時代の状況に応じた平和宣言文ということで、また来年以降も、その時点その時点で考えていきたいというふうに思っております。

記者(長崎新聞)
 今日の首相のビデオメッセージの中で、核兵器禁止条約と被爆体験者に関する言及がなかったですし、NPTのときも日本政府の代表からは、核兵器禁止条約への言及がなかったかと思いますが、その点について、市長の受け止めと、今後どう求めるのかをお尋ねします。

鈴木市長
 私、NPTの準備委員会の関係でウィーンに出張した際も日本政府関係者とお話しする中で、やはり核兵器禁止条約については、日本政府としての立場、従来のスタンスを繰り返されておりました。すなわち「核兵器なき世界の実現を目指す」、その目標自体は日本政府として、その目標は引き続き掲げておるし、それに向けて国際社会で積極的な役割を果たしていきたい。そういうことをおっしゃっていましたし、そういう思いも感じました。
 他方で、その方法論として、核兵器禁止条約については、核保有国が入っていないと。今のその国際情勢から見ると、ちょっとステップを飛び越えたような形になっているのではないかと。もっと段階的なアプローチが必要なのではないかというような話もございました。しかしながら、被爆地・長崎としては、やはり核兵器なき世界を実現するのであれば、やっぱりその国際的な規範として核兵器禁止条約、これが必要な国際法規範であるというふうに思っております。
 したがって、すぐにその署名、批准ということが難しくても、せめてオブザーバー参加はできないかというふうに思っております。日本政府として、オブザーバー参加もなかなか難しいという立場も、これも繰り返されておりましたけれども、ぜひ、そのオブザーバー参加して、例えばそういう条約の交渉に関する情報収集をしたりとか、そもそもそのオブザーバー参加することによって、日本政府が将来的には条約の署名、批准を目指す、あるいは、そういう核兵器禁止条約が、その国際法規範として成立するということを望むというような、そういうメッセージを発してもらうと、我々被爆地としては大変ありがたいというふうに思っております。
 そういう意味でも、今回も核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加するように求めましたが、引き続き、今度の11月の、その締約国会議にオブザーバー参加するように求めていきたいと思っております。
 それで被爆体験者の話についても、これは長崎から引き続き、政府に強力に働きかけていきたいというふうに思っております。いろんな場、あるいは、いろんなその伝えるルートを通じて、そういう被爆体験者の救済について、長崎市として、引き続き、国に働きかけていきたいと思っております。

記者(NHK)
 1問だけですけど、今の会見で、2回、平和公園は、いわば聖地のような場所というふうにおっしゃったと思いますけど、何の聖地というふうに、平和の聖地ですか。どういう受け止め。

鈴木市長
 被爆者にとって、被爆者のその思いですよね。結局、その爆心地ということですから、だからその被爆者の思い、そして平和の尊さを訴えかける取組、そういったことに関する聖地だというふうに私は理解しております。

お問い合わせ先

企画政策部 広報広聴課 

電話番号:095-829-1114

ファックス番号:095-829-1115

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(8階)

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