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平成21年度第2回 長崎市文化振興協議会

更新日:2013年3月1日 ページID:006400

長崎市の附属機関等について(会議録のページ)
 

担当所属名 

文化観光部文化振興課

会議名

平成21年度第2回 長崎市文化振興協議会

  • 日時:平成21年9月28日(月曜日)午後2時~
  • 場所:長崎ブルックホール3階 会議室1・2

議題

テーマ「環境整備」のうち、ハードの整備について

審議結果

会長
第1回協議会では事務局から今年度のテーマを「環境整備」としたいとの提案があり、フリートーキングを行ったがハード、ソフト両面からの意見があり、やや混乱した面があった。今回は問題を焦点化するということで議事を進めるため、事務局に整理してもらった。まず事務局より説明を。
事務局
「環境」として捉える範囲について、様々な視点から疑問として投げかけられた。
また、過去の文化振興協議会の協議の経過について、委員の皆様が同じラインに立って協議できるよう、過去の協議報告書を送付させていただいた。ここで過去の協議内容について、再度簡単に確認を。
(過去の協議内容及び今年度のテーマ設定に至る背景の確認)
前回の協議会で焦点が絞りにくいとのご意見があったので、まずはハード面に焦点を絞り、次の段階でソフト面などを協議できればと考えている。
会長
環境面にはハードとソフトの両面があるので、今回はハードに絞って協議を進めたいとのことだった。この流れで進めてよいか。
(意見なし)
それでは、本日どのような方向で協議を進めたいのか、事務局から具体的な提案をいただきたい。
事務局
事務局の提案として、まずハード整備の部分で委員の皆様のご意見をお伺いしたい件がある。その後、その他ソフト面まで含めて様々な本市の文化振興に向けた環境整備についてご意見をいただきたい。
(アートセンター構想について、長崎市第三次総合計画、長崎市文化振興プラン改訂版、市立美術館、専用ホール等市内文化団体からの要望等を踏まえた、一試案として素案を提示)
会長
具体的なアートセンターの整備について、協議の流れ、長崎市第三次総合計画、振興プランを踏まえた提案があった。事務局からの提案について、まずは質疑をお受けしたい。
委員
子ども向けのことが何も書かれていないが、文化振興とは人も育てる意味合いもあると思う。諫早には子どもの城という施設ができ、無料で子ども達が美術や音楽を楽しめる。長崎にはそのような場所がない。ぜひそのようなものも盛り込むべきではないか。
事務局
子どもに関する育成は非常に大事だと考えている。子ども専用とまではいかないが、アトリエなどを活用し、体験教室を開くなどして子どもに触れ合う機会を提供できればと考えている。
委員
教室ではなく、子どもが自由に遊べるスペースが欲しいということを考えている。美術などの様々な素材が置いてあり、それを見守る方がいて、子ども達が自由に楽しめる、そのような場があれば。
会長
諫早の施設はどこにあって、どのような活動をしているのか。
委員
白木峰にあり、小さい体育館や工房など、子どもが遊びながら創造的活動ができる施設。毎週イベントも行われている。
事務局長
アートセンターについては、予算的なもこともあり必要最小限のものをと考えており、そこまでのものを作るのは厳しい。今回の施設に関しては難しいが、他の市の施設でできれば。
委員
美術振興会としては、早くから市立美術館を要望していた。県の美術館は、市の美術館としては全くと言っていいほど機能していない。図書館も県立図書館があるから市立図書館は要らないのではという議論もあったが、市立としてしっかりと機能し、利用者も多い。県の美術館と市の美術館とでは目的が違うし、市の美術館としての機能は県の美術館にはない。
南部環境センターについては、美術館構想として具体的ないくつかの提言をしてきた。例えばミニギャラリー、ライブラリー機能、市の寄贈作品等の収蔵庫及び展示場所としての機能など。そして南部環境センター周辺を、旧英国領事館などの点を結び、一体としてアートロードのような趣にしてはどうかと考えている。
副会長
とても良い案だと思う。建物だけポンと建てても人は集まらない。アートロードのような形で一体的に整備すればまちづくりにもなるのではないか。美術館や音楽小ホールだけでなく複合的なものとして整備できればいいと思う。
また、公会堂をアートセンター的なものとして整備するのもいいのではないか。いろんな要素の機能が備わり、いろんな人が利用できる施設が今は必要だと思う。
委員
ハードの議論から入っているが、ソフトの話がないと成り立たないし、話が進まないと思うが、先ほどのアートロードの考え方のもとに提案されたものであるとすれば、非常に納得がいく。
議論については、まずどういう使われ方がするのか、それがまちづくりにどう影響していくのかを論じるべき。ポジショニングをきちんとしないと、建物の機能というのは議論できないのではないか。県市が持っている施設のどこが満足されていて、どこがそうでないのか、現状を分析し、アートセンターでどこを満足させるのかという議論をする必要があると思う。
会長
3人のご意見の中に重要な問題、整理すべきことがあったと思うので一度整理したい。まず市立美術館の話があったが、県の美術館に対しての市の関与とはどうなっているのか。
事務局
歴史文化博物館については県市が一緒にしているが、美術館についてはほとんど関与していない。
会長
公会堂の整備の話があった。今は改修するという考え方で進んでいるのか。
事務局
公会堂は築47年。検討懇話会からは、建物を生かして改修しながら利用するという提言があったが、現在は大規模改修の時期に来ている。しかし耐震問題があり、耐震診断をしている状況。診断の結果によっては建物に大規模な補強を加える必要性が出る可能性もある。また市役所周辺のグランドデザインの議論もあり、現在はなかなか動かない状態になっている。
会長
アートロードの話があったが、南山手界隈にはどのような施設があるのか。
委員
須加五々道美術館、旧英国領事館(野口美術館)、孔子廟など。また、南部環境センターの前に古いレンガの建物があり、有効利用はできないのかとも考えている。
副会長
私もそのレンガの建物はいい建造物だと思う。また、活水女子大学の近辺にもいい建物がある。
委員
毎年浜せんで開催している80歳以上の美術展というものがある。開催が難しくなったので止めるという話があり、申し入れをして手伝った。せっかくだから県美術館でやってはどうかという話をしたが、自分達のレベルは美術館に展示できるものではないということだった。こちらの想いと活動している人の考えにはギャップがあるように感じた。アートセンターはそのような一般の方の日常的な美術活動もサポートする機能を持つと考えていいのか。
委員
アートセンターは、地域の方々と共有・共生できる施設になると考えている。県美術館は市民のための機能はあまりしていないように感じるし、市民のためのセンターが必要。
会長
共通理解のために。旧英国領事館(野口美術館)は現在、どのようになっているのか。
事務局
旧英国領事館が非常に傷んでいるため、大規模改修が必要。野口美術館は平和会館に移設した。旧英国領事館の改修期間については10年程度かかる見込み。
委員
音楽の小ホールで言えばカナリーホールは700席程度でとてもいいホール。優秀な若い音楽家を育てるにはそれ位のホールがちょうどいいと聞いているが、長崎市内には確かにない。しかし、それを新しく建てるのは大変なのは確か。
事務局
公会堂については、耐震化工事を施す場合、ある程度狭くしなければならないということもあり、音楽、演劇専用として大規模改修できればと考えている。また、旧香港上海銀行ではピアノ発表会がよく行われているが、100から200席程度のホールは本当に少ない状況。
メルカ築町、チトセピアは500席程度で、市議会ではそこを固定席にして改修してはどうかという質問が出されたが、現状が多目的に使われているので、専用ホールにするのは難しい状況。そこで、完全な小ホールとして対応できるものができないかと考えている。
委員
南部環境センターはアートセンターの機能を充足できるスペースがあると念頭に置いて話をしていいのか。
委員
大丈夫。
会長
須加さんとはどんな人で、須加五々道美術館はどんなところなのか。
委員
長崎出身の画家。おたくさのパッケージを書いた。作品を寄贈するので、それを展示する場所を作って欲しいということでできた。大浦警察署のあたりにある洋館の1階と2階に展示してある。
委員
既存施設をどう使うかという発想と同時に、歴史文化があるエリアだけでなく、もっとラインを広く捉えてもいいのではないか。長崎を文化都市と考えたとき、いろんなところにそのような場所があって欲しい。もっと掘り下げて、使えるものがどういうところにあるのかを探ることにより、アートセンター的なものを作るにあたり、どの部分がその施設で可能なのかを整理していくと、公会堂などのように大掛かりな整備が必要な建物には最低限何が必要なのかが浮き出てくる。
また、最初から大きな建物をベースにするより、長崎の観光文化都市としての在り様をもう少しイメージ化していくと、そこから本来核となるアートセンターが一体どうあるべきなのかが導き出されるのではないか。
会長
先ほどソフトを考えながら、ハードを考えるという意見があったが、限定的なソフトに対するハードということではなく、あらゆるソフトに対応できるハードという考えでいいのか。
委員
そうだ。長崎が創造交流都市であるとするなら、長崎の通りや街がどのように機能を分担するのかを考えてもいいのではないか。ある地域はインキュベーションのゾーン、ある地域は環境のゾーン、またあるところは、例えばアーティストインレジデンスができる地域など。そして中心となる施設がどのような機能を果たすべきなのか、と考えを進めればいいのでは。
会長
機能という点で、美術の切り口から話があったが、音楽、演劇の観点からはどうか。
委員
先ほどの素案で、小舞台が付いている小ホールという表現があったが、本来は舞台と客席が半々となるような施設が理想。また、防音完備という表現については、一口に遮音といっても、内から外への遮音と外から内の遮音がある。内と外の音響環境を区別して考えるべき。
また、振動の問題もある。市民会館のように上部の体育館の振動が下のホールまで伝わるという問題が出る。
他にも空間の設計が非常に重要。仙台市の「せんだいメディアテーク」という施設は、空間設計という面で久しぶりに感動した。空間の設計の仕方によって訪れる人も感覚も変わる、そのような着想で物事を進める必要がある。
会長
共通理解のためにもう少し仙台の例を説明して欲しい。
委員
図書館や子どもが触れ合う場所もあり、多機能に耐えられる施設。仙台の並木の中にあり、その並木を彷彿とさせるような柱が館内にあり、空間設計が非常によくなされている。
会長
今の意見は新しく建てる場合の意見としての意見だった。音楽の分野ではどうか。
委員
表現の場の議論が中心となっているが、創作する場の提供も必要では。例えば施設の中に広い空間があり、そこではいろんな練習をしている。その周りにはたくさんの部屋があり、小集団の練習があっているといった場ができればと思う。
子どもたちに対しては、施設の一室にはいろんな楽器が置いてあり、そこで楽器を体験し、親しめるような場が欲しい。美術なども同じことが考えられるのではないか。
委員
個人サークルレベルでも使いやすい場は欲しい。先月広島市安芸区でコンサートに出演したが、安芸区のホールは100席程度の小さいホールの他に300から500席程度のホールもあり、普段、リハーサルも練習もできるような状態になっている。区には所属アーティストがいて、いつでもリハーサル、練習ができる環境にある。ハードとソフトの連携が非常に上手くいっていて、ハードを利用することによってアーティストが育つ環境。
また、安芸区は3団体程度を支援しており、週1回の練習場所の提供と、年に1回の発表会のため、4日間ホールを貸し出してくれる。そのようなバックアップがあることはアーティストにとっては非常にありがたいこと。そこには図書館もあり、リハーサルをしているところも自由に見ることができる。街の人たちと共生しながら、うまく育成ができているように感じる。
副会長
全国的にそのような施設が増えてきている。長崎は育むという文化が遅れていると感じる。現状で該当する施設は、ブリックホールの練習室位しかない。青少年センターもあるが、いい施設ではない。音楽だけでなく、複合的な形でアートセンターをうまく整備できれば。
委員
市内の大型公民館が2つ建て替わる予定だが、市の施設同士の連携が建設段階になさ過ぎる。公民館の建設も新世代のものを作るとなれば、今議論しているような発想があってしかるべき。公民館は生涯学習の拠点であるので少し違うのかもしれないが、中央部だけでなく住民が住む「地域」にも、そのような場所が少しずつ点在する必要があるのではないか。
委員
図書館にもホールがあるが、演奏には全然使えない。
委員
メルカ築町のホールも音響が悪い。多目的だからということだったが、音響のいい多目的ホールがあってもいいのではないか。
会長
他の委員のご意見はいかがか。
委員
ジャンルごとに考えないと話が飛んでしまうような気がする。私は仕事で美術を担当しているので美術のことでお話したい。
東山手、南山手はどちらかといえば観光者向けの施設。実際に市民・県民が使っているギャラリーは、浜町界隈だと浜せん、コクラヤ、インディーズアートクラブなど。アートセンターには、市民・県民の意識の集約拠点として機能してくれたらいいと感じる。
また、子どもたちのための機能として、福岡の藤浩さんの「かえっこバザール」をぜひそこでやってほしい。しかし、知識・経験がある学芸員の配置は絶対に必要。市が冷静な目で人選してくれると美術の面では非常にいいと思う。
委員
合併してからの南部地区は、アウトリーチなどの事業が入ってきて、確かに意識や興味は高揚してきたと感じている。
また、公会堂を使って一番腹立たしいのは控え室。控室で大正琴や三味線の調弦をする人、着替えをする人、そして食事をする人などが混在する状況になったことがあった。やはりそれぞれの機能をしっかり持った設備が必要。
会長
合併という視点からの文化的なメリット、デメリットをどのように感じているか。
委員
教育委員会や公民館などの方は、合併してから予算的な制約で独創的な仕事ができなくなったと嘆いている。活動する側としては、地域の閉鎖された環境から少しずつ外との交流ができてきていると感じている。
会長
福岡の話だが、県立より市立の方が美術館、博物館とも活動が盛んで深い。文化ゾーンという視点では宮崎市は図書館、県立劇場、美術館の3つの建物が同じゾーンに立ち並んでいて、とても進んだ発想がある。その点からも長崎は遅れていると感じる。
副会長
福岡にはあいれふホールという施設がある。200席程度。稼働率100%程度とすごく高く、音響もいい。
委員
具体的にいろんな施設を市の人にも見て欲しい。観たことからの着想というのはまた違う。
会長
市の方で見る機会はあるのか。
事務局
公立文化施設協議会などがあるので、出席の折に施設を見学できる機会がある。練習場の機能を備えた施設としては福岡のパピオビールームが素晴らしいと感じた。市内でも統廃合で使われていない学校が使用できればいいが、耐震の問題が関わってくる。
また、合併地区にはホールがたくさんあるが、ほとんど活用されていないのが現状。できればそこを活用できればと思うが、距離的にハンデがあるので、やはり中心部に必要と感じている。アーティストインレジデンスなどの取り組みもできればと考えている。練習ができて創作活動ができるものを、芸術的な南山手地区全体で洋館なども活用しながら、面的に整備できたらいいのではと思っている。
会長
公会堂に関しての補足はないか。
事務局
公会堂については、次回にでも、皆さんに資料で状況をお見せしながらお話ができればと考えている。
会長
それでは、ソフト面を考えながら公会堂というハード面を協議するのは、次回にまた焦点化して話したい。今日のポイントは、

  1. 既存施設を使った、面的なアートロード化について
  2. 施設新設問題について
  3. 公民館を例に、施設間の連携の問題について
  4. 「表現の場」としての施設整備だけでなく「創造の場」「遊びの場」の視点を持った整備について

委員の皆さんから補足はないか。
委員
ウェブサイトで諸団体の文化活動の様子がわかるような取り組みをしてはどうか。運営まで市がするのではなく、リンクだけ提供する形にすれば、あまり手間暇かけずにやれるのでは。
会長
文化施設の学芸員の問題は非常に全国的なものになりつつある。予算の制約で削られているため継続性が問題となっている。
委員
地元の作家さんが展覧会をしても見に来られない。だからいろんな人に見てもらいたいと考えて外に出る作家は多い状況。福岡の学芸員は忙しい仕事の合間を縫ってギャラリー周りをしているそうで、作家さんは良くも悪くも見てもらって感想を言ってもらえるのが嬉しいとのこと。このままでは長崎から作家がいなくなるのではと懸念している。
会長
今日の議事の内容を踏まえ、問題を焦点化して次の会議に臨みたいと思う。
事務局
次回の会議は12月を予定。日程は後日調整。
会長
これで終了します。ありがとうございました。
(閉会)

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総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1118

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