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更新日:2013年3月1日 ページID:006651
福祉保健部福祉保健総務課
平成23年度第2回長崎市社会福祉審議会 高齢者福祉専門分科会
平成23年7月28日(木曜日)午後3時~午後5時5分
長崎市消防局庁舎5階講堂
事務局
分科会の成立要件である過半数を満たしているので、本日の分科会が成立することを報告。
事務局
1.第4期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画における計画値と実績値の比較(平成21年度~23年度)について、(1)~(3)を会議資料に基づき説明
委員
要支援・要介護認定者数の計画値において、要支援1の計画値に対し実績値がそれほど伸びなかった理由はどう考えているか。それと訪問看護、訪問リハの実績が伸びているが、数はそれぞれでカウントしているのか。
事務局
認定者についてだが、計画値と実績値の比較で重度者が伸びている印象であったが、平成21年度と22年度の比較として、全体としての認定者の伸びの実態は、そのまま軽度者の伸びであった。
事務局
訪問看護と訪問リハはそれぞれ別にカウントしている。
委員
訪問看護の形で伺って訪問リハを行っているケースもあるので、実態としての訪問リハの伸びはもっと大きいと考えられる。
委員
24時間訪問介護・看護の複合型サービスが創設され、それは要介護3以上の中・重度者を対象としている。また、訪問リハが伸びてきている実態に対して、供給が間に合っていない状況がある。理学療法士の育成や広報など行政側で何か対応を考えているか。
事務局
現時点では特にない。
委員
認定者数について、平成23年度の実績値は5月末までの実数なのか。それと要支援1は計画値の伸びる見込みに対して実績は年ごとにマイナスであるが、どのような試算であったのか。
事務局
23年度の認定者実績値は、5月末時点で26,271人いらっしゃったということである。要支援1の増加の推計に対し、実績としては減少していることについては、介護予防事業に参加いただいたこともあり、思いのほか結果として認定者が伸びなかったということだと考えている。
委員
今後在宅での取り組みが重要になってくるということで、訪問リハステーションを想定し、昨年から理学療法士、作業療法士といった現場の専門職を対象に講習会を実施している。
事務局
1.第4期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画における計画値と実績値の比較(平成21年度~23年度)について、(4)、(5)を会議資料に基づき説明
委員
先週厚労省の方で、次期の介護報酬は小規模多機能と24時間対応型の訪問介護・看護のみ上げるという話があった。ということは、その他のサービスは下がるということになりそうである。心配なのはそれぞれの小規模多機能の運営母体がしっかりしているかということ。その点は行政も我々も配慮しないといけない。
ところで認知症グループホームは国の方針として平成25年までに1.5倍増設ということがあるようだが、市としては対応をどう考えるか。
事務局
日常生活圏域ニーズ調査の結果とこれから実施する予定の介護サービス事業者の意見ヒアリングに基づいて、整備の方向性についての基本的な考え方を定めていきたいと考えている。
委員
今回の5期で特徴的に思われるのは、それぞれの特色ある小規模多機能を推進していく点である。例えば医療中心にターミナルケアをやっていくところもあれば、いわゆる宅老所的機能を中心にするところ、また、あるいは高齢者専用賃貸住宅に併設というように機能が分化していく。日常生活圏域ニーズ調査から明らかになる部分だと思われるが、単純にグループホームや小規模多機能というように分けて考えるのではなくて、機能分化の側面から地域に必要な機能はなにかという視点で方向性を検討すべきではないかと思う。
委員
保険者機能の強化ということで、国、県で決めていた内容の裁量が市にまで降りてくるので、その点も踏まえて検討する必要がある。またグループホームはあくまで認知症の方がベースなので、今のような形では増設の認可はできないと思う。
事務局
1.第4期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画における計画値と実績値の比較(平成21年度~23年度)について、(6)を会議資料に基づき説明
委員
介護予防事業はいろいろ種類があるが、一人がいくつも受けている場合、それぞれで計上しているのか。
事務局
それぞれで計上している。一人が複数のサービスを受けるケースが多いが、利用実人数としては380~390人くらいになる。
委員
表として項目を分ける意味があるのかという気もするが。作り方については工夫してみてほしい。
事務局
1.第4期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画における計画値と実績値の比較(平成21年度~23年度)について、(7)を会議資料に基づき説明
委員
がん検診50%達成は何年までが目標となっているか。達成できそうか。
事務局
平成26年までである。いろいろな機会を捉えて告知していかないと到底達成できないと思う。
委員
長崎は全国で10位に入るくらいがん死亡率が特に高い。早期発見による早期治療で死亡率をできるだけ下げようという取り組みであると考えている。
特定健診についてはどうか。
事務局
コールセンターを利用して未受診者への受診勧奨と、併せてがん検診のお知らせをしていこうと考えている。
委員
特定健診については国民健康保険課所管とのことだが、受診率によるペナルティがある。受診率が目標値を割ると高齢者への補助が削られるというもの。そういう意味で、委員の皆さんには団体を通じて受診についての広報をよろしくお願いしたい。
1-2.の参考資料については各委員既に読まれているかと思うが、重要なデータであるので、よく目を通しておいてほしい。
事務局
2.介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の概要について会議資料に基づき説明
委員
日常生活圏域ニーズ調査だが、回収率は。
事務局
平成23年7月27日付で8,150通、約74%である。
委員
状況把握も重要な情報なので、未回収者の分析もお願いしたい。
委員
日常生活支援総合事業であるが、実態として長崎市ではボランティアの体制も十分ではないと思う。長崎市としてはどのような考えがあるか。
事務局
日常生活圏域ニーズ調査の結果から明らかになる部分もあるかと思うが、高齢化率が高いところ、団地や斜面地などいろいろな地域特性に応じて実施されるべき。そのためニーズ調査の結果を踏まえて日常生活支援総合事業の組み立てをしていく必要がある。場所によっては隣の圏域からのボランティアであったり、すこし広域での支援活動というものも視野に入れていかないといけないと思う。
委員
ボランティアとしての人員確保についてはどうか。
事務局
介護予防ボランティア養成とふれあいサロンでサポーター養成をしているが、なかなか右肩上がりというようにはいっていない。広報活動も不十分なところはあると思う。まだ若い団塊の世代を地域貢献の生きがいづくりの一環として取り込んでいきたい。
委員
純粋なボランティアもあると思うが、資料にあるように何らかのインセンティブを与えるということも考えられる。この資料は市においても実施するということか。
事務局
資料自体は国作成のものであるが、資料に示されている取り組むべき項目については、既に長崎市として実施しているものが含まれており、また先ほどお話のあったボランティアポイント制については、今年度実施に向けて準備中である。そういったものを上手く組み合わせていければと考えている。
委員
会長のお話にもあったように、国は複合型小規模多機能と24時間対応型訪問介護・看護を進めていこうとしている。かつて長崎市で夜間訪問介護がうまくいかなかったのはニーズがなかったから。今回はニーズを調査結果から汲み取る必要がある。その上で地域をそれに合わせて変えていくのか、サービスの方を合うようにしていくのか。今後インセンティブとして補助をつけたりという形で国から方向性が示された時に、示されるままに整備していくのか、ニーズからみたあるべき姿に沿って整備するのかというのは考えるべき大きな問題だと思う。
事務局
24時間対応型訪問介護・看護に関連して、夜間訪問介護が順調にいかなかった理由であるが、ニーズに合わせるのか、制度を確立するのかという委員の発言趣旨であったと思う。事業者はインセンティブがないとなかなか実施できない。夜間訪問介護が成り立たなかったのは利用者がいなかったからというのが非常に大きい原因である。24時間対応型訪問介護・看護のインセンティブについては、未だ厚労省が詳細を示しておらず、秋口以降になると思われる。事業者にはきちんとした形で説明し、日常生活圏域ニーズ調査の結果を踏まえた上で、方向性を決定したいと思う。
委員
24時間対応型訪問介護・看護であるが、重度中心の事業、ということは要介護度3以上を対象としている。ところで具体的な例として、国は医療報酬を上げているというのだが、利用者がない分野についてのみ上げて、利用頻度が高いものは下げている、というように実情と乖離している。そういう意味から考えると、24時間対応型訪問介護・看護は現実的には難しい制度であると思われる。あるモデル事業では対象者が最低20名から40名いないとペイできないという結果が出ている。しかも職員が最低10人も必要。もしやれるとすれば、サービス付高齢者住宅の併設としてであろうし、そちらの方が手っ取り早い。
そうなると、これは中小規模の事業者では実施できない。全国規模の企業でなければ難しい。これは中核市として市が主体的に認定していくわけであるから、そういうところも考慮して検討してほしい。
委員
地域包括支援センターは地域包括ケアシステム上重要な位置を占めることになる。そこでその機能強化についてだが、現在は委託先法人に丸投げになっている。単年度契約になっているそうだが、今後契約仕方や人員配置等をどのようにしていくつもりか。
事務局
単年度契約というお話があったが、単年度で成果が出せるような内容ではないので、基本的な考え方は長期随意契約である。また専門職の人員配置については、国の基準に基づいてそれぞれの法人に3人以上の配置を求めている。運営方針については、センターに研修会や運営協議会を通じて市としての方針を伝えている。またそれぞれのセンターについて年間事業計画と事業評価を実施している。
ただ、現在の15か所で地域に十分入り込めているかという問題はあるので、対応としてセンター数を増やすのか、人数を増強するのかということをこの審議会でも検討いただきたいと考えている。しかしながら創設から6年経って業務が落ち着いてきたという印象もあるので、センターの職員と協力しながら地域ネットワークの構築に努め、相談業務にも一層取り組んでいきたいと思う。
委員
地域包括支援センターの委託費が地域の高齢者数に応じて支払われていると聞いているが、斜面地など地域によって環境が異なるので、その点も反映してほしい。
事務局
委託料の算定については、高齢者数だけではなくて、地域の広域性や介護認定者数、離島であるなどの条件も勘案しながら積算しているのでご理解いただきたい。
委員
それではそれぞれ委員の意見を聞きたい。
委員
老人クラブとしては、介護のお世話にならないための、いきいき体操普及やゲートボールのような取り組みを重点的に実施している。
委員
元気な高齢の方によるボランティアのようなことは考えられないか。
委員
社会奉仕活動として清掃活動であったり、小学生とのふれあいといったことを実施しているが、老人クラブ自体の高齢化もあり、いわゆるボランティアということをお願いできる状況ではないという気がする。
委員
個人的には軽度の障害者施設の応援をしている。団塊の世代の知り合いの中で有償ボランティアみたいな社会貢献ができないかという話題がでたこともあるが、あまりそういう分野を知らない方にとってはNPOみたいなことには身構えてしまうところがあると思うし、ボランティアのみを求められるのは難しいのではないか。
委員
住んでいる地区にコミュニティセンターが整備されているのだが、なかなか具体的な活動が伝わってこないこともあり、活性化するにはどうすればよいか考えているところ。広報などもされているとは思うが、高齢者がそういう施設や行事を知る機会がもっとあればと思う。
委員
行政がする広報にも限度があると思うので、各委員がそれぞれの地域で広報に協力してもらえたらと思う。
委員
個人的な見解として、住んでいる地域が不便なところにあるのだが、近くに老人ホームがあるので、施設を知り、できるだけお話し相手になったりということができれば有意義ではないかと思う。
委員
災害弱者など高齢者に関する情報管理が縦割りになっていて、共有が上手くいっていない印象である。いざ災害になった時に活用できるように、今の時期に仕組みづくりについては考えてみるべきではないか。
委員
ふれあい食事会のボランティアとして参加しているが、この10年メンバーが変わらず高齢化と減少が進んでいる。高齢者が引き籠らないようにふれあいサロンの企画などもしているが、予算も十分でなく、厳しい状況にある。資料にあるような地域での助け合いのボランティアは現実的には難しいのではないか。
また、特養などの施設整備について、保険料を上げないようにするには新規整備は難しいとのことだが、このまま待機者が増え続ければ制度的に限界がくるのではないか。どこかで介護保険を根本的に見直す必要があると思う。
委員
高齢者すこやか支援課と連携を取って、高齢者向け服薬教室と在宅患者さんのフォローアップをしていきたい。
委員
老人クラブの数が減ってきているとのことだが、クラブとしての魅力が少ないのではないか。PRを強化するのか、いずれにせよ高齢者を活気づける活動が必要。
また、一人暮らしの高齢者が増えてきているので、その方々が連携を取って寂しくない生活、お互いに助け合う雰囲気づくりができるような仕組みづくりも必要。
特養待機者の解消であるが、依然として待機者が多い現状をどのようにしていくつもりか。
委員
特養の整備については今後行政から示してもらう予定であるので、ご了承いただきたい。
委員
青年会議所としては、現状、青少年育成などの事業は行政とともに取り組んでいるが、高齢者向けの事業というのはこれまで実施したことがない。何かしら地域の高齢者のためにお役に立てないか、行政と連携できるようなことを考えたい。
委員
高齢者一人暮らし対象の食事会を実施していて、その際は地域の小学生とのふれあいの場を設けている。個人的には、一人暮らし高齢者の多い地域に住んでいるので、声掛けを心掛けている。
委員
資料にかかりつけ医、在宅療養支援診療、訪問看護などの記載があるが、今後こういったもののニーズは膨大に増えると思う。全国で看護師の80%は病院や診療所勤務であり、それ以外の訪問看護などの数や役割の整理というのは看護協会においても課題であると思うので、行政とも協力したい。
委員
長崎においてボランティアというものは、なかなか正確なところが理解されていないのではと思っている。行政がボランティアの意義を知らせていく必要があるのではないか。自分から無料ですることがボランティアと思われているが、ボランティアというのは空いた時間、空いた身体を誰かのために役立てようというもの。決まった時間に協力できないとかえって迷惑がかかってしまうと遠慮されがちであるが、自分の時間は最優先にしてもらった上で協力してもらえればいい。そういう意義をもっと知ってもらう必要があると思う。
委員
資料中の、地域全体で高齢者の生活を支える総合的で多様なサービスの部分に関連してであるが、民生委員を父の時代から引き継いでやっている。ただ行政から委託される業務が多く、ボランティアのために割く時間がない。高齢者を支えるべき地域の住民自体も高齢者が多い。また団塊の世代が増えるとはいえ、民生委員の引き受け手が少ない。その点配慮してほしい。
委員
行政にしかできないこととして、情報の拠点を設けてほしい。地域にひとつ、それは地域包括支援センターなどであってもよいと思うが、拠点を設けること。
もう一つは、インフラの整備。公民館などがなかなか使えないということがあるので、高齢者が外に出ていける場所を作ること。さらには世代間で交流できるような。そういった場所をどのようにつくっていくか。
最後に地域の組織づくり。自治会、老人クラブなど、地域にはいろいろ組織があると思うが、それらの横の連携がとられていくことで、包括ケアにつながっていくのではないか。
委員
有効な制度であると思うので、ボランティアポイント制度については前向きに取り組んでほしい。
高齢者が集える場所の話が委員からも出ていたが、ふれあいセンターだけでなく、地域のサロン事業や空き家対策事業も活用できるように、情報を積極的に公開してほしい。
介護報酬が上がらない中で事業者も苦労しているので、介護従事者の労働条件の改善に協力してほしい。
委員
第5期の予算はどのように考えているか。
事務局
5期については今のところまだ計算していない。ニーズ調査等がまとまってからであると考えている。4期については今年度分が約350億になりそうである。給付分だけだと約330億である。
委員
地域包括ケアシステム構築に向けて、市独自予算というものもでてくると思うので、そのあたりも検討してほしい。取り崩しだけで賄えるものかどうか。
それではこれで閉会としたい。
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