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更新日:2014年2月24日 ページID:025134
原爆被爆対策部調査課
平成25年度第1回 長崎市原子爆弾放射線影響研究会
平成25年12月16日(月) 13:00~14:40
長崎市役所本館3階 第二応接室
(1)会長選出
(2)援護行政の課題説明
(3)会議の運営について
(4)次回開催について
開会
1 委嘱状交付
2 副市長挨拶
3 委員紹介
4 事務局職員紹介
5 議題1.会長選出について
・委員の互選により会長が選出された。
6 議題2.援護行政の課題説明について
事務局より説明
主な質疑応答
1.被爆地域の拡大是正について
(会長) 資料に基づいて、これまでの歴史を説明いただいたが、重要な調査として、平成2年のプルトニウム調査の説明をいただいた。この調査は土壌汚染は確認されたが、人体への影響については、線量が低いという結果であり、白血病などの誘発の係数も低いという結果だった。そこで、市の方では方針を変えて、精神的な調査を行った。私も精神的調査には参加をした。科学的調査として認められたが、被爆者健康手帳が交付されたわけではなく、被爆体験者精神影響等調査研究事業が実施された。
(委員) 資料に「被爆地域拡大要望地域の最大被曝線量は2.5センチグレイで、発がんの過剰相対リスクは白血病で0.13、白血病以外の全ガンで0.01程度である。」と記載されているが、これは、実際に住民の健康調査をしたのか。
(会長) これは計算上ということ。原爆被爆者の調査で過剰相対リスクが分かっているので、それと比較して0.13ぐらいということ。これは住民の健康調査がプルトニウムの汚染地帯でやられているわけではなく推計しているということ。この報告書の原本とか元になった測定データを見直すことも大事であると考える。
(委員) 広島の場合は、おおざっぱに同心円状に考えられているが、長崎の場合は、地形の関係上いびつになっているわけだが、マップに沿った線量のデータというのはこの会に提示していただけるのか。
(事務局) 提示可能である。ただし、人体への推定線量ではなくて、プルトニウム調査で行った70地点の測定値のマップの資料となります。会長がおっしゃったようにプルトニウム調査では健康調査までは行っていないので、そのあたりはご理解いただきたい。
2.原爆症認定制度について
(会長) 長崎県内で長崎市以外の被爆者数は。
(長崎県) 15,000人くらい。
(会長) 健康管理手当受給者は、原爆放射線障害が明らかでない場合を除くとなっているが、放射線誘発が明らかなという規定になっていないのはなぜか。
(事務局) 健康管理手当は、放射線起因性がまったく関係ないという場合は該当しないが、それ以外については広く対象にするという趣旨のものである。
(委員) 原爆症として積極的に認定する範囲については、労災での規定と比べてどうなのか。
(事務局) 労災基準を承知していないので、次回の会議で資料として提出したい。
(会長) 放射線起因性が認められる心筋梗塞、あるいは甲状腺機能低下症。放射線起因性が認められるというところが外されたのではなかったのか。
(事務局) 資料記載の基準は、今現在の基準。それで、今、見直しがされる中であり、この「放射線起因性が認められる」という部分が外されるような案が出されているというところである。厚労省の方で新しい基準の案を示しているという段階である。
正式なものが出たら、こちらの方にもお出ししたい。
(会長) 3.5キロというところがもう一つ大きなところであると考える。実際に線量はあるのか。DS02ではどうか。
(事務局) 科学的部分については、次回お出ししたい。
(会長) 未指定地域で、25ミリシーベルトという結果が出て、3.5キロ付近では1ミリシーベルトくらいということではるかに小さい。矛盾している部分もあるのも事実。そこら辺を十分検討していかなければならない。
(委員) 3.5キロは1ミリシーベルトに近いという正式見解が出ている。資料で読んだ記憶がある。
3.放射線被爆の遺伝的影響について
(会長) 両親が被爆者で、線量が分かっていないと研究が成立しない。線量が分かっている被爆者の集団、いわゆる放射線影響研究所のLSS(寿命調査)集団が約8万人。その方の子供さんたち、追跡調査をしているという説明がさきほどあったが、現在のところはっきりした証拠がつかめていないというところである。このあたりは、まだ遺伝的影響がないと断定はできないという状況である。
母集団が約1万人くらいで、現在も調査が継続されているところであるが、被爆二世の実数は、長崎市は把握しているのか。
(事務局) 把握できていない。
(会長) 過去に長崎大学原爆後障害医療研究所(原研)がアンケート調査をやっているようだが。
(委員) 昭和47~49年にかけて、被爆者の世帯の子供の調査をやっている。たしか5万人くらいだったと思う。1年目が近距離で、2年目が少し伸ばして、3年目が入市みたいな形で広げていっているようである。原本は原研が保管している。
(会長) 広島の方はいかがか。
(委員) 調査に基づいた線量データベースがあって、それを用いた遺伝の健康影響について少しある。さきほどの原研の調査結果は報告されているのか。
(委員) 長崎市に提出している。
(会長) 対象になる方が何人いるか分からないという状況で、しっかりした調査がなされていないという状況のようなので、遺伝的な影響については、ここをスタートにおいてみてはいかがか。
今すぐに結論がでるような研究ではないが、委員の皆さんは情報収集していただければと思う。
これまでに、二世に影響があるというのは、動物実験に限られており、それも動物の種類によって違うということを聞いたことがあるがいかがか。
(委員) マウスの実験で結果がある。それは動物の種類によって影響が違うという結果であった。
(会長) 人体へはどうかというところが大きなテーマである。研究が進められているので、知見を収集していくことができればと思う。
まとめ
(会長) それでは、振り返って第1課題から第3課題までに対するこの研究会の進め方について、委員の皆様からご意見を伺いたい。
(委員) テーマが多岐にわたっているので難しいが、これまで、二世の集団が確定していなくて、ぜひ集団を固定して進めていければと感じている。
(委員) どういった形で進めていくのかもう少し細かく決めておいたがよいと思う。委員の方で、宿題のような形で調べておくことがあればなど。
(委員) 3つのテーマ課題については、得意なところと不得意なところがあって、過去のデータを見ていくということも大事であるが、新しいデータも公開できる範囲で集めていきたいと思う。
(委員) 被曝線量の評価について、いくつかデータがあるが、その解釈のところで混乱が生じているところがあるので、そこをフラットにして、どういう解釈ができるのかといういろんな可能性を出し合うということ、それから、外部被曝、内部被曝、初期被曝、残存被曝、ある程度きっちり分けて、データを評価していく必要があると考えている。
(会長) 残留被曝は、新しい知見はあるのか。
(委員) 今の所ない。
(委員) 今まで明らかにされたデータをもう一度きちっと評価するということは、まず基本として大事である。そのうえで、今後どういうデータが必要であるかということまで議論できたらと良いと考える。
(会長) 原爆後からのかなり古いデータにもう一度光を当てるとか、じっくり検討するとそこから、気づいてなかったデータなどを見出す努力をすると、そういうことから始めたい。
そして現在も行われている研究、知見などを可能な限り収集していって、この3つの課題の問題点の解決に向けて、この研究会なりのある程度の方向性を見出していきたい。
それでは、宿題というか、先生方お一人おひとり得意の分野というのがあろうかと思うが、3つの課題に関しては、皆さん共通して宿題としてとらえていただいて、まずは早速過去のデータを収集していただければと思う。
その都度、進捗状況は私にお知らせいただき、この会をどのくらいの頻度で開催するかということもあるが、皆さんお忙しいから、ある程度の間隔を置きながら、まとまりがある部分が出てきたところで、進めていきたいと会長としては考えている。
7 議題3.会議の運営について
・事務局より説明
・会議は原則公開とすることについて承認が得られた。
主な質疑
(会長) 必要な研究論文などは、独自にリストアップしていただいて、それを私の方に送っていただきたい。重複などあるかもしれないので、自分はこれを担当したいというのは印をつけていただきたい。
それから、論文等の概要は、英文の場合などは特に、日本文で概要を作っていただいて提出していただき、行政にまとめて提出すると、それを資料としてまとめて各先生方にお返しするということを、次の会から順次やっていこうと考えている。
ぜひ、網羅的にということを念頭においていただいて、特に先生方のご専門は念入りにやっていただければと思う。
8 次回開催について
・3月中に開催することで承認が得られた。
閉会
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