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更新日:2015年12月2日 ページID:027819
企画財政部 都市経営室
長崎市総合計画審議会 第1部会(交流と平和)第3回会議
平成27年8月12日(水曜日) 10時00分~12時10分
長崎市役所本館地下1階 議会第1会議室
1. 基本施策A5「国際性を豊かにします」の評価
2. 基本施策B1「被爆の実相を継承します」の評価
■議題1 基本施策A5「国際性を豊かにします」
〔基本施策主管課説明〕
【委員】
A5-1の地球市民ひろばの利用者数の減少の根本的な理由は何か。
また、フェイスブックが4ヶ国語で運用されているとのことだが、どのように周知して、どのような活用がなされているのか。
【担当課】
地球市民ひろばの利用目的の一番はパソコンの利用であったため、スマートフォンの普及等で減少したと分析している。
フェイスブックは同じボードに4ヶ国語で発信しており、転入の時に市民課でA4のペーパーでお渡ししている。市民からの書き込みはあるが、運用規定によりコメントを行っていない状況である。
【委員】
フェイスブックでやり取りがなされていないようだったので、ホームページ上でコミュニケーションが生まれるように、それぞれ独自のページがあった方がいいのではないか。
【担当課】
フェイスブックは同じページで4ヶ国語表記しており、内容によっては日本語のみの表記もある。ページを別々に制作することも検討したが、作業量や内容のバランス等から1つのページを4ヶ国語表記とした。
【委員】
地球市民ひろばの利用者の減少は場所が不便であることも理由かと思う。講座も面白いがわざわざ行かないため、普段使いにはならない。中心部にもってきてALTの交流の場にしたり、観光案内所の側において外国人の対応もできる場にする等の工夫をしてはどうか。
【担当課】
地球市民ひろばの利用者にアンケートをとっているが、ご指摘のように場所がわかりづらいとの意見はある。移転も考えたが、中心部ではコストの問題などもあることから、中長期的には市庁舎の建替えの時も含めて検討したい。
【委員】
今後の取組方針にクルーズ船への対応に関する記載がない。具体的にどのようなことを考えているのか。
【担当課】
クルーズ船への取組みとしては、見送り時に子どもたちが名刺や折り紙を渡し、会話をするという取組みを小学校2、3校で実施している。今年は約150隻の入港が予定されているが、言語的に欧米系でないと難しいこと、また、出入国の手続きで時間が限られていることから、可能な日を早く確認して学校と調整している。また、修学旅行の受入れについては基本的に受けることとし、市内の学校と交流している。
【担当課】
クルーズ船の出港見送り時に名刺の交換や吹奏楽の演奏を行っている。また平成26年度は図書館船ロゴス・ホープ号の見学やアジア各国の修学旅行生と市内小学校の交流を実施した。
【委員】
留学生の観光施設の入館料の免除を行っているが、文化施設では行っていないのか。また、どのような形で確認しているのか。民間の施設についても行政が負担して減免をしている自治体は多いが民間の施設への対応はどのように考えているのか。
【担当課】
文化、観光施設すべてを対象としており、在留カードで集計している。民有の施設については現時点では検討していない。
【委員】
クルーズ船については欧米人中心からアジア人の来航が増加し、また、留学生も国籍が変わってきている。国民性が違う中で住民と共生するには相互理解が必要となる。今後の動向変化をどのように捉え、どのような対象にどのように対応していくか等検討されているのか。
【担当課】
留学生については、ベトナムが増加し、中国が減少している。日本企業のベトナム進出で日本に目を向けたという理由が考えられる。大学や専門学校に話を聞くが、動向はなかなか定まらない。今後話を聞きながら対応を考えたい。住民との共生の面では、例えばごみ出しでトラブルがあったが、ベトナム人留学生にごみ分別のチラシを作ってもらったり配布したり、ごみ処理場の見学や分別の説明も行っている。
また、最近では三菱の大型客船建造でエストニア等様々な国から外国人が住んでおり、現在の外国人登録は約4,400人で最多となっている。動向をみながら対応を考えたい。
【委員】
地球市民ひろばは、ICT革新で必要性が薄いと考えるのか、もしくは交流の場として作っていきたいのか、政策の方向性をどのように考えているのか。長崎は外国人の受入れはうまいが、交流につながっていないのではないか。また、日本語講座について学べる場というのも必要ではないか。
【担当課】
地球市民ひろばの利用者の構成はパソコン利用者が大きかったが、今後は市国際ボランティアや国際交流団体など、基本的には国際交流の場にしたいと考えている。国際交流団体が会議スペースを月に2回しか使用できないルールを廃止する等の見直しを行い、利用促進のチラシを配布している。また、日本語講座の初級編を実施しており、その後は民間で講座を実施しているので、そちらにつなぐようにしている。
【委員】
国際交流が一番の目的であれば、やはり使いやすい場所にあるべきで、団体が窓口になるのではなく、一人ひとりの市民が使いやすい場所であるべきと思われる。ランニングコストの話があったが、出島や洋館の活用等、工夫することが大事だと思う。市民と世界との交流促進を実践できる場所を作ってほしい。
【担当課】
交流の場として機能する場にもっていきたいと考えている。洋館を活用するのか、広場をなくして移すのか、どのような方法がいいのかも含めて検討したい。
【部会長】
ひろばは目的をもって行く場所として成り立つと思われる。日本語講座の初級、中級等、システム的に教育する場としての観点もあるし、市民と外国人がふれあい、双方の文化を知る場としてカフェ的なものとしても考えられる。市民団体が運営するのであれば一番よいパターンであるが難しい場合は、行政が提案することも選択肢ではないか。
【委員】
本施策において、国際性をどのように捉えているかが重要である。国際感覚豊かな子どもたちを育てる施策を推進するには、国際課としては更に学校教育、大学等との連携も重要になる。子どもゆめ体験事業において、長崎の子どもたちをライデンへ派遣しているが、長崎の子どもたちはどれだけ長崎の歴史や文化を理解して、伝えているのか。
異文化理解教育においては、相手の国のことを知るとともに、自分の国の地域の歴史や文化をよく知り、伝えることが重要である。語学力、国語力、伝える力が必要である。その際、語学力が必要であるが、伝達手段としての語学の巧拙ではなく、伝える内容とその質が重要である。そのためにも歴史や文化等の教養と見識、国語力(コミュニケーション能力)を養うことが求められる。そうした点で、長崎市としてはどのような教育を行っているのか。
【担当課】
多文化共生や異文化理解には子どものうちから理解し、自分たちの文化等について伝えることができることが必要で、そのために体験に力を注いでいる。外国文化体験出前講座も取り組みやすいように、衣食住、遊び、料理等の身近なメニューを作っており、今後も成果指標である出前講座の参加者数を増やしていきたいと思っている。
子どもゆめ体験事業についても、参加にあたっては事前に研修を受けてもらい、長崎の成り立ちや平和等学んでもらって、派遣の主旨を最大限理解させるように努めている。今年はセントポール市へ日本初の姉妹都市提携60周年を記念して、子どもたちを派遣することとしている。現地では長崎市との共催で原爆展を開催する等、相互理解を促進する取組みを予定しており、子どもたちには外から長崎を見てもらい、長崎に帰って発表してもらうこととしている。
【担当課】
出前講座については毎年校長会で説明しており、また、毎年5月には教員を対象とした国際理解教育研修会を開催し、今年は国際交流員に講師をお願いし、出前講座の内容等について説明をいただいた。子どもゆめ体験事業については、毎年10、11月にスピーチコンテストを開催しており、ゆめ体験に参加した子も発表している。歴史教育、国語教育については、平成18年の教育基本法の改正において、伝統文化の理解促進も盛り込まれており、長崎市国際理解教育推進プランにおいて、めざす子どもの姿を明記している。このプランをもとに、市内の全小中学校において国際理解教育推進全体計画を作成している。
【部会長】
ゆめ体験事業の応募倍率は高いとのことだが、参加者の選定にあたっては、日本人としての素養や日本文化を学ぶ姿勢等を考慮しているのか。教養的な部分も必要ではないか。
【担当課】
一定の求める人物像を設定しており、積極性、協調性、コミュニケーション能力としている。
学校での成績は求めておらず、参加したことで何をしたいかについて作文や面接を行い、面接では問いかけに対する理解度を見ている。
【部会長】
本人が持つ文化への理解等で交流の質が違ってくると思われるため、それを表現できるような人物像を採点の要素にいれることも検討されてはどうか。
【委員】
英語の学力向上のためにALTを配置しているが、県基礎学力調査(中学校英語)について、昨年度の目標に達せず、県の平均よりも低かったということか。
【担当課】
その通りである。英語教員のスキルをあげることも必要と考えている。中学校2年生は全国平均より高かった。
【部会長】
施策を打った時に、どんな効果や反応があったかについて、何らかの形で現れるとよりわかりやすい。対象が多いと難しいが、聞き取りなどの結果をもとに定性的な成果も盛り込んでほしい。
【部会長】
基本施策の評価Ccについてご意見はないか。
【委員】
いろいろ取り組んでいるなかで、Ccはあまりにも自己評価が低いため、ランクをあげてもいいのではないか。
【委員】
説明をいただいていろいろな成果がわかる。数値だけでは難しい。基準を決めて評価していることと思うが、いろいろ取り組みをされているので評価のランクをあげてもいいのではないか。
【委員】
留学生数の増減でこの施策の評価を判断するのはおかしい。国際交流の目的は何なのか。留学生の増減では現せないため、指標自体にも問題がある。定性的なものが重要である。
【委員】
同感であるが、平成27年の見直しはできるのか。来年の評価においてまた同じ問題が生じる。
【事務局】
環境の変化等により目標値の見直しは可能である。ただし見直しの理由を付す必要がある。また現在の指標で不十分な場合は、補助代替指標を追加するという方法もある。
【委員】
我々の時代は国際化という考え方はなかった。今はよくやっていると思う。
評価のランクづけ自体が大づかみで問題があるのではないか。
【委員】
Cは評価のしくみ上のことと思われるが、施策において何をしてきたか客観的事実を十分に盛り込んで、市民が見たときに十分に取り組んでいると理解できる内容にすることで、Cbとすることが適当ではないか。
【部会長】
皆さんのご意見を踏まえ、外部評価においてはCbが適当ではないかと意見する。
■議題2 基本施策B1「被爆の実相を継承します」
〔基本施策主管課説明〕
【部会長】
新たな指標を追加した場合は、いつから追加したかわかるように記載をお願いしたい。
【委員】
原爆資料館のリニューアルについては、平成26年度に準備して、平成27年に完了すると聞いているが、その成果は現れているか。また、原爆遺跡について、史跡指定をめざしているが、被爆物と文物(永井博士に係る物等)をセットで世界遺産登録をめざしてもいいのではないか。
【担当課】
平成26年度は展示室の整備のための実施設計と、取組概要に記載の各種整備を行っている。平成27年度は実施設計に基づいた改修を来年3月までに行う。8月9日までにファットマンの色を黄色に塗ったところであるが、その他、機器のデジタル化を図るとともに、米国国立公文書館の資料を展示しやすいように、写真・動画展示ができる整備も行う。
【委員】
若干な改装にしか思われないが、どういうストーリーやコンセプトで展示をするのか、その点をお尋ねしたい。
【担当課】
平成26年度はハードまわりを整備し、平成27年度は展示のなかで8月9日をどう伝えるかを念頭に置いている。特に長崎は広島と比べて、8月9日11時2分の認識が少ないということがわかり、展示の導入部分でそれを印象づけることとしている。
また、館内を明るくしてほしいとの声もあることから明るく見る環境づくりも予定している。
館内の導線は変えられないことから、デジタル化で1つの面でたくさん見せることとし、情報も順次追加できるようにする。
被爆遺構については、学術的な価値づけを図るため、現在国の指定文化財登録に向けて取り組んでおり、世界遺産は評価する対象が異なるため、現時点では検討していない。
【委員】
平和会館は老朽化しており、また、名前のような機能を有しているのか疑問である。知らない人が聞くと平和の拠点のように思われる。平和の言葉の重みを考慮し、今後、平和会館をどうするのかお尋ねしたい。
【担当課】
平和会館は昭和56年に設置し、平成38年までの財産処分の年数を有し、平成26年度に耐震化を図ったところである。今後の運用やネーミングの変更については現時点では検討していない。現在も平和に関するコンサートや集会等の平和のイベントで活用されている。
【委員】
B1において、市民や子どもに関する指標がないことが気になる。本日配布した資料にはたくさんの質問があるが、これらに対して答えられる先生や親がはたしてどれぐらいいるのかと思う。家庭における平和教育を進めるには、これらの質問に答えられる人材の育成が必要である。資料館や祈念館は被爆者の優先利用で、被爆者以外の利用ルールが決められていない。今後の体制について話し合いが必要である。成果指標について、原爆の日時、被爆者数等の基礎的な情報について答えられる人数等を検討してもいいのではないか。
【担当課】
市内の小中学校に平和教育担当の先生を配置し、研修会等を開催するなかで市の取組みを説明し、各学校の平和教育のカリキュラムづくりの参考としてもらっている。市の平和教育のなかで、平和を愛する心を育てている。
【担当課】
施設の利用については検討させていただきたい。
データでは20歳以上の世代が広島より長崎の方が原爆の日時に関する認識が低かった。被爆者でなく、子どもでない世代の平和教育が今後の被爆継承のポイントになると思われる。
【委員】
継承のための平和教育は非常に重要であるが、今の親の世代が空洞化している。学校だけでカバーできないところをどのように啓発するか、20代、30代の親が子どもの平和の話を受け入れることができるようにするか。長崎は「祈りの長崎」と言われるように黙って考える風潮があったが、これからは意識をもっている人同士がどのように一緒に考えるか、排除しない問いかけのあり方を検討するべきではないか。
【担当課】
委員ご指摘のようにまさにその世代が弱い面と考えている。平和案内人の応募動機のアンケートを見ると、子育てや仕事が落ち着いて社会貢献したいから等が動機となっており、現役世代の人たちにどう関わっていただくかがテーマとなっている。今後、一般の人が参加しやすいような手法を考えたい。
【委員】
日本でも若い世代が平和について考えるようになっているが、世界でも様々な動きがあっており、ロンドンでは広島、原爆の日のセレモニーが行われていて、ローマでも同様の式典が行われていて、2015年にはローマに広島・長崎通りが選定されるという情報がフェイスブックに掲載されていた。世界各地でいろいろな動きがあって、長崎のことで世界が動いてくれていて、そのような情報を共有することは非常に重要だと思う。長崎が実施する平和の取組みの発信と併せて、世界における長崎にちなんだ平和に関するニュースを発信することも大事ではないか。
【担当課】
展示のなかで随時そのような情報を発信するのは難しいが、現在平和特派員の方々を通して世界への発信を行い、フェイスブックも活用している。
【部会長】
基本施策の評価Cbについてご意見はないか。
(意見等なし)
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