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更新日:2016年4月20日 ページID:028357
企画財政部 都市経営室
長崎市総合計画審議会(第1回第4部会)
平成27年10月1日(木曜日) 18時00分~20時25分
長崎市役所本館地下1階 議会第2会議室
1. まち・ひと・しごと創生総合戦略策定の進捗状況について
2. まちづくりの方針Cの施策体系案について
3. 基本施策「C1 地場産業の経営資源を強化します」素案について
4. 基本施策「C3 新しい企業・新しい産業を創造し育成します」素案について
1 まち・ひと・しごと創生総合戦略策定の進捗状況について
[担当課:説明]
【委員】
先日の講演会を聞いて「交流の産業化」がこれからのキーワードになるのかと思っているが、「交流の産業化」については、これから具体的な施策として整理されるのだろうと思う。この部会は経済分野で、特に観光分野である「まちづくりの方針A」との関連もあるわけだが、交流人口の数値目標について、総合計画の基本フレームが730万人であるのに対し、今回は700万人になっており、数字の面では後退している。
ローリングで後期基本計画を検討するのであろうから、この5年間の動きを見て、環境変化を十分検証すべき。世界遺産登録、世界新三大夜景認定、クルーズ客船の増加など追い風がある中で、数字に反映されていない。地域経済の縮小を交流人口で補うということであれば、下がっている目標が理解できない。地域経済は変化しているわけだから、この5年間を検証し、総論を議論してから個別の議論に入るべきではないか。
【部会長】
総合戦略と総合計画、どちらに対するご意見か。
【委員】
どちらに対してもである。それぞれがバラバラではいけない。特に経済分野は、第三次長崎市経済成長戦略をどのように捉えたうえでの総合計画の構成かを明確にしてほしい。
【部会長】
総合戦略担当、基本施策主管課はご意見を持ち帰り、検討いただきたい。
【部会長】
資料1の1ページ、<目指すべき将来の方向案>の2について。一旦出て行った若い人に戻ってきてもらうとか、若い人に地元に就職してもらうなどということで、若年層の流出に歯止めをかけるというような意味か。
【担当課】
人口流出について、人口動向分析の中では、男女とも若年層の流出の影響が大きい結果であった。
【部会長】
若年層に対しては、「転出に歯止めをかける」ではなく、「残りたい環境を整える」ということではないか。一度県外に出て、外の環境を見てきた後、戻ってきていただければよいのかと思う。また、「他の地域から人を呼び込む」という趣旨は、文章としてどこを読んだらよいのか。
【担当課】
「新しい人の流れを作る」という部分がその趣旨である。
【部会長】
現在の文章では、「転出に歯止めをかけるため」という目的になっているため、文章については検討が必要であると思う。戦略の審議会でよくご議論いただきたい。
【部会長】
資料1の6ページ、SWOT分析について。「強み」に観光資源が豊富とあるが、どこと比べて豊富なのか。SWOT分析は、マーケットを特定しないとできないものであるため、注意が必要である。市として十分整理すべきである。議論が混乱するおそれがある。
【担当課】
このSWOTの表は、あくまで産学官金労言等との意見交換会において、相手方から出た意見をSWOTで整理したものである。この意見を基に、市として整理したい。
【委員】
資料1の6ページ、SWOT分析について。「強み」にサッカー・ラグビーなどスポーツが強いとあるが、茂里町のスタジアム建設の件はどのようになっているか。
【担当課】
所管部局でないため、正確には把握していない。
【委員】
文明堂が広島カープのカステラを作って、まちおこしで大変人気になっている。わざわざ広島のほうにいったというのは、長崎にそのようなチームがないというのも理由の一つかと思う。最近の福山雅治のコンサートの経済効果が18億円と出ていたが、スタジアムにジャニーズなどこれまで長崎に来ていないアーティストが5組来たら、経済効果は90億円になる。スタジアムもサッカーだけで捉えると赤字だと思うが、様々な用途をミックスしていくのが行政の役割であると思うため、「強み」として記載するのであれば、その点も含めて検討してほしい。
【担当課】
所管部局にも伝えたい。誤解がないように申し上げるが、このSWOT表は、長崎市が強み等と認識しているというわけではなく、あくまでもそのように思っている方々からの意見を掲載しているということである。
2 まちづくりの方針Cの施策体系案について
[事務局:説明]
【委員】
C5~7の基本施策の順番の入れ替えの趣旨は、優先順位ではないという認識でよいか。
【事務局】
農林水産業における生産から流通・消費の流れに沿っての順番に入れ替えたものである。
【委員】
経済成長戦略は第一次、第二次、第三次と進んでこられており、その総括があったうえで、このような施策をつくるんだというような、前期基本計画の5年も踏まえたうえでの、総論的な考えの説明をいただけないか。
地場産業は、大きな節目を迎えていると考えている。第三次長崎市経済成長戦略では注力すべき分野として「船・食・観」を掲げており、特に「船」の分野では大きなターニングポイントを迎えていると考えられ、将来が危惧される面もある。この分野は長崎の経済の岩盤であり、そのような動きに対し、どのような認識のもとに施策を打とうとしているのか。地場産業という捉え方で中核企業をどのように施策として追いかけているのかが見えてこないといけない。
【担当課】
昨年の9月に経済成長戦略を定めたが、環境変化が著しく、追いついていない部分もあるかとは思っている。「船」の分野については、中小企業を中心に支えていくのが使命であると思っている。新しい産業として海洋再生エネルギーも出てきて、そちらへもどのようにして誘導するのか。既存の一極集中を分散させながらいかに持続可能なものにしていくかを考える必要もあり、その点についてもお知恵をいただきたいと思っている。
【委員】
それは分かるが、肝心な柱の部分に何か言葉として出てこないといけないのではないか。地場産業の中に、そのような「船」の部分を含めたものとしてよいのではないか。
【担当課】
造船で、分社化された二社が地場企業になったわけだが、将来展望の見極めができていない状況である。パートナー企業への影響を懸念しており、ヒアリングなどにより把握したい。
【委員】
国の産業競争力強化法の適用会社になっているため、国の支援もある。その中で、施策として出すことにより市としても応援体制をとるというメッセージは必要かと思う。
【担当課】
今回分社化した二社は、ある程度外貨を稼ぎ自立していける企業であると認識している。パートナー企業の懸念のほうがより多く耳に入っており、そちらへの対応が必要かと考えている。
【部会長】
各基本施策の議論が終わった後に、最終の部会の予定である11月5日にでも、全体論の説明をお願いしたい。
【部会長】
基本施策C4の名称が、まちづくりの方針Cのキーコンセプトのようになっていないか。さらに、個別施策を見ても前期基本計画と後期基本計画とに大きな違いは感じられない。
C4-1「外貨獲得をめざす地場企業を支援します」とC2-1「地場企業の域外への販路拡大を支援します」は、集合論で言えば重ならないところがあるのは分かるが、普通に読むとかなり重なる印象を受ける。C4にこのような表現をしてよいか、最後にもう一度みなさまにご議論いただいたほうがよいと思う。
【事務局】
ご意見を参考に、取扱いについては検討したい。11月5日の部会で再度ご議論をいただければと思う。
【委員】
全体の体系としてコンセプトは変わっていないと思うが、後期で重点的に置かれたのは、「雇用の確保」という部分を重要視されたという感じがするが、いかがか。
【担当課】
おっしゃる通り。地方創生の中でも、地元に定着させるという雇用の部分が非常に大きい。C1-3の施策で位置づけている。
【部会長】
各論の後に、再度総論の議論をできればと思う。また、C4の施策名称「交流を活かした産業の活性化と域内経済の循環を促します」の表現が妥当かどうか。また、位置づけが妥当であるか、については、全体の議論に関わるため、11月5日もしくは次回の部会で時間をとりたい。
【委員】
A3があって、C4につながるというようにリンクするため、A3に対する意見が反映されるようなことはあるのか。
【事務局】
次回の部会がC4であるため、そこでA3の主管課の説明を入れてもよいかと思う。
【部会長】
総合戦略で「交流の産業化」がキーワードになり、それが総合計画の中にも出てくるようであれば、A3とC4を別々の方向性で議論するのは不自然であるため、取扱いについて、事務局でご相談いただきたい。
【部会長】
Cの議論を一通り終わった後で、この施策体系図でよいかどうか。これからの5年間の経済・産業戦略を基本的にどのように考えればよいのか、とりまとめ総括の議論をどこかで行いたい。
3 基本施策「C1 地場産業の経営資源を強化します」素案について
[基本施策主管課:説明]
【委員】
C1は「地場産業の経営資源の強化」であるが、製造業を中心に強化する施策と捉えてよいか。
【担当課】
第三次長崎市経済成長戦略に掲げる注力する分野、長崎の強みである「船・食・観」を活かし、伸ばすことにより、全体の経済を上向かせるという考えであるため、すべての産業に対しフォローするということではなく、集中的に支援する方針である。
【委員】
第三次長崎市経済成長戦略の中で、「地場企業」があまりにも特定されやすい書き方になっている。一方で、世界遺産や観光などは現状と課題の中に記載されているが、実際は施策の中に入ってきていないのではないかと思う。例えば、観光業のこと、バス会社のこと、電車の会社のことが載っていない。このような業種は、地場企業の中では弱い、稼ぎきれないと言われる業種である。若干でも後期基本計画の中に盛り込み、対策として取り組んでいただきたい。
【担当課】
そのようなサービス産業については、C4に位置づけている認識である。そちらの方でご審議いただきたい。
【委員】
C1-3の取組方針(1)にある、「人材の確保を支援するため、地場企業の知名度の向上等を図ります」について、どのように知名度を上げる努力をしているか。こちらには目に見える形で表れていない。
【担当課】
6月からケーブルテレビの「なんでんカフェ」という番組の中で、「キラリカンパニー」というコーナーを制作している。技術力を世界に発信しているような企業であるけれども、なかなか人材を獲得できない企業を紹介している。また、同番組をYouTubeでも見られるようにしており、その動画は長崎市及び企業のホームページでも見られるようにしている。現在4企業紹介しており、今年度は10企業紹介する予定である。また、6月補正予算で、卒業して3年未満の方がUIJターンで帰ってこられるように、チラシとホームページを強化している。
【委員】
C1-3で新規に追加された成果指標は施策に対応した指標であり、よく考えられたと思う。C1の成果指標の5年間の流れを見ると、低い状態で推移している。指標の設定に問題があったという認識か。
【担当課】
毎年数値が出る指標は限られており、指標の設定には苦労した。従業員数や企業の規模等は経済センサスで把握するが、数値が出るのが4、5年に1度である。毎年、市町民経済計算があるが、毎回数値の補正が行われるということで、比較検討が難しい。毎年数値が出るものとして設定している。
【委員】
3ページ、C1-1の成果指標「いきいき企業者支援資金融資先件数」についてだが、指標とした理由に「融資先が増えることで、事業者の経営革新等の取組みに関する進捗を測ることができる」とあるが、実際に融資先が経営革新になっている具体例はあるか。
【担当課】
国・県・市等から技術開発や新たな商品開発に係る補助金等を受けられて、それを販路拡大につなげることに対する融資制度になるが、平成26年度に1件、技術開発の実績があった。
【委員】
「地場産業の活性化」については、私は「ヒトが命」という面があると思うが、地元の小中学生で地場産業で働きたいと思っている人はどのくらいいるか。どのくらい人気があるのか。大学生を対象に様々な取り組みをやるのはこの5年間を考えると重要ではあるが、長い目で見ると、地元の企業で働くことが自己実現にもなるし、周囲からも評価されるというようなことがないと、なかなかやってみる気にならないのではないか。やってみたいとなると、高校・大学での勉強にも身が入ると思うし、将来のライフプランも立てるようになると思う。そこのジュニアの部分に対しても働きかけをやる必要があるのではないかと思う。
【担当課】
ご指摘の取組みは現在ない。ただ、先ほど申し上げたとおり、ケーブルテレビで番組を制作しており、基幹産業を含めて様々な業種の会社を紹介してきた。
【委員】
子どものころ、NHKで「働くおじさん」という番組があった。現場で働く姿を紹介するものだが、学校の授業で見せられたりした。小学3・4年で、地元を知る機会があると思う。その際に、どのような地場産業があるかを紹介するなど、学校のプログラムの一環としてやることを検討してはどうか。
【担当課】
ケーブルテレビで放送するだけではなく、YouTubeでは常に視聴できる。DVDを高校と大学には配布する予定にはしていたが、それを小学校、中学校にも広げるかどうかは、検討したい。
【委員】
自分の地域には、小学・中学・高校生が職場体験に来る。その中で、調理人になりたいなど職業選択をしていく子も見られる。高校・大学よりも小学・中学校に配布してもらったほうが、体験などとあわせて効果が現れると思う。
【担当課】
おっしゃることは分かるが、基幹製造業については、夏場は蒸し暑く、冬場は寒いなど、労働環境が厳しいということで、なかなか人材が確保できない状況にある。また、溶接や建築関連は、オリンピックや東北震災復興などに人が取られ、地元でなかなか探せない状況であり、客船建造でも海外から700人程度入ってきている。基幹製造業に子どもたちを振り向かせるのは非常に苦労するのではないかと思っている。
【委員】
かまぼこ業界も「かんぼこ王国」をつくり、順調に売上は上がっているが、年々雇用で人が集まらない。C1-3の成果指標「UIJターン就職者数」で163人が880人とあるが、本当にそんなにくるのかなという印象がある。
【担当課】
累計の数字である。平成26年度が163人で、順次増やしていこうと考えている。
【委員】
県の産業労働部で人材育成のコンソーシアム、ワーキングをたくさんつくっているようだが、この部分での県と市の連携はどのようになっているか。
【担当課】
市は市長会として入っている。市長会の後、13市に情報が流れてくる。戦略会議で産学連携のワーキングがあり、そこでも多くの意見が出ている。なぜ人をとれないのか、お互いに分かる必要があるため、来年度は大学関係者と企業が直接意見交換する場をつくりたい。おそらく大学側からも企業に対する様々な要望も出てこようかと思う。
【委員】
Uターンに関する事例。インターネットで中途者を募集する「リクナビNEXT」を使い募集したところ、問い合わせが100件以上あった。職業安定所ではあり得ない数字。30~40人いた希望者はほとんどが県外の人で、まだ就職中の人だった。就職が決まったら帰りたいという人が多く、関東からなどはなかなか面接にも来られない。そのような人のために、職業安定所の中に、インターネットで面接できるシステムを構築できないか検討してほしい。
【担当課】
職業斡旋については、市は直接手は出せないが、ハローワークや労働局と連携しており、その合議体があるため、そこで意見をお伝えしたい。
【部会長】
前期基本計画と後期基本計画の組立てを見たときに、前期C1-1「新製品、新サービスの開発を促進します」がC2-1に含まれるのはよいが、その結果として、後期C1-1に突然「経営の効率化と生産性強化」が出てきている。本来は違う概念なのだが、誤ってリストラのことと受け取る方は大勢いると思われるため、一番トップに出てくるのはいかがかと思う。
C1-2とC1-3は人材関係である。「経営資源を強化します」と言いながら、「経営の効率化と生産性強化」の次はヒトの話。バランスとして、「経営資源の強化」であると読み取ってもらえるかが疑問。組立てを再度検討してはどうか。
C1-3「雇用の確保」という言葉は通常労働者サイドが使う言葉であると思う。企業サイドの労働力確保の観点ならば、「地元人材の確保」などの表現のほうが妥当であるように思う。その方が、「経営資源の強化」の項目に入っているのもすっきりする。
1ページ。前期基本計画の現状と課題の部分で、今回は変えようがないのかもしれないが、上3つと下3つの項目のつながりが見えにくい。平松委員の発言につながるかもしれないが、どこかで全体的な市の認識を説明していただければと思う。
C1の「経営力」を「経営資源」に変えたという変更理由で、「販売力の強化」をC2に設定したからというのは分かる気もするが、本来企業の力というのは総合力であって、販売力だけ切り離してC2に入れているので、C1には入っていないという説明はあまりよろしくないと思う。ここでいう「経営資源」は企業経営全体に対する経営資源だとすると、当然「販売力」も人材が必要である。「経営力」から「経営資源」への言葉の変更はあってもよいかと思うが、この理由で変えるのはいかがかと思う。
成果指標の目標値を順調に達成したときは、人口減少対策その他地方創生として括られているものは順調に進んだという観点で設定されているのか。数値目標が達成されているにも関わらず、人口減少、経済の停滞はまったく改善されていなかったという状態になってしまうと、その数値目標は何だったのか、となってしまう。
【担当課】
前期基本計画の現状と課題の部分は、確かに相反する部分がある。人口減少社会の中で、予想していない動きがあり、このような表現になっているものかと思う。
売上の低下は、製造業ではなく、卸売・小売業の事業者数が激減しており、販売力が低下している状況が出てきている。また、環境の変化が著しく、なかなか追いついていない部分もある。リーマンショック後に立ち上がり、アベノミクスが本当に現実的になるのかどうかといったところで取り組んできた5年間かと見ている。
【部会長】
良い側面があることは否定をしておらず、負の側面があるはずであり、そこをどう認識するかが分からなければ、具体的な施策の説得力がないのではないか。どのようなところでどのような負の側面が起こっているかを、どこかの機会で明らかにしていただければと思う。
【部会長】
数値目標については、繰り返しになるが、達成したにも関わらず、まちの状況がよくなっていないというような状況にならないように設定していただくことをお願いしたいが、例えば、製造品出荷額が1,020億達成されればよいという認識か。
【担当課】
過去からの数字を見てみると、当初目標値にしていたところから数字が変わってきており、やはり構図を読み取れていない部分があり下方修正したところである。これが実現すれば、本当に力がついているのかといえば、人口部分が確保できれば更に上の数字になるのかと思う。現時点ではめざす数字であると考えている。
【委員】
中核企業があって、その協力企業は厳しくなっているのは事実だと思う。その中で方向性というのは、長崎の中核企業だけを相手にしてはだめだと考えられている。県外の同業者に実際向かっていこうとしている。そういったところも応援する必要がある。県内だけに絞ってしまうと、そこに振り回される可能性もある。
【担当課】
経営者に向けて、どのような状況になっているのかを情報提供するような場をつくらないといけないとは認識している。
4 基本施策「C3 新しい企業・新しい産業を創造し育成します」素案について
[基本施策主管課:説明]
【委員】
C3-1の成果指標「創業サポート長崎による創業者数」は、以前あった指標よりよくできた指標であると思う。C3-2の成果指標「新規雇用者数」の目標値は、前回は350人だったのが、今回は2,550人になっている根拠は何か。達成は大丈夫なのか。
【担当課】
相当努力しなければ達成は難しい数字だとは思っている。ただし、現在までに14社立地している中で、計画雇用でこれから増やされていく予定となっており、これから新しい企業がこなくても、計画上は2,114人となる見込みである。雇用実績としては、4月1日現在で、897人である。あとの1,217人は、各事業者の雇用計画である。これに、企業誘致1社100人の計算で、4社程度立地できれば達成可能かと考えている。
ただし、いつまで風が吹くかは未知数なところもある。立地企業から要望されているのは、1フロア200坪である。長崎市内のオフィスでは、それを満たすのは10%切っている。弱みとしては、オフィスフロアをどのように確保するかが懸念材料である。
【部会長】
企業誘致の対象はどのような企業か。
【担当課】
平成25~27年度に立地した企業は、損保系、データ入力をバックアップする会社、保険会社が最も多い。トランスコスモスについては請負業だが、建設業の請負のためCADを使える大卒生を獲得する目的で、長崎大学工学部の近くに立地した。オフィス系は保険会社が名乗りをあげているが、更に給料が高い企業の誘致をめざしていきたい。震災リスクを回避するために長崎に立地したいという企業が多かったが、それがどこまで続くかは未知数である。
【部会長】
震災リスクの解消がなぜ長崎なのか。
【担当課】
地震が少ないということで立地されている。
【部会長】
ビジネスの世界なので風が吹く吹かないはあるが、明確に魅力や優位性が明らかであれば、当然ながらそのようなPR、営業活動をするわけである。そこの見通しが立てば、民間事業者は投資をしようかと考える。つまり、先に対する確たる見通しを、投資をする民間の方々に、誰がどうやってお示しするかということを工夫することが重要である。
【担当課】
人材の確保について、事務系では長崎はとれるという話が大企業には広まっている。ANAテレマートが神の島に立地し人がとれたということで、AIGの企業立地につながった。少し残念なところではあるが、賃金を抑えて優秀な人材が確保できることが立地する企業のメリットではあり、雇用の確保と所得の向上を部のミッションとしているが、所得の向上については、逆の発想で企業立地の面では進行している状況である。
【委員】
C1で地場産業の育成を言っており、C3で外からの企業立地の促進を言っているが、オフィス系企業の立地の要因としては、「賃金が安い割に良い人材がとれる」「県と市でダブルで補助金があり、そのような支援は他ではあまりない」「自然災害のリスクが少ない」「特に外資系は、先に立地している企業があるから安心して出てこられる」ということがあると思う。
私が気になるのは、ずっとこの路線を拡大していくことが長崎にとってよいことなのかということ。いわゆるアウトソーシング系の企業が外から10も20も出てくると、地元の女性の一般職などはよいかもしれないが、結果的にその影響は地場産業が受けるのではないか。一方で、賃金が上がっていくとコストが上がっていって、撤退に至るおそれもある。
方向性については、地元全体がそれでよいと思っていればその方向で進んでよいと思うが、外からの誘致は1件の契約で何百人と増えるので手掛けやすいが、地場企業は一つひとつ手塩にかけると手間がかかるので公的立場だとなかなかやりづらい部分がある。外から呼ぶことがその地域にとってよいことなのかを十分考えて取り組んだほうがよいかと思う。
【担当課】
ご指摘のとおり、賃金が安いので進出しているという現状はある。ANAテレマートが地域限定正社員にしたら1.5倍の応募があったと聞いている。地域限定正社員で賃金も2万円ベースアップされている。外資が入ってきているため、賃金が上がっているのも事実。どこかで失速する限界点がくるかとは懸念している。ただ、現時点でハローワークと情報交換する中では、事務系では0.25という数字があったが、今は0.19になっている。なので、事務系についてはまだ人材不足にはなっておらず、潜在的にとれる可能性があるのではないかという状況。賃金面については、より高い賃金で働く場を提供いただける企業を相手に取り組んでいけたらと考えている。
【委員】
ANAテレマートの賃金は確かに地場企業よりはるかに高い部分があり、求人が圧迫されている感はある。気のせいかもしれないが、個人的には女性の求人は増えているが、その分男性の求人がなく、男性が外に出て行っている感じを受ける。
【担当課】
事務系の女性の職場は増えている。ただ、雇用のミスマッチは起こっており、雇用はあるのに手を挙げる方がいないということも起こっている。
【委員】
C3-1、C3-2の「環境・新エネルギー」については、成果が出るまでに時間がかかるから、5年での目標は現状維持にしており、言葉としてはこれを応援していこうということで記載されているということで理解してよいか。
【担当課】
ご指摘のとおり。実用化に向けては、浮体式の検討もされてはいるが、海洋では着床式しか買取価格がない状況であるため、その設定がないと商業化できない状況がある。重工以外にも地元企業でその分野で頑張ろうとされているところもあるため、応援していく姿勢である。
【部会長】
良い意味でおもしろい社長、楽しい社長が必要では。その人の話を聞いていると、自分も何か活躍できそうだとか、給料、福利厚生はほどほどでも、この社長と一緒にやると楽しそうと思わせることが、今の学生を見ていると大事なポイントの一つであるように思う。多様な大人が多様な背中を見せると、若者が残りやすいかなと思う。
【担当課】
制作番組の「キラリカンパニー」でも、必ず経営者の方に語ってもらう場面をお願いしている。経営者が将来に向かっての夢を語ることによって、雇用に結び付くということがあると思っている。
【部会長】
C3-1の成果指標「創業サポート長崎による創業者数」について、この数値が上がっても、長崎で創業が盛んかどうかは判断できないため、計画上の指標はこれでもよいが、現場の実態を行政として把握しておき、上手にカバーしてほしい。
【担当課】
創業サポート長崎については、長崎市ホームページで創業後の様子をアピールしたいということで、先月3社紹介した。これを発信することで、どのようなことが起きたのかを伝え、次につなげていきたい。
【部会長】
行政の立場で公的資金を使うのであれば、その方々がきちんと成長していただくことが大事である。
【担当課】
創業サポート長崎については、公的なものというよりは、民間の金融機関、商工会議所、4商工会がサポートしてくださっている。商工会議所に入っていただく、商工会のメンバーになっていただく、地銀にとっては融資先を見い出すというメリットもある。
【部会長】
創業にカウントされている方々にきちんと実績を出していただけるように、行政としてその後の現場の実態を把握されたほうがよいということ。また、人件費もある種の公的資金であることを忘れないでいただきたい。
【部会長】
本日の委員からのご意見としては、素案を修正してくれという意見はそんなになく、今後の計画推進にかかるご意見が多かったように思う。
閉会
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