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更新日:2017年1月16日 ページID:029301
理財部 契約検査課
平成28年度第4回 長崎市入札監視委員会
平成28年11月15日(火曜日) 10時00分~12時00分
長崎市役所本館地下1階 議会第4会議室
抽出事案の審議
○事案審議
1中部第三排水区(尾上町)雨水渠布設工事(3工区)【制限付】
【委 員】
工事の概要は。
【事務局】
工事場所は、長崎市尾上町の長崎駅周辺土地区画整理事業区域で、新しく出来る道路敷き内への布設となる。事業目的は、八千代町電停付近や駅高架広場下等の低地部に降った雨を一時的に貯留する雨水貯留管を整備し、満潮大雨時の道路の浸水被害の軽減を図るもの。本工事は、幅4m、高さ2mの雨水貯留管を延長90.8m、他に幅80センチメートル、高さ80センチメートルの雨水渠を4.5m布設するもの。本工事区間の一部において、フッ素溶出量の基準をオーバーしていたため、土壌汚染対策法の許可を受けた処理施設へ搬出し、その費用は当初予算に折込み済み。
全体事業としては、平成25年度から着手しており、JR連続立体交差事業や新幹線事業等の進捗にあわせて整備を行うため、毎年複数の工事を発注。品質管理や出来形管理の同質化のため、共同の基準点の使用、雨水貯留管の製作の際の工場検査への市職員の立会い、上下水道局の発注者と請負者による調整会議の開催を行っている。
【委 員】
設計段階から土壌汚染対策費用を見込んでいるが、事前調査をどういうやり方でしたのか。また、その費用はどのような根拠で設計に入れたのか。
【事務局】
当該工事区間については元々土壌汚染があるとの情報を得ていたため、平成26年11月に土地の形質変更届を本市環境部へ提出し、調査命令が出たため、調査し、平成27年5月にフッ素汚染の報告をしたところ、汚染土を処理施設に搬出するよう指示を受けたため、搬出と処分に係る費用を設計に折り込んだ。
【委 員】
入札執行書を見ると、落札者以外はすべて最低制限価格未満による失格や同日落札による無効となっているが、このようなケースは珍しいのではないか。
【事務局】
本市は、最低制限価格を201方式により89%~91%の間で設定しており、当日に最低制限価格率を計算している。本ケースは、最低制限価格率が90.82%で、この率による最低制限価格を上回る一番近い金額の入札者が落札となる。最低制限価格率は当日にならないと決まらないものであり、その率によって失格者の数が変動する。
【委 員】
失格者が多数で、有効な入札が1者だけであるため、談合のような印象を受けたのだが。
【事務局】
最低制限価格率は当日決定するため、業者も当日にならないとわからないものであり、談合はできないものと考えている。
2 南部深浦中継ポンプ場主ポンプ整備工事【制限付】
【委 員】
工事の概要は。
【事務局】
下水は原則自然流下させるが、下流側の汚水幹線を地下深く埋設すると建設費の増大や維持管理上の問題を招くため、汚水幹線の途中に中継ポンプ場を設けることで、下水を一旦地表近くまでくみ上げて再び自然流下させることにより、汚水幹線が地下深くならないようにしている。本工事は、香焼町に位置する南部深浦中継ポンプ場に設置しているNo.1及びNo.2主ポンプの本体及び電動機部分の分解、消耗部品の交換、再組立後の試運転調整を行うもの。整備対象ポンプの再組立に精度及び気密性が要求されることや試運転調整に試験設備が必要なため、メーカー工場による整備とし、現地でのポンプの取り外しや設置は比較的簡単な作業であるため、工事そのものは一般競争入札による発注とした。
【委 員】
今回抽出対象となった7~9月の入札等の案件の中に、主ポンプ整備工事が複数あり、制限付一般競争入札を実施しているものと随意契約したものとあったが、その違いは何か。
【事務局】
中継ポンプ場において主ポンプは最重要機器で、基本的にはメーカーとの随意契約と考えている。南部深浦中継ポンプ場の主ポンプは、消耗品の交換等の整備以外に、性能が低下していたことの原因調査のためメーカー工場での整備としたが、自動接続形の着脱装置が付いており、現場での据付がそれほど難しくないと判断したため、地場の業者による一般競争入札とした。
整備をメーカー工場で行うことで、品質は担保されていると考えている。
【委 員】
この主ポンプは何年くらい使用が可能なのか。
【事務局】
耐用年数は15年くらいであり、一般的に使用開始から10~15年の間で整備を行う。
【委 員】
ポンプの整備と着脱を別々の業者が対応するということになるが、かえって費用が高くなるということはないのか。メーカーがすべて対応した方が、コスト的に良いのではないか。
【事務局】
見積もりを取って、査定を行い、設計しているため、着脱に関してはこれくらいの費用がかかると分かっているので、この分に関して費用の上乗せをしているということはない。
【委 員】
より多くの業者が参加できる機会を与えるために、このような一般競争入札を行ったということでよいか。
【事務局】
そうである。
【委 員】
今回は、入札参加申請をした者が12者で、入札書を送付したのが7者であるが、この理由は何か。
【事務局】
残りの会社がなぜ応札しなかったかに関しては調査していない。7者参加していたので十分だと判断した。同時期に複数の工事を発注しているので、おそらく、手は上げたが入札はやめておこうと考えたのではないか。
3 中部下水処理場流量調整池設備電気工事【制限付】
【委 員】
工事の概要は。
【事務局】
中部下水処理場のA系廃止に伴い、その処理量相当分の下水を西部下水処理場で処理しているが、下水管の老朽化による不明水の流入により、降雨量によっては西部下水処理場の処理量を超える下水が流入し、溢れる懸念があることから、雨天時の不明水を一時貯留する施設として、機能停止した中部下水処理場A系の最初沈殿池の一部と反応槽を流量調整池として整備し、再利用する。
整備工事のうち、最初沈殿池内の掻寄機や反応槽内の攪拌機及び散気装置の撤去、排水管の接続等は別途発注の整備機械工事で行い、本工事は、これらの機器に電源を供給していた受変電設備や運転操作設備等の撤去、新たに水位計を設置し電動弁を制御するための機能増設、槽内清掃用の仮設ポンプ電源盤を新設するものである。
【委 員】
入札参加申請者が20者いたにもかかわらず、入札者が1者であったのはなぜか。その入札者は、過去に何か関連した工事をしたことがあるのか。
【事務局】
その業者は、平成24年度に中部下水処理場のB系の水処理設備と汚泥脱水処理設備の改築に関わる電気工事の施工者であり、中部下水処理場の全体像が把握できていたと思う。
残る業者が参加しなかった理由であるが、「技術者が確保できなかった」ほか、特異な理由としては、「本工事がA系の改造であるが、A系とB系が密接に関わっており、B系は運転させながらの工事であったため複雑で難しく対応できない」、「3つのメーカーのコントローラや盤の改造部分があるため、自分たちでできない部分はメーカーに依頼しないといけないが、その工事費用が全体の約6割あり、金額的に折り合いが付かなかった」、「同時期に太陽光発電の設置工事の入札がありそちらを優先した」など、様々な要因が重なった結果、難しい工事なので敬遠されたものと判断している。
【委 員】
入札者は、難しい工事であるが本工事を請ける能力があったということか。
【事務局】
かつて似たような工事を施工したため、本工事も施工できると判断したのだと思う。
【委 員】
不明水が原因となって本工事が必要となっているが、本工事のように難しくて費用がかかる工事をするよりも、下水管を整備する工事の方がトータルの費用は安いように思うがいかがか。
【事務局】
不明水の流入の根本的な解決としては、管更生工事といって下水管の内側にテープを巻いていって不明水が入らないようにする等の工事があるが、管の事前調査が必要になり、費用と時間がかかること、また、不明水の流入箇所の特定が難しく、年間かなりの金額をかけて進めてはいるが、時間がかかり追いつかないことから、不明水が完治するまで下水を溢れさせないようにするため本工事の整備を進めていく。
4 高島光町アパートB棟ほかガス管改修工事【制限付】
【委 員】
工事の概要は。
【事務局】
改修対象は、高島光町アパートのB棟及びC棟のガス管である。当アパートのプロパンガスの供給方法は、建屋東側に設置しているプロパンガス庫から、ベランダ下のメイン管を経由して、ベランダ内の外壁面の立管により各戸へ供給している。
昭和60年頃に竣工後、ガス管の全面的改修は行われておらず、塩害により腐食が見られたため、新しい配管に取替を行うものである。
【委 員】
一般的な工事の落札率は90%前後であると思うが、本工事の落札率が98%と高いのはなぜか。配管など建築設備の工事は95~98%くらいになると考えた方がよいのか。
【事務局】
離島の工事という特殊性や、配管が各家庭に及んでいることで工事の手間がかかることを積算に盛り込んだ結果、このような高い落札率になったと推測する。
【委 員】
設備関係の改修は、その設備の設置業者が行うといった傾向があるように考えているが、高島光町アパート竣工時の配管工事を本工事の落札業者がしていたということはないか。
【事務局】
旧高島町時代に建設したアパートなので、竣工時の配管工事を今回の落札者がしたかどうかは、事前に調査していないのでわからないが、ガス管工事は特殊な資格を要する工事であり、落札者が元々ガス管工事に慣れている業者であることから、応札し、結果落札したのではないか。
【委 員】
入札監視委員会は、入札が適正に行われているか審議する場であり、この場で担当課として説明されるのであれば、旧高島町時代の建築物であっても、当時の工事業者がどこであるかは現工事担当課として知っておくべきであるし、円滑に審議を進めるために必要なデータとして用意しておくべきである。本件は98%という高い落札率であるから、どこからか情報が漏れていないか、また、業者との癒着がないかなどを懸念して質問している。現在は長崎市の所有建物なのであるから、知らないということでは説明がつかないと思う。
【事務局】
事前調査を行っておらず、今回は準備不足であった。今後はこのようなことがないようにしたい。
5 端島炭坑第3竪坑捲座跡他補強工事【制限付】
【委 員】
工事の概要は。
【事務局】
世界遺産の中でも劣化が進み緊急保存整備が必要な第3竪坑捲座跡及び入坑桟橋について、本格的な構造補強を行うまでの間、応急補強工事を行うもの。第3竪坑捲座は明治29年に建てられたレンガ造の建物で、現在は建物の壁面の一部が残っているが、長年の風雨によりレンガ及びレンガの目地の劣化が激しく、入坑桟橋は昭和17年頃に建てられた鉄筋コンクリート造の建物で、経年劣化、塩害による鉄筋の腐食によるコンクリートの爆裂が見受けられ、特に階段部分の劣化が激しく、それぞれ倒壊の可能性が危惧されている。第3竪坑捲座跡は、レンガ塀が倒壊しないよう背面から鉄骨の部材を使用して支える工事を、入坑桟橋は腐食が激しい階段部分を下から支持する工事を行う。
【委 員】
入札率が99.64%と高い理由と、再公告となった原因を教えてほしい。
【事務局】
1回目の入札時に、入札参加申請をしたが入札をしなかった理由としては、技術者を配置できないため、及び下請け業者との金銭的な折り合いがつかなかったためであった。2回目の入札において落札者となった業者は、1回目の入札には参加していなかったので、その理由を聞いたところ、世界遺産の工事であるので通常の工事とは違うのではないかと思い、参加を控えたとのことだった。市の積算について問題はなかったと思っている。
なお、2回目の入札に参加した理由は、世界遺産に携わる工事ということで会社の良い経験になると考えたためであり、結果、1者による入札となった。
端島はきちんとした桟橋もなく、船が着きにくく、また業者にとっては不透明な部分もあるため、今後、発注者として積算するにあたり少し研究が必要であると考えている。
【委 員】
端島は、島全体ではなく野母崎側が世界遺産になっていると認識しているが、本工事の対象である第3竪坑捲座跡他は世界遺産なのか。先ほどの説明によると、端島全体が世界遺産であると認識してしまい、業者は世界遺産の工事であることを理由に、入札参加を敬遠してしまう可能性があるのではないか。
【事務局】
端島は居住施設と産業施設に分かれており、世界遺産の構成資産としては産業施設の方の評価が高いと聞いている。
【委 員】
具体的に世界遺産の指定を受けているのが、島全体なのか島の一部なのかを確認したい。(後ほどの回答でよい)
【事務局】
次回の委員会において報告したい。
【委 員】
端島には桟橋があると思うが、観光客用の桟橋を使って工事の資材等を運ぶのか。
【事務局】
観光客用の桟橋と工事用の桟橋がある。工事用の桟橋は観光客用の桟橋のようにきれいに整備されたものではないため、先ほどのような説明となった。
【委 員】
陸の工事をする業者は海のことをわからない。海中に波を抑える潜堤等を建設するのであれば工事が高額になるので、今後の積算において考慮してほしい。また、入札をうまく行うためにも、船を使用する工程にかかる日数(悪天候に関わる稼働率を考慮した日数)を考慮した積算の必要があるのではないかと思う。
今回、建築課において上物工事の積算として本工事の積算をしているが、海の工事なので、漁港や港湾の工事を所管している課と連携して積算をした方が良いのではないか。(委員から市へのアドバイスとして)
<事務局報告>
1 市からの報告について
(1) 旧長崎市公会堂解体工事について
【委 員】質問なし
(2) 専決処分を経ずに行った変更契約について
【委 員】質問なし
2 指名停止措置の運用状況について
【委 員】質問なし
3 前回の入札監視委員会における委員指摘事項に関する報告
【委 員】質問なし
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