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更新日:2018年9月7日 ページID:031757
市民生活部人権男女共同参画室
平成30年度第1回 長崎市人権教育・啓発審議会
平成30年7月30日(月曜日) 14時00分~16時05分
長崎市男女共同参画推進センター アマランス 研修室
1 開会挨拶 開会挨拶
2 議事
(1)第 2次長崎市人権教育・啓発に関する基本計画 (平成 29 年度)の進捗状況について
(2)その他
3 閉会
【事務局】
ただいまより、平成30年度長崎市人権教育・啓発審議会第1回会議を開催する。はじめに、日向市民生活部長よりご挨拶を申し上げる。
【部長】
- 部長 挨拶 -
【事務局】
今回、新しく委員になられたかた1名を紹介する。
- 新委員紹介 -
【事務局】
次に、本日、出席しております市及び教育委員会職員をご紹介する。
- 職員紹介 -
【事務局】
本日の審議会委員の出席は14人のうち、12人であり、「長崎市人権教育・啓発審議会規則」第5条第2項の規定により、委員の出席が過半数を超えているので、本日の審議会が成立していることを報告する。それでは、議事に入る前に資料の確認をする。事前に送付した資料は4種類あり、A4縦1枚の会議次第、右上に資料1.と記載した第2次長崎市人権教育・啓発審議会委員名簿、右上に資料2.及び3.と記載したA4横のホッチキス止めの資料である。また、当日配布資料として、右上に資料4.と記載したA4縦1枚の資料をお配りしている。お手元にない資料があれば、お申し付けいただきたい。
≪不足資料の確認≫
【事務局】
それでは、ここで資料の修正をお願いする。資料3.の2ページに掲載している事業No.16の平成29年度の実績値「734人」とあるは「724人」が正しい。また、同8ページの事業No.60の平成29年度実績値「346回7,596人」とあるは「271回8,053人」が正しい。お詫びして訂正する。
【事務局】
それでは、お手元の「次第」をご覧いただきたい。本日の流れを簡単にご説明する。ただいま、次第の「1 開会挨拶」まで終了した。このあと議事に入る。本日の議事は2項目となっている。まず事務局からご説明させていただき、皆様のご意見をお願いしたい。「長崎市人権教育・啓発審議会規則第5条第1項」の規定により、会長が議長となることが定められているので、この後は、会議の進行を会長にお願いする。
【会長】
それでは早速だが、議事(1)第2次長崎市人権教育・啓発に関する基本計画の進捗状況について、事務局から説明をお願いする。
【事務局】
それでは、「第2次長崎市人権教育・啓発に関する基本計画の進捗状況について」、平成29年度の状況を説明する。右上に資料2.と書いてあるA4横の資料を用意いただきたい。資料の3ページをお開きいただきたい。「平成29年度 第2次長崎市人権教育・啓発に関する基本計画進捗状況」として、計画書に掲載している数値目標が設定されている事業の状況をお示ししている。まず、右上の「自己評価」の欄をご覧いただきたい。欄の左に「評価」とある。評価方法は5段階評価になっており、「計画以上の成果が獲得でき、29年度目標値の100%以上」のものを「5」とし、「75%以上100%未満」が「4」、「50%以上75%未満」が「3」、「25%以上50%未満」が「2」、「25%未満でほとんど成果が得られなかった」が「1」となっている。また、欄の右に「課題」とあるが、ア・イ・ウ・エの4段階になっており、「このまま継続、推進する」が「ア」、「事業の内容や手法の調整や改善が必要」が「イ」、「実績、目標の指標などの見直しが必要」が「ウ」、その他を「エ」としている。評価、課題ともに、各事業を所管する課による自己評価となっており、進捗状況の具体的内容や事情等がある場合は、右の欄に「所管課コメント」を記載している。なお、前回の会議のなかで、指標の説明欄を設けた方が分かりやすいとのご指摘があったが、今回資料左から6項目目に「指標の説明」を設ける改善を行っている。
それでは、主な取組みについて説明する。「基本目標1 あらゆる場における人権教育・啓発」の「主要課題(1) 学校教育における取組」のNo.1「人権教育全体計画の推進による生命や人権を尊重する心の育成」、指標「生命や人権を尊重する心が育っていると回答する子どもの割合」では、平成29年度の目標値が小学校95.5%、中学校88.5%に対して、実績値が小学校94.7%、中学校90.7%で、達成率が小学校99.2%、中学校102.5%で、評価は「4」としている。「主要課題(2) 社会教育における取組」のNo.2「社会教育施設などでの人権感覚の向上を図る学習機会の提供」、指標「講座の参加者数」では、平成29年度は目標値682人に対して、実績値は766人、達成率は112.3%だった。評価は「5」としている。4ページの「主要課題(3) 人権啓発における取組」の、No.3「市民意識調査による人権意識の把握」、指標「いやな思いをしたり、不当な扱いを受けたことがある市民の割合」だが、これは、目標値を下回る方が良い指標となっているが、今回、指標の評価上の目標値を見直したので、事前に説明する。この指標については、市民意識調査の実績値を指標にしているが、本調査の設問において、平成27年度から「いやな思いをした」と平易な表現に変更したため、言葉の表現による心理的な影響を考慮して目標値を高く設定したものの、目標値と実績値がかい離する結果となった。そこで、評価上の目標値の設定を見直す必要があると考え、平成27年度から平成28年度の実績値の平均である13.3%を平成29年度からの基準値とし、平成32年度までに13.0%に達成するよう目標値を見直した。その結果、平成29年度は目標値13.3%に対して、実績値は15.1%、達成率は86.5%で、評価は「4」とした。本意識調査において、「いやな思いをしたことがある」と回答した市民の割合は、20代から40代の世代で比較的高くなっており、世代間において人権侵害に対する認識の差があるのではないかと考えられる。また、家庭や学校等における人権教育の環境が世代によって変遷してきたことが、世代間ギャップを生み出している要因の1つとも考えられる。今後は、あらゆる世代に対応できるような効果的な啓発方法を検討しながら、啓発活動を継続して行っていく。5ページのNo.4、No.5、取組内容「人権問題講演会等の開催」について、まず、No.4「人権問題講演会、講座、研修会への参加者数」では、平成29年度は目標値1,404人に対して、実績値は1,437人、達成率は102.4%、評価は「5」としている。次に、No.5「人権問題講演会の参加者のうち関心が深まった人の割合」では、目標値87.0%に対して、実績値は97.0%、達成率は111.5%、評価は「5」としている。人権問題講演会については、LGBTアクティビストを講師に招き、当事者としての経験やこれまでの活動をもとにご講演いただき、受講後アンケートでは高い評価となった。今後とも、開催時期やテーマの選定、講師の魅力を伝える効果的な周知方法を引き続き検討し、新たな参加者層の増加を図りたいと考えている。続いて、6ページの「基本目標2 個別の分野における人権教育・啓発」の「主要課題(1) 女性に関する取組」のNo.6、No.7の取組内容「男女共同参画推進センターが主催する講座、派遣講座、市民企画講座の実施」について、まず、No.6「参加者数」では、平成29年度は目標値3,940人に対して、実績値は3,802人、達成率は96.5%だった。評価は「4」としている。次に、No.7「参加者の満足度」では、平成29年度は目標値90.5%に対して、実績値は91.5%、達成率は101.1%だった。評価は「5」としている。これら講座の参加者数については、昨年度より増加したものの、各講座でターゲットとした層への周知が十分とは言えず、定員を満たしていない講座があった。今後は、参加者の増加につながるような講座を企画するとともに、各講座の企画に応じた対象者に対して効果的な広報活動を行っていく。7ページの「主要課題(2) 子どもに関する取組」の、まず、No.8「要保護児童がいる家庭への各関係機関と連携した支援」、指標「児童虐待相談で改善した割合」だが、平成29年度は目標値79.9%に対して、実績値は80.4%、達成率は100.6%だった。評価は「5」としている。次に、No.9「いじめ、不登校、障害のある児童・生徒の相談対応」、指標「対応件数」だが、平成29年度は目標値7,250件に対して、実績値は7,578件、達成率は104.5%だった。評価は「5」としている。No.9の対応件数については、発達障害に関わる理解が広がり、学校段階で解決することが増え、相談件数は減少しているが、困窮家庭をはじめ要支援度が高い家庭、不登校児童生徒へは、今後も継続して関係機関と連携しながら、相談体制を充実し、問題の解決を図っていく。8ページの「主要課題(3) 高齢者に関する取組」の、まず、No.10「認知症サポーターの養成講座の実施」、指標「養成者数」だが、平成29年度は目標値年度3,500人、累計37,500人に対して、実績値は、年度4,534人、累計42,072人、達成率は、年度129.5%、累計113.7%だった。評価は「5」としている。実績値が目標値を上回った理由としては講座の積極的な実施推奨の通知が長崎県から学校へあるなど、講座の実施を推奨していることが考えられる。次に、No.11「包括支援センター等における成年後見制度利用相談への対応」、指標「相談件数」だが、平成29年度は目標値820件に対して、実績値は890件、達成率は108.5%だった。評価は「5」としている。9ページの「主要課題(4) 障害者に関する取組」の、まず、No.12「障害者相談支援体制の充実・強化」、指標「利用者数」だが、平成29年度は目標値28,600人に対して、実績値は30,731人、達成率は107.5%だった。評価は「5」としている。なお、平成28年度の実績値について、昨年度の本審議会で27,069人と説明したが、算定誤りが分かったため、今回27,157人に変更した。続いて、No.13「関係機関と連携した就労相談から就職、職場定着支援」、指標「民間企業に雇用されている障害者数」だが、平成29年度は目標値1,179人に対して、実績値は1,167人、達成率は99.0%だった。評価は「4」としている。10ページの、No.14「授産製品の販売を通した障害者に対する理解の促進と障害者の工賃向上」、指標「授産施設等における平均月額工賃」だが、平成29年度は目標値20,540円に対して、実績値は18,056円、達成率は87.9%だった。評価は「4」としている。目標値には届かなかったものの、今後も工賃アップに向けた取組や支援を継続していく。次に、「主要課題(6) 外国人に関する取組」の、No.15「国際理解講座の実施」、指標「参加者数」だが、平成29年度は目標値2,115人に対して、実績値は2,932人、達成率は138.6%だった。評価は「5」としている。なお、平成28年度の実績値について、昨年度の本審議会で3,185人と説明したが、未集計値があったことが分かったため、今回3,215人に変更した。実績値が目標値を大幅に上回った理由としては、小中学校向けの外国文化体験出前講座が、ここ数年の周知活動などにより学校側に広く認知され参加者が大幅に増えたことが考えられる。また、国際理解出前講座については新たな団体からの利用も増えている。11ページの、「主要課題(7) 感染症患者等に関する取組」の、No.16「感染症に対する正しい知識の普及活動のための出前講座の実施」、指標「実施回数」だが、平成29年度は目標値13回に対して、実績値は18回、達成率は138.5%だった。評価は「5」としている。市民等からの依頼により実施しているもので、平成29年度は依頼が多く達成率が高くなっており、感染症に対する正しい知識の普及活動のため、今後も引き続き実施していく。続いて、「主要課題(8) その他の分野に関する取組」の、No.17「申請書及び証明書等の不要な記載欄(性別等)の見直しの働きかけ」、指標「改善件数」だが、平成29年度は目標値5件に対して、実績値は7件、達成率は140.0%だった。評価は「5」としている。この取り組みの趣旨は、市の窓口等において申請書等に記入する際や、市が交付する証明書等に性別の記載欄をなくすことで、性同一性障害の方等の心理的負担を軽減し人権に配慮することだが、書類によっては法定とされていたり、業務の都合で省略することが困難なケースがあるため、なくせない場合であっても、本人が認める性別や、記入を任意とする方法も改善実績(廃止3件、任意記入等4件)としている。12ページの、「基本目標3 平和な社会をつくる人権教育・啓発」の、No.18「原爆資料館の常設展示の充実や企画展示の開催」、指標「原爆資料館入館者数」だが、平成29年度は目標値690,961人に対して、実績値は705,314人、達成率は102.1%だった。評価は「5」としている。次に、No.19「次世代の平和活動の担い手を育成する青少年ピースボランティア事業の実施」、指標「青少年ピースボランティア学習会の延べ人数」だが、平成29年度は目標値674人に対して、実績値は658件、達成率は97.6%だった。評価は、「4」としている。 次に、No.20「被爆体験を継承していく家族・交流証言者が講話を行うために必要な支援の実施」、指標「家族・交流証言者が行った講話の回数」だが、平成29年度は目標値168回に対して、実績値は64回、達成率は38.1%だった。評価は、「2」としている。ちなみに、「家族・交流証言者」とは被爆者に代わって被爆体験を語り継ぐ家族や家族以外の方を指す。目標値と実績値が大きく乖離していることについて、家族・交流証言は、被爆者が話すことができなくなる前に被爆体験を引き継いでいく事業であり、現在は被爆者が積極的に講話を行っていることから、まずは被爆者の講話を聴講することが優先されるものと考えているところである。そのなかで、家族・交流証言者の講話は徐々に講話回数が増えていることに加え、平成30年度から、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館が家族・交流証言者の市外派遣に取り組んでおり、派遣回数の増加が見込まれることから、引き続き周知を図り、目標値の達成を目指すこととしている。13ページの、No.21「平和首長会議加盟都市の増加による国内外におけるネットワークの拡大」、指標「平和首長会議加盟都市数」だが、平成29年度は目標値8,500都市に対して、実績値は7,568都市、達成率は89.0%だった。評価は、「4」している。13ページから14ページの、「基本目標4特に人権に関わりの深い職業従事者に対する人権教育・啓発」については、特定職業従事者として、市職員、教職員、消防関係者別に人権研修に取り組んでおり、平成29年度の目標値、実績値、達成率は、表に記載の通りほぼ100%に近い達成率となっております。評価は、No.22、23は「5」、No.24は「4」としている。15ページから16ページの、「基本目標5人権侵害から市民を守る体制づくり」については全て再掲となっている。
「平成29年度の事業の進行を管理する指標の進捗状況」についての説明は以上だが、最後に、全体を通しての進捗状況の評価として、1ページに「平成29年度の進捗状況 評価内訳」、2ページに「平成29年度の進捗状況 評価・課題分布一覧」をつけている。まず、1ページの「平成29年度の進捗状況 評価内訳」だが、本計画に定めている取組みの成果を図る指標の評価対象は28項目(再掲4を含む)あるが、評価が「5」が19項目、評価が「4」が8項目で、28項目中27項目が目標達成率75%以上となっている。従って、基本計画に掲載している数値目標が設定されている事業について、いくつかの改善項目はあるが、概ね計画どおり進捗しているところであり、この状況を継続していきたいと考えている。2ページの「平成29年度の進捗状況 評価・課題分布一覧」だが、各取組の評価と課題をあわせて一覧にしているのでご参照いただきたい。また、目標値は設けずに、実績の確認を行う92項目の取組については、資料3.の「施策の方向に沿って進行を管理する事業の実績」に記載しているので参照いただきたい。説明は以上である。ご意見等よろしくお願いしたい。
【会長】
ありがとうございました。委員の皆様については、それぞれがそれぞれの立場で、また、立場を越えて、今の説明に対する意見を出していただきたい。また、前回お願いしていたとおり、本日は、我々委員の意見に責任を持って答えられる立場のかたに多数出席いただいているので、より具体的な話が聞けることと思う。会議は4時までとなっているが、議事(2)その他において事務局からパートナーシップ制度について話をしたいと申し入れがあっているので、進捗についてはこれから1時間程度の時間を取りたい。これまでの説明について、何かご質問等はないか。
【委員】
3点意見がある。まず、外国人に対する取り組みの指標No.15の国際理解講座の実施だが、ほとんどの場合、長崎市の国際交流員(韓国、中国、米国)が行っているが、最近は長崎市内もネパールやフィリピン、ベトナムのかたが増えている。伊王島や香焼のあたりの一軒家にフィリピンやベトナムのかたが住んでいるが、周囲のかたが、外国人が増えて気持ち悪いという言い方をしているのを聞いたことがある。知り合いの住民に事情を尋ねると、親しくしたいけれど、どうしたらいいか分からないということだった。そのような一般市民のかたに理解してもらえるような、集まりを設けていただければよいのではないか。
【国際課長】
学校向けや一般のグループ向けの講座を実施しており、講座の中でそのような交流に関しても話をしているところだが、3ヶ国の国際交流員で対応している。今年は6ケ月間程ブラジル(※注:会議ではポルトガルとご説明しましたが、正しくはブラジルでした。この注釈は最終的に削除させていただきます。)からも職員が来ているので、いつもの3ヶ国とはまた違った考え方を持つ人との国際交流ができるのではと考えているところであり、また、地域での実際の困りごと、例えば、ベトナムのかたからのごみ出しについてのご相談等があった際は、ベトナム語でのごみ出しルールの作成などしている。また、海外からのクルーズ船の入港も増えているので、今後とも色々な場面で市民との国際交流のきっかけとなるようなことをやっていきたいと考えている。
【委員】
私の団体の国際交流部会では、外国人のかたをスピーカーに招いて講座を行っているが、宣伝が行き届かないのか参加者が少ない。とても良い話が聞けるので、外国のかたの話を聞きたいという要望があれば、平和推進協会の国際交流部会に連絡をいただきたい。
【会長】
私は長崎大学に勤務しているが、国際交流員ではないが留学生の活用も考えられる。今の御意見について国際課長から回答をお願いしたい。
【国際課長】
色々な機会を通じて国際理解が深まるということは当然いいことと考える。平和推進協会が行う事業や、県が行う国際交流事業、また産学官が行うサミットの中で、留学生が行う事業など色々な機会を捉えて国際理解が深まっていけるよう、我々としても努力したいと考えている。
【委員】
2点目は、私は滑石に住んでいるが、色々な講演がここ中心部で行われており、ここまで来るのに1時間以上かかる。バス代も往復700円程、車で来ても駐車場代がかかる。北公民館や滑石公民館等、場所を変えて開催したらいいのではないか。3点目は、子どもに関することである。私は外国人に関わる機会が多いが、最近は学童に預ける外国人も増えている。学童でTシャツを切られた等、いじめのようなことがあっているようだが、どこに相談にいったらいいか分からないので、学童の管轄を教えてほしい。
【子育て支援課】
学童を所管するのはこども部のこどもみらい課である。子どもの相談窓口については、子育て支援課内に子ども総合相談という窓口があり、2本専用回線を持っている。毎年、小学校1年生から中学校3年生までの児童に、相談先を書いたカードを大体夏休み前にお配りしている。子どもからの直接相談については10件前後になるが、相談先を周知することが安心につながると考えるので今後も周知に努めていきたい。
【会長】
人権の講座が中央に偏りすぎるという意見に対してどこかお答えいただけるか。
【事務局】
数を多く集めようとするとどうしても広いスペースがある中心部の施設で行うことが多いが、周辺の施設を活用した講座・講演会の開催については、出前講座も含めてあまり活用されていない現状である。今後の講座の企画の仕方について考えていきたいと思う。
【会長】
指標No.2の事業実施状況において、大型公民館と文化センターの11館で、人権啓発研修会を実施し、712人の参加があったとあるが、その辺について生涯学習課から説明いただきたい。
【生涯学習課】
昨年度は、先ほどの参加者に中央公民館で開催した長崎人権学という連続講座も含めて766人の参加者があり、担当の私や、江頭会長もいくつかの公民館で講師を務めており、50人から60人規模ではあるが公民館でも講座を行っているところである。また、地区の公民館においても、講座を実施する際に人権の視点を取り入れながら行っている。
【委員】
指標No.1の事業実施状況については、学校教育課が作成しているのか。
【学校教育課】
そのとおりである。
【委員】
私から言ってよいか分からないが、確かに記載のとおり、各教科の際に実施しているが、授業以外でも朝や帰りの元気な挨拶の一言をとっても人権につなげているという教員の意識もあるので、例えば、「平成29年度は、」と「各教科をはじめ」の間に、「日々の一つ一つの取組や」または「日々の活動や」を入れていただきたいという思いがある。
【学校教育課】
ご意見ありがとうございます。取組内容に書いている「人権教育全体計画の推進による生命や人権を尊重する心の育成」あるが、委員ご指摘のとおり、教育活動全体いわゆる人権教育全体計画に基づいて、この心の教育に取り組みたいと思っている。
【委員】
指標No.20の指標の説明において、登録目標人数が72人で4回を掛けて288回となっているが、登録目標人数の72人はどのようにして算出しているのか。
【被爆継承課】
現在被爆体験講話をされている実際に被爆された方々が43人程おられる。この方々が、長崎市に来られる修学旅行者や、長崎市内の小中学校の生徒達に講話をされているが、その数の大体倍の72人を目標値とした。特に72人という数字にこだわりがあるわけではないが、今後被爆者に代わって被爆体験を伝えるためにはこの位の数が必要と考えた。
委 員 ありがとうございます。私も被爆2世で、被爆体験はないが、親族は原爆でなくなっており、原爆の悲惨さについては語り継いでいきたいと思っているのだが、この達成率が38.1%で評価が2とあるのは、単純に考えて72人という人数が多すぎるのかと思ったのでお尋ねした。
被爆継承課 委員がおっしゃるとおり、目標として掲げた数値が高すぎたのではないかと懸念したこともある。実際、被爆継承の取組の中で、現在被爆者の方々が現場に出て子ども達に話をされており、一昨年と昨年においては被爆者の方々は市内外において年間1,300回程頑張って講話を行っているが、被爆者の平均年齢は今年で82歳を超えており、被爆者がいなくなる時代に備えて少し目標値を高めに設定したところもある。また、やはり実際の被爆者の講話を望む声が多く、なかなか次世代の講話者に対する講話のオファーは伸びていない状況にある。ただし、今年度から国の方も次世代の育成に力を入れており、市外への派遣については国が全額費用を負担するという試みが始まっており一気にオファーをいただいているところである。このような期待できる状況にもあるので、被爆者の方々へは長崎市に来た時に話を聞く、また、県外での講話の際は我々の次世代の講話者に話を聞くという状況による住み分けが促進されてきたので、今後は目標値に近づいていくものと考えている。
【会長】
関連して質問したい。登録者数は最終的にはどの位にしていきたいのか教えてほしい。
被爆継承課 現在は5年という期間のなかで72人と設定しているが、現在の被爆者の方々が行っている講話が年間1,200件程である。この1,200回を次世代の講話者でこなせるような人数を改めて設定していきたいと考えている。
委 員 指標No.14の障害者の平均月額工賃実績が18,056円とあるが、これには交通費等も含んでいるのかお尋ねしたい。というのも8年ほど前、授産施設で働いている方から、職場に行くバス代を考えるとほとんど手元に残らないという話を聞いた。それから随分改善されていると思うのだが、18,056円だと一日平均すると千円にも満たないと思う。であれば、私達にできる取り組みは何かと考えたときに、ここに書いてあるように、授産製品を利用することが工賃を上げることに少しでも貢献することになるのか、他に何かあるのかお尋ねしたい。
委 員 この会議に出るようになって、はあと屋について知った。昨年度どのような会場で出店しているのか分かるようであれば教えてほしい。というのは、私ども労働組合では一年に一回メーデーのイベントをやっているが、ここ2年間は各自持ち寄った品でバザーを行っていたが、このような機会にはあと屋さんを利用することで工賃アップに貢献できればと考えている。
障害福祉課 まず、工賃については、生産活動に対する対価となっており交通費等は含まれていない。障害者福祉サービスには様々な事業所があり、例えば、就労継続支援A型の事業所は雇用型となり、一般就労に向けた支援施設であり工賃も高く設定されている。一方、就労継続支援B型の事業所は、非雇用型となり、A型よりも少ない生産活動になるため工賃についても低く設定されている。このような施設全ての平均額となっている。これらの事業所で作った製品を販売するはあと屋で購入するということは、売り上げの増加、つまり障害者のかたの工賃の増加につながるため、はあと屋のPRについては受託業者と連携して進めていきたいと考えている。2点目、はあと屋では様々な場所で移動販売をしている。企業のほうでも販売を行っており最近の販路拡大先としては、十八銀行本店で月に1回、行名にちなんで18日に行っている。他にも東京三菱UFJ銀行や市役所本館・別館、イベント等では、ベルナード観光通りやアミュプラザ等でもパンやお菓子、その他の製品の販売を行っている。はあと屋や障害福祉課に相談してもらうことで対応しており、今後もこの取り組みを進めていきたいと考えている。
委 員 製品のリストはあるのか。
障害福祉課 製品のリストについては、このようなパンフレットを作成している。また、長崎市のホームページにも掲載している。具体的には、はあと屋店舗には野菜や果物、パン、お菓子、バッグ、小物入れ、ヌイグルミ等が主な商品である。
委 員 はあと屋に加盟していることで色々なイベント等で販売できる事業所もあれば、加盟せずに細々と販売している事業所があることも知ってほしい。長崎市心身障害者団体連合会は、A型事業所として皆さんと同じ時給の最低賃金でやらせてもらっている。主な事業としては、色々な授産や、車椅子のメンテンナンス、市民会館文化ホールの売店等になるが、売店である以上、皆様に購入していただかないと工賃として支払うことができないということ。障害者が働けば働くほど、お金を儲けたら設けたほど、障害者に還元するというシステムになっているため、皆様の御協力をお願いしたい。
【会長】
この18,056円の工賃が高いかというと、障害者のかたは施設利用料を支払っているため、実際には何千円しか手元に残らないという現実がある。このことについては、委員であっても知らないことがまだまだあるということなので、市民に対しての啓発に力を入れて行ってほしいと思うがいかがか。
障害福祉課 先ほどの説明は、あくまでもはあと屋についての説明だった。はあと屋への参加事業所は平成29年度では36事業所だが、それ以外の加盟していない事業所もたくさんあり、様々な生産活動をしている。はあと屋のPRと合わせて、それ以外の事業所についても製品を把握したうえで、全ての障害者の方々の工賃アップにつながるような取り組みや支援を進めていきたいと考えている。委員から意見があったように、小規模作業所などの事業所もあり、工賃で言えば、就労継続支援A型であれば平均月額工賃は66,000円、就労継続支援B型であれば15,000円弱というところであるが、これら以外の全ての事業所を含めた平均月額工賃が18,056円であるので、平均額以下の事業所というのもあるものと思う。そのような方の工賃がすこしでも高くなるように取り組みや支援を強化していきたい。
【会長】
委員の皆さんも応援してくれている雰囲気があるので、是非全ての施設の子ども達を応援するということで頑張っていただきたい。
【委員】
指標No.10の認知症サポーターの養成講座の実施について、受講後に何かお手伝いすることがあるのか。私自身も認知症サポートリーダーをしているが、特に何も手伝いをしていない。認知症の高齢者が増えてきているなか、講座を受けることでその理解につながればよいということではあるが、聞かれたときにどのように答えるべきか。
{高齢者すこやか支援課】
この養成講座の一番の目的は認知症への偏見をなくし見守っていただくことであり、養成講座を受けたことでこれをしてくださいという決まりはない。例えば、後ろから急に話し掛けるのではなく前方から声を掛けてください等、養成講座で学んだことを周囲の人に伝えて行ってもらいたい。
【委員】
学んだことを自分たちが実行していけばよいということと承知した。
【会長】
行政全般に言えることだが、養成はするけれど活用の場は保証されていない。養成する以上は、活動の場を考えていてほしい。他に何かありますか。
【委員】
指標No.3市民意識調査による人権意識の把握について。所管コメントに20代から40代の世代が、比較的に嫌な思いをした経験があると答えた割合が高い要因として、世代間による人権侵害に対する認識の差や、家庭や学校等における人権教育の環境が違うことが考えられるとあるが、高齢者は人権侵害に対する意識が薄いということか、それとも我慢しているということか。最近は子どもでもちょっとしたことですぐに「それパワハラだ」とか「それはいじめだ、教育委員会に言ってやる」とかいうのだが、大人もセクハラだパワハラだとかいった言葉が多いので、何となく皆が全ての事に対して消極的になりがちだと思う。世代に関係なく皆嫌な思いをしていると思うのだが、高齢者は我慢していると考えてよいのか。
【事務局】
高齢者が低いから20代から40代に偏るというわけではなく、各世代に嫌な思いをされている方がいるのが現実である。これを年代層で見たときに、このような差が出ているということだが、この要因をピンポイントで探すことは非常に難しい。よってこの意識調査の経過を見ながら、どのような状況かを判断していく必要がある。インターネットで検索すれば何でも分かる時代になっており、20代から40代という世代の方が人権という問題に敏感なため率としては高くなっていると考えられる。
【委員】
この市民意識調査の対象者はどのようにして選ぶのか。
【事務局】
18歳以上の長崎市民から2,000人を無作為抽出している。
【委員】
指標No.10の認知症サポーターについてはシステムが複雑でよく分からなかった。先ほどの説明では、養成講座では、学んだことを自分たちが実行していけばよいということだったが、私自身が民生委員をしており、サポーターが1人でも増えたらいいと思っているので、養成講座という言葉には期待してしまっていた。講座を受けた人に講座の目的をきちんと把握するよう伝えないといけないのではないか。また、指標No.11の成年後見人制度利用相談が890人もいることについては実感がないのだが、制度自体どういうものか。
【高齢者すこやか支援課】
認知症サポーター養成講座について、システムが複雑と言われた件については、この講座の他に、認知症サポートリーダー養成講座というものがあり、こちらは4回シリーズの講座となっている。受講後は、市内20ケ所の包括支援センターにおいて、認知症に特化した活動を行う認知症地域支援推進員と一緒に、地域の見守り活動やネットワークの構築のために活動いただいている。名前が似ているので分かりづらいかもしれないが、別の講座になっている。次に、成年後見人制度利用相談については、地域包括支援センターの窓口に認知症のかたの御家族等が相談に来られた際の対応件数も含めているので、件数としては多い結果になっている。他にも、介護保険の要介護認定を受けているかたについてはケアマネジャーが対応した後、包括支援センターにご相談があった場合は社会福祉士が相談を受けるなどし、成年年後見人制度の利用について対応している。また、成年後見人制度についてご説明すると、認知症や障害等により判断能力が低下し、施設入所等の色々な申請や契約手続き、また、一番大きなところでは日常の金銭管理が困難になったかたに対し、家庭裁判所に後見人の申し立てを行い、裁判所が後見人を選定し支援を行う制度になるが、その制度を活用するに当たって、包括支援センターの社会福祉士が支援をしているものである。
【事務局】
成年後見人制度の認定について補足する。判断能力が不十分な認知症高齢者等について、本来であれば親族による申し立てとなるところ、これが見込めないかたに対し、市長が代わって家庭裁判所に申し立てをし、裁判所が決定した後見人がそのかたの面倒を見ることができるようになるという、市長申立ての制度もある。
【会長】
認知症サポーターと認知症サポートリーダーとの関係であったり、包括支援センターとサポートリーダーとの関係であったり、協働活動する仲間がネットワークで結ばれて一緒に仕事をするわけだが、そこがきちんと見えないから「自分は何をすればいいのか?」となってしまう。社会活動の中で包括支援センターはうまく機能しつつあると思っているので、その老成したスキルをシステムにつなげるよう行政は努力をしてほしい。
【委員】
資料3.の12ページ、事業No.82をご覧いただきたい。本人通知制度の登録の普及を進めていただいているところだが、啓発回数だけでは進捗がよくわからない。登録者数は非公表のため、これを指標にすることはできないことは承知しているが、何かいい指標を掲げることはできないものか。平成28年12月に部落差別解消推進法が施行され、この法律は部落に関する教育や啓発を進めていくために作られたものだが、目標値を掲げて推進していくことができないか。
【事務局】 部落差別解消推進法が施行されて、その趣旨は部落差別がまだあるという現実をしっかり見つめ、差別を解消していきましょうということだが、結論から申し上げると、現計画の中に新たに指標を設けることは難しいと考えている。しかし、現在の計画が平成32年度までの計画となっているので、次期計画を策定する際には、現計画の進捗状況を勘案しながら部落差別解消推進法に基づく人権啓発について指標を設ける可能性はあると考える。また、法では地方公共団体はこの部落差別解消に向けた教育・啓発に取り組むこととなっているが、長崎市では、機会を捉えてあらゆる方法を通じて周知啓発を行っているところである。具体的には「身元調査と人権問題」と題したリーフレットの作成・配布や、ホームページによる発信、中小規模講座の開催、職場研修、人権啓発キャンペーン期間中や、その他の様々なイベント会場において、パネル展示を行うなど啓発に努めているところである。
【会長】
この5年間の間に、人権に関する新しい法律が立て続けに出来ており、5年間のスパンは先が見通せないものになってきている。法律ができれば、法の執行者として行政が施策のエビデンス(根拠)としてどう動かし作っていくかが課題となっていくのでもう少し柔軟になれないものかと思う。法の趣旨が施策としてこういう形で反映されていますよということを、いかに見える化していくかというような工夫はしていただきたいので、課題として考えてみてほしい。
【委員】
指標No.9いじめ、不登校、障害のある児童・生徒の相談対応についての相談件数が挙がっているが、いじめ・不登校の相談件数がこれだけであるのはあり得ないのではないか。所管課コメントに「発達障害に関わる理解が広がるにつれて、学校段階で解決することが増え、特別支援教育に関わる相談件数が減少した。」とあるが、実際のPTAの保護者の意見では、特に1、2年生の保護者では自分の子どもが発達障害ではないか疑うというケースをよく耳にする。これだけ発達障害に関するニュースや事件がありながら、発達障害に対する理解が深まっておらず、自分の子どもがそうではないかと不安を抱えながら誰にも相談できない保護者はとても多いと実感している。市P連の母親部会という組織において、発達障害に関わる講演会を企画しているが、このような保護者に対する取り組みが少ないのではないか。人権集会等において子どもや教職員に対する教育はしているけれど、保護者に対しての取り組みはなかった印象がある。
【教育研究所】
平成29年度の実績7,578件については、不登校等の一般教育相談での相談件数は3,259件、特別支援に関する相談件数は4,319件という内訳になっている。総件数を平成28年度と比較すると286件減っている。具体的には発達障害等に関わる相談が210件程減っているため、全体的な傾向としてこのように記載した。委員がいわれるように、確かに低学年児童の特別支援に関する電話相談というのはあっており、また、学校の教職員のほうにもあることから、教職員に対する研修は多めに行っているため、学校における相談体制も少しずつ整ってきていると考えている。保護者の状況も認識できたので、今後保護者に対する研修会も検討していきたいと考えている。
【会長】
発達障害について悩んでいる保護者は相対的に一人で抱え込む傾向がある。まとめて研修するのではなくても、一番近くにいる特別支援や担任の先生達が発達障害に対する理解を深めて保護者に対応していく必要がある。保護者が変わっていかないと、子どもも変わっていかない。
【会長】
進捗状況についてはこれで終わりたい。次に議題(2)その他に入るが、事務局から「同性カップルを対象としたパートナーシップ制度導入の検討について」説明があるとのことなのでお願いする。
【事務局】
それでは、「同性カップルを対象としたパートナーシップ制度導入の検討について」説明する。制度導入の趣旨を説明するまえに、性的少数者について少しご説明を加えながら進める。
「1 性の多様性について」については、戸籍上では性別は男と女の二つに割り当てられているが、戸籍上の性別の他にも「こころの性別」や「身体の性別」、「好きになる相手の性別」などがある。つまり、戸籍上は男性でも、性自認は女性のかたもいれば、同性を好きになるかたもいる。民間の調査では、日本のLGBT層の割合は7.6%で、13人に1人はいると言われている。
次に、「2 性的少数者(マイノリティ)の生きづらさ(例)」については、性的少数者は、周囲の理解不足により、いじめやさまざまな差別を受けやすく、当事者の方々はさまざまな生きづらさを抱えていると言われている。例えば、心理的な生きづらさとして、トランスジェンダーのかたは女性(男性)が男性(女性)の身体に閉じ込められた状態とも例えられ、性別違和感のため自分の身体の性を強く嫌ったり、同性愛のかたは、差別や偏見を恐れてそのことを隠し自分らしく生きることができないといった状況を抱えている。その他にも、日常生活における制服やトイレ、更衣室の問題や、入学や求職時における問題など、日常生活の様々な場面で不便を強いられているといった状況がある。
次に、「3 長崎市の性的少数者への主な取り組みと現状」については、長崎市では、「第2次長崎市人権教育・啓発に関する基本計画」(改定版)に基づき、様々な人権問題の中の一つとして、性的少数者に関する取り組みを行っており、主な取り組みとしては、人権問題講演会や、中小規模の講座の開催、また、啓発資料の作成・配布などの啓発のための取り組みを行っている。また、長崎市の現状としては、平成29年度の市民意識調査で、人権に関していやな思いをしたり、不当な扱いを受けたことがあるかの調査の回答で、LGBT等の分野において「ある」と回答した割合は2.8%(5人181人)で、昨年の1.5%から若干増えてきており、長崎市への性的少数者と言われる人からの相談は年に4、5件あっている。主な内容としては、個人の悩みでは薬の投与による副作用などの健康面の悩みや、求職面や生活上の困難、交友関係の悩みが多く、行政への要望では、同性カップルには公的な関係性の証明がないので、パートナーシップ制度を導入してほしいというような意見があっている。
次に、「4 パートナーシップ制度導入について」については、長崎市としては、人権問題の一つとして、性的少数者に対する差別や偏見をなくし、生きづらさを解消するための取り組みは必要であると考えている。パートナーシップ制度を導入することで、同性カップルについての生きづらさの解消の1つとなること、また、制度を長崎市が作ることで市民への正しい知識と理解を広めるきっかけになることも考えられることから、できるだけ早い時期の制度導入について検討を始めたところである。
最後に、「5 パートナーシップ制度導入の状況」ですが、平成27年に渋谷区が国内で初めて同性の二人がパートナーシップの関係にあることを確認して証明するパートナーシップ制度を導入したのを皮切りに、現在までに世田谷区、伊賀市、宝塚市、那覇市、札幌市、福岡市、大阪市の8つの自治体が導入している。説明は以上である。ご意見等があればお願いする。
【会長】
資料ではパートナーシップ制度導入の検討についてとなっているが、先日の議会において、長崎市長が導入を表明しているので、今回は導入をするかしないかの議論ではなく、パートナーシップ制度や、LGBTの問題も含めて言っておきたいことがあればお願いしたい。
【委員】
性的少数者(マイノリティ)の生きづらさについて、学校教育のなかでどうにかできないかということを考えている。日常生活のなかの制服の問題について意見を述べたい。まず、女子の制服については、現在スカートかパンツかのどちらでも着用していいようになっているのか。それから、心が男性で身体が女性の場合はスカートを着用することに物凄く抵抗があるので、どちらでも選択できる自由さを是非学校教育の中で取り入れてもらいたい。次に、更衣室の問題だが、恐らく小中学校においては、更衣の為にどこかの空き教室を利用するだけで、個人で使える更衣室はないと思う。学校長から教育委員会に強く申し入れをしてできるだけ個人で使える更衣室を学校内に作ってほしい。
【学校教育課】
現在、長崎市内で自由に制服を選べる校則を設けている中学校はない。岡山大学病院が2006年に行った調査で、小学校高学年で性自認についての割合が高くなり、中学校になるにしたがって、自分自身の性に大変苦しみ自殺を考える子どもの割合が2割から3割と高い割合になっていくところから、今学校における性的マイノリティに対する対応が大変重要だと長崎市教育委員会でも捉えている。今年度は、8月16日に長崎市人権教育研究大会を開催する。その基礎講座において、平成27年4月に国から出された性的マイノリティに係る学校の適切な対応という手引書を用いた研修を行いながら、トイレや更衣室の使用、健康診断、体育の履修の問題について、今、学校でできる対応の在り方について理解を深めることを予定している。
【会長】
このパートナーシップ制度については、導入するという大きな方向性は決まっているが、制度設計はまだこれからである。今、委員から言われたようなことも含めて、長崎市のパートナーシップ制度をいかなる形で具体化していくかということについて、どこかの機会でまた委員の皆さんの御意見を伺うことになるということでよろしくお願いしたい。
【会長】
最後に私から一言申し上げる。障害者差別解消推進法ができたことを受けて、合理的な配慮や差別の禁止の問題が明確に示された。今回、国の教育振興基本計画の中に、障害者の生涯教育が出てきた。特別支援学校を卒業した途端に学びの場を失ってしまう障害のある人達が、色々なところで学びたい、学ぶ場を保証してほしいということが強く求められている。それにはお金がかかるものとそうでないものがある。そこにきちんと対応していかないと法に抵触してしまうということになる。学校教育以外の場でも、障害者に対する生涯教育をどのように進めていくかということも、是非今後検討してほしい。
【事務局】 本日は、会長、委員の皆さんどうもありがとうございました。本日の会議録については、後ほど事務局案をお送りするのでご確認いただき、修正があればお伝えいただければと思う。最終的に市のホームページにて公開させていただく。また、本日委員の皆さま方にいただいた貴重なご意見については、今後対応し、おって、対応状況について報告する。それでは、これをもって、平成30年度長崎市人権教育・啓発審議会第1回会議を閉会する。委員の皆様、本日はご多忙のところ、ご出席いただきありがとうございました。
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