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更新日:2020年3月10日 ページID:034253
企画財政部 都市経営室
長崎市総合計画審議会 第2部会(環境と快適な暮らし)第2回
令和元年8月22日(木曜日) 14時00分~16時30分
議会第1会議室(市役所本館地下1階)
(1) 基本施策E1「災害に強いまちづくりを進めます」の評価
(2) 基本施策E2「消防体制を強化します」の評価
(3) 基本施策E3「犯罪のない地域づくりを進めます」の評価
(4) 基本施策E4「安心できる消費生活環境をつくります」の評価
■議題1 基本施策E1「災害に強いまちづくりを進めます」の評価
平成30年度実施施策の評価について
〔基本施策主管課説明〕
【委員】
E1-2「市民の防災力向上を図ります」の成果指標、市民防災リーダー認定者数 3 名以上の連合自治会の割合について、連合自治会と自治会の違いは何なのか。
また、支え合いマップの作成は自治会数を指標としているが、連合自治会ではない理由、市民防災リーダー認定者数を連合自治会で判定する理由についてお聞きしたい。
連合自治会数が必ずしも市民の数ではないと思うし、極端な話、連合自治会が減っていけば、実績値の割合が上がって目標達成ということになるので、なぜこういう基準なのかを教えていただきたい。
【担当課】
まず、連合自治会というのは、おおよそ小学校区単位の自治会が集まった団体で、現在、84 ある。より身近な各自治会に1人以上というのが理想的という考えももちろんあるが、もう少し広い範囲で、まずは小学校区や連合自治会単位で市民防災リーダーを任命していく。連合自治会単位で達成した後は、より身近に各自治会単位へと考えなければいけない。
【部会長】
自治会数が市民の数を表しているのではない、という話もあったが、例えば、自治会に何世帯いるのかというデータがあると思うので、人口カバー率というような表し方のほうがより適切ではないかと思う。
【担当課】
単純に人数を目標にするのも総数で見たときの考え方の一つかと思うが、身近に防災に関する知識を持った人がいてほしいという思いから、単純に数字ではなく、各地域にいることが分かる指標として、各小学校区単位でまずは任命していきたいと考えている。
【委員】
急傾斜地崩壊対策事業に関しては、ハザードマップもかなり見やすく、分かりやすくなった印象がある。
ただ、市で対応している、安全性が確認できない既存の石積みや石垣は、崩壊した建物の補修を補助するとあるが、長崎の場合、今の基準からすると、急過ぎる石積みが多いという問題があると思うので、現在の状況がどうなのかということについて、ひとつ。
また、このことに関して、そこにお住みの方は、不安と思っているのか、不安かどうかをご理解いただけていないのか、その辺りが分からない。これは今後の問題かと思うが、長崎は過去にかなり大きな石積みの崩壊があったので、石積み崩壊の予防に対して、どう考えているのかをお聞かせいただきたい。
それともう1点は、これまでも何度か議論になった防災無線の話で、デジタルになったが、相変わらず何を言っているか分からないと、市民の皆さんも同じように思っていると思う。この部会で、元部会長の宮原先生が、音響の専門家ということで、男性の声は聞き取りにくいが、声が高いと非常に聞き取りやすくなるので、できるだけ女性のアナウンスにすると、みんな聞こえるようになるという、本当にコストのかからない、非常に適切な助言をされていたが、女性の声でのアナウンスを聞いたことがないと思う。そのあたりの対応はどういうふうに考えているのか。
今後、テレビのデータ放送等々をお考えということだが、これも前に議論になっていて、ヤフーやグーグルといった災害ポータルと、市の防災情報をリンクすると、プロバイダーのポータルでぽんと出てくる。パソコン相手に仕事をしている人はかなり多いのだから、検討されたらどうか。
【担当課】
まず、1点目の宅地のがけについて、がけが壊れた場合の補助をやっているが、その予防対策をどう考えているかについて、長崎は斜面地で、宅地に石積み等が多く見受けられるので、裏のがけがちょっと危ない気がするというような、市民からの相談があった場合には、直接現地を見て、職員でどのような状態か確認し、ひび割れがあれば、今後の注意として、ひびが開いていないかなど、常々観察してくださいという助言をしている。
また、斜面地の方々に対して、危険ながけがあった場合の相談は建築指導課であることを広報ながさきで周知を行ったり、平成30年から今年度にかけて、斜面地の自治会にチラシを配布したりして、もし危険ながけがあったらご相談ください、教えてくださいと、情報収集の意味も兼ねて周知をしているところである。
平成30年度は、連合自治会の江平地区を回って、4件ほど相談があった。今年度は、残りの自治会に集中して、相談等を受けている。
考え方として、市民の方に、自分のところに危険ながけがあるかどうかという意識向上を図るために、チラシ等で周知して、今後は相談があれば、適切に指導等を行っていきたいと考えている。
【担当課】
防災無線については、現在、デジタル化工事を行っており、令和 2 年度の4 月1 日から完全にデジタル方式で放送する。
一部地域では既にデジタル放送を開始している状況であり、デジタル放送では、防災無線の声自体が肉声ではなく、合成音声、デジタル音声となる。整備を完了したところは、音声合成された女性の声で放送している地区がいくつかあるが、我々も気になっていた反応として、聞きやすくなったと言われる方もいれば、前の男性のほうが聞きやすかったという方もいる状況である。
この調整について、合成音声でも男性に設定することは可能なので、今は女性の声を前提に整備を進めていき、色々な意見を聞きながら、場所によっては男性にするという調整をしていきたい。
もう1点、ヤフーアプリ等との連携だが、現在の状況として、Lアラートという仕組みがあり、市の被害状況や避難所情報、避難勧告などを県のシステムを介して報道などの関係機関に流れるという形はできている。そういった情報はヤフーのほうにも伝わるので、それをもとにプッシュ型で音が鳴ったり、バイブだったりと、通知をする方法もできている。
ヤフーとさらに深い連携をしているところは、他都市でもいくつかあり、避難所などのさらに詳しい情報をアプリとリンクできる。その点について、今、ヤフーのほうとも、災害時の協定として、同じページから複数のリンクした情報を見られるような仕組みの内容を確認している状況。災害の協定の細かい内容は、検討を進めたいと考えている。
【委員】
E1-2の評価のところで、市民防災リーダーの養成について、それぞれの市民防災リーダーが進行役として活動されることにより意識向上を図るという効果を期待されているとのことだが、評価シートとしては、認定されたところまでの記載である。その後、リーダーの方々がどのような活動をされているかというのを把握しているのか。把握しているのなら、どういう活動をされているのか、教えていただきたい。
【担当課】
市民防災リーダーについて、第一の役割は、その地域の防災の中心となって、地域のために防災の知識等を広げていくということである。評価シートの中にも記載している地域防災マップづくりは、自治会単位で近所の地図を使いまして、ここにがけがあるので危ないなど、集まってもらった方に確認していただいて、身近な防災マップをつくるという活動である。この地域防災マップをつくるにあたって、実際に市民防災リーダーの方に、この趣旨等を説明してもらって、一緒に活動してもらっている。
その他の例として、地域の防災訓練がある。大きい範囲であれば小学校単位、またはもう少し狭い範囲の防災訓練について、その具体的な計画をつくっていただき、その計画を防災危機管理室のほうと調整をしながら実施をしていくという活動をしていただいている。
今現在、1,149名の市民防災リーダーを認定しているが、各リーダーが個々に取り組まれている細かな活動については、把握するのが難しいというところがある。
【委員】
E1-2の成果指標、支え合いマップの作成について、私も町内会で勧誘しているが、あまり聞きなじみがないもので、非常にやりにくいなと思っている。実績値の達成率が非常に低いので、非常に難しい面があるのか、また、今後どのようにしていこうとしているのか、説明していただきたい。
【担当課】
支え合いマップについて、平成29年度までの実績が16件と非常に低かった。平成29年度上半期までは、地区担当の保健師が保健福祉、高齢者の介護予防などの本来業務とあわせて、地域に支え合い体制づくりの重要性などを説明しながら、ささえあいマップづくりの啓発をしていたが、なかなか行き届かないのが実態だった。目標値は高く掲げていたが、実際やってみるとこういった実績であったと。
平成29年10月に、行政サテライトの再編成に取り組み、地域コミュニティのしくみづくりという観点から、まちづくりの支援に携わる職員を配置した。
今度は、まちづくり支援担当の職員が地域に説明し、啓発に入ることで、何年もかけて16件しかできなかったものをたった 1 年で14件増やすことができた。わずかな期間にこれだけ成果が上がったのは、今後、非常に期待できるのではないかと思っている。
また、目標値に到達しない要因として、地域での支え合い体制づくりについて、自主防災組織や自治会、民生委員さん方との調整や、一定の人数で防災マップを見ながら、どうやっていこうかという話し合いまでの段取りに非常に時間がかかっている。自治会の皆様が心を一つにして、じゃあやろうという気持ちに持っていくことが大変というのもあり、なかなか性急には進まないのが実態である。
ただ、このささえあいマップの自治会数はマニュアルどおりに作成したところの数である。自治会によっては、マニュアルどおりのものはつくれないが、班長さんがこの人とこの人には声かけしようとか、あるいは電話の連絡網はつくっておこうとか、自治会に応じた支え合い体制づくりに取り組んでいるので、実際の数字には表れていない自治会もある。
【部会長】
では、平成30年度の評価について、E1は、「Cc 目標を一部達成しているものの、目標達成に向けた課題の克服などがややおくれている」だが、この評価について、所管課評価のとおりでよろしいか。
(異議なし)
【部会長】
主な意見として、数年間にわたって議論された防災無線の話も、変化が起きてきているということ、色々なマップづくりも、自治会単位などでやっているが、行政サテライトという仕組みが新しくできて、アプローチの仕方が変わったことで変化が生まれてきているということだったので、そういったものを次の第五次総合計画に含めながら継続していただきたい。
第四次総合計画後期基本計画の振り返りについて
〔基本施策主管課説明〕
【委員】
成果指標の検証のところで、自主防災組織結成率というのは、自治会単位の結成率、分母は自治会になると。そうすると、自治会未加入者に対する防災対策が進んでいるのかどうかは、もれてしまうのではないか。自主防災組織の結成が市民の防災力の向上につながるというのも、自治会を通しての活動ということになると、自治会未加入者に対する防災がもれてしまう。
加えて、E1の個別施策について、急傾斜地崩壊対策以外の事業として、河川や水路の整備もされているのに、そこは成果指標には表れないので、これだけで成果指標として足りているのか少し疑問だが、どのように考えているか。
【担当課】
まず、自治会未加入者で、どれぐらいの防災知識を持って組織的な活動ができているかという指標もあったほうがいいのではないかということだが、自主防災組織は、ほぼ100%が自治会を母体として組織しているのが実情であり、自主防災組織結成率を考えると、自治会加入者だけの数字になってしまうのはもう現状である。
この施策に限らず、自治会は市の施策全体の問題として、自治会加入率がやっぱり下がってきていると。これができるだけ下がらないよう取り組みたいが、やっぱりどうしても伸びていかない、徐々に減っていっている状況という中で、この施策に限らず、例えば市の行う事業の周知などに関しても、やっぱり自治会未加入者へどう周知をしていくのかは、本当に大きな課題であるのは認識している。
ただ、どう図っていくか、その活動を広めていくかということについて、今、実際行っている活動として、小学校単位の地域のお祭りや運動会には、自治会未加入のお母さん、お父さんも多く来られるので、そういう場を通して、防災の啓発活動をしている。
防災の知識や意識を持ってほしいということで活動をしているが、自治会以外でそれをあらわす指標というのが、設定できていないという状況である。
もう1点、今現在、ハード面で、急傾斜地だけを指標として使っているという指摘だが、市の地形特性や災害特性を見ると、長崎大水害で多くの被害が出たのは、やはり土砂災害である。いくつかの指標を設けるという方法もあるが、現在、急傾斜地を指標としている考え方としては、市の特性を踏まえて、代表的な災害への対応を指標としたということである。
【部会長】
ほかの施策でも同じことだが、自治会活動がベースになっていて、その上でこういう取り組みをしようというものが多い。自治会をどうするかという共通の課題としての取り組みというのは、お互いに情報交換なり、取組みを連携させるなり、そういった対応はあっているのか。
【担当課】
今現在、市の取組みの周知という部分については、今回、市の機構が変わって、秘書広報部の中に広報戦略室として、どうやって広報を進めていこうかといったところができている。
ただ、横のつながりとして、課題意識は当然持っているが、これをどう打破していくか、改善していくのかというところの具体策を持っていない状況である。だが、自治会未加入者に対する周知も、広報戦略の課題として取り組んでいかなければいけないとは思っている。
【部会長】
やはり難しいことだとは思う。回答の中で、主管ではないのでという部分もあったが、結局、根っこは共通なので、それを全体がやってしまうとやっぱりよくない。その課題解決を、今後の第五次総合計画に向けて、担当課としての課題、自分たちではどうだというのをきちんと出していただきたい。
【委員】
私も自治会の役員をしていて、たまたま、うちの自治会には市の職員の方がいて、役員として非常に頑張ってもらっている。役員会で、何か市のことで聞くと、特にどこの所管という形ではなく、そのとき即答してくれるか、次の役員会のときに調べて答えてくれている。そういった意味では市職員であり、市民であるので、もっと積極的に自治会に入ってもらって、市の情報をどんどん出していただくと。自治会の困ったことをくみ上げるという意識をもっと持ってもらう。
これは業務ではなくて、一自治会役員として積極的に進めていくことが、その辺りの問題を解決していく気がするので、どこが所管かよく分からないが、ぜひ、そういう方向に持っていっていただきたい。
【部会長】
市民の評価で、満足度は低めのほうだが、期待度がかなり高く、期待されているということ。
ただ、満足度が低めだったことを、何でそうなったのかと見ようとしたときに、ここにある指標でそれが評価できるかというと、ちょっと難しいかと思う。指標には出ていないが、こういう理由が満足度の低さにつながっているのではと感じていることがあったら、教えてほしい。
【担当課】
昨年の大きな災害から考えると、平成30年7月西日本豪雨、長崎でも大雨特別警報が初めて出た。実際、中国地方を中心に、死者がかなり出たことで、原因が何だったのかという調査の結果として、避難勧告や避難指示など避難を促す様々な情報が国や市町村から出されたが、実際亡くなった方というのは、情報が出ているにもかかわらず、自宅にとどまって逃げおくれて命を落とされた、もしくは、避難行動にやや時間がかかる高齢者の方が、被害に遭っていると。
これを受けて、国は避難に対するガイドライン等を改正して、まず、自分が住んでいるところの状況がどうなのかを知ってもらって、どういうときに逃げる必要、避難する必要があるのか。場合によっては、堅牢な建物で、高層階に住んでいる方は、逆に外に出たら危ないこともあるので、実際避難するときには、どういうタイミングで避難すべきかを把握してもらう。例えば、大雨警報が出たら、自分のところはがけ地に近いので早く逃げないといけないと自分で判断をする。最近、マスコミでも「みずからの命はみずからで守る」という言葉がよく出ているが、そういう意識を持つことを、国がガイドラインの改正ではっきり出しているところである。
満足度が低いというのが、市などの行政がもっと何かをしてくれるだろう、する必要があるんじゃないかという意識のほうが強いのかなと。
もちろん、我々にできる避難情報の伝達などは、全てハードで対応できることではないので、ソフトの面でも対応していく必要がある。避難行動については、もっと周知して、啓発していく必要があるが、こうなったら逃げなさいと言ってもらってから、逃げないといけないという感覚がまだ強いかなというのは、感覚として持っている。
だから、これは市民が悪いのではなくて、行政で全て助けることはできないということも含めて、もっと防災に関して啓発をしていく必要がある。我々も市民の方もお互いに意識を変えていきましょう、変わっていくべきだろうと思っている。
【部会長】
先ほどの平成30年度の評価にもあったが、成果指標の自主防災組織結成率で、次の第五次総合計画もまた結成率を上げていくのか、難しいところだと思う。継続率だとか、活動の中身がどう変化していったかということが、ある程度まで達成したときには、次の見方に出てくると思う。
今回、複数年度の振返りとして見たときに、やはり継続率のような指標が要るのかなと感じる。単年度なら結成率でいいと思うが、今後のところで何か考えがあればお聞きしたい。
【担当課】
実際、自主防災組織の結成率だけで指標として十分とは考えていない。その活動の内容がどうなのかということが見えるような指標を考えないといけないと認識している。
もう少し具体的に言うと、やはり自治会の母体の話になるが、毎年、全自治会長さんに、防災に関するアンケートをとっていて、どんな活動をしていたか、活動の内容についても、ある程度は把握できる状況にあるので、このアンケートの内容を記録しないといけない。そこで活動の内容をはかれるような設問の設定をして、その結果がどう変わるのかということも考えていく必要があるかと考えている。
【委員】
施策の中身は基本的に防災・減災等だが、災害に強いという最終的な視点として、起きてしまった場合のリカバリーの部分、住むところがないとか、経済的に困窮するという状況への対策について、平時でできるものについて伺いたい。
併せて、例えば、西日本の災害のときに、被災地域の行政から、こういうことをしておけばよかったというような、役所同士の意見交換があるのか。
また、住宅ローンなどが残る方に対しては、ガイドラインがあって、弁護士も災害後に相談を受けることがある。災害が起きた後は、すごく連携をとっているみたいだが、起きる前からどういうところとどういう連携をとるのか、少なくともどこに連絡すればいいのか、被災に関する悩みをどこにつなげばいいのかということなど、災害が起きた後のことで、平時でできることについて、何か検討されていることや、他の地域から聞き及んでいるような情報等あれば、教えていただきたい。
【担当課】
確かに大きな災害があったところは、その後の対応がかなり変わってきている。一つの例として、九州の各市単位で構成する九州市長会というものがあり、その九州市長会の中に防災部会というのがある。
地域で協定を結んでいる例として、九州でいくと一番直近で被害が出た熊本地震の後、熊本市の担当者と話したところ、熊本市の場合は、レンタカー会社と協定を結んでいると。何のためかというと、レンタカー会社のキャンピングカーを借りて、近隣の市町で大きな地震などがあったら、熊本市の職員も現地に行くが、被災地に入っていくと、基本的に泊まるところがないので、そのためにキャンピングカーを借りる協定をしていると。その感覚はないなと感じたところである。
九州市長会の防災部会は、定期的に大体年 2 回あっていて、その準備ための会議等が 4 回ぐらいあるので、情報収集をしながら、特に被害が大きかったところの反省点というのを生かしながら、今後に備えているという状況である。
【部会長】
E1のまとめとして、災害に遭ったところはやはり意識も違っていて、そこに職員同士の情報交換があるということなので、職員の方も経験がないことを補っていくというのも大事。あとは、そうやって得られたものを自治会長さんや防災リーダーとか市民にも、研修会みたいなもので共有すると、より状況はいい方向にいくのではと思う。
組織の結成率や、マップの作成いう指標は、つくった後、どう更新していくかが難しいと思う。つくるのも難しいけれども、どう生かすか、どう更新していくかだと思うので、つくったものを使ってアプローチをかけて、継続的に市からは支援、住民のほうでは活動をやっていくという形をきちんとつくっていただきたい。
■議題2 基本施策E1「災害に強いまちづくりを進めます」の評価
第四次総合計画後期基本計画の振り返りについて
〔基本施策主管課説明〕
【委員】
取組みによる成果として、全国平均、県平均よりも出火率が低いことは、本当にすばらしいと思う。
ただ、その成果指標として、火災発生件数には振れがあって、目標になりにくいという説明があったが、私は逆だと思っている。今年の初期に行った総合計画審議会の議論の中で、目標に最も適切な数字の表を、もっとマクロにつくってほしいという意見がかなりあった。小さな目標も大事だが、その目標を端的に表すような大きな目標をきちんと数字でつくりましょうという意見があり、全くそのとおりだと思っている。
そういった意味で、E2の火災発生件数というのは、まさにこれさえ減れば、皆さんの努力が報われる、一番わかりやすい指標だと思っていて、当然のことながら、多い年も少ない年もあるので振れはあるが、トレンドとして減ればよいので、こういうすばらしい指標を振れがあるから、次回はやめようというふうに、ぜひしないでいただきたい。
【担当課】
実は、この指標の表し方について、外部評価前の二次評価でも話が出たが、この出火件数の前に、出火率を成果指標として用いていた経緯がある。出火率は、人口1万人当たりの出火件数を全国で一律に表していて、唯一、火災報告で取り扱う全国統一の指標であるので、それを用いていたが、以前の外部評価の場で、出火率という数が何を表すのかが読みにくい、火災件数のほうが市民の方には分かりやすいという意見があり、評価の指標をやりかえた経緯がある。
担当課としては、火災予防の取組みをする中で、明らかに全国値よりも低いと如実にあらわれている出火率があることを、二次評価で説明をした際に、確実に市の取組みが分かるような指標があるのなら使ってもいいのではないかという意見ももらっている。
もちろん、この火災件数というのも、当然有効だと考えているので、どういう指標にしていくかは、消防局としても今後検討していきたい。
【部会長】
件数をあらわすときには原単位という考え方もあって、出火率は1万人あたりだったが、例えば世帯数に対して何件だったかなどであらわしたら、大体の規模が見えてきたりしていいではと思った。
【委員】
消防団員について、成果を見ると、若い世代を対象とした各種団員募集により、197人新規入団したと。これだけ入団したのはすごい数かと思うが、E2-2の成果指標「消防団員の充足率」を見ると、消防団員の条例定数を改正して、消防団員の定数は減ったのではないかと思う。それで実績値が伸びていると。
だが、次の「評価(問題点とその要因)」のところでは、消防団員の確保について、人口減少や就業構造の変化により、新規入団につながっていないという指摘をされている。
これは今、どういう現状で、どういう認識を持っているのか。
【担当課】
現状として、過去10年間の推移はほぼ横ばいの状態で続いている。確かに新規入団として194人、これは 3か年分の若い世代の入団で、コンスタントに毎年、若い世代の方が入団されているが、会社の都合などの様々な事情で、中途退団される方も結構いるので、入団と退団が比較的イーブンな状態で長崎市の消防団は推移している。
長崎市消防団は、今は何とか現状維持という状態だが、長崎市自体が人口減少や高齢化の進展が予想されているので、消防団もそういう傾向になっていくだろうと。今のうちから、若い世代の方を中心に入団を促進していって、活動していかなければいけないという考えで、入団促進活動をやっている状況である。
また、条例定数の話が出たが、確かに数年前に、当時の条例定数3,314人を、2,944人に改めた。結果的に充足率が上がったが、そのときの基本的な考え方として、現行の体制、各地区の現状に合わせた、現場活動の安全強化ということで、活動要因を見直していく中で、定数の見直しに至ったという経緯である。
【委員】
今年の 4月くらいから、20代を中心に加入促進をしましょうという新しいプロジェクトを組んで、今、少しずつ成果が出てきているかと思うが、今度は20代中心から、30代、40代、50代まではちょっと厳しいかもしれないが、上の世代のところは、何か考えているのか。
【担当課】
消防団の加入事業として、若い世代をもっと取り入れたいということで、今年度、各地区から人選をしてもらい、20代を中心とした若手の加入促進チームを結成して、いろんなイベントなどで加入促進をやっている。実際に1人入団されていて、入団の意向を示している方が数人いる状況である。
今、消防団の平均年齢が41.6歳ぐらいで、40代が一番多い消防団構成である。30代、40代、50代のところも、加入としては強くしなければいけないのではということだが、消防団は長く勤めていただかなければいけないと考えている。入ってすぐ退団することがあってはならないと思っていて、どちらかというと長崎市の消防団は、若く入られた方が長く勤めている傾向もあるので、若い世代に多く加入してもらうことで、未来に長く勤めてもらえる、また、長く消防団で活動できるような環境づくりに努めていこうということで、取り組んでいきたいと考えている。
【委員】
なかなか消防団に入らないとか、それから入っても仕事の都合でやめてしまうという話が出ているが、これは職場の理解がとても大事なことだと思う。地域にある職場に対しての働きかけ、企業に対しての働きかけはされているのか。
【担当課】
まさに今、全団員の約7割が被雇用者、ほとんどの方が働いている。そういった方々は、例えば勤め先で勤務中に火災出動をしなければならない事態が想定されるので、それは職場の理解がないと当然できない。そういったこともあって、私たちの取組みとして、消防団協力事業所の制度をつくって、従業員に2人以上消防団員になってもらった事業所を認定していって、今、115事業所になった。平成22年からスタートして、約 9倍増加している。
それともう一つ、昨年7月に、長崎市内の商工会、当時は 4 商工会、今は 3 商工会だが、消防団活動支援のための協定を結んで、商工会に入っている事業所が、地元の消防団と連携したり、支援をしてもらおうという協定を結んでいる。そこで昨年度から、商工会主催の夏祭りなどで、消防団の加入促進活動をやってみたり、消防団が警備をしたりとか、いろんなことをしながら、地域に消防団と関わってもらって、その中で加入促進をするという活動も始めている。これからも事業所の理解に努めていきたいと考えている。
【委員】
成果と効果のところで、外国人からの通報等に対して、通訳コールセンターを通して対応したとあるが、これは火災が起きたときには、場所によっては外国人が多いとか、そういう場合に、現場では言語が障害になって、避難が若干もたついたといったことはあるのかということと、もしあるならば、対策はどのように考えているかということをお聞きしたい。
もう1点、成果指標について、火災発生件数はすごくわかりやすくていいと思うが、火災の規模感とか、1件の火災の重さの違いを把握できるものはあるのだろうか。また、それはほかの自治体等と比べて、長崎の火災の被害はどのくらいの位置づけなのか、教えていただきたい。
【担当課】
多言語について、火災に特化した場合、救急がほとんどだが、外国人観光客が119番を知らないという場合や、アメリカの場合は番号が違って911であるとか、そういったことがあるので、119番にかければ病院に連れていけるという、広報をまずやっている。実際にかかってきた場合に、言語がわからなくても、通訳コールセンターに電話を回して 3者通話という形で、対応できるような仕組みをつくっている。 救急ばかりであるが、平成28年度は20件、平成29年度は14件、平成30年度が9件という形で、実績がある。ただ、火災に関しては実績がなく、例えば、観光地で火災があってという中で、日本語で言って英語で流すとか、別の言語で流すとか、そういう避難誘導という形も、今はあるので、そういったものを使いながら、外国人の方々が安全に避難できるという状況である。
【担当課】
それと、成果指標のほうで、火災件数以外で、火災の規模などが分かりやすい指標になるものがないかという質問だが、消防局の統計として、焼損棟数や罹災世帯数、焼損面積といったところの調査もやっている。ただ、これは火災の状況で変動が大きく、例えば 1件の火災で建物が 1棟燃えるのか、4棟、5棟燃えるのかといったことや、例えば家財が多い建物であれば、焼損額が増えるといったところで、なかなか指標としてとらえにくいという現状。一般的に見て、市民の方が、火災が少なくなった、安全になったという指標として、やはりこの火災件数という数字が一番良いのではないかと、いろんなデータの中で指標になり得るものということで、最終的には出火率と火災件数というところで、判断をしている。
【委員】
消防団の件について、消防団の活動をしている友人から、言葉に語弊があるかもしれないが、昔よりもずっと民主的になったというような話を聞くことがある。もちろん、命がかかっているので、厳しいところは厳しくなくてはいけないと、それはもう理解をしているが、特に我々の世代は、とにかく厳しくて怖いみたいなイメージがすり込まれているんじゃないかと。
伝え方は難しいと思うが、例えば、学校の運動部の指導にしても、昔と今で全く違うのは、皆さん、御承知のとおりなので、消防団の団員さんに対する指導も、そういう変化が起きているものだということを、すごく強くPRしたほうがいいのではないかと感じている。
私は建築の業界にいるので、消防と建築は非常に密接につながっているところがあると考えていて、建築の知識がある人間が消防団活動で現場に行くと、いろんな意味でプラスアルファの活動ができるのではないかという気がしている。先ほど、なかなか充足率が上がらないということで、企業との協議もしているという話だったが、建築や建設の業界の社会貢献としての社員の消防団への参加率みたいなものを、会社の指標に、特に公共事業の場合は、そういう指標があるのではないかと思うので、もしされていないのであれば、企業の評価として、消防団への参加率を指標にされると、会社から積極的に若い社員に勧めるということもあろうかと思うので、ご検討いただきたい。
【担当課】
私たち消防職員と消防団員は、ともに災害現場で活動する団体である。特に、命、生死にかかわるところの活動をしているため、厳しさというか、ある程度の規律の保持というものが必要になる。災害活動を行う集団として保つためには、ある程度の厳しさは、やはり消防団員に求めなければいけないのかなと考えている。
また、消防団員はボランティアですかという話もよく聞くけれども、確かに正業の傍らでやっていただいているという面においては、消防職員と団員の違いはあるが、活動の対価としての報酬や、5年間勤めれば退職報償金もあるので、きちんとした活動団体であるという理解をしてもらうことも必要かなと考えているところではある。
ただ、内輪では厳しさを持って、市民の方や、地域では優しさを持って接していきたい、団員の皆さんにもそうしていただきたいというふうに思っている。
あと、建築業界については、公共工事の入札加点制度の中に、消防団協力事業も設けていて、およそ22事業所、消防団協力事業所数も伸びたという経緯があるので、こういった取り組みは、今後も引き続き取り組んでまいりたいと考えている。
【担当課】
一点だけ補足として、先ほど予防課長が説明したとおり、命を預ける仲間であり、一つのミスが全員の命を奪うということで、厳しくするところは厳しくするが、指導の仕方は、当然変わってきている。
私たちのような年代だと、怒鳴られたり、蹴られたりとか、そういうこともあったが、今は世間一般にパワハラということになるので、時代の変化に応じて、消防職員、消防団員とも、流れに沿った中での指導をされているという認識を持っているところである。
【部会長】
まとめとして、指標のところで、火災発生件数についての意見が多くあったが、やはりこれが最終的な成果そのものじゃないかという意見が強かったと思う。ただ、火災発生件数は絶対ゼロにはできないので、その指標も、達成指標というのと、他に、状況を見る指標というのもやっぱりいるかと思う。ぶれはあっても当然いいと思うので、どこの変化で、どこまできたらといったことをまた議論していけたらと思う。
消防団員の話も、若者にということで、意見がいろいろと出たけれども、若者に対するアプローチの仕方というのも大分変わってきてはいるが、やはり規律や厳しさというのも必要だということもよくわかったかと思う。
■議題3 基本施策E3「犯罪のない地域づくりを進めます」の評価
第四次総合計画後期基本計画の振り返りについて
〔基本施策主管課説明〕
【委員】
啓発活動について、私どもの保護司会関連団体でも、社会を明るくする運動、市ではいのちを守る、県はココロねっこ運動。大体同じようなことをやって、時期が違うという点はあるが、我々も悩みが多いというか、本当にこの啓発活動はいいのかなと。我々は、中央公園に集まって、パレードをして、浜の町を回って帰ってくる。この流れができている。長崎市民が浜の町にいればいいわけだが、中国人観光客が非常に多くて、効果の面でどうかと思っている。去年も少し申し上げたが、この啓発活動をどうするのかということを、同じ関係団体同士で連携したり、話し合いをしたりしていく方向づけを、市のほうで音頭をとっていただけないのかなと思っている。当然、やり方がそれぞれ違ってくるとは思っているが、大体は、市民を集めてパレード型か、どこかで何かの大会をやってという形だと思う。何かばらばらっと行って回って、チラシを配った、何とかを配ったという程度のことで、本当にいいのかなと、非常に悩ましい。
ただ、我々の保護司会とか、関連団体のほうだけでやっていくことは、やっぱり無理があるだろうということで、少しそこを束ねていく方策をご検討いただけないかなと。その辺りの考えがないのかどうか、お尋ねしたい。
【担当課】
さまざまな団体が、それぞれ啓発活動をされている中で、それぞれの団体の協議会なりに、市も入っているところもあるが、その辺りについては、また今後も検討をしながらやっていきたい。
例えばいのちを守る市民集会であれば、今回はイベントのところに、青色パトロールの活動の紹介をしたりなど、次につながるような啓発をしたりということもさせてもらった。
全てを一つにまとめることができるのかどうかというのは、それぞれの団体の趣旨もそれぞれあると思うので、ここはこういうふうにしたら、こういういいところがあったとか、そういったお互いの情報を共有しながら進めていければと思う。
【委員】
それぞれの立場があるので、まとめるというのは恐らくできないと思うけれども、情報はやっぱり共有していかないと、何か重複するような感じがする。
【委員】
犯罪発生件数は確かに減っているが、減った要因をどのように捉えているのかお尋ねしたい。
【担当課】
全国的に犯罪件数は減っている傾向にある。長崎県、長崎市も同じように、犯罪件数は減っている。その要因が一体、何なのかについて、なかなか、一概には難しいが、市民の方たちも、青色パトロールなど、一体となって取り組んでいるところも、一因となっているのではないかと思う。
警察のほうも、さまざまな方法を打っているし、お互いに、関係機関、連携して、犯罪を抑えるように啓発活動も進めていきたい。
【部会長】
1,200件ぐらいの犯罪が長崎市内で起きているという感覚を、それぞれの市民がどれくらい感じているものかが、いまいちぴんとこない。市民の満足度、期待度を見ると、どちらも上位、本当に高いので、もしかしたら、市の中の犯罪数としては、もう十分に少なくて、ふだん生活する市民にとって、そういう犯罪にふれあう機会はないと言っていいぐらいの数字なのかと思ったりもするが、その辺の感覚が分からない。数字としては見えないけれども、市民としては、恐らく被害を感じるほどのことはなくて、安全だと満足していて、当然これからも期待しますよという評価につながっているのかと思うが、そのあたりは何か考えていることはあるか。
【担当課】
その辺の意識調査というのをしたことはなく、年々減っているという統計だけである。市民の方がどういうふうにとらえているかというところまで、把握できるような調査はしていない。
【部会長】
この1,200件というのは、犯罪の大きさというか、規模というのがどうなのかというのは分かるのだろうか。刑法犯といっても色々あるので、それこそ殺人とか、強盗とか、そういうのをふだんよく耳にしたり、近くであったというのを感じていると、恐らくこういう評価も下がる可能性があるかと思うのだが。
【担当課】
凶悪犯というような件数は、平成29年は13件、平成30年は10件と、減っているが、平成28年は4件と一概には言えない。それでもやっぱり大きな事件はないというように、皆さんに思っていただいている結果がこのアンケートかなと。
【部会長】
評価としては、犯罪発生件数が成果指標だと思う。いろんな取り組みの結果はこれだと思うので、
それはそうだと思うのだけれども。
【委員】
私の肌感覚から言えば、犯罪が減ったというのは、街灯がどんどん設置されて、しかもLEDで明るくなったというのは、本当に安心できるようになったと思う。商店街だって、もう9時前に電気消してしまって、本当に早くから暗くなって、階段なんかは、角を曲がったらもう真っ暗というふうな感じだったのが、明るくなって、夜、安心して出歩けるようになったというのは、大きいのではないかと思っている。
だから、全然場面が違うけれども、同じように交通事故についても、高速道路がこんなに暗いのはあり得ないんじゃないかという、外国からの人もしょっちゅう言われているので、暗いということが、事故とか犯罪につながる一つの要因ではないかと思う。
【委員】
端的に言うと、長崎の犯罪発生件数は全国で下から2番目である。去年までは3番目ぐらいだったが、ちょっと繰り上がって、非常に安全な町になっていると。日本を世界と比べると大体3位ぐらいに。たしかシンガポールとニュージーランドの次ぐらいではなかったか。
今、国がオリンピック前に何とかしようということで、安全・安心な日本づくりをという状況になっているが、確かに犯罪発生件数が減った要因というのは、我々も非常に見たい。街灯のこともあるし、それからやっぱり啓発活動が続いてきたこともあると思っているが、我々が一番思っているのは、青少年、子供の時代に、罪のこと、いわゆる規則のことについて、どう啓発していくのかということ。従って、私どもは、小学校とか中学校、高等学校に対して、作文コンテストや、標語の募集、弁論大会とかというのをやってから、啓発活動をやるが、それでも学校数からいくと、そんなにない。弁論大会だって20校ぐらい参加するが、もっともっと学校はたくさんある。ただ、たくさん出られると、お金がかかってしまってどうしようもない。来てくれると、子供たちにも参加賞をやりたいということもあって、我々もお金集めに大変苦労している。
だが、病気にかかってから対処する、つまり、罪を犯した人に対処するよりも、予防活動をするという意味合いが非常に大事になってくるので、この活動自体をもっと進めていく必要があるのかなと。
ただ、その効果が非常にわかりにくくて、見えてこないというのは、私どもも悩んでいる。子供たちのために学校の中で、これは薬物の問題もそうだが、当然やっていかないとと思っている。この発生件数も人口が減っていると、当然減るわけだから、この成果指標が本当にいいのかというのは、なかなかよくわからない。どう判断しているのかというのは、恐らく市の方も苦慮されると思う。
【部会長】
先ほど消防のところで、火災の件数が長崎は低いということを、他の県と比較されてデータを出していたが、そういったものを参考程度にやると、わかりやすいかもしれない。長崎の暮らしは安全なんだという感覚が出るかもしれない。
【担当課】
県は、2番目に発生件数が低い県というふうに、犯罪発生件数が低い安全なまちというふうになっている。
【部会長】
そうやってトップのほうにいても、目標としては、やはり高いところ、発生件数を下げていくとなるのだろうか。
【担当課】
先ほどの体感的にどうなのかという部分があるので、最近は特殊詐欺とか、そういった犯罪もふえてきていて、そこの部分が依然として横ばい状況にあるので、その辺りを減らしていく意味でも、やっぱり発生件数は指標に必要であると思う。
【部会長】
その詐欺とかもこの発生件数に入っているという。
【委員】
犯罪認知件数と言っている。警察が認知をしたら発生件数の中に入ってくる。
【部会長】
市民が感じるのとは違うということ?
【委員】
そうですね。表面に出てこなければ、犯罪被害はわからないわけだから。
【委員】
言い換えれば、まだあるということ。
【委員】
そうかもしれない。どこかでなにかがあっても、出てこなければわからない。だから、子どもたちに対しての啓発や教育だということが大変重要と申し上げた次第で。
【部会長】
こうなると、やはり市民の感覚というのと、現実的な数値というところの結びつけというのは、またこれから必要かもということ。
【委員】
防犯カメラについて、5ページの資料を見ると、防犯カメラの設置については、十分調査・研究した上で対応を図っていくとなっているが、現状はどういう状況なのか。
【担当課】
市の施設や、市が補助をする形で設置をしている防犯カメラが、設置台数としては 723台ある。それと別に、県警で設置しているカメラもある。
【委員】
市が設置している防犯カメラの数も増えているということなのか。
【担当課】
市の施設には大体置いているので、197 施設で 723 台ということで、その台数自体がふえていっているかと言われると、現状維持、横ばいの状況。
【委員】
犯罪発生件数の中の、犯罪の種類の割合など、市民が犯罪に対して、自分がその被害者になるのではないかと不安に思っている割合が実際にわかったら、対策や啓発活動をするときに、こういう数字があるからという根拠になって、啓発活動に参加した市民の自主防犯意識の向上につながるかなと思った。
【担当課】
長崎市の犯罪状況の割合というのは、凶悪犯がどのくらいかとか、粗暴犯がどのくらいかというのは、把握できているが、市民の方がこういう犯罪に遭うのではないかと恐れているのが、どういう犯罪なのかというのをとっている調査はないが、このごろはやっぱり特殊詐欺が多いのかなと、体感的なもので感じている。
【委員】
これは長崎市の総合計画審議会なので、この範囲でやるということは理解しているが、今後の問題ということで言えば、この施策は警察が事実上の執行組織なわけで、警察はなかなか市民との対話というのが多くない組織だという認識がある。
例えば私たちは、まちの景観に対する議論もするが、警察にその議論をすると、これは警察として必要だから、一切曲げられないみたいな対応がある。もちろん重要な業務をされているので、そういう立場であることは理解するが、やはり行政組織なので、やっぱり市民の意見もちゃんと吸い上げていただきたいというのはあろうかと思う。
今後、犯罪のない地域づくりということで言えば、警察とのいろんな意見交換、市民との意見交換というのは絶対に必要だと思うので、ぜひそちらの方向を次の10 年で検討いただけないかと思う。
【担当課】
警察などの関係機関との連携は非常に大事だと思っているので、そういう意見があったことも伝えながら、今後の計画を考えていきたい。
【部会長】
主な意見としては、委員の中でも議論になった、発生件数と、安全などの感じ方に対して、実際に活動に取り組まれている方としても、活動の成果が何か見えにくいと。しかし、市民の満足度は非常に高いということなので、そういう活動と指標とのつながりがうまくとれていないのかもしれない。
でも、最終的にはこの指標というのが達成すべき指標のような気もするので、そういったところをどうやっていくか。市民の方がどう感じるか、そういう活動に取り組まれている方がどう感じられるかというのを見えてくるようにしたほうがいいと思われる。
あと、消防は市の組織なので、自治会と市の取組を上げていたけれども、この防犯というのは、県警は県で、市ではないということで、なかなか難しいのかもしれないが、最後にあったように、やはり連携はとても大事なことなので、次の計画では、そのあたりが見えてくるようになるといいかと思われた。
■議題4 基本施策E4「安心できる消費生活環境をつくります」の評価
第四次総合計画後期基本計画の振り返りについて
〔基本施策主管課説明〕
【委員】
消費生活センターで相談員の方々が本当に真摯に、献身的に取り組んでくれていることは承知している。しかも、そのために、相談員の力量を上げていかなければいけない。法律はどんどん変わっていくし、相談の中身はますます複雑になっていて、相手が一体誰なのか、どこにいるのかさえわからないような状態だから、そのために昼夜を問わず勉強されているし、時間外に勉強に行かれている。弁護士とか司法書士とかと一緒に勉強されている。
それに対して資格保有者が少なくて、定員すら満たせないことの大きな要因は、やっぱり余りにも待遇が低すぎるということではないか。これはもう、市単独ではどうにもしようがないと言ってしまえば、それまでだが、800件を超えて処理するというのは、残業なしではできない件数だと思われる。それに対して、相談員の方が報われるようなことがあるのかと思うが、いかがか。
【担当課】
今、社会状況も随分変わってきていて、タイムリーな対応、時代の状況に合わせた対応を相談員もとらなければいけないということもあり、神奈川県の相模原市にある国民生活センターでの研修をまず充実させて、レベルアップを図っていくということが1点。相談員の皆さんのご苦労は、我々も十分理解できる。以前は相談処理後、入力していく作業等は残業しながらということもあったが、その辺りはパイオネットと言って、臨時職員を配置したり、あるいは行政職員のほうで応援態勢をつくり、そういった負担をなくしていくなどの取り組みをしている。
あわせて、職員の扱いについては、全庁的な整理の中で、その処遇についても決めていっているところである。特に、相談員については、非常勤の特別職という位置づけをしており、専門性を勘案しながら、十分ではないかもしれないが、処遇に努めている。人事当局とも、消費行政の中でいろんな折衝をしながら、取り組んでいるという状況である。今後とも、そういった相談員の確保、相談員の資質向上については、努力をしていく。
【部会長】
関連して、中核市平均 511件ということで、長崎市は1人当たり700件で、ほかより比べて多いと書かれているが、これはいいことではないような気がする、大変じゃないかと思う。人の配置の課題が見えるのではないかと思うし、1件当たりの相談の負荷、重みも違うと思う。例えば複数の分野にまたぐものもあれば、単純なものだから数分で終わったというような、そういったあたりが少し見えたほうが、状況は把握できるのではないかと思うが、いかがか。
【担当課】
件数当たりは、中核市平均よりも非常に高くなっている。これは、実際、何人で対応するのが適正な件数なのかというのは、非常に難しくて、その原因となる件数のとり方とか、その実態感によっても若干違うのかなという部分もある。相談員のほうに過重な負担がかからないように、行政職員も含めて、その応援対策をしっかりつくっていくと。雑務あたりは、臨時職員のほうでも対応していくというふうな状況枠をつくっている。
その上で申し上げると、今から、特に若年者の消費者教育に取り組んでいかないといけないとか、あるいは高齢者の見守りとか、そういった観点からの取り組みが必要になる、これはもう将来的に、そういうふうになると認識をしていて、そういった取り組みを新たに加えていくということになると、人員体制は特化した職員を任用するとかいったことも含めて考えていく必要があるんじゃないかと思っている。
【部会長】
後期計画全体の流れでは、相談窓口の認知度、だから相談件数ということを指標にして、とにかく知ってもらうというところだったわけだが、じゃあ次に向かっていこうという振り返りを考えた場合に、安心して安全な消費生活を営んでいるということが、目指す姿なので、相談ではなく、何か別な視点も要るのではないかと思うがいかがか。これまではとにかく認知だったが、これからはまた違うと思う。
【委員】
関連して、平成20年版の国民生活白書の中で、消費者市民という言葉を国が使っている。消費者市民の時代だと、そういうことで、消費者市民としての教育がとても大事で、消費者市民の役割が大事だと。あくまでも安全な消費生活が受け身である間は、なかなか難しい。
ちょっと言わせていただくと、今までのテーマのときは、関係課の出席があった。このテーマでは、なぜ施策主幹課だけなのかと思っている。この消費生活の問題は重いテーマだと思う。
消費者被害というのは、全員に関わることであって、特殊詐欺だけじゃなく、その被害額も大きい。それを考えると、もっと体制も充実していただきたいし、そして消費者市民としての啓発の視点も変えるべきではないか。今、中学生が学んでいるようだが、私たちの世代、それより若い世代も消費者市民としての教育は全く受けてないと思う。このことは、主体的に行動する上で、医療についても介護についても何においても関わってくる。これからの振り返りを含めて、どのように捉えているのか伺いたい。
【担当課】
今後、消費者庁も自治体に向けて、いろんな施策を強化していく、連携しながら取り組んでいくことがキーワードになっていて、市だけで消費者対策というのは非常に難しいところがあるので、関係機関、相談員協会も含めて連携しながら対応していくことが非常に重要になろうかと思う。
消費者被害の未然防止、あるいは被害後の対応などは、特に重要だと、意識して訴えていく必要があると思う。18歳から成人になる問題もあり、高齢化もどんどん進んでいく状況の中で、巧妙で悪質な手口があるので、そういった対策も福祉部とも十分連携をしながら、相談員の数も含めて、体制をどうするのか、今後とも状況に合わせながら、対応していく。今後、次の計画にそういったことも含めて考えていきたい。
【委員】
連携の一つとして申し上げたい。私たちがやっているNPOは、市報の中でも広報されているが、消費者市民力アップ講座をやっている。こういうのとタイアップして、公民館講座の中に取り込むとか、老人会に広げていくとか、そういうことをしていただきたい。
例えば特殊詐欺だと、一番いいのは留守電にしておくこと。警察を通じて、録音機能のついたものも無料貸し出ししていると。そういうのも含めた広報がもっと必要である。それを市民は知らないわけである。だから、それを広報するのに、市の少ない体制だけでなく、このようなものをもっと使ったらいいのではないかと思う。
【担当課】
消費者市民力アップ講座などの件は把握している。特に出前講座などの機会を通じて、市民力アップ講座のチラシとか、関連して連携して行っている。おっしゃるように、周知啓発が非常に大事なので、我々も取組みを強化しながら、進めていきたいと考える。
【部会長】
ぜひ、市民協働推進事業などを使って、一緒にやられたらいいのではないかと思う。
【委員】
大変な業務だと思う。相談員の方の研修も熱心ということだが、あらゆる消費者向けのサービスや商品についての知識を相談員の方が持つことは物理的に不可能で、当然にできないので、いかに専門の団体とつなぐかということだと思う。
建築士会でも、国の補助もいただきながら、細々と無料の相談日をつくっているが、そういったつながりは基本的にない。率直に言って、サービスを出す側が全て悪いわけではなく、消費者に問題があることも非常に多い。そういった部分も含めて、専門家から、そうではない、そもそもその商品あるいはそのサービスは、こういうものなんだという、客観的な、第三者的な説明をしないと、まず納得されないということがあるし、それは専門家じゃないとできない。なので、積極的に外に出してもらうことが必要だろうと思う。全てを抱え込んでは、とてもできるような業務ではないと思うので、ただでやるとは言わないだろうが、それぞれの団体が社会的な責任として、そういう対応はすると思うので、ぜひそういうネットワークをこれから進めていくこと、つまりこのセンターは、全ての窓口であるというふうにやっていかないといけないという気がする。
【担当課】
専門家の活用について、我々も長崎県の建築士事務所協会、県の建築士女性委員会、長崎県の住宅リフォーム推進協議会など、専門機関を紹介する機会も非常に多い。そういう専門的な分野に関しては、専門的なところにきちっとつなぐことも、しっかりしていかないといけないと認識をしている。
特に最近では、生命保険や銀行の投資関係の問題などを、そういった専門機関につないでいく、あるいは専門家の方に顔をつないでいくことは、積極的に行っているが、なかなか市民の、消費者の方々にその辺が浸透していないという部分もある。
我々も反省しなければならないのは、例えば他の部局などとの連携が十分できていない部分もあるので、今後の課題として、取り組みを進めてまいりたいと考える。
【部会長】
主な意見として、消費者市民の役割ということで、これからは受け身ではなく、本人がしっかりやれるようなサポートをというふうに、向かっていけたらどうかという意見があった。確かに防災などでは、自助、共助、公助といって、まず自分からやりなさいということから始まっていくし、周りの人は支え合いなさいとなるが、この消費者保護に関して、何でもすぐ相談に行きなさいみたいに、公助のほうに行っているような感覚がある。そういったステップを踏むようにしていけば、相談員の方も1人当たりの件数が減るのかなと思うし、そういったことを意識してくださいという意見があったと思う。
あとは連携について、やはり問題の多様化、複雑化があるので、NPOなど専門家の方々と、高めていっていただきたいという意見があった。
以上
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