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更新日:2021年1月15日 ページID:035965
企画財政部 都市経営室
長崎市総合計画審議会 第2回全体会
令和2年10月7日(水曜日) 18時00分~20時00分
長崎市立図書館多目的ホール
(1)長崎市第五次総合計画策定に関する基本方針について
(2)第五次総合計画基本構想について
議題1 長崎市第五次総合計画策定に関する基本方針について
〔事務局説明〕
【委員】
「計画の位置づけと性格」として(1)から(5)まで記載してある中で、(4)に「戦略性と実効性の高い計画」、(5)に「ほかの計画との整合」とあるが、他の計画との整合性を含めて戦略性と実効性の高い計画であるとも考えられるので、記載順を逆にしてはどうか。
また、「ほかの計画との整合」に係る文章には、国・県等の計画と整合を図る旨が記載されているが、計画だけではなく、政策とも整合を図っていく必要があるのではないか。
【事務局】
(4)の「戦略性と実効性の高い計画」と(5)の「ほかの計画との整合」の記載順を入れ替える考え方については検討させていただきたい。
計画だけではなく政策とも整合性を図るべきとのご意見について、この文章が「計画策定に関する基本方針」であるため、他の計画との整合に特化した書き方になっている。政策との整合を図ることも大事な視点であり、そのような視点を大切にしながら計画策定を進めていきたい。
■議題2 第五次総合計画基本構想について
〔事務局説明〕
【委員】
「基本構想の策定の趣旨」の中で、「少子化の進行に加えて若い世代の社会減が継続しているほか、65歳以上人口が全国よりも15年早い2025年にはピークを迎える予測となっており、全国に先駆けて諸課題に取り組んでいかなければなりません。」とあるが、人口減少自体を課題と捉えていないのか。
人口減少や若者の流出に歯止めをかけることを目標に掲げておくのと、様々な施策をやってきた結果として人口はこうなったというのとでは、取り組み方が随分違ってくると思うので、市の考え方を伺いたい。
【事務局】
若い人が出ていくというのは長崎市にとって一番の課題と捉えている。この基本構想案を作成する過程においても「選ばれる」視点が大事というご意見を頂いたので、その言葉に強くこだわって、8つのまちづくりの方針の一つを「私たちは『人や企業に選ばれ、産業が進化し続けるまち』をめざします。」とした。
若い人が進学等で出ていったあとに戻ってこないことが社会減につながっている。戻ってこない理由としては、働きたい仕事がない、中央の方が収入がよいなど様々だが、仕事という要素が大きな要因になっている。そのため、人や企業、特に若い世代に選ばれる視点を入れた。
「めざす2030年の姿」の中にも、産業の分野の「先進的な動きは、若い世代を中心に、学びたい人や起業したい人などを長崎に引き寄せ、」という部分や、「若い世代の間では、それぞれのライフスタイルに応じて住まいの選択肢が多いことや、余暇を楽しんだりチャレンジしたりできる場所や機会が充実していることなど、自分たちの望みが叶う、暮らしやすいまちという評価が高まり、その評価がまた若い世代を呼び込むという好循環で人口流出に歯止めがかかっています。」という部分で、そういった状態を10年後にめざすということを強く打ち出したと思っている。
【委員】
説明は分かったが、「めざす都市像」の中に、「都市の評価においては、人口の多さや経済力の高さといった数字で比較できる価値もさることながら、歴史や文化の深さ、暮らしやすさなど、その都市ならではの価値に注目が集まりつつあります。」とあり、このあたりを読むと、長崎市は人口や経済よりも文化などに力を入れていくと言っている感じがした。若い人の流出に歯止めをかけるのであれば、まちづくりの方針などではなく、冒頭部分に姿勢として書き込んだほうが良いのではないか。
もう一点。若い人が戻らない原因の一つは高い給料が払えていないからと思うが、その理由は産業の生産性が上がっていないからである。新規産業や観光のところで「生産性」という言葉が少し出てくるが、すべての産業において生産性を上げるということを強く表現してほしい。
【事務局】
「めざす都市像」については、「個性輝く世界都市」「希望あふれる人間都市」という言葉を掲げて、長崎市にとっての企業理念的な内容を記載した部分であり、幸福な生活のために大事なことは何かという本質的な価値について記載しているため、人口減少を課題として捉える視点の文章にはなっていないことをご理解いただきたい。人口減少対策に取り組む姿勢の記載場所については検討したい。
すべての産業の生産性を上げるべきということについては、ご意見のとおりと思う。例えば、これから10年間を考えたときにテクノロジーの進歩ということを大事な要素ととらえており、「めざす2030年の姿」の中にも、「仕事や家事などの生産性や効率性も大きく向上」しているという記載をしているので、こういったところをめざしていきたい。
【会長】
第四次総合計画の流れをそのまま先に進めるようなニュアンスの部分が多いように感じる。人口減少が非常に多いという現状の中にあって、これまでの反省に立って記載された部分があってしかるべきではないかと思うので検討してほしい。
【委員】
まちづくりの方針にSDGsのアイコンを関連付けているのは分かりやすい。その中で、SDGsの5番目の目標であるジェンダー平等のアイコンが、まちづくりの方針F「私たちは『あらゆる人が地域で支えあい、健康にいきいきと暮らせるまち』をめざします。」にしか関連付けられていないが、これからのウィズコロナ時代においては、産業における生産性の向上やリスクヘッジが必要になり、生産性を向上させるためにはダイバーシティを推進することが重要だと思う。そのため、まちづくりの方針C「私たちは『人や企業に選ばれ、産業が進化し続けるまち』をめざします。」には、是非ジェンダー平等のアイコンを入れてほしい。
日本におけるジェンダー平等は、教育や暮らしの部分ではある程度前進していると思うが、経済や社会参加の部分では遅れているので、「選ばれる」ためにも必要な視点だと思う。
【事務局】
ご意見のとおり、まちづくりの方針C「私たちは『人や企業に選ばれ、産業が進化し続けるまち』をめざします。」に、ジェンダー平等のアイコンを入れることとしたい。
なお、補足説明になるが、8つのまちづくりの方針は、そのそれぞれがSDGsの17のゴールのすべてをめざす考え方であるが、その中でも特に関連が深いゴールのアイコンをつけることとしているので、その視点でご確認いただきたい。
【委員】
文化という言葉について、まちづくりの方針Aに「歴史・文化を活かし」とあり、まちづくりの方針Bに「平和の文化」とあるが、これらは広義の文化と理解する。構想の文章の中には芸術文化という言葉が入っていたが、まちづくりの方針などの大きな体系の中では明確になっていないので、例えば、まちづくりの方針Gの「私たちは『未来を創る人を育み、だれもが学び、楽しみ続けられるまち』をめざします。」に、スポーツや文化を楽しむという言葉を入れてはどうかと思う。ご検討いただきたい。
【事務局】
検討させていただきたい。
【委員】
事前に確認した基本構想案においては、まちづくりの方針Hが「市民が主役のまちづくりを進めるまち」で、まちづくりの方針Iが「市民に信頼される市役所があるまち」となっていたと思うが、それが一つにまとまって、まちづくりの方針Hが「私たちは『参画と協働でまちづくりを進めるまち』をめざします。」になっている。
参画と協働という言葉は随分前から使われている言葉であり、新しく掲げる言葉としては弱いのではないか。以前のように「市民に信頼される市役所」として、AからGのまちづくりの方針を実現するための市役所の決意を示したほうが分かりやすい気がする。
【事務局】
まず、まちづくりの方針H「市民が主役のまちづくりを進めるまち」と、まちづくりの方針I「市民に信頼される市役所があるまち」を一つにまとめた経緯について説明する。
第四次総合計画におけるまちづくりの方針H「基本構想の推進(つながる+創造する)」には、「市民が主役のまちづくり」「つながりあう地域社会」「市民に信頼される市役所」という三つの要素があったが、第五次総合計画の策定に際して実施したワークショップの中で「市民が主役のまちづくり」「つながりあう地域社会」の要素が重要という意見があり、この二つを一つのまちづくりの方針として立てた結果、もう一つの要素である「市民に信頼される市役所」も、まちづくりの方針として立てていたものである。
しかし、市役所内部で検討する中で、長崎市のよかまちづくり基本条例における市民と行政が参画と協働でまちづくりを進めるという理念に基づくと、これらを別の方針として立てるのはどうかという議論になった。
また、「市民に信頼される市役所」については、他と比べてレベル感が小さいという意見もあって、一つにまとめることとした。
参画と協働という言葉が古いもしくは弱いというご意見については、行政も含めた様々な主体が役割分担をしていくという条例の理念を採用し、条例で使用されている言葉を使おうとするものであるので、ご理解を頂きたいと思う。
【会長】
これからの10年の大きな出来事の一つとして新市庁舎が建つということがある。また、生産性の高い市役所をめざすということもあるので、「市民に信頼される市役所」が柱の一つとしてあってもいいのではないかと思う。ご検討を頂きたい。
【委員】
三点尋ねたい。
一点目。まちづくりの方針F「私たちは『あらゆる人が地域で支えあい、健康にいきいきと暮らせるまち』をめざします。」の文章中に、「男女が社会の対等な構成員としてあらゆる分野に参画できるよう、市民意識の向上や機会の確保に努めます」とあるが、市役所において女性管理職を登用し、数を増やしていくことは書き込まないのか。
二点目。まちづくりの方針C「私たちは『人や企業に選ばれ、産業が進化し続けるまち』をめざします。」の文章中に、「新型コロナウイルス感染症と共生する社会を前提とした場合、デジタル化などの市内企業の対応強化が望まれている」とあるが、新型コロナウイルスの感染拡大により、さらに対応を加速すべき状況となったのであって、「前提とした場合」というのは認識が違うのではないか。
三点目。まちづくりの方針G「私たちは『未来を創る人を育み、だれもが学び、楽しみ続けられるまち』をめざします。」の文章中に、「Society5.0時代を生きる子どもたちの未来を見据え、この時代を生きるために必要な力となる情報活用能力を育成していきます」とあるが、オンライン教育が必要になっている中で、情報機器などの環境整備はどのように予定しているのか。
【事務局】
一点目のジェンダー平等について、市役所は民間の手本にもならなければならず、大事な視点と認識している。基本構想の中に、市役所における女性管理職の数というところまで記載するのは難しいが、考え方は大事なので、それらを意識した計画策定をしたい。
二点目の「前提とした場合」というのは、ご意見のとおり認識が違うと考えるので、表現を改めたい。
三点目の情報機器などの環境整備について、手元に資料がないため、いつまでにということは答えられないが、国の支援も受けながら近年中には一人一台のパソコンを整備していく予定である。
【委員】
「めざす2030年の姿」に「長崎に合った暮らしやすさ」という表現があるが、それが示している内容がわからない。説明に地形が独特であるなどの記載はあるが、どのようなことが長崎に合った暮らしやすさなのかということが記載されておらず、各地域に問題を下ろされているような印象を受ける。ワークショップのときにも「長崎らしい」という表現は使わないほうがいいのではないかとの意見があったと思うが、あえて「長崎にあった」という表現を使っている理由やその想いがあれば教えていただきたい。
【事務局】
確かにワークショップの中で「長崎らしい」という言葉は、人それぞれ「長崎らしい」の解釈が異なるため、適切ではないのではないかというご意見をいただいている。私たちが、「長崎に合った」ということでイメージしているのは、例えば斜面地に合った暮らしなどである。他のまちと同じではない、長崎に合った暮らしやすさを一緒に実現する、そういった想いを込めてこのような表現にさせていただいている。
【会長】
もしかしたら「長崎に合った」は不要なのかもしれない。もちろん長崎の地形の中で暮らしやすいということなのだろうと思うが、検討を頂きたい。
【委員】
まちづくりの方針Eの「長崎市が目指す方向」に「地域ごとに都市機能が集約され、市中心部と地域の拠点地区とが公共交通機関や道路、情報などのネットワークで結ばれ」と記載がある。この公共交通に関することであるが、現在進められているキャッシュレス社会の中で、長崎市は路面電車と県営バスの共通カードはあるが、路面電車と長崎バスの共通カードがないと聞いている。市民の暮らしやすさにもつながることから、市役所からの働きかけなどで、是非共通カードが使えるようにしてほしい。
【事務局】
現状をお知らせすると、確かに長崎バスが発行しているエヌタスTカードについては、長崎バスのみの利用となるが、全国共通の交通系ICカードは長崎バス、県営バス、路面電車で使うことができる。
また、県外から来られる方は全国共通の交通系ICカードをご利用であると考えている。
【委員】
まちづくりの方針Bの「関連する外部環境」について、「核兵器禁止条約の批准国が44か国」との記載があるが、10月2日の国連総会の中で、10月中に50か国・地域に達する見通しが強いと発表されたと報道があっている。50か国・地域に達すると、90日後に条約が発効する。この条約は非常に効力が高いものである。条約が発効すると長崎市の対応等も変わってくるものと思う。核兵器廃絶に関する記載内容について、変更する必要があるのではないか。
【事務局】
文章については、そのような動きにも注視しながら、しっかり時点修正をしていきたいと思う。
【委員】
第四次総合計画と第五次総合計画の違いは何かを端的に説明できるようにしておいたほうが良いと思う。今後、そのような質問があることが想定される。
【事務局】
「めざす2030年の姿」は第五次総合計画で初めて掲げる。
この「めざす2030年の姿」は、事務局から提案したものではなく、ワークショップの中で皆様から頂いた、これまでの将来の都市像をより具体的に示したほうが目指しやすいのではないかとのご意見から生まれたものであり、皆さんと一緒にめざす「2030年の姿」ができたということは大きなことであると考えている。
【会長】
これまでとこれからが何が違うのかがわかるようなものを、工夫して作ってもらえればと思う。
【委員】
第五次総合計画をつくる際に、わかりやすい計画づくりということがポイントであったと思うが、説明に40分も必要である内容が、果たしてわかりやすいと言えるのか疑問である。もう少し中身を凝縮することもできるのではないか。例えば、市の事業で行っている若者会議の力を借りて、若者に添削してもらうようなことをするとわかりやすくなるのではないかと思う。
【事務局】
総合計画は市の最上位計画であり、網羅的な内容にしないといけないということ、市民の皆さん、我々市の職員みんなが目標に掲げるものであることから、あまりにも端的にしすぎてしまうと内容に漏れが出てしまうという懸念がある。
わかりにくいというご意見をしっかりと受け止めて、丁寧な説明が必要だと思っている。
また、若者の意見も非常に大事であると思っている。この基本構想を今から大幅に変えるということはなかなか難しいが、今後、例えば若手職員など、若い世代の意見等も取り入れながら計画策定を行っていきたい。
【会長】
ずっと計画策定に携わっているとどんどん複雑化していくこともあるので、一度少し離れた人の目で見てもらうということは、確かにいい案ではないかと思う。
私が一番わかりやすかったのは「全国的にも高い評価を得られることをめざします」というところで、この一言だけでも良いのではないかと思うくらい一番好きなところである。
【委員】
これからの10年では特に、世代間のつながりを大切にして、若い世代をどのようにして次の時代の担い手としていくのかを考え、彼らの活動を地域全体で応援していく機運を高めていかなければならないと思っている。若い人たちの体験が大きな財産となり、次の世代につながっていく。このようなことが基本構想の中にあまり見られないと感じた。
それからもう1点。今後、介護を家庭の中で行っていくこととなると、離職して介護せざるを得ない人なども増えていき、経済的不安等が出てくることが懸念される。それは一番市民が心配していることだと思うが、そのことがあまり基本構想に示されていないように思えた。
また、介護職についてあまり希望者がいないと言われているが、2025年問題を考えると福祉職員の人材確保は重要になってくると思う。このような点を、政策の中に入れていただきたいと考えている。
【事務局】
「めざす2030年の姿」の中で、例えば世代間の交流については「地域の活動には様々な世代の方が参加していて、近所のつながり、地域のつながりが深まっています」と示させていただいており、このような状態を目指していきたいと考えている。また、そのつながりを土台として、「医療や介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる」まちを目指していく必要があると思っている。
具体的な政策については、基本計画、各事業に組み込んでいきたい。
以上。
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