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更新日:2021年9月1日 ページID:037296
理財部 契約検査課
令和2年度第4回 長崎市入札監視委員会
令和3年2月12日(金曜日) 9時30分~12時00分
長崎市役所本館地下1階 第1会議室
1 最低限価格率の範囲の上限を超えて落札した件数調及び電子調達システムについて
2 抽出事案について
3 令和2年度報告書の作成について
1 最低限価格率の範囲の上限を超えて落札した件数調及び電子調達システムについて
※前回質問があった件について、資料及びパワーポイントを用いて事務局から説明を行った。
【委 員】ランダム係数が決定した瞬間にはまだ画面に最低制限価格率は表示されず、後になって表示されることがよく理解できた。現在押印廃止が国の政策で進められていると思うが、執行担当者名のボタンがあり便利なシステムだと思った。
【委 員】業者が入札額を入力するときに限界値のチェックが入ったほうがいいということを以前申し上げたが、入札時の画面に予定価格が表示されていないため、ここに数字が入らなければチェックは不可能ではないかと思った。現状のシステムでは難しいようだが、今後、民間では当たり前なチェック機能ができるように改修をしてほしい。
【事務局】何らかのチェック機能(警告表示など)ができないか、検討したい。
【委 員】資料を見ると、最低制限価格率の範囲の上限を超えて落札した件数はやはり多いと感じた。また、最低制限価格率の範囲内で入札し、失格となった業者も多いと思う。令和2年6月以降、ランダム係数の設定を変更したというのは、どういったことを変更したのか。
【事務局】最低制限価格率の上限額から予定価格までの範囲内で入札がなく、かつ、最低制限価格率の範囲内に入札があった場合に、その範囲内で最も高い入札額を最低制限価格率の上限額とするように変更を行った。この変更により、再度入札とならないようになった。
【委 員】当初の説明では、作為的な要素は一切なくすべてシステムで最低制限価格率が決まるということだったと思うが、その方法であれば、入札後に何らかの判断のもとでランダム係数の幅が狭まるということか。
【事務局】ランダム係数により最低制限価格率を決めるということは変わらないが、上限に制限をかける。範囲としては狭くなるが、作為的なものではなくランダムに決めている。
2 抽出事案について
⑴ 長崎駅周辺土地区画整理事業長崎駅西口広場ほか付帯工事【制限付】
【委 員】参加申請が5者で入札が1者であるが、4者が入札しなかった理由についてはどのように考えているか。
【事務局】理由としては、施工場所が駅の西側であり、出島メッセの建設工事のためのデッキが併設していること、広場の舗装工事なども同時に発注されており、施工場所や日程の調整が必要であること、また、工期が年度末にかけての工事であるため人員の確保が難しいことが考えられる。
⑵ 長崎東公園園路舗装工事【制限付】
【委 員】このケースについても最低制限価格率を引き上げるという前提でランダム係数が使われているということか。
【事務局】先ほど説明した最低制限価格率のランダム係数の計算(最低制限価格率の上限額から予定価格までの範囲内で入札がなく、かつ、最低制限価格率の範囲内に入札があった場合に、その範囲内で最も高い入札額を最低制限価格率の上限額とする)に該当しない。
【委 員】1者だけ100%で他の2者と入札金額が乖離している理由は何か。
【事務局】100%で入札した業者に聴き取りを行ったが、出来ない工事ではないが技術者が少なく、限られた人員の中で利益を勘案した結果、予定価格と同額で入札したとのことであった。
【委 員】そんなに特殊な工事なのか。
【事務局】特殊ではなく通常の舗装工事である。
【委 員】通常の舗装工事でも会社によって見積もりに差が出てくるということか。
【事務局】当然ながら、入札参加者が自社の状況や工事内容を勘案し、積算して入札することになる。
【委 員】今回は1工区と2工区で合わせて発注しているようだが、こういった工事の場合はだいたい一緒に発注するのか。分けて発注することはないのか。
【事務局】今回、1工区、2工区で分かれているが、近接するため合わせて発注した。
【委 員】同じ道路沿いで理解できるが、これがもう少し離れていると分けて発注する等、そういったことも考えられるのか。
【事務局】この工事は設計金額や施工場所の状況で、同時に発注したほうがいいと判断した。
【委 員】金額や場所、工期で分割する基準はあるのか。それとも基準はなく個別に判断しているのか。
【事務局】明確な基準があるというわけではないが、今回は同一路線内での発注ということで合わせることを判断した。
【事務局】1億5千万円以上で議会案件となる工事の発注については、地方自治法に照らして安易に分割し発注することはない。
【委 員】先ほどランダム係数の設定方法が令和2年6月から変わったと説明があったが、理解できていない。別途図で示してもらえないか。
(※この後、今回の委員会中に、第1回入札監視委員会で配布していた概要説明資料を見て理解したとのことであった。)
⑶ 野母崎総合運動公園駐車場ほか舗装工事【制限付】
【委 員】入札参加を否認された理由を知りたい。
【事務局】アスファルト舗装工事に係る施工体制の確認に係る条件を付しているが、これに該当しなかったため否認した。
【委 員】業者が自分で認識できていなかったということか。
【事務局】認識はできていると思うが、条件の確認が不足していたのではないかと考える。
【委 員】この工事もほぼ100%で入札した業者が落札している。最低制限価格を設けることによって一定の不正防止効果があるとは思うが、結果何かしら報われないと感じられる。
【事務局】予定価格が適正な価格であって、それ以下で競争していただくが、ダンピング防止や品質の確保を勘案し、最低制限価格を設けているところである。各社の状況によりその範囲内で入札をするといったことであるのでご理解いただきたい。
【委 員】市内の業者が落札し、市内の経済に寄与すればよいと思っている。
⑷ 田中町配水管布設工事【制限付】
【委 員】金額は少額であるが、1者しか入札せず、落札率が100%であったことは偶然か。
【事務局】金額が少額であることと、各社工事を受注し、配置できる技術者もおらず、入札参加者が少ない時期である事も原因と思われる。落札者は予定価格と同額であれば受注してもよいと考えたと伺っている。
【委 員】昨年度、建設業で繫忙期と閑散期があり、入札件数にも差が出ている状況から建設業は人手が必要な時期にバラつきがあるが、製造業は安定しているため、建設業は人手不足であると説明を受け、行政としては建設業の人員確保のため、発注時期を平準化していきたいと話があった。令和2年度はそれに着手していないのか。
【事務局】平準化して発注するように努めているところであるが、今回の工事に関しては、国土交通省からの依頼工事であり、依頼された工事の時期が繁忙期にあたる11月時点の発注となり、この工事に関しては、業者の参加が少なかった。
【事務局】6月の委員会で平準化について説明させていただいたが、繫忙期と閑散期で偏って発注していたところもあり、令和2年度から3か年で職員の負担も考慮しながら全庁をあげて発注の平準化に努めているところである。令和2年度と平成30年度を4月から6月までの平均稼働件数を比較すると30本ほど増加しており、令和3年度の平準化についても検討しているが、この4月から6月までの平均稼働件数を増やせるよう努力し、建設業の労働力確保につなげていきたい。
⑸大園町ほか内径400・350・300粍汚水管移設工事【制限付】
【委 員】入札参加申請が8者であったが最終的に2者の入札者になっている。なぜ6者も入札しなかったのか。
【事務局】入札参加者数が8者から2者へ減った原因としては、交差点部付近の狭小な施工範囲の中、一部夜間工事が生じることと併せて、ガスや電気など複数の他工事業者との調整により施工時期が制約されることから、下請業者の確保が困難であったのではないかと推測している。
⑹南部下水処理場中央監視制御設備改築工事【制限付】
【委 員】10者が入札参加申請し、10者が入札し、すべての業者が93%を下回る入札率であることから、魅力的な工事であり、やはりそういった工事については最低制限価格率の範囲内ですべての業者が入札するのだと思った。個々の工事についてこのような適正な競争がなされ、積み上げていくことで財政負担が減るのではないかと思う。ところで、今回は大きな改修であると思うが、人員の減少、負担の減少、または処理量の増加など、生産性の向上が期待できるのか。
【事務局】今回の工事は装置を置き換えることが大きな目標であるが、信頼性の向上にもつながると考えている。これまで電送路はひとつだけであったが、今回の工事で二重化している。どちらかがトラブルを起こした際に壊滅的な被害は防ぐことができることから、信頼性は向上していると考える。その他にも、数年前に外付けで統合監視装置を設置しており、夜間の無人化及び休日等も人数を減らすことが可能になった。こういった工夫を取り入れ、今後も効率化を目指していく。
【委 員】二重化を行うことは信頼性の面からも重要なことだと思う。長崎市は水道料金が全国と比較して高いのではないかという印象があるため、なるべく市民の負担が減るような生産性の向上を期待したい。
【事務局】インフラの老朽化が進んでいるので、今後も問題なく水道下水道ともに使用できるよう改善を進めていく。
【委 員】非常に金額が高い工事だと思うが、こういった設備機器に関する案件を、入札だけで決めていいのか。性能や耐震性など総合的な評価をしたほうがいいような案件ではないか。
【事務局】発注を行う前に、コンサル業者による詳細設計を行っている。レイアウトなどの変更がある場合は基本設計から行い、複数の案をコンサルタント業者の力を借りて比較検討し、最適なものを選んでいくようにしている。民間企業のように、どんどん新しいものを取り入れるという考え方もあると思うが、信頼性も重要であるため、信頼性を考慮しながらよりよいものをと考えている。
【委 員】入札参加業者も多いため、非常に妙味のある工事なのだろうと思った。昔ながらの方法で、経過年数を基本にしたところで、補足的にシステムでチェックをするという方法で行っているのか。ほかにも方法があるのではないかと思う。
【事務局】下水処理場のすべての設備について改築の方針を立てている。すべての資産の重要度、バックアップの有無、事故を起こした際の影響等をデータベース化している。また、施設の経過時間、状態についてもデータベース化し、それらに基づいて3つの方法で行っている。1つ目は、電気設備等は外観上で、劣化状況の把握ができず、突然壊れるときもあるため、時間計画保全で行っている。2つ目は、状態監視保全といって、日常的に点検や調査を行う中で異常が見つかったり、寿命が短いとの判断がされたりした際に替えていく方法である。3つ目は、バックアップがあるような場合は、壊れてから替える事後保全という方法である。以上3つの方法ですべての下水道施設の機器を、マネジメントで無駄がないよう優先順位を決めて計画的に改築していく。本工事の金額が大きくなったのは、装置間で整合性がとれないと異常を起こす可能性があること、導入したときと同じ経過で替えていく必要があること、また、ほとんどがコンピュータであるため、OS等セキュリティーの問題から、まとめて替えざるを得なかったことが要因である。
【委 員】今後の補修や維持が、随意契約でこの業者になるということはないのか。
【事務局】耐用年数がおよそ15年であるため、15年間使い続けることになると思うが、その間線が切れた等の小さな補修については、地元の業者でもできる。システムの根幹であるソフトウェアに係る不具合などになると、保障の問題もあるため、随意契約を取り入れると思う。
⑺ 長崎市防災行政無線設備撤去工事(1)【制限付】
【委 員】8者が入札参加申請し、実際に入札したのが1者であるが、入札参加申請の操作と入札書を提出するまでの時間は、あいているのか。
【事務局】公告文中にあるとおり、入札参加申請期間は令和2年12月8日から令和2年12月15日10時までである。その後、令和2年12月16日に審査結果を業者へ通知する。また、入札書提出期限は、令和2年12月24日17時までである。よって、参加申請から入札書提出までの期間はあいている。
【委 員】入札参加申請してから入札書を提出するまでの期間に、業者どうしで話し合いをする機会はあり得るということか。
【事務局】電子入札のため、どの業者が参加申請したのかはお互い知り得ないことからそういった機会はないと考える。
【委 員】入札参加の決定通知を受けた業者についても、公表されないのか。
【事務局】入札が終了するまで公表されない。
⑻ グラバー園エスカレータ・トラベータ年次改修工事【随契】
【委 員】昨年度は今年度の半分ほどの金額となっているが、維持管理計画に基づいて交換等をしているのか。また、エスカレータは民間の施設であれば設置業者以外がメンテナンスするのが一般的だが、なぜ設置業者でなければできないのか
【事務局】まず1点目について、当該エスカレータは屋外に設置してあり屋根がないため、環境が悪く通常の耐用年数での部品交換ではなく、当初から計画を立てて、早めの整備を行っている。毎年同じ場所を改修するのではないため、金額に差が出ている。昨年度は、エスカレータのみでトラベータの整備は行っていないことから、金額が低かった。次に2点目について、全体的に機器を入れ替える際には制限付一般競争入札で行うが、製品の一部分を他の業者に点検等をさせると、そのメーカーの専門的な知識が必要になってくる。事故があったとき責任の所在がはっきりしないので、今回のような観光施設のエスカレータ、トラベータについては知識を持ったメーカーにしてもらい、安全性を確保している。
【委 員】入札の段階から、維持管理についても含むことはできないのか。
【事務局】機器を設置した場合に、設置した業者と年間契約を締結することは現在行っていない。エレベータ関係の話であるが、メーカー以外にメンテナンスを専門としている業者もおり、そこがメンテナンスすることもできる。メンテナンスの契約すべてが随意契約というわけではないので、10年、15年間の保守点検をまとめて契約するということはしてないというのが現状である。
【委 員】他に平和公園等のエスカレータ改修工事が見当たらなかったがなぜか。
【事務局】平和公園のエスカレータについては屋根がかかっており準屋内である。年間のメンテナンスは随意契約で契約しており、点検の中で異常が出てきたら修理をするという方法で行っている。現在設置から9年経過しているが、メーカーから大きな部品を替えたほうがよいとの案が所管課へ提出されており、今後工事等で対応していく予定である。
【委 員】グラバー園は毎年工事しているということか。
【事務局】グラバー園は、屋外で屋根がないため雨が降ると水に濡れてしまい、環境がとても悪い。そのため、通常の維持管理の部品の交換周期よりも早く交換していくようメーカーが計画している。平和公園は、屋外だが一応屋根があるため、これまではなかったが今から整備が必要になってくるという状況である。
【委 員】年間契約にするほうがいいのではないか。年間契約であれば設置した業者にさせることになると思うが、その業者が業者を選定するということになる。その前段階で入札出来ないのか。
【事務局】指定管理者が運営をしているが、整備は長崎市が行っている。毎年整備する箇所が異なるため、毎年予算を計上して行っており、長期で契約するということが難しい。また、点検しながら整備する箇所が増えていき予定通り行かなかった場合、整備内容が変わることもあるため年間契約は難しいと考えている。
【委 員】年間契約をすることで安心が得られ、結果的にコストも安く済むのではないか。今後検討する余地があると思う。
⑼ 市道籠町稲田町1号線電線共同溝整備工事【制限付】
【委 員】電線や電柱を地中化するエリアは、景観に基づく基準があるのか。
【事務局】観光地や市街地周辺など優先順位を決めて対応している。本工事の施工箇所は都市計画道路であり、景観性、災害、通信、電力のネットワークの確保と同時施工で行っていくことを考えながら、実施している。
【委員】工事に関して、通信系は予備があるが、電力系は予備がないのはなぜか。九州電力以外はないということか。
【事務局】電力に関しては九州電力のみである。通信系に関しては、NTTやケーブルテレビなどもあるため、そこで予備を持っている。
【委員】全国的にも、主力の電力業者しか持っていないということか。埋設するときはそれが普通なのか。
【事務局】今、新しい電力会社も増えてきているため、それぞれが九州電力と協議し、九州電力の管路を使う等しているようである。
3 令和2年度報告書の作成について
※委員長から、今年度の質疑を踏まえた案を委員へ提示し、ほかに意見がないか各委員へ確認を行ったが、意見はなかったため、委員長案を作成し、後日各委員へ確認することとした。
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