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更新日:2022年4月3日 ページID:038238
市民生活部 市民協働推進室
令和3年度第1回 長崎市市民力推進委員会
令和3年10月13日(水曜日)18時30分~20時20分
長崎県勤労福祉会館 4階第2・第3中会議室
・令和2年度の主な事業報告
・今後の市民力向上と協働の推進の方向性について
■新委員・事務局員の紹介
■報告事項1 「提案型協働事業『「知って」「考えて」「行動する」よかまちづくり事業について」
■報告事項2 「コロナ禍における市民活動についてのアンケート調査結果について」
【委員】
協働が市役所職員にどれだけ浸透しているか気になるところである。提案型協働事業は市民の発想を活かした事業の企画提案を募集とあるが、本来であれば提案型協働事業ではなくても協働は一緒にできるはずなので、長崎の市民をサポートしていく認識がどれくらいあるか大変気になる。担当課に相談をしたとしても、前例がないためできないということもあるため、NPO法人も実施に結びつかず悩むところだと思う。
【事務局】
以前、市職員に対して協働の必要性についてアンケート調査を行ったが、協働の認識がまだまだ浸透していない状況にある。どのように浸透させていくかは継続して検討しており、対象者を集めたうえでの研修や説明会は、コロナ禍でもあったため取組めていないが、直接所属に出向き、所属長に対して協働の必要性やメリットについて話をさせてもらいながら、浸透をはかるよう取り組んでいる。
【委員長】
次回以降の協議では、これまでの協働推進の振り返り、次年度以降の事業をもう一度再構築していくことになる。その際に、協働の市役所職員への浸透についても考えていきたい。
【委員】
以前、自分たちの団体が提案型協働事業を行った際に感じたこととして、NPOは思い切ったチャレンジや失敗がしやすい環境にあるが、行政はだめだったと気軽に言うことができないため、動きづらいのではないかと感じた。
市民も、行政のチャレンジが100%うまくいかなくても、まずは頑張っていることに対して、もっと寛容になり、失敗していいんだと、行政と市民がみんなで考えながらやっていこうという風土を長崎全体でつくっていけると、もっとチャレンジがしやすくなり活動も活発になっていくのではないかと感じる。
【委員】
市民力は市民の自主的なボランタリーな動きだと思う。実際に動いてもらう方に給与等で動きを縛る、もしくは、強制力を発揮するというものでは全くない。
その仕組みはお金などではない理屈で動いていただくものであると考えれば、そこに何があるだろうかと考えると「課題解決型のまちづくり」と「魅力倍増型のまちづくり」があるのではないか。
「よかまちづくり」の「よか(いい)」というのは何かを考えたときに、おそらく「課題解決型」は非常に住みやすく安心安全ということにあたり、「魅力倍増型」は多くの人に魅力的に感じてもらうことにあたると考えられる。
そこで、長崎が目指す「よかまちづくり」の「よか」は、課題解決型と魅力倍増型のどちらに重点が置かれているのかと思う。この点が具体的に分かれば、これからの方向性について、力点をどこに置いた方がよいかもわかってくるのではないかと思う。
【事務局】
どちらに重点が置かれているかという判断は非常に難しいが、現在、長崎市としては、課題解決型と魅力倍増型のどちらか一方に力を入れてというのはなく、どちらも重要であると認識している。
【委員長】
事務局の意見の補足として説明すると、長崎市の場合はどっちつかずになっている部分もある。
長崎市では、問題解決型として、子どもたちの貧困をどうするかという内容もあるが、魅力倍増型として観光など、それないと絶対にだめというわけではないが、もっといいまちをつくっていくために必要であるものが混在している状況だと思われる。
長崎市よかまちづくり基本条例は、どちらかというと、議論の中心は問題解決型の内容が中心だったが、市民力の定義は、課題解決型と魅力倍増型の双方が混在していることで、焦点が絞りにくくなっており、これが今の現実ではないかと感じる。
【事務局】
市民力は自主的自発的に地域課題の克服に取り組もうとする力と定義していることから考えると、基本的には、魅力倍増であってもそれは地域課題の解決につながるものであると思っている。
【委員】
課題解決型と魅力倍増型の問題は、二者択一の問題ではなく、おそらく重層的なものであり、その基盤的なものの上に、様々な支援の仕組みがのり、その後の動きにつながっていくような仕組みではないかと思う。
そういうことで言えば、まちづくりのレベルを決めるための図式があれば、自覚的に進めていけるのではないかと感じた。
行政とNPOには立場の違いがあるため当然だと思うが、行政は、公平性や平等性が基本にあり、法律で厳格に制限されている。NPOの独自性とはそういうものを超えていくような動きをされている。だからこそ、化学反応が起きれば、すごいものができるのではないかと感じている。どうすればそこにたどり着けるかとすれば、NPOの活動自体が地域の方々に拡がり、支持層を拡げていく環境にないとうまくつながらないのではないかと感じる。
【委員】
今回のコロナ禍においては、地域力を活かせるような問題について、もっと市役所から問題提起があってもよかったのではないかと感じた。地域も考えさせられれば、地域力というのは、掘り起こせばまだあるという感じがした。
将来的に、このコロナ禍の状況を大きな財産として残すためには、やはり地域でも考えてくださいという問題提起を行うことが必要ではないかと思う。その後、地域の問題意識を市役所内部の横の連携で共有してもらい、関係する問題については積極的な取組みにつながるようなことも市役所内部の問題として考えていただきたい。
■協議事項 「今後の市民力向上と協働の推進の方向性について」
【委員】
地域ではコミュニティ協議会を設置しているが、市民協働推進室と地域コミュニティ推進室は、内容的に全く同じものではないかと感じている。
コミュニティ連絡協議会の中には、NPOや小中学校など様々な団体が参加していることを考えると、どこがどう違うのか。このため、「市民協働」と、「地域コミュニティ」を合併しても、別段問題はないと思う。
市民協働推進室と地域コミュニティ推進室の連携は、どのようにしているのか。
【事務局】
市民協働推進室が設置され、十数年が経過し現在を迎えているが、自治会や子供会、その他、地域でも活動している市民活動団体が、それぞれの力を補完しながら地域を運営することによって、より強固な地域づくりができるのではないかという視点で、地域コミュニティの仕組みが考えられた。
地域で活動されているNPOなどもあることから、地域コミュニティと範囲が重なる部分はあるかもしれないが、活動の根本となっている「市民活動団体」か「地域」ということで住み分けをしている認識である。
地域コミュニティ推進室とは、頻繁に会議等を一緒にしており、情報交換を行っているところである。
【委員長】
大事な問題提起をいただいたと思う。おそらく、市民の多くの方は、市民協働推進室と地域コミュニティ推進室・生涯学習課・自治振興課が、似たようなことをやっていると思っているのではないか。市としては、事務局から説明があったように、市民協働推進室は、いわゆる志をテーマに集まっている志縁団体を担い、地域コミュニティ推進室は地縁型の団体を取り扱っているというところで、仕分けをしていると思うが、多くの団体は、必ず地域を舞台に活動することになるので、委員指摘のように、重複している部分があると思う。
【委員】
資料には、「協働の推進」、「地域コミュニティ」、「参画」、「相互理解」などの言葉が出てくるが、これは全て手段である。手段には別に目的が明確にあるべきである。その目的が実はちょっと見えにくいので疑問がでてくる。したがって、なぜそのようなことをしないといけないかという、一つ上の目標があってほしいと思う。よかまちづくりということを、改めて意識しておく必要があるのではないかと先ほど述べた、課題解決型でいくのか、魅力倍増型でいくのかということも、そのような理由からである。
目標が明確に出てくると、多くの主体が手をつないでやろうという方向に進まないかなという気がするので、大きな上位の目標を目指す中で、役割に応じて市民協働推進室や地域コミュニティ推進室、自治会というように、団体を役割にはめていけば分かりやすくなるのではないかと感じた。
【委員長】
長崎市よかまちづくり基本条例に、目指すべき像として、まちづくりの基本理念を定めており、第3条第1項は「豊かな自然や歴史と文化を守り、活かしながら、だれもが訪れたくなる魅力あるまち」をつくること。第2項は「地域や人がつながり、だれもが安全・安心に暮らせる住みやすいまち」をつくること。第3項は「被爆の実相や体験を継承し、平和を発信し続けるまち」をつくることが規定されている。
この3つのために「参画」や「協働」するということが条例の中にうたわれているので、おそらく長崎市が考えるすべての政策は、この考え方につながることから、目標には、よかまちづくり基本条例の「まちづくりの基本理念」がくるという理解でよいと思うが、事務局はどうか。
【事務局】
よかまち基本条例では、第2条第3号でまちづくりは「地域をより良いもとのするための様々な分野における取組みをいいます」となっている。取組み自体がまちづくりということで定義をしているが、まちづくりを何のためにするかという部分で考えると、やはり誰もが住みやすい暮らしをするため、委員長が指摘したよかまち基本条例の3条に規定するまちづくりの基本理念というところにあたると思う。拠り所としているのは、よかまちづくり基本条例のもとに、市民協働推進室と地域コミュニティ推進室が事業を行っており、おそらく同じところを目指しているため同じように見えるのではないかと思う。
【委員長】
やはり、目的がなければ評価もできず、振り返りもできないので、おそらく、このよかまちづくり基本条例は最上位に位置付けられ、そのもとで大きな流れとして総合計画があり、そのもとで市民協働推進室として、何に取組むかというところを考えていかないといけないと感じる。そのうえで他の課と役割分担を考えていかないといけないと思う。
【委員】
これまでに、市民活動団体への補助金や市民活動センターの事務室の入居団体の審査をしたが、その際に市民参加のハードルがまだまだ高いと感じた。
その中でも特に、補助金の仕組みが現在の市民活動の現状と少しずれが生じてきていて、それが利用のしづらさにつながっているのではないかと感じた。例えば、補助金に関して言えば回数制限があること。これは、活動歴が長い団体が増えてきた現状では参加を阻むことにつながっているのではないかという懸念がある。さらに補助率については、例えばジャンプ補助金の助成回数が3回目になると、経費の半分は自分たちの資金で賄うように規定されている。このような規定により申込み団体の少なさとなって表れてきているように感じる。
現在の市民活動の実態に合わせて利用しやすい制度に少しずつ変えていく必要が出てきているのではないかと思う。
【事務局】
指摘いただいた課題については、活用いただいている市民活動団体がどのように感じているのか情報収集しており、市としても課題として考えていたところである。このため、本委員会より今後に向けたご意見をいただきたいと思っていたところである。
【委員】
市民活動団体補助金の委員を務めてきた中で、長崎市は、新たな団体に支援する方法と、円滑に活動している団体を強力に支援し、その手法を他の団体の皆さんにも拡げていく方法を現在まで継続して実施している。
ただし、現在までの経過等も踏まえると、最初の設定としてはよかったと思うが、内容を精査して今後、使いやすいような補助金とする議論が必要だと審査会でも共通認識として感じている。
また、市民協働推進室と地域コミュニティ推進室の事業について、地域コミュニティ推進室ができたときも、どう違うのかという意見があった。結局、現状として、違いが分かりにくいことからも再編を検討していく時期にきているのではないかと感じ、今までの経過を見て、これからどうするという議論になっていけばいいと思っている。
その他、市民活動センターの事務室の件も、なかなか新たな借主が出てこないことはもったいないことだと感じる。これらの件も含め、本委員会で検討していただければと考えている。
【委員】
長崎市は、市民活動の課題として、市民活動をけん引してきたリーダーの高齢化や担い手不足と考えているが、私は、おそらくリーダーの高齢化が課題ではないと思う。高齢化していくのは当然のことで、課題としては、若手が出てきていないところではないかと思う。これは、若者の分野における話であるが、若者の分野でNPOを運営するとリスクが高すぎる。負担が多ければ若手はNPOの運営などはしない。
どういったところに課題があり、若手が生まれてきていないと考えるのか伺いたい。
【事務局】
課題としては、やはり高齢化があるので、それをどう解決していかなければならないかと考えたときに、若手をもっと新たに発掘していくという流れになると思っており、そのあたりを委員会としての意見を伺いたいと考えている。
【委員長】
おそらく、色々な制度上の問題や、指定管理や委託などの問題も絡んでくると思うので、これはまた別の機会にご意見をいただきたいと思う。
【委員】
これからの議論のキーワードは、「バランス」ではないかと思う。ある方が、活動が広がっていくためには、「楽しい」と「正しい」のバランスを保っていくことが大事だということをおっしゃっていた。自分の経験からも、活動していく中でやはり自分が活かされたり、必要とされたりする中で、だんだん楽しさの質が変わってきて、自分の楽しいが他人の楽しいに重なってくるともう少し強い「大切」に変化していく。そうすると、自分の時間やエネルギーを使ってやっていこうという気持ちに変わっていくのではないかと思う。ただし、このようなことを他の若者たちに勧められるというと、このような生き方をしていること自体が稀であり、簡単にやろうと言えないと思ったときに、さらに勧めるかどうかは、バランスが必要になってくる。
その他に、NPOにとってどういうサポートができるかについてもバランスが大切であり、足し算と引き算のサポートが欲しいと思っている。足し算としては、手厚いサポートや仕組みなどの支援ももちろんありがたいが、むしろ、もっと簡単な手続きであったり、仕組みが簡素化され決定が速くなるなど、引き算のサポートがほしいと感じる。色々な仕組みが簡素化されて意思決定が早くなるように、無くてよいものをできるだけ減らしていく中で、市民活動の担い手が参画しやすいような仕組みができるとありがたい。
【委員長】
本日、多くの意見をいただいたが、これまでやってきたことが一体どうだったのかを振り返ったらどうかと事務局に提案させてもらった。私の思いとしては、要は、委員会では様々なことを議論するが、事業の詳細についてはわからないことも多いことから、事業を実施したことがある当事者の声をじかに聴いたうえで、ディスカッションしたいということであり、ケーススタディとして、代表的な事業についての声を聴きたいと思っている。そして、聴いた結果、どうしていけばいいのか。それで足りない部分はどうすればよいのか、というような話ができればと思う。
そこで、委員長としての私案であるが、市民活動センターの運営と市民活動支援補助金、提案型協働事業の3点を委員の皆さんに議論いただき、次につなげる方法でいかがかなと考えている。
何でもいいので、何かご意見があれば発言をお願いしたい。
【委員】
職員研修について伺いたい。今地域で考えなければならないことの一つに退職者のことがある。職員が退職を迎える頃に、地域に貢献してもらえるよう、もう少し身の処し方を考えてもらえるような工夫が必要ではないかと感じる。職員研修は退職前から始める必要があると思うとともに、そうすることで地域のことを考えるきっかけになり、退職後に地域にとっても大きな戦力になると思う。
【事務局】
市の研修においては、退職後のための研修も実施しており、この中で、退職後は積極的に地域に参画してほしいといった話を行っている。退職後は、様々な形で地域に経験を還元し参画していくことが重要になってくると感じている。
【委員】
次回、提案型協働事業や補助金を受けた側の意見を聴く場合は、可能であれば担当課の職員の意見も併せて聴くことができれば協働を行ってよかった部分や苦労した部分も理解しやすいのではないかと思う。
【委員】
事業の評価について、目的がはっきりしている中で、どれだけの達成率や達成度に対して評価になってくると思うが、市民のまちづくりの評価というのは、どのくらいの期間で、どういう角度で見るかという点で、非常に難しいところがある。
ただし、そこで一定のお金が動いているため、当然ながら一定の基準をつくっていかないといけない。そうすると、やはり一定の時間で切りながら、住民の皆さんの満足度を様々な角度から総合的に評価をしていく必要があると思う。
そのときに、評価をどのように見える形で表していくかということが、これからの議論で必要になってくる気がする。
【委員長】
今までに市民力の部分については、おそらく体系的な評価がなされていないと思うので、どのようにしていくか今後議論いただきたいと思う。
事務局に伺いたいが、この委員会では評価は行われていないが、事務事業評価において市民協働推進室の事業の評価は例年行われているのか。
【事務局】
施策評価という評価があり、全項目ではないが市民活動センターの運営、市民活動支援補助金及び提案型協働事業について毎年指標をつくって評価を受けている。
【委員長】
評価シートもあると思うので、別の委員会でも評価されているが、どのように評価されているか、委員会の皆さんにもお示ししたらいいと思う。
その他ご意見をお願いしたい。
【委員】
ケーブルテレビを使った協働事例の情報発信については、「協働は特別なものではないという意識の醸成を図ること」を目的に実施しているが、ターゲットが少し狭くなっているのではないかと感じる。ケーブルテレビとYoutubeで放送しているが、この方法であれば、興味を持っている方しか見ないと思う。若い人たちに興味をもってもらうためにも、Instagramなどでの発信など、色々と考えていいのかもしれない。
【委員長】
本日は、市民活動センターの松本センター長に出席してもらっているので、参考までにコロナ禍での市民活動の皆さんの支援について報告いただきたい。
【市民活動センター長】
これまで当然のようにできていた人を集めることができなくなったため、市民活動や地域活動に役立つオンライン講座などを行ったところ、興味を持つ年配の方で申し込みがいっぱいになった。
また、zoomの有料版の利用料が高いと聞いたことから、センターで契約して希望者に利用してもらえるようなサービスを1年ほど前からスタートし、徐々に増えてきている状況である。また、団体が行うイベントのオンライン配信のサポート業務を行っている。
指定管理がスタートした最初の年とは違った形での活動のサポートを考えているが、団体の皆さんの期待に沿っているか不明なところもあるので、現在350団体にアンケート調査を行い、徐々に回答が返ってきている状況である。この結果も踏まえ、今後のセンターのサポートのあり方を模索していきたい。
【委員長】
先ほどの話のとおり、次回の振り返りの方法については、事務局とも相談のうえ開催させていただきたい。
- 以 上 -
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