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更新日:2022年7月5日 ページID:038871
市民生活部 文化振興課
令和3年度第3回 長崎市文化振興審議会
令和3年6月3日(木曜日)9時30分~12時00分
オンライン(事務局は議会第1・2会議室)
1 市民生活部長挨拶
2 新たな文化施設の管理運営計画、施設計画の検討
議 事:
事務局より「新たな文化施設の管理運営計画」と「施設計画」について説明。その後、意見交換を行った。(意見については下記参照)
〇次第2 新たな文化施設の管理運営計画、施設計画の検討【意見交換】
事務局(市):事務局(長崎市市民生活部文化振興課)
事務局(業):事務局(長崎市新たな文化施設基本計画策定業務受託者)
【事務局(業)】
配布資料に基づき新たな文化施設の基本計画について説明。
【会長】
この審議会があと何回行われるのか、また、いつまでにまとめるか等、事務局より今後のスケジュールについて説明をお願いしたい。
【事務局(市)】
今回は今年度3回目の審議会だが、次回、今回の議論の内容をまとめたものを素案として提示し、その後パブリックコメントで市民より意見をいただき、完成となる。基本計画は今年秋頃に策定することを目標とする。今回は特にこれまで議論できていない管理運営計画について意見をいただきたい。
【会長】
基本計画素案の策定までにあと2回審議会、1回市民ワークショップが開催、パブリックコメントが実施される。本日の内容としては、大きく管理運営計画と施設計画の2つ。まずは管理運営計画について議論したい。
今回新しいホールができることによって、ブリックホール、チトセピアホール、そして新たな文化施設がどう役割分担をしていくのか。あるいは、今までうまくできなかった自主事業のところをさらに広げていくにはどうするべきかという観点が出てくるかと思う。
【委員】
基本的な考え方について、ブリックホール、市民会館、チトセピアホールとの役割分担、機能補完とあるが、それらの具体的な方策を教えてほしい。
【事務局(市)】
ブリックホール、市民会館、チトセピアホールは、それぞれホールの大きさ、練習室や会議室の構成の面で条件が異なるため、それぞれの特性を活かした活用になるだろう。ブリックホールは最も客席数が多く、比較的大規模なイベントが行われるだろう。また、練習室や会議室も最も多いため、控室や練習室が多く必要なものもブリックホールで行われるだろう。チトセピアホールは形態が大きく違う。ホールの大きさの違いに加えて、練習室が無いことが大きな違いで、活用の仕方も異なる。今回の指定管理では、北公民館とセットで受けてもらっている。生涯学習分野との連携や、長崎市北部の地域性を活かしたイベントに期待している。市民会館は老朽化が進んでおり、今後どうしていくかは検討課題。また、料金体系や、体育館や教育施設等との複合施設であるという点で特性が出る。新たな文化施設は、ホールの大きさが異なる点、練習室がブリックホールよりも小さく少ない点で特性が出るだろう。自主事業は現在長崎市が直営で行っているが、ホールに任せる可能性もある。その際、会場の選択にあたっても整理が必要と認識している。
【委員】
ホールの大きさによる役割分担の違いという点は分かったが、新たな文化施設には創造支援機能が最も大きく期待されているという認識で良いか。教育施設というのはあくまでも市民会館が複合施設の生涯学習機能を担っているという意味か。
【事務局(市)】
市民会館のことを指している。創造支援機能は新たな文化施設だけが担うものではなく、ブリックホールでも実施する。また、現在長崎市が直営で行っている自主事業のほとんどの会場はブリックホールだが、自主事業の主体についても検討が必要。公会堂がなくなった後にブリックホールの稼働率が非常に高くなっており、練習室の稼働率が90%を超える状況で、市民文化団体の利用を優先すべきところもあるが、新たな文化施設ができることで、新しいスペースができるので、バランスを取りながら広げていくこともできるのではないかと考えている。
【委員】
今の説明ではホールの大きさの違いによる役割分担でしかないと捉えられた。自主事業はどの施設でも行うということだが、それでは結局どの施設も同じではないか。創造支援活動には育成型もあるが、新たな文化施設にはどのような性格を与えたいのか。育成型も入る場合、練習室や楽屋の利用の仕方が膨らむのではないか。施設への性格付けや3つの施設の役割について、更に詳細に聞きたい。
【事務局(市)】
そこについてはこの会で意見を集める必要があると思っている。ただ、限られた敷地のため、必要なものを全て入れることはできない。ブリックホールの会議室を練習室に改修することで創造支援ができるようなスペースを確保したい。一方で、創造活動をする際に毎回異なる施設を使うのは不便であり、ホールの適性や練習室の数に合わせた機能やソフトの重点化を考えている。創造支援にも様々なパターン・ジャンルがあるため、例えばブリックホールは音楽に、新たな文化施設は演劇や舞踊に特化する等、それぞれのホールの特性を出したい。また、今やっていない分野もあるため、整備の方針についても意見をいただきたい。
【会長】
今回はあまり具体的なことまでは書き込めないと思うが、創造支援機能については検討課題として基本計画内で明記すべきだろう。今後さらに検討を深めるように記載してほしい。よいか。
【事務局(業)】
よい。自主事業を積極的に行うことと市民団体の自由な利用がかぶってしまう可能性もある。実際に文化活動を行っている方がどのように捉えているか教えてほしいと思う。
【会長】
ブリックホールができた当初は自主事業にかけられる予算が潤沢だったが、徐々に少なくなっている。そのため、地元の文化団体と共催をしたり助成金を入れ込んだり、アウトリーチのお金を入れたりすることで何とか回っている。「自主事業が盛んになってホールの予約が取れない」ということは想像し難いが、皆さん意見はあるか。
【委員】
自主文化事業の一環である市民参加舞台に何度か関わらせてもらっているが、創作活動をする側からすると、一般市民との交流も増えるため、練習日は多いほど良い。一方で、市民利用もある場であるため、利用が重なると気兼ねしてしまう。積極的に自主事業を行う劇場をつくるのであれば、長期利用が可能な創作優先室を設けると良いのではないか。アーティストを呼ぶにあたっても活用可能な場所になるだろう。
また、コンセプト的な部分に「舞台芸術を活用した地域社会」や「地域貢献や社会貢献を積極的に行う劇場」という文言が明記されると特色になるのではないか。
【会長】
特に最後の部分については非常にいい視点だと思う。ぜひ書き込めたらと思う。創作優先室というのは、大きさはリハーサル室や練習室をイメージしているのだろうか。ホールというのは難しいだろう。他館の事例等はあるか。一つの考え方だと思うが、全部ではなく、ある部屋については市民に利用されるような、小さい部屋でよいということだが、これについて意見はあるか。
KAAT神奈川芸術劇場では自主事業につき1~2か月その事業に特化することを売りにしていた記憶がある。今回はそこまでは難しいが、練習室の少し大きな部屋を考えてはどうか。
【委員】
音楽の分野では、専属楽団を作る場合を除けば、最初から創作優先室を作るのではなく運用で工夫しているケースが多い。市民オーケストラの楽器置き場程度であれば事例があるだろうが、練習室を優先的に使用できるという建前で作るというのはあまり行われていないと思う。一方で、演劇の場合は事情が違い、練習時間・期間が長く、本番直前は1~2週間練習室を利用し続けなければいけない状況が生まれる。演劇を本格的にやっているような館ではそういう例があるかもしれない。
【委員】
劇場のミッションと目的をどう作るかで全てが決まる。KAAT神奈川芸術劇場は最初からミッションとして「全国レベル・世界レベルの作品を創っていくこと」を掲げていた。そうなると、当たり前のこととして稽古場を優先的に使うという条件になる。北九州芸術劇場も、稽古場は一般に貸し出していない。方法としては、稽古場だけを設置条例から外して、一般に提供する必要はないことを最初に定めた。ただ、1年間毎日稽古しているわけではないため、空き日は地元の表現者等に提供している。2年前から計画を立てるため、使用しない日が事前に明確になっている。練習室の大きさについては、創る作品の内容によるが、例えば先ほどの市民参加舞台規模、出演者が100人いて、オーケストラまで入るとなるとある程度の大きさが必要だろう。道具の問題もあり。長ければ2か月は連続で押さえないといけない。今度のホールのミッションとして、そのことが実は長崎にとってものすごく重要な事業、他には代えられない事業だということであれば、最初からそのスペースを作らないと結局どこで作るのかって話になってしまう。すると、最終的にはホールを押さえて稽古をするっていう話になり、市民の方が使う部分に関してはすごくマイナスになっていくと思うので、そこを考えて、施設の取り合いをやらないといけないのかなと私は思う。
また、役割分担については、ハードだけでなく、コーディネーターの問題もある。運営している人間にとっては自分のいる館が大切で、変な形に曲げられてしまうのは苦痛。誰が全体のミッションを作り、コーディネートするかが実際は重要だろう。
【会長】
ハードだけでなく運用の中で解決すること、また、新しいホールだけでなく長崎市内の施設全体の中で考えていくことが必要。また、現段階で創作に特化したスペースを計画に盛り込むことは難しいが、検討課題として残すことができる、そういった形で書くべきかと思う。
【委員】
自主事業をやっていくことを前提とするならば、ある程度書いておいた方が先々を考えると良いのではないか。
【委員】
長崎市内の施設全体を統括・マネジメントするということは、ホール単体運用ではなく、長崎市内にある全ての大中小ホールをどう使っていくかという考え方ができるのではないか。例えば、大きな土地に、ブリックホールという大ホール、新しくできる中ホール、チトセピアホールという小ホールが入っていると想定すれば、それを統括してマネジメントする組織は一つで、むしろ、それぞれの施設に組織を置くことは無駄だとも考えられる。それぞれの貸館事業や管理運営に関しては、それぞれの館の指定管理業者が行えば、それはできることだと思うが、今私たちが求めているような文化振興的な創造支援や自主事業は、その事業内容に応じたホールのスケジュールを決めたり、大きい組織、すなわち、三つのホールの上に立つ大きな組織のようなものがあったらいいのではないかと思う。今回のホールについて、ではなく、今後の長崎市の自主事業をどうマネジメントするかを検討するという方向に持っていくという考え方で議論をした方が建設的ではないか。長崎市は、指定管理とはいえ実質直営だから無理という話になっているのではないか。佐世保市のアルカスSASEBOは財団が運営しているから自主事業が潤沢にできているということだが、長崎市民はそれをいいなと見ているという状況は打破したい。そうするとやっぱりそれなりの予算が要る。それなりの予算を単体のホールで持っていても、それは何かアンバランスだということになると思うので、そういう三つのホール全体を統括する組織が全体を運営する方法を模索しても良いのでは。
【委員】
指定管理になることは決定事項なのか。
【事務局(市)】
その予定である。
【委員】
確かにそれぞれの施設の上に組織を作るというやり方はあるが、それでも、それぞれの館の特性を持った運営のできる人材の配置は必要。指定管理を受けている立場としては、指定管理の条件として市の方針は示されると思うが、組織に関して私たちがある程度意見を言って決めることはできるのか。
【会長】
指定管理のあり方の方法については、具体的な手法は色々ある。現在市内の三つの館はそれぞれ別の組織が運営をしているが、それらを別の団体が運営するのか、それともある一つの大きな組織がまとめて行うのか、その下で三つに分けるのかによっても違うだろう。
【事務局(市)】
今のチトセピアホールと北公民館のように、指定管理者が複数の施設を管理し、それぞれに館長が配置されることもあり得る。指定管理の発注の方法として、その手法の中で複数の施設を持つということは今も実施されている。恐竜博物館も同じ手法を取っている。地域、或いは種別でまとめて運営するということもできるだろう。エリアでまとめて同じ組織が運営した方が良いとして、複合的な目的の建物を一緒に指定管理に出している事例もある。市から指定管理団体に要望する方針については、ホールは市が委託料を加えて運営しなければならない施設分類であり、市が経費を出すため、確かに要望はある。創造支援事業はチケット収入で回るものではないだろうが、一手法として、現在市が実施している自主文化事業をホールの指定管理者に任せることは可能。どこまで任せるかなどは検討が必要。また、市民から見て誰が行っているとよいかという視点も必要。
【委員】
ミッションを最終的に決定するのは行政の仕事である。そのミッションに対して専門家を含めた運営者がどう具現化していくかという方法になる。ミッションを作ることのできない行政であればホールを作る必要は無い。ミッションの方針については、審議会で専門家が意見を出して、それを市が受け止めて、最終的に策定することが必要。
確認だが、指定管理者は同一設置条例でないとまとめては運営できないのではないか。
【事務局(市)】
現在のところ、条例は別でも問題ない。
【委員】
そうであれば一つの組織がまとめて行うことも可能だが、どこかが立ち行かなくなった場合にどうするかという問題がある。資料に「劇場経営」という言葉があったが、劇場経営を行う人は指定管理者でなく市が決めて、同一人物が例えば3館の館長や劇場経営者を担うという方法もある。課題もあるが、こういった形でのコーディネートは事例もある。市内のそれぞれのホールで優先順位ができると大きな課題を抱えるという問題が生じるため、そこをフラットにそれぞれの役割を作らなければいけない。また、経営には専門的な知識や経験が必要だが、できる限り長崎市の人から選ぶのがベストだと考えている。
【委員】
やはり各館の特徴づけの必要性を感じた。自主事業のあり方としてはっきりと描き切るのは難しいかもしれないが、検討の可能性という書き方でも、ホールの特色、方向性を決めていくことで、ホールの運営や施設計画に落とされていくだろう。また、指定管理については、仕様がきちんとあって、その中でミッションをクリアするためのアイディアを指定管理者が提案できる形になっているとやりやすいのではないか。また、上位計画の中での長崎市の文化行政に対する考え方、その次にホールの目的が明確になっていると、事業計画は作りやすい。
【委員】
創作について、1~2か月アトリエとして練習室等を利用するとなると大事だが、例えばブリックホールが大規模改修で3か月休館するということは十分にあり得る話。創造支援事業で押さえる際も、それと同じように捉えることはできるのではないか。例えば長崎市の文化振興課であらかじめスケジュールを組んで、それ以外の部分を指定管理者が埋めるというやり方はできないのだろうか。そう考えるとそれほど難しい話でもないと感じる。
【会長】
今回の基本計画で盛り込む内容ではないかもしれないが、確かにそういう方法は考え方としてはあるだろう。専門家の登用について意見は無いか。
【委員】
出島メッセ長崎に関連して、MICE事業者ネットワークを作っている。参加団体が150社あり、月に1回開催される幹事会は10人ほどで行っている。幹事会の議事録はその150社に報告をしている。市民参加舞台についても、ブリックホール開館当初は毎年実施していたが、現時点ではそれほど頻繁にはできていない。情勢の変化を踏まえながら、新しいホールをどう作っていくかを頻繁に少人数で話し合うべき。文化振興審議会とは別の10人ほどの小規模な組織で話し合うことも必要だろう。
【事務局(市)】
市の附属機関を作るには条例の改正が必要。また、文化振興審議会と類似の目的のものは難しい。少人数の会を設けるために、文化振興審議会に部会を置けるようにするという方法はある。なお、MICE事業者ネットワークは市ではなく民間主体の組織であるため、自由が利く。連携してやっていく組織として整理することもできるのではないか。
【委員】
文化団体としての組織は必要。例えば、フリースペースがあっても使う人がいなければ意味が無い。活用を推進するような組織が必要だろう。文化団体全体の組織は現状長崎市には無いため、コロナ禍で苦しい状態にある文化団体が市に陳情に行く際にも、個人が発起人となって意見を集めた。文化を発展させていくならば、そういう組織が必要では。
【会長】
以前この会議体は「文化振興協議会」だったが「文化振興審議会」に格が上がった。長崎市として重要視されている一方で動きにくさは出てきてしまったかもしれない。手法については相談しながらまずはこの文化振興審議会を機能させたい。
ここまでの委員からの意見を踏まえて、事務局としてはどうか。
【事務局(業)】
今の段階で詳細に決める必要はないということだが、基本的な考え方をまとめるうえで参考になる意見をいただいた。次回までに文章化を進める。
【会長】
続いて、施設計画について意見を伺いたい。まずは委員より参考事例を説明いただく。
【委員】
参考事例として北九州市ウェルとばたを紹介する。この劇場には廻り舞台、大迫、スッポン迫、両花道が整備されている。花道は演出効果を上げる大切なものであり、日本舞踊の団体としては必要であると考えている。前回審議会にて、常設の花道は難しく、仮設であればということだったが、なぜ常設ではできないのか教えてほしい。
【事務局(業)】
常設の花道ができないというわけではなく、もし非常に重要であり、常設にする必要があるのであれば可能ではある。一方で、花道の位置は、客席前方の鑑賞条件の良い場所でありそこが常に客席として使えないというのはもったいない。また、常設で花道を作ると舞台間口が広くなり、実際に使える舞台部分が狭くなってしまう。他の演目を考えたときにマイナスの面もあるということでモデルプラン案では仮設するという案になっている。
【委員】
地形等の問題ではないことが分かった。迫り等が設置できるかどうかはいつ分かるか。
【事務局(業)】
設計段階に入ってからの決定になる。一応現段階のモデルプラン案では奈落を作っており、迫りを設けられるようにしている。
【会長】
以前の審議会で、花道を作るには一階席の前方をフラットにしなければならないという話は出ていた。また、参考事例に挙がったウェルとばたに以前行ったことがあるが、残響時間の長い良いホールだった。一方で、舞台が花道の分だけ狭いことは気になった。現段階では、花道については、他の演目とのバランスを考えて調整が必要だが、要素としては必要ということになるだろう。施設の検討については、資料中の赤字部分がこれまでに出た意見の反映されている箇所である。まずホワイエ、客席について意見はあるか。
【委員】
トイレについて、休憩時間に女性用トイレが混雑している。男女の仕切りを移動できるような工夫はできないか。また、旧公会堂のように屋外にもトイレを作ってほしい。
【事務局(業)】
トイレの数は法律で決まっているが、それでは機能的に足りないので最近の設計では、女性用トイレは法的に必要な個数の倍に増やしているケースが多い。モデルプラン案でも多めに面積を確保している。男女の間仕切りは実際に採用している事例もある。屋外トイレは設置する可能性もあるが、管理や防犯も問題に配慮しながらの検討になるだろう。
【会長】
日常的に人が交差する場所となると、屋外トイレも重要な要素である。検討課題に入れると良いだろう。
【委員】
施設全体のサイン計画が分かりやすいような施設としてほしい。その際、車いすの方の目線の位置に配慮してほしい。また、障害者用トイレの個数が少ない事例が多いが、高齢者がかなり増えているため、配慮してほしい。
【会長】
ブリックホールはホールの位置が分かりづらいと言われている。サイン計画は重要。
【委員】
ウェルとばたは響きの良いホールだった。また、北九州市立響ホールも1,000人規模の良いホールだった。モデルプラン案について、ホールとリハーサル室とエントランスロビーそれぞれで本番が可能だが、同時開催は可能なのか。市民会館では1階の文化ホールで催し物をする際は2階のリハーサル室や体育館も借りなければクラシックコンサートは開催できないということもあった。運営を含めて、ホール内でホール・リハーサル室・エントランス、そして、遮音をしっかりしていることが前提で、練習室の連携、整理が必要だと思う。また、有料のコンサートも行うとなると、チケットのもぎり等、管理の部分も含めて考えてほしい。誰もが使いやすい良いホールとしてほしい。
【会長】
大ホールでのイベントの際のエントランスロビーの活用、動線の確保については、検討課題だろう。ホールの稼働率やそれに応じたエントランスの活用方針についても再度整理が必要。
【事務局(業)】
建築的にはホールとリハーサル室は完全に遮音が取れる。エントランスロビーとホワイエは取りにくく、スケジュールを見ながら、ソフト的な調整が必要。また、ピアノは良くても太鼓は難しいといった、演目による違いも出てくることが想定される。運用による工夫になるだろう。
【委員】
パブコメで意見が出ることが予想されるが、モデルプラン案で搬入車両が入ろうとしている所は左折して一方通行の狭い道を下っていく道路で、交通アクセスの面で整理が必要だろう。また、11tトラックの入り方にも、交通渋滞が生じないような工夫が必要。
【事務局(業)】
11tトラックは、一度敷地内に入って回転できるスペースを確保することを条件とする。
【委員】
子どもたちの利用も考えて、十分な広さのバスベイも考えていただきたい。また、演奏者の駐車場についても、楽器の搬入を考えるとできるだけ近いところに停められるようにしたい。障害者駐車場についても検討してほしい。
【事務局(市)】
国道沿いにバス停はあるが、長崎市だけでは決められない。公園になる予定の市役所別館跡地や市役所側に設ける可能性もあるが、できるだけ近くで乗降可能にはしたい。敷地が元々狭いため、バスベイを入れるとなると広場が狭くなる。今市役所別館のある敷地が公園になるが、その敷地や市役所側等に計画される可能性もある。できるだけ近くで乗降できるようにしたいと思っており、土木や都市計画課と話しながら可能な方法を探る。
【委員】
国道沿いの一般のバス停では一時駐車は難しいだろう。地下2階部分の敷地に余裕があれば、搬出入スペースより先へ行って一時的に停めるというような運用のイメージもある。そういった点も含めて、駐車場や渋滞の部分について、子どもたちや身障者に対するバスベイ的な部分の活用は、今後検討の視点に加えてほしい。
【委員】
広場の活用とのせめぎ合いではあるが、車寄せについても考えられたい。また、市役所別館跡地に車寄せが計画される場合は、屋根の付いた歩道橋等整備してほしい。当然、車いすでのアクセスにも配慮してほしい。例えば地下道は可能か。
【事務局(市)】
市役所解体後も歩道橋は残る予定。屋根の有無については、国道の歩道橋のため長崎市だけでは決められない。市役所別館側からも、階段だけでなくエレベーターでのアクセスも可能にしたい。車いすやベビーカーでも渡れるような状況にしたい。実は市役所には地下道があるが、非常に狭く、段差があるため利用は現実的でない。また、さらに広げるとなると掘削費用がかさむためそこを優先すべきとは言えないだろう。
【委員】
舞台機構について記述が無いが、専門家の舞台スタッフに聞きたいが、手引きバトンの設置についてはどう考えているか。
【委員】
全国ツアーで演劇等で巡回しているスタッフでは、手引きのバトン操作はできない。ベテランスタッフは繊細な操作という点で手引きが良いと言うが、若手は全国的に活躍するスタッフでさえ操作できないことがある。長崎市には手引きのバトン操作ができるスタッフは沢山いるが、全国的にも電動バトンが主流になってきているため、手引きバトンは無くなっていくことになるだろう。
【委員】
今後手引きの技術が無くなっていくことは惜しい。長崎のスタッフに技術があるのであれば、現地スタッフの雇用という意味でも、手引きバトンをあえて設置することで技術を継承することは大切ではないか。
【委員】
ただ、現状は大ベテランしか手引きバトンを操作できない。長崎市で手引きバトンのある劇場が、すでに無くなった公会堂とチトセピアホールだけであり、若手がそこで熟練していくのは難しい状況にある。
舞台の機能について、長年舞台スタッフとして関わってきて、常設の花道は必要なく、客席を優先したいと考えている。一方で、この劇場を作るにあたって、長崎市の文化団体のことを考えれば、日本舞踊・バレエ・ミュージカル・オペラ・音楽のことを考えるべきだと思う。多目的ホールを作らないといけないという現状を考えると最低でも仮設での花道は必要だろう。個人的には、鑑賞を優先したい。また、音楽ものを考えると音響反響板が必要だが、以前の審議会でも話したようにかなり場所を取るため演出が制限される。ウェルとばたは一番奥から音響反射板が設置できるようになっているという点で良い。ぜひこういうのも取り入れてもらえないかと考える。
【委員】
防災関連備品庫について、一時滞在場所として何人を収容するかを踏まえた上で、必要な備品を収納できるだけの面積を持った、兼用でない防災関連備品庫を計画段階から考慮する必要がある。北公民館では、急遽備品の収納を依頼されて場所の確保に苦慮した。
【事務局(市)】
北公民館は、一般市民のための避難所指定を受けて対応されているが、今回の新たな文化施設は、観光客向けの、災害時の帰宅困難者の受け入れ場所となる方針。人数や待機場所、備品の収納計画も行う予定。文化活動のできないときに何ができるかという意味で、そういった場所を作ってはどうかという考え。但し、本来の施設の目的を優先とし、防災関連の用途のために芸術文化のための面積を減らすということは無い。
【会長】
防災関連の用途については、今回のプランの中で一つの大事な要素だろう。今回の敷地は、「内町」「外町」といって昔からある土地で、非常に安全な土地。そこにホールがあって、非常時に避難する場所があるというのは大切。文化関係についてあまり応援してもらえない人への説明としてもしっかり詰めていく必要がある気がする。また、駅からの流れと、美術館、出島、浜町、博物館の軸の交差点である。日常的に人々が集い、歩ける距離にある。
【委員】
屋外広場に長崎くんちの練習のできる場所を確保していただきたい。稽古を観ることも非常に面白く、にぎわい確保につながるだろう。諏訪神社の踊り場のスペースくらいあれば良い。石畳等にすれば可能である。
【事務局(市)】
今のモデルプラン案ではおくんちで船を回せるスペースは確保できないだろう。石畳が良いのか、芝生が良いのかというのもある。また、貸館との関係で、施設内で催し物を行うのと同時におくんちの練習で大きな音を出すことは難しい。夜のコンサートと同じ時間帯におくんちの大きな音を出すことはできない。練習を恒常的にするスペースとしては難しい。もちろん、本番で庭先まわりにはぜひ来てほしい。
【委員】
長崎駅から新たな文化施設に徒歩でアクセスする際の景観に配慮してほしい。ホール背面に向かって歩くところを、アプローチを良くするなど、わくわくするような配慮がされるとよい。
【事務局(業)】
モデルプラン案でも、桜町電停側からの動線を考えて、階段及びエスカレーター、エレベーター、ウッドデッキの空間等を考えている。条件の中でも、建物の正面は市役所通りだが、桜町電停側にも楽しいルートを考えられたいということを設計の条件にするのは可能性があると思う。
【会長】
ルートだけでなく、建物の外観の印象にも配慮してほしい。最近は駐車場でも緑化等工夫がされている。見た目も含め、今後の検討課題にしてほしい。
【委員】
ライトアップの可能性もあるだろう。
【会長】
自然エネルギーの活用との関連もあるだろう。
【委員】
現在の市役所別館の敷地が公園になるという話があったが、新たな文化施設の広場と連携した活用も考えられるだろう。
【事務局(市)】
市役所別館跡の公園だけでなく、現在整備中の新市庁舎前広場や魚の町公園も含めて一体的にイベントができるような仕組みは考えていきたいと思っている。
【委員】
創造支援事業を積極的に行うという点が長崎市の計画としては新しい考え方。一方で、練習室の機能と配置について、数の問題はこの前指摘があったが、機能として、事務局案ではとても美しい場所に練習室があって、良いのだが機能的かというとそうでもないかもしれない。文章でうたわれている目標と実際の配置案で少し不足感があるため、意図を正確に伝える文章となるよう精査してほしい。ある目標のために練習室があるということを課題とする必要があり、「市民が利用できる」とただ書いてしまうと矛盾がある。
また、管理事務室の面積について、創造型の施設にする場合、スタッフの人数は多くなる。更に、市内施設の心臓機能を新たな文化施設に持たせる場合、より広い面積が必要。とりまとめ案として出す前に、これら2点の機能については整理が必要だろう。
【事務局(市)】
組織と部屋は直結する。並行して検討したい。
【会長】
市内ホールをまとめる機関をどこに置くのか、スペースは限られている。例えば新市庁舎に文化振興フロアのようなものができると良いかもしれない。なお、現文化振興課は新市庁舎に移るのか。その場合、現在文化振興課がいるブリックホールのスペースが創造機能に関連した用途になる可能性はあるのか。
【事務局(市)】
文化振興課はブリックホールから新市庁舎に移動する予定。ただ、ブリックホールは現在指定管理者の事務室はかなり狭い状態で使っているため、調整が必要。
【会長】
面積の問題はあるが、最低限必要な数や機能はあるため、それらをどの施設に置くかは工夫できると良いだろう。市役所という可能性もあるだろう。
次回審議会では事務局によって明文化された案が示される予定。
以上
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