ここから本文です。

令和3年度 第2回長崎市図書館協議会

更新日:2023年5月8日 ページID:040389

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

市立図書館

会議名

令和3年度 第2回長崎市図書館協議会

日時

令和4年3月23日(水曜日) 13時30分~

場所

長崎市立図書館1階 新興善メモリアルホール

議題

1 教育総務部長挨拶
2 辞令書交付
3 会長選出、会長職代理者の指名
4 協議事項
(1)長崎市立図書館の運営状況について
ア 統計資料
イ 市民の声
ウ 事業実績と次年度事業計画
(2) PFI事業期間終了後の運営について

審議結果

(会長)
本日の協議会の出席者は、9名である。「長崎市図書館条例 第23条第2項の規定により、委員の過半数をもって会議を開くことができる」とあり、過半数の出席があるので会議の成立を確認した。これより、議事に入る。
館長から、4協議事項について説明をお願いする。協議事項はアからウまでの(1)長崎市立図書館の運営状況と(2) PFI事業期間終了後の運営の項目に分かれている。まず(1)アからウの事業実績まで報告いただき、ご意見ご質問を受ける。その後、(2)について報告いただき、ご意見ご質問を受ける。では、館長から報告いただきたい。 

資料を基に事務局から説明

(会長)
これより質疑応答に入る。ご意見等ありましたらどうぞ。

(委員)
資料2についてお尋ねしたい。このように市民からの意見をまとめられ、またそれに対する図書館のスタッフの対応についても、とてもわかりやすいと思う。それをふまえて図書館協議会の場では、もっと運営に係る意見も出せるのではないか。幾つか気になった点がある。9月17日の意見、わざわざ来館して書類を書くのは利便性が悪い。これに対し、規則などで決まっているとの回答。これは、来館して提出しなければならないと規則に明記されているのか。提出とは一方から他方へ必要な書類を渡すことであり、メールやFAXなど手段によらない。そこで来館というのが決まっているのかどうか確認したい。来館の規定がないのであれば、利用者側として図書館に変更を検討していただきたい。
もう1点。10月18日、駐車料金が高いとのことである。近隣の駐車場との関係もあるのだろうが、利用者の立場では安い方がよい。現在30分以内は無料であるが、何かやっているうちに30分は経ってしまうので、せめて45分ぐらいになれば市民としても助かるのではないか。
もう1点。12月3日、DVDをたくさん借りたいという要望に対する回答の中に、できるとしても来年度以降とある。具体的に施行規則を変える予定があるのかどうか。
以上3点について委員として質問させていただく。

(事務局)
9月17日の件は貸室の利用申込みで、実際に来館しての手続きが必要であるが、利用当日または直前まで手続きができるように準備を進めている。10月18日の駐車料金については、周囲にある民間の駐車場より市立図書館の料金を安くしないことが最初の条件だった。その中で、図書館を利用するために30分以内の駐車料金を無料にする仕組みを設けた。これは予約本の受け取りなど30分あればほとんどの方が手続きを終えられると考えたためである。時間の延長は難しいが、当初の予想以上に30分以内の利用が多く、時間を有効活用していただいている。12月3日、DVD貸出しの件では、貸出数や期間が開館当初から決められており、視聴覚資料については2点までとしている。貸出数を3・4点とすることも考えられたが、当初は所蔵数も少なく、多くの人に資料を借りていただけるように2点の貸出しとした。DVDに関して最近は若い方が借りられる状況が少なくなり、利用する年齢層が高くなる傾向にあるので、今後は貸出数や期間などを分析し、適切な数字を検討したい。これを変えるためには図書館条例施行規則などの改正が必要になるが、その前提としてきちんと数値を精査しなければいけない。

(委員)
それぞれ事情があるかとは思うが。条例や施行規則について市民が行政に意見を伝えられるのは、図書館協議会のような場しかないだろう。その意味でスタッフの方は条例や規則に則った回答しかできないと思う。そこで、市民のために条例を変えないといけないのであれば、本当に市民が求める図書館を目指すことが大事である。利用時間のことになったが、利用者アンケートの結果で、滞在時間は30分以内が3割。7割の方が30分を超えている。これは30分以内に用事を済ませられるというより、駐車場が30分しか無料で使えないから、30分以内に帰っているのではないか。アンケートの最後の方で、回答者の年齢が50歳代から80歳代で7割から8割を占めるので若い世代の実態が反映されていないようだ。夏季にはかなり早い時間から学生さんのような若い方が開館前から並んでいる。建物の一部は開けていただいているが、図書館の運営側として条例など思い切って変えられるところは変えていただければと思う。

(会長)
委員の意見に同意する。他にないか。

(委員)
アンケートについてお尋ねしたい。図書館の対応や設備について高い評価を得ていることは、利用者としてもスタッフの皆様の対応に感謝している。せっかく作ったサービスについて、アンケート回答者の年齢にもよるのだろうが、知っているけど利用しない、知らなかったという項目がある。特に広報紙や10代のためのとしょかんだよりを知らない方が多くいるようだ。我々の年代なら情報を得るために図書館だよりとかを見ることもあるが、アンケートの結果から、その辺りの啓蒙活動などを積極的に行ってほしい。

(事務局)
広報紙については、周知の方法を工夫することでもっと知っていただくことができるか検討したい。

(会長)
資料3ページ11月12日のWifi導入に関するご意見について、導入予定はないとの回答だが、WiFiを導入している公共図書館は多いし、ライフラインとしても公共図書館こそ必要だと思う。予算のこともあるが、そのあたりどうなのか。

(事務局)
Wifiについては、有料貸室で使うことを前提として整備している。市の他施設ではフリーのWifi環境を準備しているが、これを導入するとどうしてもセキュリティの問題が発生し、別の視点から危険な状態が起こる状況にある。そのようなことから有料貸室利用者についてWifi環境を準備している。また市立図書館の後に建物を整備し、Wifi環境を整えている県立図書館での状況を尋ねると、やはり延々とYoutubeを見ていたりゲームをしている利用者がいるようだ。そのため時間制限を設ける必要があると考えている。市立図書館でも、公表はしていないが閲覧室内にもWifiを設置している。今、有料貸室でのみ利用できるWifiには時間制限を設けておらず、施設利用時間中にWifiが途切れることなく利用できるようにしている。県立図書館と同じ運用にすると、有料貸室利用中に1時間おきにWifiが切れてしまう。市立図書館としては、有料貸室利用者の利便性をを優先すべきと判断し、現在の運用となっている。けっしてサービスを提供したくないわけではない。有料貸室利用者を優先した結果である。

(会長)
ありがとうございました。ただ、Wifiが経済的に使えないとか、図書館でしか通信環境がもてない人もいるだろう。いろいろな図書館が導入しているので、先行例を見て検討することもできると思う。

(委員)
Wifi導入について、公的な施設について長崎市としても全体で考えていただきたい。
社会教育委員会でも災害時や緊急時においてSNSの利用は非常によいと認めている。導入について功罪あることは承知している。市の公共施設としてどのような方法で取り入れるか県などを参考に検討していただきたい。

(委員)
現在の開館時間は10時だが、10時まで全く入れないのか。

(事務局)
開館時間については、有料貸室の利用が10時からなので玄関4か所と駐車場を10時の数分前から開けるようにしている。これと別に、隣接する救護所メモリアルを、内部の入口を閉めた状態で外側の入口を9時半に開放している。特に真夏や真冬など、開館前30分の間を救護所メモリアルで過ごしてから図書館に入る利用者もいる。10時前に各入口前で並んでいる方は、それぞれの目的がある。学生さんなら2階学習室の席を取るため学習室に最も近い南口に並び、また朝から閲覧室で新聞を読もうとする方は閲覧室に最も近い正面玄関に並んでいる。そこまででない方は救護所メモリアルでゆっくり開館を待っている。利用者それぞれの利用形態に合わせて朝の時間をうまく使っている。

(委員)
建物の構造が今ひとつわからなかった。建物には入れるが、図書館には入れないのが10時前の状態なのか。

(事務局)
全ての入口を10時に開く対応をしている。救護所メモリアルだけは9時半に開けるが、救護所メモリアルから図書館内へ入れるのが10時である。

(委員)
一旦、救護所メモリアルから出るのか。

(事務局)
救護所メモリアルには外の入口と、図書館内に通じる入口とがある。メモリアルに入った利用者は、10時以降外に出なくてもそのまま図書館に入れる。

(委員)
救護所メモリアルの件はわかった。ただ、もう少し早く開けられないかという利用者も一定数いると思う。政令指定都市に80か所ほど図書館があるが、長崎市立図書館と同じ20時まで開いているのが39館あった。10時に開けるのは10館ぐらいしかなく、他は9時とか9時半に開いている。利用者の立場では長く開いている方がよいのだが、運用上や経費の問題もあるだろう。ただ30分でも図書館が率先して開けてもらえたら。市民としてもサービス向上の点でもありがたいと思う。要望を受けて開けるよりも、先手を打って開けるほうが図書館に市民が愛着を持ち、図書活動にもよい影響があると思う。ぜひご検討ただきたい。

(事務局)
図書館の運営上の現状について補足したい。図書館が開くのは10時からで閲覧室は20時まで、有料貸室は21時までとなっている。朝10時に開けるためにスタッフはそれより早く来て、いろいろな準備をしている。館の清掃のスタッフが図書館に入るのは7時半だが、公共交通機関を使って図書館に来るため今の時間より早い設定は困難である。館の運営が終わって帰宅する時間にしても、図書館が官庁街にあることから一定の時間を過ぎるとバス便が減るなど交通事情が悪くなる。このような事情から今の運営がこの15年間続いている。

(委員)
年間の行事などを見たが、読書感想文の公募が無かったので提案させていただく。夏休みに小学校・中学校の部門を設けて子供たちに図書館から本を借りてもらって読書感想文を募集し、その中で優秀作品などを選定し、図書カードなどの賞品をプレゼントするといったようなイベントは無いのか。

(事務局)
読書感想文に関するイベントについては、全国学校図書館協議会等が学校を通じて作文を募集し、いろいろな取組みをしている。図書館については、資料11ページで、夏休みに図書館を使った調べる学習コンクールに関して「調べる学習にちょうせん」というイベントがある。ご意見の趣旨とは違うが「読書感想文におすすめの本」という特別展示も行っている。調べる学習コンクールについては、夏休み中に一定の条件で調べた結果を休み明けに図書館へ持ってきていただき、審査を経て市で表彰する取組みをしている。

(会長)
たくさんのご意見、ありがとうございました。
次に、令和4年度事業計画についての説明を求める。 

(資料を基に事務局から説明)

(会長)
ありがとうございました。これより質疑応答に入る。

(委員)
質問だが、年間の個人貸出数で、ある利用者が年間何冊利用したかというような個人別の統計は取っているか。

(事務局)
図書館資料の利用履歴は個人の思想信条に関わる情報に当たる。図書館資料の利用状況について全体として何人が利用したかという数値は統計情報として公開されているが、特定の個人が何冊借りたかというのは先の理由から図書館として準備しておらず、おそらく他の図書館でも情報を取っていないだろう。

(委員)
わかった。単に一人で本を年間100冊とか200冊借りた人を懸賞するようなイベントを考えていたもので、思想信条に係る意図はない。

(委員)
YA(ヤングアダルト)サービスのところで、知っているけど使わないというのは大きな問題ではないが、知らないというのは気になる。大学に勤務しているが、学生たちの利用形態が変わってきていてホームページも紙情報も見ないという時代になりつつあるようだ。若い世代はSNSなどを通じて、最初はお金があまりかからないような形でツィッターに投稿し、それを見た人が関心を持ってリツィートすると、また他の人がそれを見ることで若い世代が次々とつながって情報が拡散されていく。そのような若い人たちの力を使えばお金もかからず情報が広がっていくのではないか。身近な情報活動としてSNSを活用できそうに思った。

(事務局)
SNSの使い方については今後も、より効果的な広報の方法として検討したい。

(委員)
今のYAサービスの続きだが、先ほど高校生たちが夏休みの自習にたくさん来られると、一般の利用者としてはじゃまに感じるが、一方で教員の立場からすると少しでも図書館に親しんでくれたらありがたいとも思う。このように両面あって難しいとは思うが、図書館によってはカウンターで予め学習室の席を確保しないと座れない方法を取っているが、長崎市立図書館は野放しに近い印象を持っている。事業計画の中で、学習室の利用は本来業務ではないとも読める。できれば、学習室に来る生徒たちを図書館へ来てもらうためにどのような工夫をされているのか。或いは1階にあるYAコーナーに生徒たちが来ているのかどうか、教えていただきたい。

(事務局)
YAの人たちが興味を持っていただければという事で、学習室の前にYA向けの広報紙や月ごとのお薦め本を掲示している。小説の最初の一文だけを書いて何の本か当てる、QRコードを読み込むと本の情報が見られる等、スマートホンを皆さん持っているのでいろいろと工夫はしている。YAコーナーの場所の意図だが、子どもでも大人でもない中間の世代なので、こどもとしょかんとは離れたところに設けている。夏休みなど時期によっては学生さんたちも見かけるし、YA世代の本が好きな大人の方も利用されている。

(委員)
わかった。

(事務局)
少し視点が違うかもしれないが、大学受験を考えると、小論文が試験の中にあると思う。我々が受験した頃の小論文の勉強方法として、天声人語を活用することがあった。図書館の中で利用できる商用データベースには天声人語が見られる仕組みもある。小論文について一概に全ての学生さんたちに興味を持っていただくというのはなかなか難しい。図書館は本を読むだけではなく、受験勉強にも使えるような商用データベースが提供ができると、もしかしたら若い人たちが受験勉強だけではなく、図書館にある資料を活用するために閲覧室に入っていくような流れができるのではないかと少し考えている。

(委員)
わかった。先ほどのSNSの活用などとも併せて、教員としては彼らを少しでもそのように導いていただければと思う。

(会長)
他に意見などないか。
では引き続き(2)PFI事業期間終了後の運営についての説明を求める。 

(資料を基に事務局から説明)

(会長)
ありがとうございました。これより質疑応答に入る。図書館運営の大きな変更であり、新しい用語なども出ているので、ご質問など是非お願いしたい。

(委員)
これまでTRCさんを中心にPFI方式で15年間の運営をされてきた。今後は指定管理者制度ということで、令和10年3月31日までの5年3ヵ月までとなっている。今後はずっと指定管理者制度で5年毎の更新となるのか。それから、利用料金制度というのがよくわからないので教えていただきたい。

(事務局)
今の質問について、指定管理者制度という取扱いとして、ふれあいセンターや恐竜博物館のように市のいろいろな施設が指定管理者として民間に運営をお任せする制度となっている。その中で、基本的に指定管理期間は5年間というのがルールである。例えば観光施設のように長く運営することでより収益を得ることができる施設の場合は、もっと長く設置することができるが、今市の施設で運営をお願いしているところは5年を原則としている。通常は4月からなのだが、市立図書館の場合は他の施設と終わりの時期を合わせるために1月からの5年3ヵ月としている。今後、建物の大きな改修などでPPPの方針などを当てはめてみたときに、指定管理者制度ではなく、もう一度PFI方式でという判断になることも当然出てくる。市立図書館が建つときにPFI方式でという話が出て、その中で運営を民間にお願いするということを市の基本的な方針として最初に取り入れた。図書館運営については現在までの15年の中で、民間にお願いしてよい運営の環境ができているということが、市で判断されているので、次の運営に関しては、引き続き民間にお願いすることが適切ではないかと判断して、指定管理者制度に移行することとなっている。
2点目の利用料金制度は、指定管理者が収益を上げて、その収益で委託された施設の運用を行っていく方式である。ただ、委員は図書館無料の原則について考えているのではないか。図書館の閲覧室を利用料金制度で運営するのではなく、図書館に付随している有料貸室や駐車場などが一定の収益を上げる施設となっているので、そこからの収入を図書館の運営に充てて全体を維持する。決して貸室の収益だけで図書館が運営できる状況ではない。市から現在年間8000万円の資料費が計上されているが、それが今後どのような金額になるか調整していく必要がある。市から図書館を運営するために持ち出しの予算があって、その中で予算を使って民間事業者が図書館を運営していく流れとなっている。

(委員)
今までの15年間もTRC、図書館流通センターへの委託ではなかったのか。それと次の指定管理者制度とはどのように違うのか。今までも、市立図書館開館時から民間のTRCを中心に運営されてきた。スタッフも民間の人で、市の職員はほとんどいない。指定管理制度になってもそのような感じなのか。利用者としたら、具体的に今までとあまり変わらないのか。

(事務局)
利用者側からは、どこが変わるのかわからないと思う。今朝も図書館協議会の打合せで出たのだが、今の館長は市の職員だが、指定管理者制度になると、市職員ではなく事業者の方が館長をされることになる。その中で違うところを挙げると、現在、市民が有料貸室を使いたいと申込まれる際に、申込みの受付と施設の確認はTRCでするが、納められた施設使用料は市の職員がチェックのうえ市の収入としている。この部分がなくなり、使用料等は運営事業者の収益となる。このため市職員の業務が減って、民間の裁量を十分に活かすことができるような運営が可能になるというのが一つ出てくる。

(委員)
それは館長職をはじめ全てを指定管理者がすることになると、運営について市から手が離れてしまうようにならないか。

(事務局)
補足を含めてお答えする。PFI事業と指定管理者制度の違いについて。さきほどPFI事業は15年間、指定管理制度は5年間と言った。15年間PFI事業をしてきたのは建物の建設プラス運用で、建物を建設していただくので、そこで事業者として利益を上げて頂き、建物の建設から運営まで含め15年間でPFI事業をしていただいた。今回、15年間の期限が切れた時点では、建物がある状態で運営のみになるため、今回は指定管理という方法で運営していくことになる。今までも民間に運営をしていただいていたので、これからも引き続き民間に運営をしていただくのだが、PFI導入時、建設から運営まで入ることが長崎市としても初めてのことだったので、直営の市職員を配置しながら、事業者と一緒になって運営をしてきたという経過がある。しかし、図書館の運営として一定の方向性が見えてきたので、全ての運営について民間にお願いしようということで、指定管理者として運営する中、市職員は一度撤退して全て民間にお願いするという形で今後指定管理を導入していく流れになっている。

(委員)
図書館の運営が市から離れて、本の購入なども全て指定管理者がするのか。

(事務局)
市職員は運営からは撤退するが、本屋さんではないので売れる本ばかりではなく、あらゆる世代に渡る幅広い分野の本を置いていただかないといけないので、大きな市の方向性の計画とか、購入図書の選書であるとか、資料購入に係る予算の面とか、大きな方向性の部分などはしっかりと市で受け持って、これに基づき運営だけをしていただく。ただ運営の中で、利用料金制があって、有料施設の収益を指定管理者の収入とすることで、自由に使って図書館の効用を高めたり、利用者増につながる事業に充ててくださいということで、使用料金は指定管理者に渡して運営をしていただくという形を取るようになる。そのような形で進めていく。

(委員)
いろいろ伺っている中で、指定管理制度で運営すると、口の悪い人から長崎市の図書館は無料貸本屋などと言われる。一般書をたくさん置いてあり、大勢の方が借りに来る。県立図書館がなくなったから、勉強のための本が少ない。市立図書館に無い本を借りるために大村の県立図書館までなかなか行かない。指定管理者になると、やはり市民サービスだから市民が読みたい本をたくさん置くことだろう。それでは学術的な本から少しずれてしまわないか心配する。県立図書館がなくなった今、長崎市の図書館が県立図書館の役目も果たすような図書館になってほしいと思っている。

(事務局)
委員のご心配は当然である。指定管理者になっても市としてはきちんと関わっていく。本の選び方についても、指定管理者と一緒に選んでいくが、最終的な決定権は市が受け持つ。長崎市には資料の収集方針があり、この方針に則った形で地域資料なども集めていく。また市民のための図書館なので、市民のニーズも把握しながら実施していく形で考えていく。決して指定管理者だけで運営していくのではなく、大きな方針や各種の計画の最終的な決定権や、資料の選書の決定は市が責任を持って担っていく。

(委員)
わかった。館長まで民間になってしまうことを心配した。

(事務局)
補足になるが、このあたりは相良委員が詳しいのではないか。市立図書館立ち上げのとき、PFI方式の運営で図書館の本を民間が購入する形になるのは問題があるのではないかと指摘があり、その流れの中で選書の決定権は市が有する方向性となり、今の図書館の運営ができている。この部分については、我々長崎市の方でも重要なポイントだと認識している。他の部分についても方針を変えることなく、民間の活力を活用しながら選書の決定権も長崎市が受け持つ形で準備をすすめていく。

(委員)
指定管理者は料金収入を運営に充てられる。一方、市民としてはなるべく安い方がよい。指定管理者と市民との利益が相反するが、長崎市が指定管理者と市民の間で折り合いをつける判断になると思う。市民が求めているのは、どのようなところなのか。市立図書館は誰もが利用できる。Wifiにしても、ゲームやYoutubeを見る人がいて、そのことで困る人がいるかもしれない。市民の間でも利益が相反する。中には図書館しか行くところかないという人がいるかもしれない。公民館に行くと何をしているのかと言われそうで、そのように、市民が唯一集まれる場所だろう。市民がどのように利用するかに関わらず、子どもとか弱い立場の方がたくさん来られたときに、迷惑と捉えるかどうか。自分としてはWifiは入れた方がよいと考えている。多少利用者の中でいざこざがあって本を読む人に迷惑となるかもしれないが、最終的にどうするかとなったら、どんな形であれ、まずは受け入れることだと思う。迷惑な人は排除するのでなく。どんな人でも受け入れるという図書館としての信念をもってほしい。そんな前提で考えると、駐車場の話になってしまうが、30分で終わりではなく45分まで延ばそうとすれば指定管理者の収入が減ってしまう。市民を思えば収入が減る。そこについて長崎市として、条例を改正してでも市民の思いに応える図書館にしていくにはどうしたらよいかと、市が問われているのではないか。ぜひ、指定管理者になってよかったと言われるよう頑張っていただきたい。

(会長)
純心大学図書館の司書は、活水女子大学の司書さんもそうだが、何を訊いても答えてくれる。ちょっとしたことでもすぐ答えてくれるというのは、司書として雇用され、安定した身分で司書としての仕事がずっとできているということである。15年間PFIで勤務されて、司書としてのスキルができていた人が、今後どうなるのか。それから5年後、せっかくのスキルができるのかなと思うし、長崎市直営になる可能性も選択肢として残しておきたいと思った。
他にご意見などないか。

(委員)
かつて県立図書館には生き字引と言われる職員がいた。何か尋ねられると即座に本の配架場所を答えていた。司書も15年間ずっと育ってきたスキルが途切れて指定管理制度になり、5年経ったらまた別の管理者になる。なかなか難しい。市立図書館の司書さんも本採用ではなく1年契約ではなかったか。美術博物館の学芸員も身分が保証されておらず1年交代である。腰を据えた研究などはできない。会長も言われるように、やはり図書館は直営にして司書を雇用してきちんとされる方がよいのだが。市としても経費の問題からみんな丸投げして指定管理制度にするのはどんなものだろうか。本当は、博物館などもきちんとした人を配置するのがよい。身分保障がないと本当の研究はできないだろう。

(事務局)
委員の言われることは十分理解できる。このように大きな図書館を運営するためには数十人もの司書が必要である。直営で確保するなら、これだけの人数を採用できるかといった問題もある。このように財政面・経費面から、大規模な図書館を運営するには、ノウハウのない事業者がいきなり人を集めてできるような事業でないことは認識している。指定管理者の公募には、一定の実績のある大手の図書館運営をされている事業者が手を挙げてくるだろう。そのような事業者はしっかりと図書館のノウハウを持たれており、その方たちに図書館を運営していただきたい。また市役所側の司書だと、どうしても若干視野が狭い部分もあるので、そこは民間の方々の全国の幅広い情報をしっかりと蓄積された方々に運営していただくことで、より利用率や効用も高められる。我々も民間の方々のお力をお借りしたい。雇用する司書について、決して人件費を抑えるつもりは無く、民間事業者であっても指定管理料を計算するときは、しっかりとした単価を積みあげて長く雇っていただけるような形で積算し、委託料を積上げていく。運営費の大半は人件費になると思うのでこの部分をしっかりと考えながら、よりよい事業者を選定できればと思う。

(会長)
他にご意見などないか。
これで協議事項は終了とする。
では事務局から。

(事務局)
令和3年度についてはコロナの影響で2回の延期があった。委員の皆様には、大変ご迷惑をおかけしたことをお詫びする。令和4年度については、8月頃に第一回の協議会の開催を予定している。事前に文書で連絡するのでご出席のほどお願いする。
以上をもって令和3年度第2回長崎市図書館協議会を終了する。
委員の皆様、ありがとうございました。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

アンケート

アンケート

より良いホームページにするために、ご意見をお聞かせください。コメントを書く

観光案内

平和・原爆

国際情報

「行政運営・審議会・指定管理者・監査」の分類