ここから本文です。

平成29年度 第2回長崎市図書館協議会

更新日:2024年2月22日 ページID:041702

長崎市の附属機関(会議録のページ)

担当所属名

市立図書館

会議名

平成29年度 第2回長崎市図書館協議会

日時

平成29年12月27日(水曜日) 13時30分~

場所

長崎市立図書館3階会議室

議題

(1) 香焼図書館の老朽化に伴う整備計画について
(2) 第二次長崎市子ども読書活動推進計画の進捗について
(3) その他

審議結果

開会あいさつ
事務連絡と資料の確認
事務局側の紹介 

長崎市立図書館の運営状況について

(会長)
本日の出席は8名であり、長崎市立図書館条例第23条第2項の規定により委員の過半数が出席しているので協議会が成立することを確認する。
これより議事に入る。まず事務局から、3つの報告事項についてそれぞれご説明いただきたい。 

(第二次長崎市子ども読書活動推進計画の進捗について、資料を基に事務局から説明。) 

(会長)
これより質疑応答に入る。委員の皆様、ご意見、ご質問などをどうぞ。

(委員)
資料の10ページにリサイクル図書の活用というのがあるが、どのようなものか。

(事務局)
リサイクル図書とは、市民の皆様から寄贈された本のうち図書館で受け入れなかったものや、図書館で書架から引いて除籍した本を、年に2回、リサイクル市として市民にお譲りしているものである。また、この直前には、学校や幼稚園、学童クラブなどを対象として児童図書の譲渡会を実施している。一般向けのリサイクル市は日曜日開催だが、その前の金曜日に実施する学校等への譲渡会を各団体にご案内し、希望する図書を優先的に配布する形をとっている。

(委員)
参考としてお尋ねしたい。資料11ページに、取組み項目として全校一斉読書活動の実施がある。小中学校で週に二日・三日ということだが、これは指定した本を読むのか子供の自由に任せるのか、そのやり方について教えていただきたい。

(学校教育課)
特に本の指定はしていない。各学校に一任しているが、たいていの学校は子供たちが自由に選んで好きな本を読む形が多い。

(委員)
すると、家庭から本を持ってくるのか。

(学校教育課)
そうではない。学校図書館から借り出した本を読んでいる。

(委員)
古賀小学校だが、本校では貸出袋を持っていて、休み時間等に2・3冊借り出して、自分の横の袋に入れておく。その時間になったら袋から取り出して読むということをしている。ほとんどが学校の図書室から借りた本で、家庭から持ってきて読むことはあまり無いようだ。

(会長)
全校一斉読書について他に意見はないか。

(委員)
資料12ページの、小中学生の一か月の読書量平均の数値目標を入れてあるが、本当にこれだけ読んでいるのか疑問を感じる数値だ。どうやって元データを調査したのか。長崎市ではどのように調査したのか。

(会長)
長崎市における小学校10.5冊、中学校4冊の内訳のことか。それとも全国のことか。

(委員)
全国の小学校12.5冊の数値だ。1か月でこれなら小学生が1年間に120冊は読んでいることになり、平均値としてはかなり過大に出ているようだ。それだけの冊数を目標としたときに、果たして本当にそのような数値が出るかどうか心配で、これは調査方法の影響を受けているのではないか。そのあたり、どのように分析されているか。

(委員)
古賀小学校では、毎月貸出し冊数の調査をしている。この数値より少ないが、今年は1人あたり年間100冊を目標としている。今の時点で平均80冊に達しているので3月末には100冊に届くだろう。

(委員)
達成しうる数値ということか。

(会長)
そんなに不思議な数値ではない。

(委員)
これは子ども読書推進の一斉読書が始まってから急激に増えている。一斉読書が1980年から広まってきているが、それから小中学校はぐんと伸びてきた。まさに一斉読書の影響ではないか。それ以前は委員のいわれるとおり、非常に少なかった。

(委員)
わかった。長崎市では、どのようにして目標の数字を見られるのか。

(学校教育課)
これは抽出調査で、すべての学校を調べたものではない。冊数については、学校だけでなく家庭で読んだものも含めて全てを対象としている。期間を決めて、この一か月に何冊読んだかという調査方法である。読んでいる本も、雑誌以外はすべて対象としている。そのような形での読書量調査は行われている。

(会長)
基本的には、好きな本なら内容に係らずどんな本でもよいのが一斉読書の基本である。

(委員)
中学校の各校では朝読書に位置付けているところが多く、10分程度であるが自分の好きな本を持ってきて読む。これを毎日やっており、それプラス昼休みや放課後などにも実施している。中学高校など28年度はこのような数値になっているが、ある程度は現実的なところであろう。

(委員)
それを聞いて安心した。

(会長)
冊数に多少の差異はあるが、政府の別団体が実施したほかの調査でも同じような数値が出ている。

(委員)
数値目標を掲げるからには、最後に数値が出てこないといけないので、そこを心配していた。

(会長)
他にないか。

(委員)
参考として聞きたいが、読書の好きな小中学生の割合というのがあるが、この読書には、我々が考えるマンガなども含めて問題にしているのか、そのあたりはどのように調査をされているのか。

(学校教育課)
全国学力・学習状況調査に沿って調査をしている数値だが、ここでいう読書というのは、必ずしも児童書だけを指すのではない。雑誌を除く絵本や漫画の類も含まれている。

(委員)
必ずしもマンガが悪いというわけではなくて、そのあたりどのように使われているのか気になっていた。

(会長)
思いのほか読んでいて、本好きな子が多かった。

(委員)
リサイクル市についてお尋ねしたい。リサイクル市の開催について、一般住民や学校などに告知はしているのか。

(事務局)
ここに列挙している学校教育課やこども部などそれぞれの所属から学校や幼稚園、保育園などに通知を出している。

(委員)
個人の譲渡などに対してはどうなのか。

(事務局)
リサイクル市の開催については図書館のWebサイトや広報ながさきでお知らせしている。

(委員)
利用者の中には、図書館のお知らせや広報ながさきを見ていない方もいる。私もリサイクル市については初めて知ったほどで、広報ながさきを見ているつもりで見落としていたかもしれない。絵本のリサイクルなどに興味関心のある方なら広報ながさきやWebサイトで調べると思う。そのような方に、もっと知ってもらうため、コストはかかるが学校で生徒に配るプリントに載せるのも一つの方法だろう。

(委員)
市立図書館で実施するリサイクル市は年2回だが、長崎・図書館ともの会でも年1回、東公民館と滑石公民館で1年おきに実施している。そのときには近所のスーパーや保育園など協力していただけるところにポスターの掲示をお願いしている。

(委員)
高島は離島ではあるが、子供の数に対して図書ではすごく恵まれていると思う。個人的に欲しい方は、リサイクル市のお知らせがあれば出かけるだろう。

(事務局)
確かに学校に一つ一つ配るのは大変なので、広報ながさきや施設へのポスター掲示など市民向けの広報については検討させていただきたい。

(委員)
資料の6ページで、SNSを活用して情報発信を推進するとある。私はこのあたりが疎いもので、HPは判るが、具体的にはフェイスブックなどを活用するということか。

(事務局)
平成29年の7月中旬ころから図書館独自のツィッターとフェイスブックで発信している。

(会長)
学校や団体に本を貸出すときの物流はどうなっているか。本人たちが取りにくるのか配達をするのか。

(事務局)
基本的には本館まで取りに来てもらう。学校については、希望があれば最寄りの図書室まで配送している。

(会長)
物流がきちんとしていないと、借りるに借りられない学校等もあるのかと思っていた。
第二次長崎市子ども読書活動推進計画の進捗については、これで終了する。
次に、香焼図書館の移転改修について、説明をお願いする。 

(資料を基に事務局から説明) 

(会長)
香焼地域センターは、現在も運用されているのか。

(事務局)
ここは行政機能があって、住民票や戸籍などの証明事務のほかさまざまな行政関係の受付をしている。

(会長)
市役所の役割ということか。すると、開館時間などは問題ないか。

(事務局)
香焼図書館は、月曜日が休館で10時から18時まで土日も開いている。香焼地域センターは、市役所と同じで8時45分から17時30分である。現時点では図書館と地域センターの開館日と開館時間が違っている。

(会長)
そのあたり何か問題はないか。

(事務局)
資料5ページで、図書館の部分を太線で示している。地域センターまたは図書館が休みの場合は、関係ない人の入室などがないようにシャッター設置などの区分が必要だろう。30年度に実施設計、31年度に建設となるが、実施設計の段階で十分な協議をしていきたいと考えている。

(会長)
サービス時間等については特に拘束されることはないのか。

(事務局)
それはない。今後一緒になると、来館者にとっては地域センターへ来る便宜性があるので、図書館の開館時間等については協議の対象になるかもしれない。現段階では同じ建物に二つの、別の要素が入ると考えている。

(委員)
資料5ページの図面で、これは現状にそのまま線引きしただけのものか。

(事務局)
5ページの図は、地域センターの中で図書館として使う部分をイメージしたものである。

(委員)
レイアウトについては、今後の検討か。

(事務局)
シャッターの設置場所など実施設計の中で確定させる。

(委員)
この図では応接室などが見られるので、以前のものかと思った。

(事務局)
以前の役場時代の図面を利用したので、2階に図書室があったりしている。

(事務局)
現在、用途は変わっているが確かに以前の図面である。第二応接室などを含む部屋の部分を図書館機能として使う形としている。

(委員)
先ほどの説明では、図書館機能を移転するだけで図書館にはしないという話だったが、名称についても「香焼地域センター図書コーナー」のようになるのか。

(事務局)
名称はそのまま「香焼図書館」とする。

(委員)
名称がないと地域の方も分かりにくいだろう。

(事務局)
今のところ図書館機能はそのままということで、名称もそのままで、条例上の変更もない。現在の条例には市立図書館と香焼図書館の2館がある。現段階では位置(所在地)を変えるだけで、名称はそのままの予定である。

(委員)
この行事機能というのは、地域センターと図書館の両方が使うことになるが、そのあたりで不都合が生じることはないか。

(事務局)
資料の2ページで説明したが、移転する場合の課題としては、複合施設となるので、各施設でそれぞれ管理運営が違う。そこで、シャッターを設けてきちんと管理する。地域センターには住民情報等があるので、個人情報保護のために間仕切り設置と防犯対策が必要である。また利用時間が違うので、利用者の出入り等に留意すること等が考えられている複合化施設への配慮である。
もう一つ、地域センターの事務室の中で図書館となる部分については、図書館機能となるので、室内の明るさは図書館の基準に合わせた照度にしなければならないため、さらに整備が必要である。

(委員)
行事の頻度については、地域センターで何らかの行事をすると図書館の行事とぶつかることになる。そのあたり、それほど重なることはないのか。

(事務局)
現在でも地域の行事は少ない。その中で地域センターと図書館で必要なら調整しながらやっていく。複合施設として有効活用を図ることが前提であるから、そのように調整していく。

(委員)
「公共施設の課題及び将来の方向性」から図書館の項で、ほかの図書館については利用状況から現在過大となっている規模を見直す必要があると書かれているが、これは、利用の少ないところは縮小するということなのか。

(事務局)
そうではない。当初は図書館ではなく、香焼町の中央集会所として建てられた。それを改修して図書館として使っている。施設の規模として、利用者数は少し減っているが、利用者数ではなく、必要な図書資料の所蔵数に考慮しながら見直していく。

(事務局)
香焼町にあった図書館として考えると、当時は利用者も多く、住民も今より多かった。それが合併後10年近く経って地域の人口も減っている。また市立図書館ができたことによって、市立図書館で本を予約して香焼図書館で受け取るような状況にもなっている。このようなことから従来の香焼町時代の図書館と同じような蔵書を持たなくてもよいのではないかとの考えも出てくる。若干蔵書を減らすことによって空いたスペースができることもあるので、全体的に見ると、少しずつでも規模を縮小していく要素がいくつもある。結果、それに合わせて現在の香焼図書館を地域の図書館として最適な規模にしていこうとする考え方である。

(委員)
この図書館も利用者が少なくなったら規模を小さくされるのかと心配していた。

(会長)
子供たちは半径1キロくらいしか来られないので、利用の多い少ないというより、まず子供たちの身近に図書館があるというのが基本だろう。利用の状況に合わせるのではなく、利用を増やしてほしい。少なくとも小さくしようというより、子どもたちが行ける範囲は1キロ以内である。その範囲にきちんと読書施設を置くことという逆の話になる。香焼の移転計画とは別に、こちらの方向性が逆ではないか。

(事務局)
利用状況だけで図書館を判断するのではなく、いろいろな要素からというのは確かにある。

(会長)
特に、フットワークの悪い人たちはたくさんいるので、日常性としては、利用状況だけで判断してほしくない。香焼の図書館が老朽化しているのも確かではあるが。

(事務局)
現状では雨漏りもしている。耐震化もされてないことが不安だということと、老朽化が進んで危ない状況なので、なるべく早期の移転を考えている。

(会長)
そのことは強く感じる。利用状況に合わせるのではなく、利用を増やすということで、身近に図書館を置いていただければと思う。

(委員)
香焼図書館に行ったことはないが、資料によると駐車場が全く無い。利用者は車を停めるスペースがなく、歩いてくるのか。

(事務局)
今の香焼図書館は道路に面している。すぐ近くに駐車場はないが、裏の地域センターの駐車場を利用している。

(委員)
地域センターに移った場合、地域センターに駐車場はあるが、地域センターと図書館の利用者が車で来られたときに駐車スペースに問題はないか。

(事務局)
地域センターには、現在60台余りの駐車スペースがあるが、地域の人たちは歩いてくる方も多いので、図書館が移ったとしても地元からスペースが不足ということはないと聞いている。

(委員)
私も香焼図書館を利用している。読みたい本が高島に無いときは、香焼に所蔵があれば借りに行く。最初の頃は地域センターの場所がわからなかった。図書館はバス通り側にあって駐車場がないことは知っていた。地域センターは図書館の裏側にあって、道は狭いものの駐車場は広い。地域センターなら香焼小学校や中学校も近く、歩いて行ける範囲にあるので、図書館がまったく別の場所に移るより、駐車場が完備されている地域センターに移るほうがよいと思う。

(事務局)
移転についての検討過程では、香焼公民館別館も候補にあがっていた。そこは広さが足りないことと駐車スペースも十分ではなく、現在の香焼図書館から離れていることもあり、地元としては地域センターのほうが便利だとして結果的にこちらになったという経緯がある。

(委員)
現在の香焼図書館の跡地はどうなるのか。

(事務局)
現時点では未定である。道路の拡幅なども考えられるが具体的には決まっていない。平成30年度に実施設計、31年度に建てて移設するので、図書館の移転が済んでからの話になる。今の段階では決まっていない状況である。

(委員)
場所が判りにくいと言われていたので、更地になったら判ると思ったが。

(委員)
今の図書館は商店が隣にあって、香焼の桟橋もあるので道路を広くすればとは思う。

(会長)
移転先の場所としては、地域センターが最適だろう。
他に意見がないようなら、引き続き3の説明をお願いする。 

(図書館の利用促進について、資料を基に事務局から説明)

(会長)
これより質疑応答に入る。委員の皆様、ご意見、ご質問などをどうぞ。

(委員)
利用促進として考えると、小中学生の子供たちに、いかに図書館か好きになってもらうかということだ。私は三重地区が職場だが、市立図書館へ行くには時間も交通費もかかる。中学生はともかく小学生はなかなか行けないだろう。そのような立地条件の悪さもあるし、何かよい方法はないかと考えた。平成29年の8月に大分県で開催された九州図書館教育研究発表会で、大分県杵築市の、図書館から離れた立地条件にある学校の取り組みとして、自治体が持つマイクロバスなどで子供たちを街の大きな図書館に連れていき、実際に図書館の利用を体験させるということを授業の一環としてやっている。これにより子供たちが図書館に関心を持つようになり、休みの日に図書館へ来るようになったという事例がある。長崎市とは実態は違うが、行政から何らかの後押しをして、子どもたちがもっと図書館に足を運べるような方策はないだろうか。子供たちが図書館好きになれば、土日など自分で交通費を出しても図書館へ来ると思う。実際、図書館とは関係ないが、私が住んでいる田上で三重中学校の生徒と会った。かなり遠いのにどうしてと思ったら、よく当たる占いがあると聞いて、三重地区から田上まで来たとのこと。このように、子供たちが本当に楽しく面白いと感じたり、近くにない本が借りられると判ったら手間暇かけてでも図書館に来ると思う。具体的なイメージはないが、そのような手立てが何かできないだろうか。

(事務局)
確かに今言われたように、図書館は長崎市の中心部にあるので近くの学校は授業の中で図書館へ来るが、遠くの学校はなかなか来られない。この辺り、図書館に来るのも体験学習の一環と考えると学校教育課を交えた教育委員会全体で考えていかなければならない。現状では中心市街地の子供たちしか来られないのも事実だが、そのような機会を何らかの形で作ることはできないだろうか。例えば原爆資料館などは補助があったと思うが、一部だけなのか。

(委員)
平和学習として原爆落下中心地などを巡る分については全額出るのだか、それ以外の分は全額は出ない。全額といっても、あくまでも一つの学年だけだ。

(事務局)
5年生など学年を限っていたのではないだろうか。

(委員)
具体的には、県の美術館は、バスの借り上げ料を県サイドで出してくれる。学校から美術館まで行き、職員からいろいろと指導を受けるプログラムがある。それも申し込んでということになるが。

(事務局)
それは県の教育委員会がしているのか。

(委員)
県教委でしている。遠方の学校など美術館ばかりか文化施設が周囲にほとんど無いので、そのようなシステムがあると大変ありがたい。

(事務局)
要望とかあれば教育委員会を通じて話をさせていただきたい。

(事務局)
一点補足だが、昨年度から「長崎の宝事業」というのを教育委員会で実施している。歴史文化博物館の中にある長崎学研究所が子供たちに対して、長崎市にはこのような歴史的なものがあることを知ってもらいたいとして長崎学に取り上げている。それを子供たちがもっと深く知ることで地域のことを誇りに思ってもらいたいとして始まっている事業だが、そこの事業の中で、歴博に来るためのバスの借上料が事業費として出ている。最初の年度は野母崎や伊王島など長崎市南部から共同でバスに乗って歴博に来ていた。ただ、歴博に来て「長崎の宝事業」で知ってもらったことにレポートを書いて提出するという事業だった。歴博まで来て学芸員の方から史料を見せてもらったり説明を受けたりしても、すぐレポートが書けるとは思えない。この事業に平成28年度から市立図書館も加わって、歴博で宝物を説明し、子供たちが興味を引いたものに対して調べ学習の部分も少し伝えて、このような形でレポートが書けると、両方で組み合わせてやっていった。多少離れているが二つとも市の中心部にあるので、午前中に歴博へ、午後から図書館に来て調べ学習と共にレポートをまとめることもできると説明させていただいた。昨年はこの流れでレポートを提出するといった事例が幾つかの学校であった。

(委員)
そのことは知っているが、予算上の制約があり、自分の学校は1学年だけで150人いる。野母崎地区のように小規模であればバス1台で済むところが、1つの学年だけでもバス5台になる。このクラスを連れて行って別のクラスは行かないというわけにはいかない。そのように厳しい面もある。またせっかく、うちも部活でも吹奏楽とか美術部もあるので、そのような関心を持っている子供たちに絵画も見せたいし音楽も聴かせたい、もちろん図書館にも足を運ばせたいと思っているがネックになるのが予算面である。居住地の条件によるのは仕方がないが、さきほど会長も言われたように近くに図書館がないから結果的に本に接する機会が少なくて本に関心を持たず本好きでないまま大人になってしまうのはよくないだろう。何らかの方法で本好きの子供たちを増やしていきたいと思っている。

(会長)
さきほど一斉読書の子供たちは本をよく読んでいるという話だったが、小中学校の間はすごく読んでいる。ところが高校になったら急激に下がる。朝の一斉読書は、始まってから10年20年と経つが、その当時の子供たちが大人になっても読書数が増えていない。小学校や中学校のときは懸命になさっているはずなのに、それが継続しないのはどうしてか分析したほうがよいだろう。高校生に本は好きかと尋ねると、好きだと答える子が多い。読む時間や環境がないことが読まない理由のようだ。せっかく一斉読書をしているが10年20年経って、その子の生涯にどれほど影響しているのか検討する時期ではないか。一斉読書が始まってかなり経つが、小中学校では高いものが高校生になるとかなり下がる。高校で一斉読書を実施している学校は少ない。それは一斉読書の問題点だと思う。その後のケアでできていない。それは公共の仕事だろうと思う。公共図書館や学校の仕事ということもあるが、公共の仕事として子供たちのケアをやれていないので子供たちが離れていってるのではないか。せっかく育ててもらっているのに残念だ。蔵書内容や公民館図書室への配本の見直しなどはぜひともやっていただきたい。せっかく本好きな子供たちが多いのだから、身近に面白い本が常にあるという状態を作ってそこに良い本があればきっと手を伸ばてくると思う。

(委員)
追加資料15ページで、入館者数が増えたということだが、これは県立図書館閉館の影響か。

(事務局)
まだ県立図書館は閉館していない。平成31年の1月に新県立図書館が開館するので、その前、平成30年度の途中で閉館するから、この数値に県立図書館閉館の影響は入っていない。

(委員)
だいたいどの月を見ても増えているので原因として気になっていた。

(事務局)
4月から9月までの夏場から秋にかけて増えている。

(委員)
いろいろな試みの結果だろうが、利用者数増加の原因を知りたいと思った。

(事務局)
我々も明確には分析できていない。広報を見て各種のイベントなどに来館される方もいると思う。それとは別に、市立図書館にはスタディルームという中高生のための学習室があるが、そこが満室のときは閲覧室に入ってくることがあり、一般の利用者に支障がない限り我々も認めている。実際、スタディルームから閲覧室に来て本を読む人もいる。これも利用者数が増える原因の一つかなと感じている。広報を見てイベントに来た人が閲覧室に入ってくるなどいろいろな要因が考えられる。この数値は、閲覧室に入った人数なので、レストランの客は入っていない。イベントの影響などいろいろな要素が加わって、少し増えているのだろう。そして、今まで落ち込んでいたのが底を打って回復する兆しもあるが、入館者が増えた原因については図書館としても分析しきれていないのが実状である。
資料13ページにある利用促進対策の(6)その他に、屋外のベンチ設置とあるが、やはり図書館も憩いの場としての要素も必要だと思う。設置した3脚のベンチの利用状況や、増設などはあるのか。

(事務局)
今年の予算で3脚設置した。芝生への設置は、固定用のアンカーを打たなければならず維持管理が難しいからできない。図書館の軒下、救護所メモリアルと正面玄関の間の犬走りのようなところに、雨にぬれず、日差しも当たらないということで3脚設置した。維持管理が難しいことから当面は増設せず、この3脚だけである。

(委員)
ベンチで飲食はできるのか。

(事務局)
ベンチでの飲食はできない。

(事務局)
図書館内は敷地も含めて飲食禁止である。

(委員)
ほんとうはだめなのだろうが、図書館の隅で壁によりかかっておにぎりを食べている子を見かけたこともあるので、そのような場所は必要ではないか。図書館に来て、コンビニなどでお昼を買って、また学習室に行く子もたくさんいるようだから。図書館の付近を見渡してもそのような場所はないし、何とか食事のできる場を設けられないか。

(事務局)
もともと市立図書館ができたとき、食事場所としてのレストランとクロスロードの冷水器の他は基本的に館内飲食禁止である。ただ学生さんたちがペットボトルをバッグに入れて持ち込んでいるのは、我々もやむを得ないのかなとみているが、飲食となると、特に閲覧室部分を含んでいるので、飲食をするという習慣がつくと困ることがある。

(委員)
もちろん閲覧室で食べることは考えられないが、よその図書館ではそのようなスペースを設けているところもあるので、学生さんたちが一日図書館で過ごすとしたら、なかなかレストランに行けるような経済状態ではないだろう。それを思うと何らかの食事場所を設けていただきたいが。

(事務局)
図書館のレストラン側から出たところのコンビニには食事スペースがあり、図書館で勉強している学生さんたちはそこに行っている。

(委員)
そこも使われているとは思うが、けっこう満席になっている。コンビニの滞在時間は長くないので少し待てばよいのかもしれないが、やはり図書館の隅で食べているのは見た目もよくない。図書館で食事はできないのかなと思ってしまう。

(事務局)
確かにその設定としては冷水器だけだが、いったん飲食を認めると、クロスロードなどで弁当を食べるなど、歯止めが利かなくなる恐れがある。

(事務局)
学生さんたちだけということにはならない。

(委員)
スペースに限りがあるし、よそでできているから長崎市立図書館でもできるということにはならないだろう。でも福岡市民図書館など、そのようなスペースを設けて問題なく利用されているようなので、そのような場所があればマナーも育っていくのではないか。今すぐというわけではないが、いずれはそのような方向にならないか。

(事務局)
今のご意見は、今後の検討とさせていただきたい。

(委員)
利用促進案として、量的にふやしていこうということが書かれているが、平成30年度は、県立図書館の閉館に伴って自然と量が増える可能性がある。すると利用者数を増やすより質を上げる方向での取り組みを今から考えておかないと、今まで市立に来ていた人だけではなく、県立図書館への期待を市立に求める利用者が増えるはずだから、そのような対策を手厚くしておかないと、県立がなくなって困ると言われるだけではなく、市立図書館も頼りになると思わせるように頑張っていただきたい。

(事務局)
確かに委員のいわれる通り、利用者数や貸出冊数だけではなく、当然ながらそこに集まってもらって生涯学習の拠点としてもらうことやレファレンスなども強化して地域の課題に役立ってもらうとか、最終的にはそのような方向を目指した形となるだろう。利用者数や貸出冊数の伸びだけではなく、全国的な比較で我々もよく言われることである。利用者数が減ると図書館が悪いように言われるが、中身を濃くしていくことが委員の言われることだと思う。この辺りが学校でのレファレンスサービスとか役立つイベントで人を集めるとか、地域の学習の成果の場としての活用を図るとか、そのような面もきちっと利用促進の中に入れる。当然、県立図書館の閉館に伴って県立図書館の利用者が市立図書館に流れてくることも想定されるので、利用人数だけ増えてよいのではという論議にならないようにしたい。ただ、それだけではなく県立図書館閉館への対応も入ってくるので、いろいろそこに我々も市民サービスを落とさないよう優先的に頑張っていきたい。

(委員)
現在、県立図書館に来て市立図書館に来ない利用者には、何か理由があるはずだ。その人たちは、言葉は悪いが仕方なく市立図書館に来ることになって、そのような方たちに、市立もきちんとサービスをしてくれるんだと判れば固定客になりうる。県立図書館が再開館しても市立図書館を頼りにする利用者になっていくので、そのような方策は来年度すごく大事になってくる。

(事務局)
確かに、前回の協議会でも会長から言われたが、県立図書館閉館に伴ってそのような動きがあると一つのチャンスであり、それを見越して市立図書館をもっとよくしていくことも考えていかなければならない。一ついえば県立図書館と市立図書館では当然ながら違いもあるのだが、市立図書館であり県庁所在地の図書館であるから、その辺は今回そのような形の中で県立図書館の移転に伴ってできることからやっていこうと考えている。

(会長)
満足度というのだろうか。ある図書館に行ったときのこと、住民ではないので借りられないのは判っていたが、しばらく館内を見回って、出ようとしたとき、職員から「お探しの本はありましたか。」と声をかけられた。本は借りられなくても、利用者を見守ってくれたのだなと、すごく印象に残った図書館だった。それほど派手ではなかったが、やはりきちんと1人1人利用者を見ていると思った。本の間をうろうろしている方がいると何を探しているのだろうかと、そして最後に、本はありましたかと声をかけられると、利用者側も、こんな本をさがしていると言えると思う。その辺り、ある意味では形になっていないが、すごく手厚いサービスだなと感じた。職員の力が感がられる、印象に残った図書館だった。それほど広くもないし、ゴージャスな図書館でもなかったのだが、そのように利用者を逃さない配慮があると、必要ならまた来ようと思うだろう。

(委員)
資料3にある3対策から(1)のスマホとかIT普及への対応として、スマホが貸出券になるのか。HPでもいろいろ新しくできるようになっていて、いろいろチャレンジしてみたのだが、その辺が疎くて時間がかかった。IT対応の講習などをやっていただけないか。若い方は感覚でそのようなことはどんどん進んでいかれるが、私たちの年代はすごく溝があって、なかなかなじめないので、そのような講習があるとみんなが利用できたら楽しいのではないか。

(事務局)
今回、確かにシステム更新を機会に、検索も便利になっているし、貸出券がなくてもスマホに自分の貸出し番号とIDを入れると、バーコードが出てきて、それで図書貸出券がなくても借りられるという機能が付いている。これについて問い合わせもあるので、もっと判りやすく使っていただくためにも講習等については検討したいと思う。

(会長)
セキュリティなど大丈夫なのか。なんとなく不安だが。

(事務局)
やや専門的な話になるが、以前、日本年金機構の情報流出が問題になったと思う。それを受けて総務省から全国の自治体に、業務で扱う情報と職員がインターネットを見るためのネットワークは完全に切り離すように通知が出された。それにかかる経費はある程度国が面倒をみるので基本何らかの形で扱っている市民の情報がネット上に流出しないように、完全に切り分けることが国の考えとして示された。これまでも住民票の情報や税の情報とか、絶対にネット上には流れないように分離されていたのだが、この事務でいうと、図書館協議会委員の住所や報酬などの情報は、図書館業務のシステムとは違う一般事務のシステムに入っている。そこの情報すら外に漏れることがないように完全に切り離すような状況を平成29年の夏から作っている。その考え方に合わせるようにして、図書館のシステムについても今回のシステム更新で、図書館システムのネットワークとWebOPACのネットワークの情報は完全に切り離す形をとっている。会長が言われた、自分の情報がというと、パソコンやスマホで自分の情報を見たとき、システムから返ってくるのは名前ではなく貸出券の番号だけである。スマホやインターネットを使って自分が借りている本について問い合わせたときに、本の情報とそれを結び付けているのは貸出券の番号だけであって、貸出券の番号に付いている個人の情報などは一切取れないような状況が作られているので、その点は安心していただきたい。

(会長)
同じものなので怖いと思ったが。

(事務局)
貸出券の情報だけでやり取りをすることになる。

(会長)
ほかに何かないか。

(委員)
さきほど学生さんの話が出ていたが、スタディルームに暖房は入ってないのか。

(事務局)
基本的には冷暖房完備だが。

(委員)
利用していた学生さんが、ひざ掛けや懐炉を持っていかないと寒くて長時間いられなかったと言われるが。

(事務局)
同じような温度設定で、私たちの事務室も寒い。自分たちで仕事をしていてもひざ掛けが欲しいような状況である。外から入ってきたときに、暑くてすぐ上着を脱ぐような状況にはなっていない。

(委員)
暖房が入っていないわけではなく、温度の感じ方には個人差があるのだろう。

(事務局)
図書館の建物自体が10年経っているが、比較的新しくて冷暖房の調節が細かくできる建物は、どこもこのような状況のようだ。市役所本館のように冷暖房の細かいコントロールができないところは、夏場に冷えすぎたり冬場に暑すぎるという状況になっている。細かく全体のコントロールができるところは、冬場かなり低めに温度を設定してあり、動かなければ寒いほどの感じである。夏場は逆に動かないほうが涼しいくらいだ。そのような状況が一般的である。

(委員)
そんなに寒いはずはないと思っていた。

(委員)
さきほど食事の話題は検討課題とのことだった。私は長与に住んでいるが長崎市立図書館まで来ると往復で500円近くかかる。それに見合うだけの2時間から3時間は過ごせるようにしたいという気持ちもある。あまりお金もかからないような感じで少しリラックスしたり休憩したりできるような環境整備なども充実させてほしいという気はする。長与町の近くには割と自然の豊かな喜々津の図書館があるのだが、長崎市立図書館は中心市街地で便利なところにある。若い学生さんなどもそうだろうが、我々のような年代になると、憩いの場というかリラックスできるような場所はありがたい。一所懸命、充実した仕事をしたり本を読めることが第一なのだが、お金を出して来るのだから、費用対効果の、それに見合った充実した時間をすごせるようなことへの配慮を要望したい。

(事務局)
資料16ページについて、現在、火曜日を休館としているが、利用者数が落ちているからもっと開館日を増やしたらどうかと、開館日の見直しが昨年の議会で取り上げられた。この資料は中核都市の中央図書館を列挙したものだが、開館日順に並べてものではないが、平均が297日、長崎市は48市中の多いほうから13番目である。長崎市は、今の状況下であれば、比較的よく頑張っているほうだ。以前の図書センターが270日から280日だったので、それより増えている。休館日や開館日の見直しについては、今開館から10年を経過し、施設の維持管理に加えて補修も必要になってきていることと、樹木や芝生の整備も休館日にやっている。図書の整理やスタッフの研修、企画展示の準備なども休館日にやっている。また図書オンライン接続館は57館あり、図書館は火曜日が休館だが他の図書室はほとんど開館している。休館日に建物やシステムの維持管理をしているから完全に火曜日を休むことはできない。休館日の見直しには当然ながら予算がかかるし、県立図書館の閉館から新たに負荷がかかる。我々としては県立図書館の影響の中、現状の体制で優先して対応していきたいと考えてこの資料を出したものである。この点についても委員さんのご意見などあれば出していただきたい。

(委員)
休館日でないとできないことがたくさんある。図書館が休みでもスタッフは休みでないことが理解されていないようだ。蔵書点検など、どうしてこんなに長く休んでいるのだと感じる人は多いと思うが、実際必要なので、これを削るとサービスの質が落ちるだろう。どうやって理解していただくかということだと思う。

(会長)
ほかにご意見はないか。

(委員)
一つ付け加えさせていただきたいが、さきほど火曜日に休んでいない館があるとのことだが、私はそれを便利に使っている。予約本を別の館に配送してもらえば、休館日に関わらずどの曜日でも受取ができるし返却もできるので、事実上全曜日を開館しているようなサービスを受けられると思う。

(会長)
そのような使い方もあるのか。中央館だけでなくネットワーク全体でサービスをしている感じだ。中央館だけに負荷がかかるのもどうかと思う。市民にとっては身近な公民館が充実してくれたほうがよいだろう。図書館システム全体で考えてもらうことで、中央館と身近な施設でサービスを分け合ってもよいのではないか。根本的に、全然休まなくなった図書館は、だいたいサービスが落ちている。統計を取ったわけではないが、休館がなくなった図書館はサービスが落ちている感じがあり、貸出しもそれほど伸びていない。そのあたり、まだ研究の余地はあるが、さほど便利ではないようだ。
他に何かないか。協議事項としては、だいたい終了となるが、今までの話題でもほかに何かないか。
特になければ、これで終了とする。事務局から連絡事項あればどうぞ。

(事務局)
年明けの1月になるが、市立図書館は開館10周年を迎えることになる。記念のセレモニーを開催するので、今回の資料と一緒に案内をさせていただいている。委員の皆さまには、ぜひご参加をお願いしたい。
以上をもって平成29年度第2回長崎市図書館協議会を終了する。
委員の皆様、ありがとうございました。 

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

アンケート

アンケート

より良いホームページにするために、ご意見をお聞かせください。コメントを書く

観光案内

平和・原爆

国際情報

「行政運営・審議会・指定管理者・監査」の分類