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令和5年度第2回 長崎市経済活性化審議会

更新日:2024年6月10日 ページID:042222

長崎市の附属機関(会議録のページ)

担当所属名

商工部 産業雇用政策課

会議名

令和5年度第2回 長崎市経済活性化審議会

日時

令和6年3月25日(月曜日) 10時00分~

場所

市役所5階 議会第3委員会室

課題

1 令和6年度の取組について
2 その他
⑴ 経済再生プロジェクトについて
⑵ その他

審議結果

事務局報告
※長崎市経済活性化審議会規則第5条第2項の規定により、会議の開催には委員の半数以上の出席が必要であるが、半数以上が出席しているため、審議会が成立していることを報告(出席委員は15名中14名)
※会議は公開であり、傍聴者が1人いることを報告
※当審議会の議事録は、要点を公開することを報告

1 令和6年度の取組について
⑴ 事務局からの説明
事務局から資料に基づき説明を行った。

⑵ 質疑等

【委員】
資料1ページの基本目標Aの新産業・スタートアップの視点だが、十八親和銀行としては、このスタートアップやオープンイノベーションの取組みには、数年前から力を入れている。長崎県及び長崎市には、人口減少や若者が地元にとどまってくれないという大きな課題があるので、時間がかかる取組みかもしれないが、若者を地元にとどめるようなことを地道にやっていかないといけないということで、特に長崎市とは、スタートアップコンパスや先般の3月に新規事業機運醸成事業というものも共催をさせていただき、サッカー日本代表の森保監督に、市長と対談していただいた。市長の思いや森保監督のお考えを聞かせていただけたという意味では、大変、参考になったと思っている。
このスタートアップの中で我々金融サイドとして、当事者であるベンチャーやスタートアップ企業からのご要望として、金融の部分で融資を希望どおりに受けられない、ハードルが高いというお声を常々いただいている。FFGとしては、FFGベンチャービジネスパートナーズという会社があり、こちらはエクイティ、資本のところを中心に出資をさせていただくところだが、この会社自体が長崎の企業にまで目が届いていないということや規模感の問題もあって十分機能してないという問題があった。ベンチャーデットという言葉を最近よく聞くと思う。エクイティはハードルが高い部分があるが、このベンチャーデットは通常融資と出資のちょうど間ぐらいの位置付けと思っていただければいいが、地方銀行が結構力を入れおり、この取組みを今年1月から始めさせていただき、4月1日付けの異動で、銀行から1人、福岡銀行に勉強のために研修に行かせた。先ほどのFFGベンチャービジネスパートナーズも、もともと私の別の部署だが、地域振興部付けに変えて、いわゆるスタートアップの醸成やその後の資金的な需要などに一貫して取り組むことができるような形で整備し、そういったことをベースに意欲のある企業様のサポートをさせていただければと思っているので、このような取組みを紹介させていただいた。

【会長】
今のご発言は、十八親和銀行の取組みの現状というものを皆様に周知いただいたものと認識している。これについて、例えば、福岡などでは、ベンチャー企業とスタートアップの研修が非常に集中しているという現状に合わせて、長崎市として、ベンチャー企業やスタートアップも含め、誘致等々で政策的に足りない部分、それをどう埋め合わせていくか、あるいはそれをどう補完していくか、独自の施策に踏み出すかということも必要ではないかと思うので、その施策や方向性のようなものをお示しすることがあれば、お願いしたい。 

≪事務局≫
ご紹介いただいたとおり、十八親和銀行、その他の県や様々な機関と連携して、今、スタートアップやオープンイノベーションなどを活用した新規事業の創出に取り組んでいるところである。委員のお話にもあったが、実際に実施している中で息の長い取組みになっていくと感じている。福岡で今、スタートアップが盛んになってきているが、やはり福岡市も10年前から取り組んでおり、令和5年度でちょうど10年を迎えたという状況だ。最初は、スタートアップを支援する支援者や関係する機関も手探り状態だったということで、例えば、投資する側の視点などの情報なども十分に研究をしながら進めていく必要があると思っている。
そのためには、チャレンジをする人たちを増やしていくということが重要だと考えており、新規事業を創出するための機運醸成に長崎の若い方や長崎の企業が積極的に参加していただけるような環境や場を作っていくことが重要だと考えている。スタートアップについては、それこそ高校生や大学生の時点から、スタートアップという将来もあるということも意識してもらいながら、どのような人たちがどのようなことをしているのかを知る機会を作っていきたい。実際に起業してみたい、自分で事業をやってみたいという方々が、どうやって進めればそれができるようになるのかということに対して、経済成長戦略にもオープンイノベーションの推進を掲げており、イノベーションコミュニティーを活性化させたり、長崎だけではなくてグローバルな視点を持って世界に出ていくという視点を持った人材も育成していく必要があると思っている。実際、これをやったらすぐに伸びるというやり方はなかなか無いし、これまで事業を実施してきて、実際にスタートアップ企業の9つの会社が法人登記していただいたが、さらに次のステップに進んでいくためには、やはり資金面やその事業のさらなるブラッシュアップも必要となってくるので、そういった段階に応じた支援、いわゆるスタートアップエコシステムという言い方をしているが、こういったところにも力を入れていく必要がある。また、地場の企業の新しい分野への挑戦、第二創業的なものもしっかりと機運を盛り上がていって、次の時代に向けた事業への動きができるような機運を長崎で作っていきたい。 

【委員】
長崎県、長崎市、いずれもこの分野は、知事、市長を含めて、ものすごく熱心に取り組んでいただいていると認識している。どうしても、日本というのは、東京一極集中なので、投資家がなかなか長崎に投資をしてくれない。長崎だけの問題ではなくて、多分福岡でさえもそういう状況というのはよく聞く。やはり、東京にいろんなものが集中するため、若者としては手っ取り早いので東京に行くという流れができてしまっているのだろうと思う。
今年2月23日だったと思うが、長崎県主催の「ミライ企業Nagasaki」というイベントがあった。これは、ビジネスプランをプレゼンするものだが、これまでと違い、各自治体でビジコンを開催し、それぞれにチャンピオンがいる。このチャンピオン5組をその「ミライ企業Nagasaki」に呼んで、一般公募も3組入れて合計8組で、長崎のチャンピオンを決めようという形で、初めて開催することにした。結果、佐世保高専を卒業され、今東京にいて、創業されているwavelogyさんと言う会社が優勝した。実は、この方は、長崎市の水道局と連携して、水道管の漏水をAIの仕組みを使って検知するということにも具体的に取り組まれている企業だ。その「ミライ企業Nagasaki」には、全国から審査員の方やベンチャーキャピタルの方などがいらっしゃったが、感想を聞くと、非常に良かったと、本音を言うとあまり期待していなかったけれど、皆さんのプレゼンを聞かせていただくと、非常に熱心にビジネスを考えてもらい、実現性もあるのではないか、という評価をいただいたので、引き続き自治体には、同じような支援をいただきつつ、こういう取組みを粘り強く続けることで、道が開けるのではないかなと感じている。 

【委員】
企業誘致の話で、為石の企業立地用地の整備が出ているが、企業誘致に関連して、質問させていただきたい。前にもお話したが、私どもの会社でも、県、市からご依頼を受けて、5年前に民間で第1号の企業誘致用のビルを作った。結果として、約7割は企業誘致の会社が使っていらっしゃる。人数にすると500~600人くらいで、そのような効果があったと思っているが、私どもも一大決心で借金をして、それなりのビルを作ったので、今は、ほぼ100%の入居率があり、助かっている。企業誘致が一番即効性があると思い、私どもも経済界で活動していたし、即効性があるということでご協力しようと決めて、やってよかったが、今現在、悩んでらっしゃるのは、人材不足と誘致された企業がこれ以上、業容を拡大するのがなかなか難しいということだ。具体的には、特にシステム関係などをもう少し充実させたいという会社もいらっしゃるが、例えば、100人くらいを一度にという話で、長崎にも長崎大学や県立大学で情報系の学科もあるが、日本全体の状況からいっても、100人という単位ではなかなかできないので、こういうことも今後の検討事項になっている。なおかつ、私どもは2019年のタイミングで建設したが、その後、駅ビルさんやジャパネットさんも今、建築中でオフィスもあり、市でも新大工で実施したから、どちらかと言えば、事務系はオーバーサプライ気味だろうと思っている。だから、そこを何とか埋めるためにやらなくてはいけないが、今申し上げたように、人の確保という問題がもう一方では出てくる。ジャパネットさんも就業機会を提供するということで、新聞では1,000名ぐらいの雇用とのことだが、逆に言えば1,000名を雇用することによって、今の人材不足の中でいろいろと他に意見が出てくるということもあり得るし、世の中のご意見が逆に大きく変わってきたので、そこは考えないといけない。為石は、おそらく、この場所からいったら、製造業関係を視野に入れているのだろうと思う。令和9年度の完成なら4年後となるので、何らかの目途をつけながら整備をされると思うが、3万6,000平方メートル、高速道路、女神大橋を降りてからもそんなに遠くないので、製造業は、諫早や大村で非常に活発になっているし、人手の問題があるが、逆に言えば、一番即効性があるし、ある規模で雇用の人数が確保できる。ONE DEJIMAもいいお話だが、雇用的に言えば5年後に20人なので、そんな大きな規模にはなってこない。人口が毎年5,000人減っており、4~5年後には2~3万人の人口がまた減るということになってしまうので、今の長崎の人口流出を止める、就業機会を与える、ということでいけば、ある規模でやっていかないと、大きい政策を打っていかないとなかなか歯止めがきかないのだろうと見ているし、我々も、経済界の中で考えていかないといけない。スタートアップやベンチャーなどもあるが、なかなか大きい規模で人手の確保とはならないところが悩みの種だろうと思う。そのあたりについて、市でどういう考えを持っているのかお聞きしたい。 

≪事務局≫
まず、為石浄水場跡地の活用については、県の道路事業で出てくるトンネルの残土の処分というお話をいただいたことをきっかけに、その残土の受入とあわせて、これを企業立地の用地として活用しようということで方針を決定したものだ。造成後には3ヘクタール程度の企業立地用地ができるが、まだ業種を細かく決めているわけではなく、活用していくに当たっては、おおむね製造業の方向性ではないかと考えている。南環状線のトンネルが開通すると、この場所から深堀、江川の交差点まで5~6分で行けるので、そうすると、環状線に乗って長崎バイパス、高速道路等を使って外の方にも繋がっていけるし、逆に通勤に関しても、便が良くなり、駅前辺りまで30分圏内となるので、ポテンシャルとしては十分なものがあると思っている。また、南部の深堀、香焼は、造船業が盛んだが、また更に、そこから以南の産業の1つのきっかけになっていくのではないかと考えている。
一方で、この人材をどう確保していくのかという問題だが、水辺の森の近くにあるクレインハーバーが県市も絡んでオフィスビルとして最初に設置され、次に、長崎食糧倉庫さんがビズポートを立てられ、ここから一気に、民間事業者によるオフィスビル建設が進んできたと思っている。こうしたことをきっかけに、今、長崎にIT企業、オフィス系企業が集積しているが、企業誘致というのが長崎で雇用の場を生み出すというところがあるのと同時に、外から人を呼び込める力、企業を呼び込めるという良い点もあるので、人口が減っている長崎市だが、雇用の場を作ることで、地元の方の雇用の場にもなったり、外から人を呼び込むというような機会にしていきたいと思っている。そういった中で、人材不足については、基本目標のCにあげているが、担い手をしっかりと確保していくことは非常に重要だと考えており、1つの例だが、オフィス系で言うと、IT人材が全国で急速に不足していくという見込みが立っているので、外国人材の活用も手法の1つとして、今回、挑戦してみようとしている。これは、バングラデシュの大学生だが、非常に優秀で、これまでは英語圏にどんどん出て行っていたが、日本に関心を持っておられる方も多く、また親日国であることから、長崎大学と連携して受け入れることで、地場の企業に定着していただくという施策だ。宮崎で実績も出ており、高い定着率、それと優秀な人材ということをお伺いしている。他にも、IT人材を獲得するために必要な補助金を令和5年度の補正予算から準備させていただいており、こういった制度についても、地場の企業の方々にしっかりと周知をして活用していただければと考えている。
その他、オフィスだけではなく、一次・二次産業においても、今後、人手不足対策というのは非常に重要となってくるので、人手をしっかりと呼んでくるということと、DX、自動化、省人化といったところも並行して、地場の企業に取り組んでいただけるような施策やその周知を図っていきたい。 

【委員】
工業用の団地というと、長崎市内では、あとは神の島にまだ残っていると思う。私は、やはり製造業が非常に付加価値があるし、人材的にも二次産業で人材を確保できれば、長崎市にとって大きいと思っている。熊本のTSMCの場合は、関連産業として東京エレクトロンなどがあり、大きな効果があった。諫早、大村にソニーや京セラなどの企業誘致が決まっており、基幹の半導体産業の企業が誘致され、関連産業は結構あるのだろうと思うが、関連産業を長崎に呼び込むという戦略は考えているのか。

≪事務局≫
先ほどの企業用地の件だが、神の島に2ヘクタール強あるのが長崎市内の最後となる。ただ、企業立地をする用地は、お問い合わせも多くいただいており、そういった今後の効果もあるため、今ちょうど調査をかけているところで、最終的には令和6年度中に可能性があるところを6ヶ所程度選定して、今後の造成に向けた計画を検討していきたいと思っている。
もう1つ、関連産業だが、やはり熊本のTSMC、近隣の諫早市のソニーさんや京セラさん、あと大村でも半導体関連の大規模な立地が進んでいる。先ほども申し上げたように、長崎と諫早というのは、特に東長崎だと車で15分程度で諫早の工業団地に着くし、南部でも、出島道路等を活用すれば近距離にあるので、半導体関連の事業というのも検討できるのではないかと考えている。 

【委員】
ベンチャーの話に戻るが、いろいろなイベントが行われていたり、出資については、たしかに長崎は厳しいなという状況はずっと肌で感じているが、ベンチャーのための施設が足りないと思っており、経済成長戦略にも医療感染症分野と入れているが、実験室になるような施設が全くない。神戸でヘルスケアのイベントに出させていただいたことがあるが、神戸は医療産業都市で売っているので、インキュ施設に入らないかという手紙がよく届くくらい実験室仕様になる場所がたくさんある。スタートアップ育成という意味で医療感染症分野を入れるのであれば、環境分野などでも今後必要になってくると思うが、実験室になるようなところを長崎市内に欲しいと感じている。昨年、長崎市と県立大学のイベントで、長崎市の企業を学生に紹介するというイベントがあったが、呼んでいただいて、学生に向けて長崎にもいろいろな企業があるという話ができてとても良かったと思うので、これは続けていただきたいと思うが、県立大学はインキュ施設を作ったにも関わらず、オフィスのみで、やはりラボスペースがない。だから、医療分野で長崎にずっと居ようかなとはなかなか言いにくいというのが私の感想になってしまう。今、計画にラボ施設を入れるということはないと思うが、今後の長崎に向けて考えていただけるといいなと思っている。 

≪事務局≫
特に、成長可能性分野として生命科学関連分野をはじめとして、環境分野もそうだと思うが、実験ができる施設が重要になってきていると私達も認識している。中小機構に設置していただいている出島D-FLAGといったインキュベーション施設もあるが、入居要件や広さなど、条件として見合わない部分もあるかと思う。どういったラボが必要なのかといったところも、引き続きご意見などをいただきながら今後の施策の中でしっかり検討していきたいと考えている。 

【委員】
産業の活性化や企業の誘致、経営基盤の強化といったものについては、多方面での取組みが必要だと思っているが、地場の企業を含めて、人材の育成と確保がこれからかなり大きな課題になっていくと思う。取組みの連続性や予算の問題もあると思うし、当然、設備投資ほど大きくかけられない部分かもしれないが、費用配分の点で人材育成と人材確保の支援について予算等をもう少し強化するという手もあろうかと思ったが、実際にはこれでニーズとマッチングしているのかをお伺いしたい。 

≪事務局≫
資料の最後のページをご覧いただきたい。これは、この後、経済再生プロジェクトのアクションプランの中で説明する予定としているが、経済を再生していくために、どういった分野にお金を使っていくのかというところを分類したものである。Bの地場産業支援の中のB-2人手不足対策というところで、令和6年度予算としては、1億8,500万円程度を見込んでいる。人材の確保、育成の部分について、ランニング的な経費を行政でずっと支援していくというのはなかなか難しい面がある。人件費は、その企業の事業活動の中で確保していくべきものだと考えているが、これだけ日本全国で人手が足りないという中では、まず、長崎の企業の魅力を知っていただくことが重要であると考え、新卒になるであろう学生や地元にいらっしゃる若い方などに、長崎の魅力ある企業が知られていないということをお話の中でもよく聞くので、SNS等を活用して、長崎の地場企業の情報発信に力を入れ、長崎だけではなく、長崎の外にいらっしゃる方に対しても、どうすれば長崎の企業を知っていただけるかということを考え、引き続き、しっかりと取り組んでいきたい。 

【委員】
地場産業の企業への各種支援、取組み等がある中で、引き続きご支援いただければと思う。 

【委員】
令和6年度の取組みということなので、足元の話になるが、ご承知のとおり、地域の中小・小規模事業者の皆さんは物価高騰で、それから賃上げ圧力もかなり高まっているので、まず、ここをどう乗り越えていくかというのが大きな課題になる。4月からも2024年問題は待ったなしであり、トラックドライバーなどの人手不足で大変な環境になっている。これをどう乗り越えてもらうかというのが、我々も大きな課題になっており、そうした中で、国の政策など多彩なメニューが出されており、それをなかなかご存知いただけていないと感じる。例えば、賃上げに対しては、2年間の時限措置で、年収の壁パッケージというのが出ているが、これも伝わっていないという課題があるので、この前、九州経済産業局と長崎県にもお願いして、今使えるメニューをできるだけわかりやすく、ご説明いただいた。これらを有効活用して、それぞれ企業が自己変革に取り組んだり、事業再構築に取り組んだり、今はそういうところを後押してやるのが大事だと思っているので、長崎市が新年度にどういう支援メニューを出せるか、まだ我々もお聞きしていないが、少しきめ細かく情報発信していければ、ありがたいと思っている。
もう1点だが、駅周辺にかなりの賑わいが出てきており、実はその裏側では中心商店街の空洞化で、かなり危機感を持っている。令和6年度の取組みの中でも、商店街等にぎわい創出支援費補助金やスタジアム開業の気運醸成など、いろいろ施策を考えていただいている。あわせて、さしみシティやつきまちの再整備などもあげているので、それは全体的にまちなかの活性化に繋がるような方向性で、連携をしていただくとありがたい。市とスタジアムシティの話をすると、商工部以外の部署が所管であったり、いろんな案件がそれぞれの部署で分かれて実施されている。それぞれの担当課には、こうして欲しいということを話すが、それが他の部署に伝わっているか不安になることもある。来年度、経済産業部への組織改編もされるので、横ぐしを刺して、トータル的に経済産業部で見ていただくと非常にありがたいと思う。我々としても、そこは優先課題にしており、ぜひ一緒にさせていただければと思うのでよろしくお願いしたい。
もう1つ、先ほど人材確保の部分で、留学生、外国人材の話があったが、県内の留学生の卒業生が今300人ぐらいいる。そのうちの30人か40人ぐらいが県内に就職されて、だいたい60人から70人ぐらいが県外に出られている。30~40人ぐらいは、継続して長崎県内の企業に就職していただくようにしないといけないし、県外に出られている方にいかに長崎の企業に就職してもらうかというのは大事だと思っている。長崎大学の留学生支援センターが頑張りたいとおっしゃっており、取組みを検討中なので、ぜひ長崎市も一緒になって、留学生の県内就職について取り組んでいただくよう、よろしくお願いしたい。 

≪事務局≫
まず、一点目の国、県、市又は民間事業者、金融機関などで行っている様々な事業者に対する支援、情報について、今、情報はお金に直結することなので、こういった情報が地場の企業の皆様にしっかりと届くように、商工会議所をはじめとした関係機関と連携して、情報発信、集約に努めたい。
二点目に、まちの回遊性の話があったが、行政が縦割りだということではなく、横ぐしを刺した形で事業が実施できるように、今回、経済再生プロジェクトということで立ち上げている。この中でも、商工部が取りまとめを行っているが、これは経済関連の三部局だけではなくて、行政全体の取りまとめということになるので、しっかりと横ぐしを刺して連携できるような形で情報の共有と施策の展開に繋げたい。
最後の留学生の話だが、日本全国が人口減少していく中で、今後の担い手というのは非常に重要となる。こうした中で、1つの手段として、外国人材の活用は非常に重要であり、留学生の方で、当然、自国へ戻られる方もいるが、国内に就職をされる方もいるので、こういった方々に長崎に定着していただけるように、留学生支援センターとも意見交換をしながら、事業を検討していきたい。 

【会長】
一点目に関しては、ただ情報を流すだけではなくて、どうやって申請に繋げていくかということも考えないと、ただ情報が来ているというだけでは、地場企業の皆様はどう使っていいのかもわからないと思うので、こういうふうに使えるというような、もっと踏み込んだところまで、そういう場の創出というのを市単独では無理なら、大学などを巻き込む形で、考えてもらえないかということが、ご発言には暗に含まれていたと思うので、ご検討いただければありがたい。
外国人に関しては、長崎大学だけではなくて、県内の私大も結構外国人を抱えているので、その連携をどのように考えていくのかということも1つの課題になる。IT人材に関しては、長崎大学が中心になっていくのだろうと思うが、私大の志望者も結構多いので、私大との横関係、横ぐしを刺していくこともこれから必要になると感じている。 

【委員】
十数年前から、人や企業に選ばれ、産業が進化し続けるまちというタイトルのもとで施策を実施し、今度は、外部の方をお招きして、経済再生アクションプランまで立てて、経済再生に力を入れていくということだが、いろんなプランを立てていただいて、中身は一定理解できるが、これには目標がない。長崎市の財産として、後々に残していくためには1つ1つ目標を立てて、目標達成のために、例えば今年はどれくらい企業誘致するか、人材の確保をどうするか、一次産業、二次産業にしても同じで、目標がないから、こういう資料は5年前にも見たというふうになってしまう。それでは、長崎市の財産にもならないし、長崎市内の企業の経営者、事業主の本当の意見も聞こえてこないと思う。逆の立場の目線、民間企業の目線から行政を見るような、そういう姿勢を持ってもらわないとなかなか進化しないと思う。だから、これは長崎市の財産として、あなた達のノウハウや経済活性の人材もずっと継続して育てていかなければならない。どうしても人事ローテーションがあるので、3年くらいして少しわかってきたという時に別の部署へ異動するというようなことがあるから、財産として長崎市に残していくため、どう繋いでいくかということも考えてもらわないといけない。
人材の問題に対するカンフル剤は、60歳以上の人材だと思う。今、若い人に長崎に残ってもらうようないろんな政策を打っても、即効性はないと思うが、60歳以上の定年が1年2年と伸びるだろうから、この人たちにいつまで生産年齢人口でいていただけるかという施策にも、すぐ取り掛かって、人手不足を少しでも解決できる特効薬がないかをぜひ考えてもらいたい。
最近、朝の国道34号線では、長崎市とは逆の諫早や大村の方へばかり車が走っている。長崎市内に入ってくる車が何倍も少なくなっている。働く場所が向こうになっている。住まいまで向こうに持っていかれたら、長崎市はますます人口が減る可能性があるので、きちんと結果を残すということを、ぜひ、頭に置いて進めてもらわなければ、何も長崎に残らないと思うが、これらについてどう考えているのかをお聞きしたい。 

≪事務局≫
経済成長戦略と最上位計画である長崎市総合計画については、数値目標を成果指標として置いているが、何を成し遂げていくのかというマイルストーン的な目標、最終的な成果に結びつけていくための目標について、働く場であり、暮らしていただける人を長崎に残すためにはどういった道筋でやっていくのかということを委員の皆様や企業の皆様からいろいろなご意見をお伺いしながら、経済成長戦略や1つの事業のレベルから考え、施策を実施したい。 

≪事務局≫
成果指標の話が出だが、例えば、既存の計画・戦略で、観光消費額や企業誘致の件数などの目標は立てている。ただ、ご指摘があった生産年齢人口をどうしていくかや、人材をどう育成するかという部分に着目した目標というのは、確かにない。そういう中で、今回の経済再生プロジェクトで、アクションプランを策定した。この中でも、人材不足対策を非常に大きなテーマとして取り上げている。これをベースにして、令和6年度の取組みをご説明したが、成果として何を見せていくのか、どうご説明をしていくのかという部分は、前回のこの会議でもご指摘をいただいた。これについては、実際にこのプランを進めながら、しっかりとした形としてお見せしていくという検討を今、同時にやっているので、経済活性化審議会でも、そういった視点を持って説明をさせていただきたいと思っている。 

【委員】
ぜひ、意欲を持っていただきたいし、今、これだけ物価高などで全ての経済状況が大きく変わろうとしている時に、民間のいろいろなご意見も聞きながら、今年中や上半期という早い段階で、何らかの成果を出そうとしていかないと、ただこういうものを作っただけで仕事は終わりではない。何か1つでもいいから、1センチでもいいから、前に進むように。そういうふうにすることで、近頃、行政の経済活性の動きが早くなったというようなことを市民が肌で感じられるような、そういう意識を持って皆さんで力を合わせて、前に押し進めていただきたいので、そのようにしていただくと思って良いか。 

【会長】
今のご指摘に関しては、次のアクションプランのところで説明があると思うので、そこで議論を深めていただければというふうに思う。 

【委員】
長崎市で大きく変わったことの1つと言えば、やはり市長が変わったということがあると思う。本年度の予算は、多分、骨格的なものを組んで、補正で対応されてきたと思うので、令和6年度の予算がある意味、新しい市長が自分らしさを一番出せる、ここからスタートするという予算ではないかと思うが、一市民として気になるのは、市長がどこを向いて、いま何を始めようとしているのか、何が変わろうとしているのかというところ。それが、この予算だと言われればそうなのだが、新規事業も含めて、中長期的な方向性というか、こんな感じになっているというのを教えていただきたい。 

≪事務局≫
ただいまのご質問については、よろしければ、この後の経済再生プロジェクトの中で説明をさせていただこうと思っているので、その後に、ご意見等をお伺いできればと思っている。

2 その他 ⑴ 経済再生プロジェクトについて

⑴ 事務局からの説明
事務局から資料に基づき説明を行った。

⑵ 質疑等

【委員】 ア
クションプランの新規事業の中で、特に市長が言い出す形で何か始めるようなもので、いくつか代表的なものをあげるとすると、どれになるのか。 

≪事務局≫
先ほどご説明したように、資料の11ページから取組内容の表を記載しているが、令和6年度に白丸が付いているものが新規に着手して進めていく事業である。デジタル化、グローバル、サステナブルなどがプロジェクト自体のテーマになっており、その中に盛り込んでいった事業になる。例えば、受入態勢の充実の部分で、観光案内機能の整備として多言語対応などがインバウンドを見据えて新たに取り組んでいくものである。また、ワーケーションの受入拡大というところにも表われている。長崎スタジアムシティが進む中で、まちなかに回遊させ、全体的な活性化を図ってほしいというご意見もあったが、このような大規模集客施設が立地する中でまちづくりのグランドデザイン策定を来年度検討し、令和7年度中に策定するという大きな事業がある。
また、人手不足対策では、企業連携型奨学金返還支援制度があり、他都市にはこういう制度があるが、長崎市では着手できていなかったことであり、これはぜひ人手不足対策というところで新たにやっていきたいということで、プランに盛り込んでおり、実際に補助金の助成が始まるのは再来年度になるが、来年度は広報などを実施するための予算を計上している。
長崎は、一次産業では水産業が非常に特化しているという強みを生かしていこうということで、その担い手の創出や一次産業事業従事者の所得を上げていこうという新たな取組みも盛り込んでいったところである。
概要を言えば、こういう形だが、その他に、イノベーション、新産業、成長分野の強化など、企業立地用地の整備も含め、新たな取組みを盛り込ませていただいている。 

【委員】
様々な現在の課題について、非常に細かくピックアップされており、このプランが各課各係の職員が真剣に取り組まれていけばいいのかなと思う。
この様々な施策が行われたとしても、真っ先にあげられている生産年齢人口の動向と今後の人手不足が今後、非常に懸念されることだと思う。結局、様々な取組みをやっても、人がいなければ、どうしようもない話であり、生産年齢人口は間違いなく減っていく中で、この人材の流出をどうしていくのかをまずもって考えないといけないと思う。今、春闘の動きがニュースで流れており、ここ20~30年ではないようなベースアップがどんどん行われているということを聞くが、果たして、長崎の地場の中小企業・零細企業がこれについていけるのかということを考えた時に、これはゆっくりと起こっていくことだろうし、今年就職活動をする学生にとっては、やはり都会の上場企業なり、大きなところが魅力的に映るのだろうと思う。給与の面、待遇の面、まちの魅力などの諸々を考えると、ますます都会に人材が吸収されていく可能性が大きくなることが懸念される。そうなると、長崎という地方の中小零細企業の人材確保は、ますます深刻になってくるどころか、危機的状況になるのじゃないかと思う。それでは、どうするのかというと、やはり強い企業を作っていかないといけないし、上場企業がないまちとしては、そういったリーディングカンパニー、代表的な企業が生まれないといけない。もう1つが、全部の企業が残っていけるような状況ではなくなってくると思うので、事業承継なり、M&Aという中で企業が集約されていかざるを得ないし、これを後押しするようなことをしないといけないと思う。護送船団方式じゃないが、公平、公正、どちらかというと弱いところにスポットを当てて、底上げをしようというのがこれまでの行政の考え方だったと思う。その考え方そのものは、持っていなければならないと思うが、そうは言っても、強いところを作っていく、集約させていくというのは、今後の時代のニーズだろうと思う。そういった中で、時代の変化に応じて、そういった長崎ならではの独自の強い企業を作っていくという施策に変換していけるかが、都会に吸い取られるだけのまちにならず、地方として生き残るための非常に重要なポイントになると私は思っているが、このような取組みについて、今後の展開と考えをお聞きしたい。 

≪事務局≫
まず、賃金の話だが、企業を選ぶという中では、高い方が優位であると思う。ただ、今年の分はまだ出てないが、昨年の春闘の平均賃上げ率では、長崎県内は全国平均を上回って、中小企業においても賃上げを実施しておられる。やはり、地場の企業におかれても、人を獲得していくためには賃上げが必要であるということを認識しておられると思う。また、原材料の高騰や物価高騰等で生じているコストの増高分についても、価格転嫁を図っていくことも必要になってくると思う。企業が持続的に事業活動を継続していくためには、賃上げや価格転嫁にも取り組んでいかないと、人も取れないし、従業員も養えなくなることを地場の企業もしっかり考えられている。
こうした中で、もっと稼ぐ、もっと利益を得ていくということを考えると、新規事業へのチャレンジや省人化、DXもやっていかないといけないし、どういった分野が今後伸びていくのかについても、経済成長戦略の中で成長可能性分野として4分野をあげているが、どういうところに自分たちの限られたリソースを割いていくのかを各企業において、これまでの強みをしっかり活かしながら取り組んでいただく必要があると思う。
具体的にどうすればいいのかわからない企業に、相談窓口などの機能として、行政で何かできないかということだが、リーディングカンパニーの創出や伴走支援による新規事業創出に取り組んでいきながら、どういったところがボトルネックとなっているのか、企業がご苦労されているのはどのようなことなのかをしっかり把握していきながら、今後に向けた施策を検討していきたい。 

【委員】
人口が減っていく中で、生産年齢人口もすでに減っていたのだろうと思うが、この20~30年のデフレの世の中にあっては、極力人件費を減らそう、給料をあまり上げない、人を減らすというような価値感がずっとあったと思う。これが、今、一挙に変わってきている転換点で、もうすでに顕在化しているが、今後、加速度的にそういう課題が出てくると思う。このような状況、環境の変化に行政もスピード感を持ってついていかないと、置いてけぼりの都市になってしまうと思うので、このような課題についても検討していただきながら、新たな課題として取り組んでいただきたいと思う。 

【委員】
今、我々は、各労働組合の春闘と採用の関係の様々な情報共有をちょうど行っている時期である。実際、長崎の企業の賃上げは、昨年度から進んではいるが、全体としての実質賃金と言われる収入は上がっても、それ以上に支出が上がっているので、結果的には、コロナ禍の前よりも、自分の手元に残る可処分所得が減っているというのが全体的な状況であり、採用活動においては、賃上げができたことで募集人員がゼロだったのが、増えたという企業もあるが、全体的には募集している、望んでいる人員にはとても満たないという状況が続いている。いろいろな意見を聴取した時に出てくるのが、長崎市で暮らすという観点では非常にストレスがあり、具体的には家賃や駐車場などが高いことだ。長崎市で働いてるが、大村や諫早、時津、長与から来る方や、新卒の高卒大卒の方をなるべく長崎に確保したいが、例えば、実家で暮らしていれば働けるが、自分1人で暮らして働くなら、福岡に行くという方が非常に多い。企業の異動などで、福岡や都市部から来られた方も、福岡にいる時よりも手元に残るお金が減ったと言い、給料は変わっていないのに、日常で出ていく支出が非常に高いと言われている。長崎駅周辺は家賃が高いので、少し離れたところに住めばいいという意見もあるが、住むところが離れているほど、朝夕の交通渋滞に巻き込まれて、ストレスがあるという話が出てくる。
おそらく、経済成長戦略にも盛り込めないと思うが、企業誘致やPR、広報活動との両輪として、長崎市で暮らす人を増やすために住環境や交通整備などを一緒に改革していかないと、長崎に住むという意味では増えていかないと思う。経済の活性化には、やはり、長崎に住む人をどれだけ多く招き入れて、転出を抑制していくかというところなので、この戦略とあわせて、同時に、暮らす・住むというところの改革ができる戦略が別で建てられればいいと思うが、すでに動いていれば教えていただきたい。 

【会長】
これは非常に重要な論点であり、可処分所得、必要経費を差っ引いたがお金が、長崎市の場合、他都市に比べて低いのではないかということだが、これは、経済成長戦略を作るときに、可処分所得の比較はどうなんだと聞いたことがあり、大した違いはないということだったので、実感と違うと思ったが、市の考え方はいかがか。 

≪事務局≫
可処分所得については、暮らしていく中で非常に重要だと考えている。実際に、高い給料をもらっても、高い支出が恒常的になれば、生活が改善していかない。長崎での暮らしについて、よく話題になる家賃や交通渋滞といったことは、長年、長崎でも課題となっており、特に交通渋滞については、浦上川線をはじめとする幹線的なものや外環状線というような大きな幹を入れていくことで、車の動き、人の動きを少しでもスムーズにしていこうという方向で進めているところである。
家賃が高いということについては、長崎が丘陵地で、平地や利便地がどうしても人気であり、物価高騰などでマンションの価格も軒並み上がっているし、戸建てについては、土地がそもそもないということで、諫早や大村、長与など、長与にも高田南という新しい大規模団地の分譲を開始しているので、またこういったところへの人の動きが出てくるのではないかと思っている。
こうした背景も踏まえて、今回、経済再生プロジェクトだけではなく、この経済再生という部分と、いかに子どもを育てやすくする、暮らしやすいまちにしていくのかという少子化対策の2つを今後の施策の両輪と捉え、この両輪を走らせるという視点で、実現するための市役所の機能として、どのような市役所にしていくのかという新市役所創造の3つの重点プロジェクトを推進することとしている。経済再生プロジェクトが、我々の所管としては近いが、働くことと暮らすことは一体なので、市役所の中でも少子化対策と緊密に連携しながら、施策の方向性等を検討しているところであるので、そういった市民や事業者のご意見をしっかりと聞きながら、このアクションプランに活かして効果を出していきたいと考えている。 

≪事務局≫
住宅、家賃の問題をどこで取り扱うかについては、例えば、企業誘致をするときに、住まいが高いとそれがネックになるという問題もあり、どこで取り扱うかを議論したが、実際には、若い世代や子育て世帯の住まいの支援という視点で、少子化対策プロジェクトで動いている。経済再生プロジェクトと両輪となって進めていこうということなので、機会があればこういう場でもその進捗についてご説明をさせていただければと思っている。 

【委員】
尖ったと言うか、最重点的な経済政策が必要だろうと思い、前もこの会議で話したことがあるかもしれないが、海事都市とか、呉市の話などと一緒にカーボンニュートラルパークの話もしたと思う。昨年の8月に三菱重工さんが長崎を技術開発の拠点にしたいという話があり、私は長崎にとって大きな動きだろうと思っており、実は3月に経済同友会で研究所のトップの方にご説明もいただいて、いろいろと地域とも連携しながら、今後進めたいというお話をいただいた。すでに、長崎市とは、ゴミ処理場か何かで、一緒に取り組まれていることも聞いているが、半導体に加えて、もう1つのキーワードは、環境だろうと思っている。
環境分野の地場企業振興について、核となる環境分野の展開を三菱重工さんが今までの造船や火力プラントに換えて、大きな動きとして長崎を拠点に既にスタートされていることから、三菱重工さん自身の事業としても今後大きな分野になるだろうと理解しており、それが長崎で行われるということは、我々経済同友会としてもフォローアップをさせていただかないといけないと思っている。また、地域としても、カーボンニュートラルシティやカーボンニュートラルポートというような動きもあると理解している。長崎市は三菱重工さんの創業の地であり、三菱重工さんとともに生きてきた長崎市であると私は理解しているので、ぜひ、経済産業部としても、経済という観点で、三菱重工さんのこういう新しい動きを1つの尖った分野として位置付けることはあってしかるべきだろうと思うので、ぜひよろしくお願いしたい。 

【委員】
脱炭素については、当然ながら、事業上の必要性や世界的な動きから、我々もいろいろな研究開発をやっているところだが、おそらくこれは全産業にまたがる構造転換と理解している。個々の取組みや研究は非常に難しい点もあるが、この変化をチャンスに繋げるべく取り組んでいる。
脱炭素の取組み全体では、我々がやっている分野だけではなく、全般に経済合理性の課題もあるが、それが一定程度許容されるまでの間は、どのような社会を構築していくかというビジョンが必要であり、民間企業でやるべきことは引き続きやっていくが、一方で社会のあり方・ビジョンに基づき全産業をうまく繋げスマート化していく必要があり、これは国や県、市等の行政面でリード頂き、必要に応じて産業界を繋げ、支援して頂かないと、なかなかうまく行かないのではないかと思っている。
民間企業がやるべきことはやるべきこととして、どういったものを全体的に繋げていって脱炭素社会をつくるのかというところは、行政面での議論や連携も含めて、今後もお願いしたいと思っている。 

≪事務局≫
非常にありがたい言葉だと思っている。経済施策の話をする場合には、今後の人手不足や中小企業が抱える諸問題といった話がどうしても出てくるが、成長可能性分野ということで、長崎のどういったところが強みなのかを認識しながら各企業さんと成長していくことや尖った部分で成長していくことは、持続的にやっていくためにも必要だと思っている。三菱重工さんの深堀の研究所で様々な研究がされているが、それを市、県、国を越えて、しっかりと伸ばしていくというところに長崎が乗っていかない手はないと思っており、環境、海洋、ものづくり、生命科学、交流といった部分は、まさに今後の成長可能性分野なので、ご意見やアイディア等をいただきながら、今後の長崎の活性化に繋がるような形でしっかりと伸ばしていければと思っている。 

【委員】
三菱重工さんの製造拠点としての長崎もそうだが、研究開発拠点としての研究所というのは、非常に大きな意味がある。今でも、ドクターが400人ぐらいいらっしゃると思うが、従来とずっと変わらず拠点として展開されて、前の長崎研究所から今は総合研究所になってはいるけれど、三菱重工さんとしての最大の研究開発拠点だという位置づけだ。長崎の方は、あまりそういう目で見ていらっしゃらないと思うが、長崎にこの開発拠点があることはすごいことだと私は思っている。我々としても、長崎市の経済活性化のために、言い方は悪いが、うまく利用させていただいて、共に大きくしていく。環境分野には、2050年問題があるわけだから、おそらくもっとアクセレートしていくはずだし、拠点として、当然、事業として、アクセレートされないとまずいのだろうと思う。そうすると、そこが大きな開発拠点となって、TSMCと同じような動きが出てきて、従来の三菱重工さんの関連企業や協力企業だけじゃなく、新しい企業誘致などに結びつく可能性は十分にあると思うので、ぜひ、産学官で一緒に動きができれば一番いいと思っている。 

【委員】
実は、この前、商工会議所でも研究所を視察させていただいた。CO2の削減や水素をどう活用するかという、最先端の研究がされているという印象で、非常に勉強になった。技術開発は、全世界でどう使うかという、先端的な視点での研究が行われるので、それが長崎でされていることは、やはりすごいなと改めて感じた。カーボンニュートラルポートの構想もお聞かせいただき、そういう話を聞いている時に、長崎の経済界や行政など、地域として何ができるだろうかという素朴な疑問が浮かんだ。三菱重工さんがそういう先端技術を開発されている中で、長崎の地域全体として、何ができるかというのが今から大事だと思う。長崎港となったら長崎県というような観点になってしまうが、やはり長崎市が中心となって、経済界を含めて、一緒にやっていければと思う。

【委員】
昨年、私は銚子に洋上風力発電の視察に行ったが、これは東京電力が中心になってやっているもので、結果的には30基以上を設置して総事業費が2,000億円の事業になったものだが、視察時に、その場には市、商工会議所、漁業組合の方が揃って私たちにご説明をしていただいた。GX、エネルギーの転換をする中で、大きな構造、財政の構造の転換をしていくという取組みは、全産業を繋げていく取組みになるのではないかと思う。先ほど、新市長の新しい取組みは何かという質問もあったが、私は、やはりGXを本当に大きな政策として、エネルギーの構造転換をすることで、生活を豊かにしていく仕組み作りが必要ではないかと思うが、今回の資料を見ても、最後の方にGXという単語が少し出るだけだ。長崎市において、このGXを、今どのように考えているのかお聞きしたい。 

≪事務局≫
GXについて、先ほど市長の政治姿勢のところでも話題となったが、グローバル、サステナブル、デジタルの3つは、今後、こういったアクションプランだけではなく、施策をやっていく中で非常に重要だと考えている。長崎市においては、ゼロカーボンシティ長崎の宣言をしており、また、100か所の脱炭素先行地域にも選定されている。このGXという言葉は、急速に広がっているが、具体的にどんな取組みが可能なのかについて、やはり行政だけでもできないし、市民の方や事業者の方の民生部分の取組みも必要になってくる。ただ、取り組むとなれば、何に取り組むべきなのか、どういった設備が必要なのか、どれぐらいコストをかければいいのか、それがペイできるのかといったリスクヘッジも同時に構築していく必要があるので、まだ動き出しのところであり、小さな取組みからになると思うが、国の交付金等も活用しながら、いろいろな取組みを始めていきたい。そうした中でも、大企業の動きや国の動きにも乗っていくということになる。具体的に、この事業がこうだとまだ申し上げられるものはないが、考え方としてはこういうふうに思っている。 

【委員】
この会議は経済活性化審議会なので、その観点から先ほどの銚子の話をすると、30年間の占有で事業が実施され、銚子市に約118億円に入り、そのうち100億円は漁業組合に入っていく。着床式なので、賛否はあると思うが、まず私がお伝えしたかったのが、漁礁の効果をしっかり調査して、漁業組合と連携して進んでいったケースだったということ。例えば、MICE施設には賛否があったが、推進したわけで、インフラの整備こそ駅周辺再開発の起爆剤となり、スタジアムシティもそういった流れの中で投資を呼び込んだものと私は思っている。
今回のGXの話で言えば、民間の方は民間の方でしっかり取り組んでいただければ本当にありがたいことだが、行政として何を進めていくのかを研究、調査していただきたい。具体的に言うと、先ほどの漁礁の話だ。水産事業者、例えば、五島にいらっしゃって、世界、日本の海を全部知っていらっしゃるという渋谷潜水さんは、洋上風力を進めてきた方で、近くにもいらっしゃるのだから、そのような方と共同して取り組む。あの方たちは漁礁をすごく大事にされている。水産業の皆さんもとにかく漁礁を作ってくれと言っており、この海洋再生エネルギーは、お金をかけずしてそういう水産業に資するものとなる。しかし、これは、いろいろな産業が繋がらないと、成り立たない。私は、その繋ぎ役こそ、長崎市の大きな役目になるのではないかと思う。そういう意味で、GXと言うと大きく聞こえて捉えづらいところもあり、今日このテーブルには水産事業者の方はいらっしゃらないが、一次産業も経済活性化審議会の内容でもあるので、具体的に何ができるのかの調査研究をさらに進めていただきたいと考えるが、見解をお聞きしたい。 

≪事務局≫
これは、社会的な課題なので、いろいろな産業やそれぞれの企業、市民など、それぞれの主体でそれぞれの取組みを行う必要があると思っている。長崎のポテンシャルなどを見たときに、どこに注力すべきかという議論だと思うが、私どもとしても、長崎は今まで海洋で成長してきたまちなので、海を中心に考えており、その1つが洋上風力であろうと思う。また、何よりも造船業で発展してきたまちなので、船舶もある。それから、長崎には、今、航空機関係の事業者さんもおられるので、1つは航空機だと思う。燃料で申し上げると、水素や燃料アンモニアに注力していくべきだと考えている。これは、実際に地場の事業者も取り組める分野であろうと認識しており、昨年、その投資を促すような補助金を実施させていただいた。引き続き、こういった分野を中心に展開したいと考えている。 

【会長】
結局、いろいろな方が今回提起されたものは、長崎市がプラットフォーマーとしての役割をもっと強化してもらえないだろうか、お金を出すことよりも、いろいろな関係者を繋いでいくようなプラットフォーマー的な役割をしっかりと担っていただけないかという意見が根底にあったと思う。市役所の組織改革も行われたことだし、そういうところをしっかりとやっていただければと思う。
あと一点、どうしても製造業を中心に議論されてきたが、やはり観光の高付加価値化もやっていかないと、おそらく長崎の賃上げなどが全く結びついていかないと思う。まちの人の交流など、いろいろと謳われているが、実際、点の建物はいっぱいできているが、それを結ぶところが全く面白くないまちになっている。歩いて長崎のまちを回れるかというと、面白くないからみんな車で行って駐車場に停めてということになる。中通り商店街は、昔はガラガラだったが、建物を和風に改修すると長崎市が補助金を出したことで、和をテイストにした建物を作って、店を展開すると、そこの人流がかなり流れるようになっている。だから、そういうふうなことも考えていくと、さしみシティを売るよりも、元船の駐車場などにマルシェを作るなど、大概、魚で売るまちは、お魚のマルシェがすぐ駅の近くにあったりする。だが、長崎は全くない。あっちに行けと言われても観光客は行かない。こういうことも含めて、抜本的に見直すことが必要だと思う。ここで言われている観光というのは、従来の延長線上に描かれているような気がしており、そのためにはデータベースを長崎市として整備するということが必要だと思う。例えば、いろいろな自治体が共通通貨や地域通貨、ポイントなどを入れているのは、実は、個別の事業者に資するというよりも、人がどういうふうに流れているのかというデータをそれから引っ張り出して、それをツーリズムに繋げていくというような、客観的なデータオリエンテッドなツーリズムの構築を行っている。最近では、データ利活用型沖縄観光振興モデルというものが内閣府で取り上げられるなど、そうしたものがしっかりとなされているので、もう少し観光の分野で活用することで、市のデータベースに関する共通利用のダッシュボードの構築など、その方向性を作るという視点があってもいいと思うので、今後検討を行っていただければと思う。これは、あくまでも会長としての要望、意見なので、ここで納めておいていただければと思う。 

【副会長】
私からは三点あって、1つ目はGXについてであり、より長めの長崎経済のことを考える上で、非常に重要なポイントだと思っている。三菱重工の研究所でカーボン・ニュートラルに関する研究が進められており、中長期的には非常に有望な産業だ。こうした産業へのサポートが、行政の重要な役割であるが、市だけでは十分に出来ないところもあり、県や国とも連携してやっていく必要があると思う。関係各所としっかり調整をして進めてもらいたい。
2つ目は、より足元の重要な話として、市としての人手不足への対策をどう考えていくかということである。これまで市などの公共セクターは、各企業に対しても公平公正という観点から対策を講じてきたが、もともと市という地方公共団体は誰のためにあるかというと、市民のために存在するものであり、市民の生活を良くするためにどうしたら良いのかということを考えなくてはならない。そうした観点から述べると、企業は、ある意味「箱」であり、そこに市民が労働者あるいは経営者として集ってお金を稼ぎ、皆で分かち合うところである。そう考えると、昨今の人手不足の状況に対して、市民生活の向上を図るという観点からは、事業や企業の集約というようなことをやっていかないと、今のようなやり方では今後、長崎経済自体が回っていかない。人手不足への対策は本当に喫緊の課題だ。さらに、日本経済全体でもいろいろなことが、およそ30年ぶりに大きく変わろうとしている。物価が上がり、賃金も上がり、これからは金利も上がっていくという、これまで約30年間、変わらなかったものに動きがみられている。そのように経済状況が大きく変化していて、世の中の雰囲気が変わりつつあり、そのことを私はよく「ノルムが変わりつつある」と言っているが、そうした中で、市が人手不足への対策をどう進めていくべきかを考えることが重要だと思っている。
最後の3つ目は、観光業についてである。長崎市は、やはり観光業で儲けていかないといけないと思っている。長崎スタジアムシティが出来ることによって、スポーツ・エンターテイメントの要素は、バスケであり、サッカーであり、それらが全て長崎市に集まってくる。これは、観光ツーリズムと非常に密接な関係があり、例えば、サッカーの長崎Vファーレンの試合のうち、年間19試合は長崎市内で行われることになる。そうなると、長崎市、それも長崎駅のすぐそばという立地の良さから、対戦相手チームのファンも長崎にやってきて観光をする。さらにバスケの長崎ヴェルカの試合もある。長崎スタジアムシティというスポーツ・エンターテイメントの箱が、せっかく今できているところであり、出島メッセ長崎というMICE施設もあり、いろいろなものが駅周辺に集結していることもあって、観光でできることが非常に大きくなってきているので、その需要を取りこぼさないようにやっていくことが重要だと思う。その点、観光業の良いところは、ランタンフェスティバルでもみられたように、ダイナミックプライシングという考え方から、需要の高まりに応じて高い価格を付けることができ、高付加価値化を実現できることだ。ランタンフェスティバルの時は、宿泊料金が通常の3倍のところもあったと聞く。そういうことができれば、観光業は、いろいろな需要を取りこぼさないような工夫を割としやすいところであり、それを長崎市の中心的な産業にしていく。「中心的な産業はどうしても製造業にすべき」との議論があることも承知しているが、今後の九州における製造業の中心はIT産業で、その分野で長崎市が、土地や水という観点から諫早市に、正直、勝てるとは思えない。その意味においては今後の九州の中心は熊本、つまりTSMCだ。そのため、熊本に如何に近いかということが重要になってくる。今後、島原道路などができて、諫早市が時間的により熊本に近くなっていく中で、長崎市はまず、観光業を当面の産業として大きく育てていくことが重要だと思っている。さらに中長期的な産業としては、冒頭でも述べたように、三菱重工がやっているカーボン・ニュートラルの分野が有望であり、それは本当に2050年までに急速に重要性を増していく分野である。そうした分野を伸ばしていくという、的を絞った施策を講じるための旗振り役として、市の役割が非常に重要になってくると思っている。

2 その他
⑵ その他

なし

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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