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更新日:2024年11月12日 ページID:042933
市民健康部 地域医療室
令和6年度第1回 地方独立行政法人長崎市立病院機構評価委員会
令和6年8月1日(木曜日)18時30分~
長崎市役所5階 第1委員会室
令和5年度業務実績及び第3中期目標期間終了時における業務実績に係る長崎市評価(案)について
【事務局】
定刻となりましたので、ただいまから令和6年度第1回地方独立行政法人長崎市立病院機構評価委員会を開催いたします。
本日、委員7名中7名がご出席ですので、地方独立行政法人長崎市立病院機構評価委員会条例第7条第2項の規定により、委員の過半数の出席により会議は成立いたしておりますことをご報告いたします。
それでは、市民健康部理事より開催のご挨拶を申し上げます。
~挨拶(略)~
それでは、皆様、お手元にあります委員名簿をご覧ください。
本委員会につきましては、前回、第4期中期目標を定める際にご意見をいただいて以来、およそ1年ぶりの開催となり、また、今回から新たに2名の委員の方が就任されましたので、改めて全ての委員の皆様をご紹介させていただきます。
~委員紹介(略)~
次に、本日出席しております地方独立行政法人長崎市立病院機構及び事務局の職員紹介をいたします。
~地方独立行政法人長崎市立病院機構職員及び事務局紹介(略)~
会議に入ります前に、資料の確認をお願いします。会議次第、出席者名簿、座席表、資料1の令和5年度・中期目標期間の終了時における業務実績に関する法人評価・長崎市評価(案)一覧、資料2の評価の基準(総合的な評定)、資料3の令和5年度業務実績に関する評価(案)、資料4の第3期中期目標期間終了時における業務実績に関する評価(案)、資料5の事業報告書、資料6の財務諸表等、参考1の評価に関する基本方針、参考2の評価に関する実施要領、参考3の評価委員会に関する資料、参考4の令和6年度評価委員会進行スケジュールになります。以上、配布漏れ等はございませんでしょうか。
それでは、これからの議事進行につきましては、委員長へお願いしたいと思いますので、委員長よろしくお願いいたします。
【委員長】
それでは、次第に従いまして議事を進めます。
次第2の評価委員会スケジュールについて事務局から説明をお願いします。
【事務局】
評価委員会のスケジュールについてご説明します。
資料は参考4の令和6年度評価委員会スケジュールについてをご覧ください。
評価の項目を一覧表にしておりますが、評価案に対するご意見につきましては、評価単位ごとに行いたいと考えておりまして、評価単位は、表に記載の24項目でございます。
本日は、第1回8月1日と書いてある赤囲み部分の第2の住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」につきまして、ご意見をいただければと考えております。
なお、第2回、第3回は表のとおり予定しておりますが、進行次第では、繰り上げて審議をしていただく可能性もございますので、よろしくお願いいたします。説明は以上になります。
【委員長】
スケジュールについて、ご質問・ご意見はございませんか。
次に次第3の地方独立行政法人長崎市立病院機構評価委員会における評価の基本方針及び業務実績評価の実施要領について」事務局から説明をお願いします。
【事務局】
法人の業績評価を市長が行うにあたり、評価の基本方針及び実施要領を定めておりますので、説明いたします。
資料は参考1の地方独立行政法人長崎市立病院機構の業務の実績の評価に関する基本方針をご覧ください。
1の評価の目的でございますが、市長が法人へ指示した中期目標の達成に向け、法人の業務の実績を評価し、必要な業務改善を促し、中期目標の実現を目指すこと、また、法人の継続的な質の維持・向上に努めることを目的としております。
次に2の評価の方法でございます。
評価は、中期目標の定める項目ごとに実施状況の調査・分析を行い、中期目標の達成状況について総合的に評価します。
なお、中期目標を達成していない場合は、必要な業務改善を指摘できるように評価を実施します。
続きまして3の専門的見地からの意見聴取でございますが、市長が行う評価に対し、医療や経営・財務の専門的な知識及び医療現場の実情に識見を有する方々の専門的見地から意見をいただくことで、評価の妥当性など適正な評価に努めることとしております。これが、この評価委員会の役割ということになります。
続きまして4の評価対象とその目的でございます。
今年度実施するのは、(1)の年度評価と(3)の中期目標期間の実績評価になります。事業年度(令和5年度)の業務の実績評価を行い、中期目標達成に向けて、必要な業務運営の改善に資することと、中期目標期間(令和2年度~令和5年度)の業績の評価を行い、業務運営の改善に資することを目的としております。
最後に5の評価結果と業務改善につきましては、法人は、評価結果及び業務改善の指摘等を受けたときは、法人として取り組む事項を明確にし、改善に取り組まなければならず、また、その改善状況等を適時市長へ報告することとなっております。
続きまして、資料は、参考2の地方独立行政法人長崎市立病院機構の業務の実績の評価に関する実施要領をご覧ください。
1の評価単位ですが、評価単位は、表にグレーで色を付けている小項目で、24項目あります。
次に、2の評価の実施手順ですが、先ほどもご説明しましたとおり、今回は、(1)年度評価と3ページ目下段にあります(3)中期目標期間の実績評価を行います。
いずれも手順としましては、2ページ目にあります1.、2.のとおり、法人から市長へ提出された自己評価を含めた年度及び中期目標期間終了時における業務実績報告書について、長崎市が、法人にヒアリング等により、法人の業務の実績について、調査・分析を行い、中期目標に対する達成状況及び進捗状況並びにその判断理由や改善事項を記載した市民健康部評価案、以降、長崎市評価案と呼ばせていただきますが、評価案を作成しています。
評価案は、令和5年度の実績評価が資料3、中期目標期間の実績評価が資料4、令和5年度と中期目標期間の評価を1枚にまとめたものが資料2でございます。
次に3.、長崎市評価案に記載した評価内容について、達成状況、進捗状況等及びその判断理由の妥当性などについて評価委員会から意見をいただきます。
それから4.、長崎市において、評価委員会の意見を踏まえ、改善事項を含めた評価案を作成し、3ページ目にあります7.、評価を決定した後は、評価」結果を法人へ通知するとともに、重大な改善点等がある場合は、改善命令を行います。
次に、3の評価の基準(総合的な評定)ですが、年度評価、見込評価、実績評価の各評価に応じた評価基準を設定しております。
年度評価に関しましては、(1)に記載のとおり、当該年度の業務実績が中期目標の達成に向けてどれだけ進捗したかという進捗状況をS、A、B、C、Dの5段階で評価します。
一方、中期目標期間の実績評価に関しましては、次の5ページにあります(3)に記載のとおり、中期目標期間終了時の中期目標を達成しているか、していないかをA、Bの2段階で評価し、「B」の達成していない場合は、現状の進捗状況をB1(軽微な改善を要する)、B2(改善を要する)、B3(重大な改善を要する)の3段階で評価します。
また、(4)に記載のとおり、評価と併せて、改善点を抽出し、必要な改善を求めることとしています。
加えて、必要に応じて改善命令を行うことができることとしています。
続きまして、6ページをご覧ください。
5の評価委員会からの意見聴取の(1)意見聴取の方法でございますが、まず、1.事務局から、法人の取り組み状況と法人の自己評価をご説明したうえで、長崎市の評価案により、達成状況及び進捗状況の評価並びにその判断理由の説明を行います。委員の皆様からは、その評価が、適正であるか、妥当であるか、もっと評価を上げるもしくは下げてもいいのではないかといったご意見をいただきたいと思います。
2.業務運営の改善点についても、改善策も含めご意見をいただきます。
また、3.のとおり、委員の皆様は、本日出席しております法人に対しても、業務の実績などの説明や資料を要求することもできます。
以上のように、委員の皆様からは専門的立場から、長崎市の評価(案)や改善事項が、適正かつ妥当な評価であるかについてのご意見をいただきたいと思います。
なお、資料2に、A評価やB1評価など評価の基準を1枚にまとめておりますので、ご審議の際にご参照ください。私からの説明は以上になります。
【委員長】
基本方針、実施要領について、ご質問・ご意見はございませんか。
それでは、次に次第4の令和5年度業務実績報告及び第4期中期目標期間終了時における業務実績に係る長崎市の評価(案)についてになります。
委員の皆様、A4サイズ1枚ものの資料1をご覧ください。
先ほど事務局からも説明がありましたが、評価は、評価単位ごとに行います。
法人の自己評価と長崎市の評価理由について、事務局が説明をしていきますので、委員の皆様からご意見をいただきたいと思います。
では、1番目の評価単位、第2住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項の1診療機能、(1)目指す医療、ア救急医療から事務局説明をお願いします。
【事務局】
この項目の中期目標は、救命救急センターにおいては、適正な人員体制のもと安定した運営を行い、救急搬送応需率を向上させること。また、長崎市全体の救急医療体制の充実を図るため、地域の医療機関と消防局との連携及び役割分担を行うこと。さらに、救急医療人材の育成に努めることとしております。
救急搬送応需率の目標値は前年度より向上させることとしておりますが、令和4年度よりも令和5年度は若干落ちている状況です。
この項目について、令和5年度実績の法人の評価はA評価としており、長崎市の評価もA評価としております。
実施状況につきましては、救急専従医を8名に増員し、救命救急センターとして重症患者の受入体制を強化したこと。
また、令和5年度の応需数は4,021台と医療圏最大の救急患者を受け入れていること。
令和5年12月から救命救急センター主導による誤嚥性肺炎早期転院プロジェクトを連携病院と開始し、患者の早期社会復帰に向けた取り組みを行っていること。
病院機構が提案した輪番病院体制の改正案が県に承認され、地域医療体制の更なる充実に向けて大きく前進し、令和6年度からは、新たに1病院が輪番病院体制に加わり、土日祝日における3病院体制が実現することとなったこと。
研修医、留学生及び救急救命士(専門学校生含む)を対象とした研修を実施し、次世代の医療人材育成を行い、また、地域の開業医、勤務医及び看護師を対象に災害、熱傷および在宅医療等についての勉強会を計6回開催し、地域医療従事者の知識・技術の向上を支援しております。
法人の評価理由は、救急車受入れ件数は減少したものの、長崎市の救急医療体制の充実及び適正化のために院内外との調整、また教育についても積極的に行ったことから計画に基づき着実に実施していると判断し、A評価としております。
長崎市の評価理由は、法人の評価・評価理由と同様に、中期目標の達成に向け、令和5年の長崎医療圏の救急搬送件数約25,000件のうち、長崎みなとメディカルセンターでは、医療圏最大数の約4,000件を受け入れていることから、順調に進んでいると評価し、A評価と判定いたしました。
また、中期目標期間4年間の評価についても、法人、長崎市ともにA評価としております。
法人と市の評価理由としましては、令和2年1月の救命救急センターの設置後、救急医の数は着実に増加し、救命救急病床の運用を再開するなど、組織体制と機能の拡充を達成し、24時間365日受入れ体制を維持したこと。
コロナ診療に注力したことと、その影響による看護師の不足から一般病床への受入を制限したことで、経年的な応需率の低下は不可避であったものの、長崎医療圏において常に最多の救急搬送を受入れ、緊急レベルの患者搬送数も年度間の大きな増減はなく、一定の水準を保つことができており、厚生労働省による救命救急センター充実段階評価は本期間中A評価を維持していること。
また、みなとメディカルセンター主導で地域の医療機関や行政との連携が強化されており、さらに研修医や救命救急士ら次世代を担う救急医療人材の教育や育成を積極的に行い、救急医療体制の充実を図ってきていることから、みなとメディカルセンターの救命救急センターは、長崎市の救急医療体制の充実に寄与するとともに、地域の救急医療体制の中心としての唯一無二の地位を確立してきていることから中期目標を達成しているとし、法人、市ともにA評価としています。
この項目の説明は以上になります。
【委員】
救急搬送応需率について、目標値が前年度より向上させることとなっているが、目標を達成していない状況です。目標を達成していないにもかかわらず、特に改善点がないというのは違和感を感じます。
【事務局】
応需率は下がっているが、みなとメディカルセンターの救急搬送件数自体は多くなっていることから、A評価とした次第であります。
【委員】
みなとメディカルセンターが頑張って努力されているのは重々承知しているが、目標を達成していないのにA評価ということに違和感があり、まだB評価であればわかるのですが、A評価というのは改善点がないということになるので、私はB評価でいいと思うのですが。
【事務局】
委員ご指摘の点はごもっともだと思うのですが、目標値として掲げている以上はここによるべきだとは思うのですが、応需率という目標値を設定したものの、消防からのリクエスト件数が年々増えており、みなとメディカルセンターの応需件数は上がっていることから、A評価とさせていただいているところです。
【委員長】
応需率は分母と分子の計算になりますので、分子の方はこれまでと同様に受け入れているが、分母のリクエストの部分がそれ以上に増えてしまったということだと思うが、輪番病院が1つ増えたことも影響しているのか。
【事務局】
輪番病院は令和6年度から増えましたので、そこの部分は令和5年度以前にはあまり影響はないかと思います。
【事務局】
応需率が下がったことは、委員長が言われるようにリクエストの部分がみなとメディカルセンターに集中しているということはあろうかと思います。
【委員】
私も改善すべき点はないということでAとしていると思うが、他の長崎市の総合計画の会議では、目標を達成していなかったら、バツといった明確な決まりがあったかと記憶していますので、今回はあやふやだなという印象を受けました。単純になぜ達成していないのにA評価なのかという疑問があります。
【事務局】
中期目標では、目標値というのは指示しておりませんで、市が指示した中期目標に対して法人が中期計画として目標値を設定したということがございます。お答えになっていないかもしれませんが、中期計画に定めた目標値を達成していないことで、中期目標自体を達成していないということにはならないという判断をしたところでございます。法人の自己設定目標値としてとらえていただければと思います。
【病院機構】
応需率は下がっているが、その改善方法として、早期転院プロジェクトを開始する、輪番病院を増やすことを提案したりなど、不応需で患者さんが困らないような手立てを機構としても行ってきたと思っています。評価は応需率だけではなくて、中期目標を達成しているかどうかということをトータルで考えて、A評価した次第であります。
【委員】
応需率は令和2年度から5年度にかけて、年々下がっていますよね。そういう点で達成できていないし、中期目標に適正な人員体制のもと安定した運営を行うと書いてあるが、そういう面でも看護師不足で受入ができていないということも、適正な人員体制となっていないから安定した運営となっていないのではないか。
【事務局】
コロナ前と令和5年度を比較したところ、医療圏で約13%応需件数は伸びているのですが、不応需件数は約3倍増えております。どこの輪番病院も不応需が伸びている中でみなとメディカルセンターだけ応需率を上げるということが中々難しい状況になっております。そういった中でも努力をされているというとこでA評価としている部分もございます。
【委員】
目標値を前年度より向上としている中で、令和2年度から毎年度下がっているということであれば、やはり改善すべき点はあると私も思います。
【委員長】
委員会としてB評価ということになれば、長崎市の評価もB評価ということになりますか。
【事務局】
今回、委員会の意見を踏まえて長崎市で最終的に判定するということになります。
【委員】
委員会でB評価と決めたのに、長崎市が持ち帰って、私たちが知らされないまま仮にまたA評価とされるとこの委員会を開く意味はないと思います。
【事務局】
法で評価は市長が行うとなっておりますので、今回のように識見がある委員の皆様のご意見を踏まえてうえで、最終的な評価は市長ということになります。当然、最終的な評価は委員の皆様へお知らせさせていただきます。
【委員長】
それでは皆さんこの救急医療の項目は、委員会としては令和5年度の評価はB評価、第3期中期目標期間の評価はB1ということでよろしいでしょうか。
【委員】
異議なし
【委員長】
次に、1-(1)-イの高度・急性期医療について事務局説明をお願いします。
【事務局】
中期目標は、がん・心疾患・脳血管疾患の3大疾病等をはじめとした高度急性期医療の提供においては、地域の医療機関との連携及び役割分担を継続して行うこと。
また、地域がん診療連携拠点病院、地域脳卒中センターとして、地域の中核的役割を果たすこととしております。
この項目について、令和5年度実績の法人の評価はA評価としており、長崎市の評価もA評価としております。
実施状況につきましては、特定集中治療室管理料1については、令和5年度も施設基準を維持し、院内外の重症症例を受入れる医療体制を継続したこと。
全身麻酔手術件数は目標の2,000件には達しなかったものの、令和4年度と比較し15件増加し、中期期間で最も多い件数となったこと。
がん放射線療法看護認定看護師の資格取得希望者1名に対し、研修受講を支援し、審査受験の資格を取得したこと。
泌尿器科及び消化器外科を中心に、ロボット支援下手術を積極的に推進し、1症例目を令和5年4月12日に実施した後、令和5年5月に当院ホームページにロボット支援下手術に関する専用サイトを設け、情報発信を強化し、集患に努めた結果、年間計53件(呼吸器外科21件、消化器外科12件、泌尿器科20件)の実績をあげたこと。
心臓血管内科では、ホットライン体制により24時間365日患者を受入れられる体制を維持し、さらに、医師1名が日本心血管インターベンション治療学会の専門医資格を新たに取得し、より安心で専門的な診療体制を構築したこと。
カテーテル治療の件数は、令和5年4月から不整脈診療を再開し、心臓カテーテルアブレーション治療(経皮的心筋焼灼術)をはじめとして84件の診療を実施し、幅広いニーズに対応できる体制を充実させたこと。
脳血管疾患24時間365日の体制を整えるため、長崎大学とも協力し週3日の夜間・休日のホットラインを設け、他の4日間は脳神経内科・外科でオンコール体制を敷きつつ、救命救急センターで初診を受ける脳血管疾患患者が増加したことに伴い、救命救急センターと緊密に連携することで救命救急医と脳神経担当医が協働して受入れる体制を充実させ、迅速かつ柔軟な受入れ対応を行い、その結果、令和5年度には血栓溶解療法(t-PA)や経皮的脳血栓回収術の件数も増加したことから、地域脳卒中センターとしての役割を果たすことができています。
評価理由は、法人、市ともに、スタッフが不足する中でも、新規医療技術の導入や医療の質の向上に向けて様々な職種が取り組むなど、当院は地域急性期・高度急性期医療の中核的役割を果たしており、中期目標達成に向けて計画を着実に実施していると判断し、A評価としています。
また、中期目標期間4年間の評価も法人、市ともにA評価としております。
4年間の評価理由につきましては、集中治療部門では、医師、看護師及び臨床工学技士の重点配置と協力体制を強化し、施設基準の最上位である特定集中治療室管理料1を取得したことで、常に院内、院外の緊急症例や重症患者への対応が可能となり、高水準で専門的な医療を提供できる体制が整っております。
がん治療は、本中期4年間を通して地域がん診療連携拠点病院としての指定要件の数値をほぼ全て上回るとともに、令和4年度には手術支援ロボット(ダビンチ)を導入し、泌尿器科、消化器外科及び呼吸器外科を中心に最先端医療の提供体制を整え、がん診療体制及び集学的治療体制を更に強化し、また、がん相談件数も増加しており、地域の医療機関との連携も進んでいます。
心疾患については、令和5年度に医師1名が新たに日本心疾患インターベンション治療学会の定める専門医資格を取得し、一般病院では対応困難な急性期の心疾患の患者を24時間365日受入れる体制を強化しております。
脳血管疾患に関しては、長崎大学病院と連携したホットラインを維持し、24時間365日受入れ体制を分担・維持したこと。
また、心・脳血管疾患については、リハビリテーションを積極的に推進したことで、心不全患者の再発入院率が低下するなど、早期社会復帰を目指した多職種連携による支援の効果がみられています。
以上により高度・急性期医療における地域の中核的役割を担うという目標を達成していると判断し、法人、市ともにA評価としております。
この項目の説明は以上になります。
【委員長】
イの高度・急性期医療について、令和5年度の市の評価と中期目標期間の評価いずれもA評価とした評価理由について説明がありましたが、皆様からご質問、ご意見はございませんか。
【委員】
意見なし
【委員長】
それでは、イの高度・急性期医療については、評価理由について、特に意見なしとし、この項目は、令和5年度の評価はA評価、第3期中期目標期間の評価もA評価ということでよろしいでしょうか。
【委員】
異議なし
【委員長】
それでは次に、1-(1)-ウの小児・周産期医療について説明をお願いします。
【事務局】
中期目標は、地域周産期母子医療センターとして、地域の医療機関との連携及び役割分担を行い、小児・周産期医療におけるハイリスク出産や早産児等の受入れ体制を持続させるとともに、小児・周産期医療を担うスタッフの育成を進め、住民が安心できる医療提供体制を維持することとしております。
この項目について、令和5年度実績の法人の評価はA評価としており、長崎市の評価もA評価としております。
実施状況につきましては、病棟看護師を産科と産科以外の2チームに分け、妊産褥婦の観察及び看護並びに化学療法看護の教育体制を整備し、ユニットマネジメント体制を構築したことなどがございます。
法人及び市の評価理由は、ともに病床数制限という外的要因で実践が十分でなかったが、教育も着実に実施しているため、通常の病床運用再開時にはユニットマネジメント体制で稼働できるようになっている。
このため、中期計画達成に向けて、計画を順調に実施していると評価し、A評価としています。
また、中期目標期間4年間の評価も法人、市ともにA評価としております。
4年間の評価理由につきましては、コロナ禍の中、他医療機関では対応が困難な感染妊婦への対応を担うとともに、ハイリスク出産や32週未満の新生児・極低出生体重児への対応を継続しつつ、母児同室の導入や新生児蘇生法講習会の開催など、地域の住民が安心して医療を受けられる体制を推進していること。
また、対象病棟において産科と他科患者をゾーニングし、産婦が安全で安心して分娩ができるようユニットマネジメントの令和6年度導入に向け、検討を進めており、地域周産期母子医療センターとして、医療体制の維持と向上、人材育成、地域のニーズへの対応を推進していることから中期目標を達成したと判断し、法人、市ともにA評価としております。
この項目の説明は以上になります。
【委員長】
ウの小児・周産期医療について、令和5年度の評価と中期目標期間の評価いずれもA評価とした評価理由について説明がありましたが、皆様からご質問、ご意見はございませんか。
【委員】
ユニットマネジメント体制の構築は、妊婦の方が安心して出産できる環境を整えられているので、良い取組だと思います。
【委員長】
小児・周産期医療は、医療の面から市の人口減少対策に貢献する部分であるため、今後も頑張ってもらいたいです。
【委員長】
それでは、ウの小児・周産期医療については、令和5年度の評価はA評価、第3期中期目標期間の評価もA評価ということでよろしいでしょうか。
【委員】
異議なし
【委員長】
それでは、次に1-(1)-エの政策医療について説明をお願いします。
【事務局】
中期目標は、民間医療機関での対応が難しい結核及び感染症医療に引き続き取り組むとともに、新型インフルエンザ等の感染症発生時においては、行政や関係医療機関と連携を図り、迅速かつ適切に対応できる体制の整備を行うこと。
また、災害発生時において、行政や地域の医療機関と連携し、災害拠点病院として患者の受け入れを行い、医療救護活動等を実施するとともに、他の自治体において大規模災害が発生した場合は、医療救護活動の支援に努めること。さらに、透析医療についても、引き続き実施することとしております。
この項目について、令和5年度実績の法人の評価はA評価としており、長崎市の評価はS評価としております。
実施状況につきましては、新型コロナウイルス感染症患者の受入れについては、令和5年度も引き続き137名の入院患者を受入れており、第二種感染症指定医療機関としての機能を十分に発揮しており、また、令和5年度末に遺伝子診断機器を導入し、多数の検体を一括処理し、今後の突発的な感染症流行に対応できる機能を確保しております。
また、結核医療については、8名の患者を受入れ、引き続き結核医療の提供を行っております。
災害医療については、3月2日に南部地域での災害発生を想定し、昭和会病院と合同で災害訓練を実施しており、訓練には、長崎市医師会の看護学生20名も患者役として参加し、総勢約50名が参加したことなどから、第二種感染症指定医療機関及び災害拠点病院として機能向上に取組んでいることから、中期目標達成に向け順調に計画を実施していると判断し、法人の評価はA評価としております。
次に長崎市の評価理由につきましては、令和5年5月8日から新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行したが、それまで、地域の医療機関と行政との連携のもと、県内最大数の患者の受入れを行うなど、第二種感染症指定医療機関としての役割を果たしており、また、同時に結核医療についても新型コロナ対応を行いながらの受け入れを行っております。
加えて、地域の医療機関、長崎市医師会との災害訓練を実施し、災害時の行動を確認し、災害拠点病院としての機能の維持に努めており、特に新型コロナ対応においては、多大なる地域及び地域医療への貢献があったといえることから、中期目標の達成に向け、特筆すべき進捗状況にあると認められることから、S評価と判定しております。
また、中期目標期間4年間の評価は法人、市ともにA評価としております。
4年間の評価理由につきましては、当院は、第二種感染症指定医療機関として新型コロナウイルス感染症診療や結核病床の確保及び治療、災害拠点病院として災害時におけるDMAT派遣による診療応援や訓練など、本中期期間も地域の中核的な役割を継続して果たしてきております。
特に、新型コロナウイルス流行が継続した令和2年度からの3年間を通して県内最大の感染患者の入院を受入れ、令和4年の第7波流行の際には、長崎市と連携して、迅速にドライブスルー抗原検査センターや夜間休日発熱外来の開設を行い、感染検査で困憊する地域の医療機関や救急隊を支援していることから、中期目標を達成していると評価し、A評価としております。
この項目の説明は以上になります。
【委員長】
エの政策医療について、令和5年度の市の評価をS評価、中期目標期間の評価をA評価とした評価理由について説明がありましたが、皆様からご質問、ご意見はございませんか。
【委員】
感想になりますが、行政の皆様がコロナ対応を行ったみなとメディカルセンターの皆様に対して、感謝の意を表してS評価にされているのかなと思いました。
【委員長】
それでは、エの政策医療については、令和5年度の評価はS評価、第3期中期目標期間の評価はA評価ということでよろしいでしょうか。
【委員】
異議なし
【委員長】
次に1-(2)の地域医療への貢献と医療連携の推進について事務局説明をお願いします。
【事務局】
中期目標は、地域医療に貢献するため、地域の医療機関と連携・協力体制をとり、診療情報・資源の共有化を図りながら、地域医療支援病院としての役割を果たすこと。
また、地域包括ケアシステムの中で、地域において切れ目なく在宅医療や在宅介護につなげるため、医療、介護における各関係機関と相互に情報共有し、連携を強化すること。
さらに、地域医療構想を踏まえ、地域の医療機関との役割分担、機能分化や連携について積極的に検討を進めることとしております。
この項目について、令和5年度実績の法人評価はA評価としており、長崎市の評価もA評価としております。
実施状況につきましては、地域医療連携をより強固にするため、特に転院が多い医療機関8施設、長崎リハビリテーション病院、長崎友愛病院、昭和会病院、長崎記念病院、長崎病院、上戸町病院、重工記念病院、十善会病院を訪問し、コロナ禍で中断した連携体制の再構築に向けた協議を進めております。
救急患者の誤嚥性肺炎に対する早期転院プロジェクトをはじめとして、整形外科の大腿骨頚部骨折など、診療科別や疾患別に連携を強化することで、より適切な治療を受けられる体制の構築を進めております。
また、患者が必要な医療機関をスムーズに選択できるよう、地域別に連携医療機関のリーフレットや連携一覧表を患者総合支援センター前に設置し、わかりやすい情報の提供を行っております。
病床再編プロジェクトチームを設置し、休止病棟の活用案として、外来化学療法室の拡充やデイサージャリー(日帰り手術)室の設置など高度医療の提供を充実させる計画を令和5年8月末に作成しております。
しかし、看護師不足により病床稼働率が低下している中、今後の病院運営方針に基づき病床再編を具体化する必要があることから、大規模再編は見送ることとなっております。
また、令和6年3月5日に長崎県福祉保健部長と済生会長崎病院、日本赤十字社長崎原爆病院とみなとメディカルセンターの院長が集まり、各施設の現状と課題について協議を行っており、公開されているDPC調査分科会や病床機能報告等のデータに基づく各施設の実績を踏まえ、長崎県の医療提供体制の更なる強化に向けた活発な意見交換がなされております。
令和5年度の評価理由ですが、法人、市ともに紹介率、逆紹介率とともに昨年度を上回り、地域医療講演会への参加者や医療相談件数は増えてきており、地域医療支援病院としての役割を果たしていると考えられ、また、地域医療構想を踏まえた検討を行っていることから、中期計画達成に向け順調に計画を実施していると判断し、A評価としております。
また、中期目標期間4年間の評価は法人、市ともにA評価としております。
4年間の評価理由につきましては、コロナ禍により医療機関との面談や対面での研修会実施が難しい状況であったが、WEBでの会議や講演会、及び遠隔画像読影診断など新たな医療連携ネットワークシステムを活用し、協力体制の強化を進めた結果、紹介率、逆紹介率も年々改善し、毎年度の目標値を大きく上回っております。
また、新型コロナウイルス感染症の5類移行後には、地域包括ケア病棟をもつ回復期・慢性期を担う後方病院を中心に連携体制を再構築・強化するための協議を進め、さらに地域医療構想を踏まえた急性期医療の連携、集約と機能分化に向けて、医療機関間でDPCデータを共有し、相互分析を進めた中で、当院の適正病床数について積極的な検討を行い、55床を試験的に休床し、休床届を令和4年度に長崎県に提出しております。
以上のことから、地域医療機関との連携、協力及び診療体制の検討は、順調に進んでおり、中期目標を達成していると評価し、A評価としております。
この項目の説明は以上になります。
【委員長】
(2)地域医療への貢献と医療連携の推進について、令和5年度の評価と中期目標期間の評価いずれもA評価とした評価理由について説明がありましたが、皆様からご質問、ご意見はございませんか。
【委員】
逆紹介率の目標が40%以上としているのは、ちょっと目標が低すぎると思うのですが。
【病院機構】
この40%というのは地域医療支援病院の承認要件の数値になります。
【委員】
3階北病棟の55床を試験的に休床したことについては、地域医療構想に沿った取組みであり評価できると思います。むしろこの項目がS評価でいいのではないでしょうか。
【事務局】
S評価というお言葉はありがたいのですが、長崎医療圏が地域医療構想の推進が進んでいないということで、令和6年7月にモデル推進区域に選定されておりまして、九州では長崎医療圏のみが選定されていることもあり、地域医療構想が進んでいるとは言いづらいところもございまして、S評価というのはもったいないのかなというところで、市の評価はA評価とさせていただいております。
【委員長】
それでは、(2)地域医療への貢献と医療連携の推進について、令和5年度の市の評価はA評価、第3期中期目標期間の評価もA評価ということでよろしいでしょうか。
【委員】
異議なし
【委員長】
次に1-(3)安全安心で信頼できる医療の提供体制、アの多職種連携によるチーム医療の推進について事務局説明をお願いします。
【事務局】
中期目標は、専門性を活かした医療を提供するため、医師をはじめとした医療スタッフが、診療科や職種を超えた多職種連携によるチーム医療を推進することとしております。
この項目について、令和5年度実績の法人評価はA評価としており、長崎市の評価もA評価としております。
実施状況等につきましては、患者のQOL向上に向けた取り組みを積極的に推進しておりまして、栄養サポートチームについては、NST介入前に病棟担当の管理栄養士の介入で解決する場合も多く、また退院促進により在院日数が短縮されたことにより介入件数は減少傾向にあるが、今後、栄養評価の結果については早期に医師と共有し、チーム介入方法の検討を行いながら、更なる介入件数の増加と早期回復率の向上を目指していくこととしております。
次に院内感染防止対策チームについては、手指消毒薬使用量の目標値は達成していないが、院内感染対策委員会や看護部感染管理チーム会、師長会などで病棟毎の実績や年度推移を報告しながら計画的に達成に向けて取り組んでおり、また、ICTラウンドは、毎週実施し、ラウンド後に問題点の共有と指摘事項の抽出、長期抗菌薬使用患者の情報交換などを行い、院内環境整備の充実を図っています。
褥瘡対策チームについては、褥瘡発生件数は、令和4年度と比較して横ばいの状況でしたが、患者の79%は褥瘡深達度が比較的浅いものでした。
褥瘡専従看護師を中心にチームワークを強化し、看護師教育を充実させた結果、褥瘡リスク者に対しての意識と観察力が向上し、予防ケアの実施とともに早期発見・チーム介入へとつながり、褥瘡ハイリスク患者ケア算定件数も増加しています。
緩和ケアチームについては、がん患者への緩和ケアにおいて、170名の患者に寄り添い、苦痛軽減と在宅療養支援を行っております。
認知症サポートチームについては、642名の患者の早期離床に向けて院内デイケアを活用した取り組みを行っており、院内デイケアプログラムは、週1回、60から90分程度で認知症看護認定看護師、作業療法士のもと集団的リハビリテーションを兼ねた認知刺激療法を行っています。
摂食嚥下支援チームについては、嚥下機能低下を早期に発見し、誤嚥や肺炎などの重篤な合併症の予防や適切な対策を講じるため、毎週嚥下評価や院内ラウンドを実施した結果、摂食嚥下支援加算件数や摂食機能療法加算件数の増加、および効果的な嚥下訓練や食事形態の調整などに寄与しております。
評価理由ですが、法人、市ともに入院患者が減少した影響で目標値を達成出来ていないチームもあるが、各チームが工夫しながら中期計画の達成に向けて取り組み、早期退院・転院を促進していることから、計画を順調に実施していると判断し、A評価としております。
また、中期目標期間4年間の評価は法人、市ともにA評価としております。
評価理由につきましては、6チームのうち、コロナ禍にあって一般診療規模の縮小により、介入回数が一部減少したチームもあったが、中期目標期間を通して一定数の件数を保持し、継続して有効的に機能していること。
特に、令和2年度から立ち上げた摂食嚥下支援チームは、患者のQOL(生活の質)向上について成果をあげており、また、認知症サポートチームの院内デイケアなどの新しい取り組みが行われるなど、全体的に、多職種連携の取り組みは、年々拡充しており、中期計画として掲げた専門性を生かした質の高い医療提供を行ったと考えることから、目標を達成したと判断し、A評価としております。
この項目の説明は以上になります。
【委員長】
アの多職種連携によるチーム医療の推進について、令和5年度の評価と中期目標期間の評価いずれもAとした評価理由について説明がありましたが、皆様からご質問、ご意見はございませんか。
【委員】
早期転院、退院を促進しているからA評価ということですが、何をもって早期転院、退院を促進していると判断されたのでしょうか。また、早期転院、退院はどこの部署が行っているのでしょうか。
【病院機構】
早期転院を中心に担っている所属は、患者総合支援センターになります。
促進しているという部分については、救急救命センターなどで早期転院プロジェクトを立ち上げたり、また、平均在院日数が前の年度と比べて、1日ほど短くなっているというところで、退院促進を図れたのではないかということで、A評価とさせていただきました。
【委員】
急性期病院における退院支援は重要だと思いますので、入退院支援を行う部署の取り組み内容がわかるように記載した方がいいと思います。
私は退院支援を中心となって行っているのは、医療ソーシャルワーカーだと思うんですね。その記載が出てこないのが残念です。
医療ソーシャルワーカーの取組み、評価という部分も重要ではないかと思います。
【病院機構】
NSTなどいろんなチームが関わることで、早期退院に結び付くということになりますが、どのチームの取組みが平均在院日数を短くしたのかを算定するのは難しいと思っています。
医師や看護師、MSW、コメディカルなどいろんな職種が関わった結果、平均在院日数が短くなったということになるかと思います。
【委員長】
それでは、アの多職種連携によるチーム医療の推進については、令和5年度の評価はA評価、第3期中期目標期間の評価はA評価ということでよろしいでしょうか。
【委員】
異議なし
【委員長】
時間となりましたので、本日の評価については、ここで終了とさせていただきます。次回はこの続きから評価を行いますので皆様よろしくお願いします。
それでは、これで本日の評価委員会を終了いたします。
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