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令和7年3月27日(木曜日) 午後1時00分~午後1時30分(予定)
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鈴木市長
皆さん、こんにちは。
それでは、3月の定例記者会見を始めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、私からまず3点お知らせをさせていただきます。
まずは、情報発信力の強化ということで、公式ウェブサイトとLINEのリニューアルについてでございます。
いつでもどこでも気軽に長崎市の情報をお届けできるように、公式ウェブサイトと公式LINEをリニューアルいたします。まず、長崎市の公式ウェブサイトのほうでございますけども、約10年ぶりのリニューアルでございまして、市民が必要な情報をすぐ入手できるよう検索機能を充実させていただいております。また、ウェブサイトの全ページがスマートフォンに対応しており、見やすくなっております。
それから、公式LINEのリニューアルのほうでございますけれども、これまでのイベント、防災情報などの市役所からの通知だけでなく、市役所の手続、あるいはごみの分別など、市民が知りたい情報をLINE上で入手できるようになっております。さらに、災害時でもスムーズに避難できるように、近くの避難所の場所や開設状況などが確認できるようになっております。
次に、新たなシティプロモーション「長崎のWA!」についてお知らせいたします。
本プロモーションにおきましては、「100年にいちどのその先へ」をコンセプトといたしまして、まちの進化によって実感できるようになった面白さや楽しさ、チャレンジできることを紹介し、人と人との輪を通して、まちへの期待感やシビックプライドの醸成を目指します。
それから、右側、こちらのほうは、広報写真のオープンデータ化についてでございます。
長崎市では、昭和30年代から撮影し続けてきた広報写真のフィルムやプリント写真のうち、約1,700枚をインターネット上で公開いたします。誰でも無料で活用することができます。例えば、水害前の眼鏡橋の写真でありますとか、あるいは復旧工事の様子、あるいはその復旧後どうなったかなど、町並みの変遷を追える写真を公開しておりまして、懐かしく思われる方も多いんじゃないかなというふうに思います。
鈴木市長
2点目でございます。作家、遠藤周作先生の新資料「メリノの歌」の公開についてでございます。
遠藤周作先生が慶應義塾大学予科生であった1944年から45年の時期に制作した自作の文集が見つかっております。所有者の方の御厚意によりましてお借りできましたので、現在開催中の企画展「遠藤周作と狐狸庵展-おどけと哀しみが交わるところ-」におきまして、4月1日火曜日から現物資料を展示いたします。なお、この資料の一部は、新潮社の雑誌「波」5月号で発表されるということでございます。また、「周作塾」という人気を博したエッセイの直筆原稿資料も展示いたします。この機会に多くの皆さまに遠藤周作文学館に足をお運びいただき、展示を御覧いただければと思います。
鈴木市長
3点目でございます。「端島炭坑・高島北渓井坑のVR・CGアニメーションの公開」についてでございます。
今年、世界遺産「明治日本の産業革命遺産」が登録10周年を迎えるこの機に、端島炭坑、通称軍艦島の炭鉱創業当時の様子を再現した360度VR及びCGアニメーションと、高島炭坑の明治期の北渓井坑のCGアニメーションを制作し、本日13時から公開を開始いたしました。アプリケーションソフト「ストリートミュージアム」をダウンロードしたスマートフォンやタブレットにおいて視聴できますので、端島や高島を訪れる方に炭鉱創業当時どのような構造物がそこにあり、どのように石炭生産が行われていたかを仮想体験していただき、日本の近代化に貢献した石炭産業の遺産の理解につなげていければというふうに考えております。
鈴木市長
続きまして、次は私から3点報告をさせていただきます。
まず1点目、長崎南北幹線道路と平和公園スポーツ施設再配置についてでございます。
長崎市におきましては、長崎南北幹線道路の整備に当たりまして、平和公園スポーツ施設を再配置する必要があると考えておりますが、その理由や再配置計画の内容などについて、必ずしも十分に市民の皆さまに御理解いただいてはいないと感じておりますので、ここで御説明させていただきます。
まず、長崎南北幹線道路の概要について御説明いたします。
長崎南北幹線道路、全体として出島道路から時津インターチェンジを結ぶ高規格道路でございます。そのうち、供用済みの、こちら県道浦上と、こちら時津インターチェンジ、この区間の整備計画におきまして、松山インターチェンジ、そして滑石インターチェンジ、この2つのインターチェンジを新設予定でございます。市民の暮らしと命を守る極めて重要な道路でございまして、特に長崎市北部の市民の皆さまを中心に、一刻も早い完成が強く求められているところでございます。
次に、南北幹線道路の主な整備効果について御説明いたします。
1つ目は、長崎・佐世保間の移動時間短縮でございます。時津と佐世保を結ぶ西彼杵道路と南北幹線道路をつなぐことで、長崎市から佐世保市まで、現在このルートで76分かかっております。それが南北幹線道路、西彼杵道路ができますと54分へ短縮できます。この南北幹線道路、西彼杵道路の沿道周辺には、2つの世界遺産、あるいは夜景、ハウステンボスなど魅力的な観光資源が点在しておりまして、交流人口の拡大が期待できますとともに、新たな企業進出や雇用の増加などの産業振興により経済活性化が期待されるところでございます。
2つ目の整備効果は、渋滞緩和でございます。こちらの写真は、国道206号赤迫付近の渋滞状況でございますけれども、国道206号では1日当たりの交通量が四、五万台と多く、朝夕など慢性的な交通渋滞が発生しているところでございます。長崎南北幹線道路の整備によりまして、この渋滞の緩和が期待されます。
西彼杵道路では、令和5年2月に時津港区3.4キロが完成しましたが、これによりまして、子々川交差点から井出園交差点までの所要時間が、それまでの約30分から約10分へと、約20分も短縮されているところでございます。
長崎市の試算によりますと、長崎南北幹線道路の整備によりまして、国道206号の井手園交差点、長崎駅前まで通勤時間帯の混雑時で見ますと、現在約40分かかっているところが約20分へと大幅な時間短縮を見込んでおります。この渋滞緩和によりまして、生活圏や通勤圏が拡大し、定住人口が増加することなども期待されるところでございます。
3つ目の整備効果、災害・事故に強いまちづくりでございます。長崎市は、これは全国の県庁所在地の高規格幹線道路のネットワークの図でございますけれども、全国の県庁所在都市の中で、長崎市は唯一のシングルネットワーク、つまり自動車専用道路が1本しかない都市でございます。これが大規模災害などで寸断されますと、救助・支援活動に大きな支障となることが懸念されるところでございます。長崎南北幹線道路がこういうふうにできますと、これがダブルネットワークになるということで、道路が1本寸断されても、もう1本の道路で迅速な救助・支援活動が可能となってまいります。
4つ目の整備効果でございます。救急患者の救命率向上でございます。道路が渋滞しておりますと、この写真のように、救急車が車両の脇を縫って救急搬送すると、こういうことになってまいります。これが長崎南北幹線道路の整備によりましてどうなるかというと、例えば病院まで現在約30分かかっている場所からの所要時間が約10分になったとした場合、呼吸停止した患者さんの生存率は約65%増加するということが期待できるわけでございます。そういう意味では、まさに命を守る道路というふうに考えております。
以上のように、市民の皆さまの命と暮らしを守ることが期待される長崎南北幹線道路の整備でございますが、ルートやインターチェンジの位置につきましては、長崎県におきまして、専門家による検討や地域住民の皆さまとの意見交換などを経て、平和公園西地区を経由するルートで、現在のプールの場所にインターチェンジを設置することが令和3年に都市計画決定されております。
このため、プールをはじめ平和公園スポーツ施設を再配置する必要が生じたことから、再検討部会を設置し、陸上競技場の存続を求める市民団体の代表の方をはじめ、幅広い関係者の皆さまの参加の下ネットでライブ配信するなど、ガラス張りの状況で議論を積み重ねてまいりました。
その結果、インターチェンジ予定地に当たりますプールの移転先は、スタジアムシティ隣の中部下水処理場、スタジアムシティはここで、中部下水処理場はこちらになります。これは南、北という方向になります。こちらが平和公園スポーツ施設のエリアになります。プールがこちらでございます。プールを中部下水処理場の跡地に移転するか、あるいは現在の松山の陸上競技場の場所とするか、この2か所に候補地が絞られたわけでございます。
このうち、スタジアムシティ隣の中部下水処理場跡につきましては、これはプールを整備するとなると、ここは埋立地でございますので地盤が弱いと。地下に構造物も埋まっているということで、地盤対策だけで20億円以上のコスト増になるなど、こちらの陸上競技場の場所に比べて財政負担が大きくなるということが明らかになっております。
こういったことなどを踏まえまして、長崎市におきましては、プールは陸上競技場の場所へ、そして陸上競技場の400メートルトラックは中部下水処理場跡へと、こちらのほうにも示しておりますけども、そういう形で移転することが適当であると結論づけているところでございます。
また、ソフトボール場は柿泊町にあります総合運動公園のほうへ、また庭球場はこちらですね、庭球場と弓道場はソフトボール場跡へ再配置することとしておりまして、現在、競技団体の方々と協議を進めているところでございます。
ここからは、プールの移転先となる市営陸上競技場に関するさまざまな御意見をいただいておりますので、主な御意見への対応について御説明いたします。
現在の陸上競技場は、主に高校生などが400メートルトラックで陸上競技の練習に活用しているほか、外周路での散歩、ジョギング、休憩など、多様な目的で多くの市民の皆さまに御利用いただいているところでございます。
まず、陸上競技の練習環境を維持確保してほしいという御意見につきましては、長崎スタジアムシティ隣の中部下水処理場跡に400メートルトラックを備えた陸上練習場を整備するということ、これは先ほど御説明したとおりでございます。
次に、ジョギングや散歩で多く利用されている外周路や広場を維持確保してほしいという御意見につきましては、外周路を現状規模の600メートル程度、これで600メートル程度引き続き確保するということになっております。
また広場につきましても、現在の陸上競技場の場所ですね、こちらにこういう形で広場、約8,000平方メートル程度になりますけれども、この広場を整備するほか、先ほど御説明したとおり、400メートルトラックはスタジアムシティ隣に移転して陸上練習場という形になりますので、これらを合計すれば、少なくとも現状と同程度の広場面積を確保できるというふうに考えております。
続きまして、原爆犠牲者を悼み、平和への思いを共有する場を残してほしいという御意見をいただいております。ここで大切なことは、スポーツゾーンであります平和公園西地区、これ全体が原爆で壊滅的な被害を受けた場所であるという事実を多くの方に知っていただくとともに、犠牲者を悼み、平和への思いを共有していただくということでございます。平和公園西地区、かつて駒場町と呼ばれておりまして、これは原爆投下直前の8月7日の航空写真でございますけれども、北側には民間の家屋でありますとか、あるいはいろいろな工場が立ち並んでいたと。一方南側のほう、三菱の陸上競技場がここにあったということでございます。
被爆当時、駒場町には約230世帯、昼間人口3,700人余の人々が暮らしていたと言われますが、町の全域が爆心地から500メートル圏内という至近距離のため、ほぼ全員が犠牲になり町は壊滅いたしました。被爆の2か月後には、進駐米軍がここに簡易飛行場を、こういう形で、これは1947年、2年後の航空写真になりますけれども、この焼け野原にこういう形で、駒場町の中央を横切るような形で、簡易飛行場が駐留米軍によって造成されております。これが現在の航空写真でございますけれども、こういった駒場町の被爆の歴史は、決して忘れてはなりません。
その後、この地区、昭和26年に爆心地や平和祈念像などがある東地区のほうと合わせて、こういう形で平和公園となっております。平和西地区は、市民にとってもなじみの深いスポーツゾーンとなりまして、スポーツ施設の設置や改廃、更新をこれまでも繰り返してきたところでございまして、引き続きこのコンセプトを大切にしていきたいというふうに考えております。
次のスライドですが、現在の平和公園西地区の航空写真になりますけれども、被爆前の建物のところを赤色で示しております。そして黄色が駐留米軍による簡易飛行場でございます。そして青色のところは、長崎市のほうで陸上競技場の関係で実施した工事を示しております。
御覧のとおり現在の陸上競技場の場所の大部分は、赤の輪郭でお分かりいただけると思いますけども、ここが旧三菱陸上競技場でございます。この跡地になります。この旧三菱陸上競技場の場所でございますけれども、こういった工場とか建物が建て並んでいるエリアと違って、建物の空白地帯でございます。したがって、駒場町のそれ以外のこういったエリアと比べれば、遺骨とか遺構が発見される可能性は低いというふうに考えられます。
旧三菱陸上競技場でございますが、被爆直後に遺体の屋外火葬の場となりましたが、旧駒場町の住民の方々により丁寧に収骨されまして、大半が原子爆弾無縁死没者追悼記念堂に納骨されたという証言もございます。
したがいまして、総合プール、こちらのエリアにあるわけですけれども、総合プールは現在、犠牲者が比較的多かったと考えられる場所に建っているわけでございますけども、犠牲者が比較的少なかったと考えられる旧三菱陸上競技場跡へ移転するということ、これを御理解いただければというふうに思っております。
なお、スライドにおきまして、この青のところですけども、市営陸上競技場の場所で昭和60年以降に行われた工事をお示ししております。この吹き出しのところで、黄色のハイライトしている部分、これは遺骨の発見状況でございますけれども、昭和60年度に陸上競技場のスタンド改修工事、平成3年度及び9年度に陸上競技場スタンド周りへの下水道管の敷設工事、それから平成23年度に庭球場、こちら平成24と書いてあるけど、平成23年度でございます。庭球場の屋根設置工事を実施し掘削しておりますが、これまでに遺骨や遺構が発見された記録はございません。
なお、それ以外のエリアですね、こっちのエリア、例えば松山町の地下駐車場工事でありますとかビッグNの工事、そういったところでは遺骨が少量見つかっております。
また、今後移転先でのプール整備工事に当たりましては、掘削箇所を丁寧に確認しながら工事を進めさせていただきまして、万一、遺骨、遺構等が見つかった場合には、遺骨であれば収骨いたしまして、原子爆弾無縁死没者追悼記念堂へ納骨するなど丁寧な対応をさせていただきます。
スポーツ施設の再配置に当たりましては、平和発信の場を形成するということで、説明板などにより駒場町の歴史について伝えるための場を平和公園西地区の一角に設置することとしたいと考えております。
このスライド、これは神戸市の神戸港震災メモリアルパークの事例でございますけれども、例えばこのようなイメージで、これまで触れられることが少なかった駒場町の被爆の歴史について発信を強化し、訪れる人に平和への思いを共有していっていただきたいというふうに考えております。
最後になりますけれども、引き続きスポーツ施設再配置につきまして、市民の皆さまに御理解をいただけるよう努めてまいります。
鈴木市長
すみません、長くなりまして。続きまして、報告の2点目でございますが、ロープウェイ延伸についてでございます。
2月議会の一般質問でも市の考え方をお示ししたところでございますが、市民の皆さまに必ずしも十分に伝わっていないと感じておりますので、改めて御説明させていただきます。
初めに、これまでの主な経過でございますが、令和元年度に長崎スタジアムシティの運営管理を行っておりますジャパネットグループ会社、株式会社リージョナルクリエーション長崎から長崎市に対しまして、ロープウェイ延伸提案がなされたところでございます。既存路線の運営に当たって、輸送力の不足や老朽化といった課題がありますので、その解決を前提として、延伸の可能性について調査を実施しております。
延伸可能性調査は、日本ケーブル株式会社に受注いたしまして、令和元年9月から2年3月まで行っております。
本調査では、山麓側の駅舎の位置のみを変更することとして、既存路線を三菱球場の候補地A、または長崎スタジアムシティの候補地Bまで延伸するオレンジ色の案と、既存路線を長崎駅方面にずらして、少し移し替えて、三菱球場の候補地C、そしてあるいは長崎スタジアムシティの候補地Dまで延伸するという黒の点線の案、この計4パターンについて検討を行っております。
その結果、アクセス面における優位性や施工の容易さなどの観点から、既存路線を長崎スタジアムシティの候補地Bまで延伸するこの案ですね、この案を最適とした上で、技術的には延伸可能であるものの、課題のさらなる検討が必要としているところでございます。
延伸可能性調査の結果、明らかになった課題でございますが、まず稲佐山山頂と長崎スタジアムシティ、これは断面図でございます。ロープウェイで結ぶには、ここは浦上川になりまして、この黄色いのが県道浦上川線の高架でございます。これは高さ19メートルあります。これをクリアしなくちゃいけないということで、クリアするために、これは若干デフォルメして直線でこう書いていますが、本当はケーブルはたわんでいますので下がってきます。それをかからないようにということで考えると、稲佐山の中腹に巨大な鉄塔、現在の鉄塔が高さ25メートルありますけれども、これの約3倍の75メートルの鉄塔、これは鉄塔部分が75メートルですけれども、基礎が30メートルありますので、足せば105メートルということで、この市役所が高さ90メートルなんですけども、それの15メートル上回るぐらいの巨大な構造物をつくらなくちゃいけないと、そういうことが分かっております。
大型鉄塔の建設に当たっては、景観の問題など、近隣住民をはじめとする市民の皆さまの御理解が必要不可欠となってまいります。また、工事用取付道路でありますとか、鉄塔大型化に伴う用地につきましても関係地権者の皆さまとの調整が必要となってまいります。
参考までに、このスライドの右側の写真ですけども、75メートルの鉄塔を建設したらどういうふうに見えるかというのを示したものでございますけども、これは浦上川の長崎スタジアムシティ側から鉄塔を見たイメージ図になります。これで御覧いただきますと分かるとおり、75メートルの鉄塔が建つと、稲佐山の山頂とほぼ同じぐらいの高さに見えるというような、そういう景観上の問題も生ずるわけでございます。
また事業実施に当たりましては、ロープウェイの下の関係地権者との調整が必要となってまいります。さらに事業費につきましては、令和2年度時点における概算事業費として、一応約70億円と試算しておりますが、これには用地取得費でございますとか、鉄塔取付道路整備費等を含んでおりませんし、近年の物価高騰、人件費上昇の影響もございますので、実際の事業費は大幅に増大することが想定されるところでございます。
この延伸可能性調査の結果を踏まえまして、令和2年度以降、技術部門も含め、庁内で部局横断的なワーキングを継続して実施し課題を整理するとともに、延伸の場合の技術面や費用面などの諸課題について検討してまいりました。
また、提案者であります株式会社リージョナルクリエーション長崎とも協議を行ってまいりました。
延伸検討ワーキングにおきましては、次のスライドですね。送客数が増加すれば、山頂展望台周辺の収容力が不足することや、電波塔に電波障害が及ぼすリスクから、山頂展望台周辺の拡幅には制約があることなどを確認しているところでございます。
これまでの検討結果を踏まえまして、長崎市としましては、ロープウェイの延伸につきましては、今御説明したようなさまざまな課題があり、短期的にはそれらの課題を克服することは大変難しいというふうに考えております。
他方、既存ロープウェイ施設の鉄塔の老朽化が進む中、将来的には建て替えによる施設更新も必要となってまいります。現時点では、少なくとも令和15年度までは鉄塔の安全性を確認しておりますので、それまでの間の施設更新を見据えながら、延伸を含めたロープウェイ施設の在り方について、今後とも引き続き関係者とも連携を取りながら検討していきたいと考えております。
以上がロープウェイ延伸の検討状況についての説明となります。
鈴木市長
最後に報告の3点目といたしまして、令和6年度の長崎市動物愛護管理センターによる猫の殺処分がゼロとなることについてお知らせいたします。
なお、ここで言う殺処分と申しますのは、動物愛護管理センター収容中に病気やけがといった自然死などにより死亡した猫の頭数を除いた数のことを指しております。
これまで長崎市では、できるだけ早期に猫の殺処分をゼロにするための取組を動物愛護ボランティアの皆さまと協働で進めてまいりました。
このような中、令和5年度には、自然死等を除いた殺処分数が初めて2桁となる23頭となったところでございますが、令和6年度については、まだ年度途中でありますが、ゼロとなる見込みとなりました。
殺処分ゼロを実現できる見込みとなりましたのは、地域猫活動や、動物愛護管理センターに収容した動物の譲渡、あるいは昨年4月に新たに開始しましたミルクボランティア、そういったさまざまな形で御協力いただきました動物愛護ボランティアの皆さま、地域の皆さま、そしてクラウドファンディング型ふるさと納税に御協力いただいた皆さまなど、数多くの方々のお力によるものだと考えております。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
今後とも殺処分ゼロを継続できるよう、動物愛護ボランティアや地域の皆さまと連携を深めながらしっかり取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
記者(NBC)
2点なんですけれども、猫の殺処分のゼロというのが全国的にどれぐらい珍しいことなのか、ほかにゼロという事例は結構あるものなのかということを知りたかったのと、あとロープウェイの延伸についてなんですが、引き続き関係者と連携しながら検討を行うと。老朽化の問題があって、何か新しくまた建て直すときには延伸の可能性はまだ残っているという理解でいいのかというところを、またどういう関係者とこれからも引き続き、リージョナルさんとも今後もずっとそういう話をしていくのかというところも含めて教えていただけますでしょうか。
鈴木市長
まず、猫殺処分ゼロの他都市の例でございますけれども、県内で見ますと、長崎市と佐世保市は中核市ということで市のほうで対応をしておりますけど、それ以外は県の対応になります。
佐世保市につきましては、令和5年度、昨年度、既にゼロを達成して、今年度、6年度もゼロの見込みというふうに聞いております。そして長崎県については、まだゼロを達成していないというふうに聞いております。
それ以外の全国の事例は私のほうで承知しておりませんので、担当のほうから御説明いたします。
動物愛護管理センター
全国的に殺処分ゼロを達成している自治体というのは、どんどん増えてきているところでございます。数を今申し上げるということはできないんですけれども、動物愛護行政は全国的にも大変高まっておりまして、長崎市もそれに負けないように、何とか追いついていけるように頑張っているところでございます。
鈴木市長
よろしかったでしょうか。
続きまして、ロープウェイの御質問でございます。ロープウェイに関する検討でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり老朽化が進んでおりますので、老朽更新を見据えながら今後も検討を継続していくということでございます。そういう意味では、延伸について、将来的にも、中長期的にも可能性がないということは、まだそういう判断はしておりません。
それから、関係者と今後引き続き検討していきますということでございますけれども、そこはロープウェイに関係し得るいろいろな関係者、全ての方々といろいろとお話ししながらということだと思いますが、そういう中に当然、これまでも提案をいただきましたスタジアムシティの運営管理を行っております株式会社リージョナルクリエーション長崎も入っているというふうに思っております。
先ほど申し上げましたとおり、老朽更新のタイミングを見据えながらということでありますので、現時点で短期的には大変困難であるということでもありますので、そういう老朽化更新のタイミングを見据えながら、今後検討していくということになろうかと思います。
記者(長崎新聞)
平和公園のスポーツ施設の再配置について御説明いただいた件で、2点質問があります。まず、この問題については、鈴木市長の就任の前からプールを競技場に移すという案といいますか、方向性みたいなものは1つありまして、その頃から懸念というのが示されていたわけですけれども、鈴木市長が就任1年目に再検討部会を立ち上げられて、透明性を持って議論していくという判断で設置されたわけですけれども、今回このような市としての判断を示されている中で、再検討部会を設置した効果・成果というのを市長はどのように考えているかをまず教えていただければと思います。
鈴木市長
おっしゃっていただいたとおり、私が就任してから、南北幹線道路整備に伴う平和公園スポーツ施設の再配置の問題、私就任当初は、市民の皆さまの声というのがですね審議の中に必ずしも反映されてないんじゃないかと、そういうふうに考えまして、そういう考えの下再検討部会を設置して、幅広い関係者ということで、各スポーツ競技の団体の方でありますとか、あるいは南北幹線道路のユーザーの皆さんでありますとか、あるいは陸上競技場を保存してほしいという活動をされている市民団体の皆さま、そういった幅広い皆さまに入っていただきました。まず、そういう方々の参加の下でしっかりと議論を尽くすということが大切だというふうに思っておりました。
再検討部会設置以降、約1年間にわたって議論を行ってきて、その場で、それぞれの立場で、それぞれさまざまな御意見がありました。そういう中で、移転案も当初4つぐらいあって、その中でさらに2案あったと思います。その2案についてそれぞれの御意見もありましたけども、そういったことについて中間報告がなされたということで、その中間報告を基に最終的に今回の判断をさせていただきました。
こういうふうな結論に至ることができましたのも、再検討部会の皆さまの活発な、そして真摯な御議論のおかげだというふうに思っておりまして、再検討部会の議論に加わっていただいた方々、全ての皆さま方に対して感謝を申し上げたいと思います。
記者(長崎新聞)
ありがとうございます。今のお話の関連なんですけれども、例えば、中部下水処理場跡に陸上練習場をつくるという案はもともとない話だったと思うんですけれども、恐らく再検討部会の議論の中で、練習場を確保するという代案として出てきたものだと思うんですけども、そういった案が出てきたということは、再検討部会を設置したからということなのか、市長としてどんなふうにその辺をお考えでしょうか。
鈴木市長
おっしゃっていただいたとおり、再検討部会で議論する中で、案として中部下水処理場跡に移転するという案も出して、そしてまた議論ができました。これは再検討部会がなかったらそういう案が出てこなかったかどうか、そこは仮定の話になるので、ちょっと分かりません。分かりませんが、ただ再検討部会において、中部下水処理場跡に陸上競技場を移す。400メートルトラックを移すという案が出てきて、その案についての幅広い関係者の皆さまの御意見を聞くことができた、これは再検討部会の意義として大きかったと思います。
記者(長崎新聞)
もう一点なんですけれども、先ほど2案に絞られて、最終的に今の方針に絞ったということだと思うんですが、その1つに絞った決め手といいますか、というところは、先ほどの最初の説明でもありましたけど、20億円という、中部下水処理場跡だと地盤改良に費用がかかってくる、そういう財政負担がもう1案だと大きくなるというのが今の案に絞った決め手となったという理解でよろしいでしょうか。
鈴木市長
御質問ありがとうございます。確かに御指摘のとおり、財政負担として20億円以上、少なく見積もっても20億円以上開きが出てくると。これは判断の大きな決め手になったことは間違いないと思います。
他方で重要なことは、今の中部下水処理場に練習場を持ってくるという案、そういう今の移転案において、今御説明したような市民の皆さまのさまざまな御意見がある中で、そういったの御意見に対してしかるべき対応ができるということ、これは大きいというふうに思っております。そういう意味で、今の案が一番適切であると、適当であるというふうに判断しております。
記者(朝日新聞)
報告とは異なるんですけども、被爆80年の平和祈念式典における各代表招待についてお伺いしたいんですけども、昨年は不測の事態等いろいろ検討して、イスラエルとかロシアの招待を見送ったという経緯がありますので、今回、いわゆるイスラエル関係で言うと、またガザへの空爆があって、国際社会からもいろいろ懸念とか批判が表明されています。こうした状況を踏まえた上で、市長として、昨年同様、そういう判断基準を踏襲しての見送りになるのか、また一方、市長自身も紛争当事国、全ての国に来てもらって被爆地を見てほしいという思いもおっしゃっていたので、招待状交付というのはもう少し先ではあるんですが、現状として今考えていること、基準も踏まえてどう捉えているのかというのを教えてください。
鈴木市長
まず結論から申し上げますと、今年の招請につきましては、まだ現時点においては決めていませんし、今後の情勢などを総合的に見させていただきまして、それらを勘案して、改めて招請について判断させていただきたいというふうに思っております。
おっしゃっていただいたとおり、今年は被爆80周年ということで、今年の平和祈念式典は特別な平和祈念式典であるというふうに思っております。そういう中で、昨年も私のほうから申し上げたとおり大切なのは、平均年齢85歳を超えている被爆者の皆さまが、高齢のお体にむちを打って平和式典に御参加されたりしています。そういう中で、しっかりと平穏かつ厳粛な雰囲気の下で円滑に平和記念式典を遂行したいと、何者にも邪魔をされることはあってはならないというふうに考えております。そういう円滑な式典の確保というところがございます。
他方で、招請国の点につきましては、これはかねてから申し上げておりますとおり、核保有国、非保有国問わず、あるいは紛争国、非紛争国問わず、原則として全ての国の代表に平和記念式典に御参列いただきたい、その思いもまた強く持っております。これは被爆80周年だからこそなおさら強く思っておりますし、また現在のように、国際情勢が大変厳しい状況だからこそそういう思いも強く持っているというところもございます。
そういうところで、最終的にどう判断するかというのは、先ほどの繰り返しになりますけれども、情勢を総合的に勘案させていただきながら判断させていただきたいというふうに思っております。
記者(朝日新聞)
分かりました。今の補足で、招待をどうするかというのはまだ決定していないというのは理解した上での確認なんですけども、今後もしイスラエルの状況が続いた場合に、それは昨年判断したような国際情勢と似たような状況になると思うんですけども、それを踏まえても、例えば去年と同じような判断をするのか、もしくは新しく招待の考え方を抜本的に見直して全てを呼ぶとか、その辺りのお考えというのを教えてください。それも含めて決まっていないということですか。
鈴木市長
情勢をどう判断するかということでございますけれども、例えばイスラエルの状況というのも去年と今年と全く同じような状況になるのかどうかというところもありますし、仮にイスラエルが同じような状況であったとしても、国際情勢がどう反応するかというところの違いもあるかと思います。あるいは、国内の反応がどうなのかというところもあると思いますし、いろいろなことを総合的に勘案させていただきながら判断したいというふうに考えております。
記者(読売新聞)
2点ありまして、1点は簡単な確認なんですけれども、先ほどの平和公園の件で、この後、工事を進めていくに当たって、遺骨だったり遺構が出てきた場合の対応として、遺骨が出てきたときは無縁死没者のところに納骨とのことだったんですが、遺構が出てきた場合どうされるかとおっしゃっていなかったので、どういう対応をされるのかだけ教えていただけると幸いです。
鈴木市長
御質問ありがとうございます。担当のほうから詳細に回答させていただきます。
被爆継承課
もし仮に工事において掘削中に遺構ですとか遺物が出てきた場合には、うちの職員、学芸員も含めて現地を見に行かせていただきまして、確認を行った上で、その扱いを判断したいというふうに考えております。
記者(読売新聞)
ありがとうございます。あともう一点、全然別件なんですけれども、今度の4月でスタジアムシティが開業からの半年になるんですけれども、これまでの半年を踏まえて、現状での町なかの周遊状況だったりとか、市としても試合のある日にシャトルバスを出したりなどの施策を行っていたと思うんですけれども、そういった施策の効果と、市長としてこの半年についての受け止めを教えていただけますか。
鈴木市長
スタジアムシティ、昨年の10月に開業いたしまして、おっしゃる通りもうすぐ半年になるわけでございます。この半年を見ますと、本当にスタジアムシティによって長崎のまちに活気が出てきたなというふうに思います。特にホームでサッカーとかバスケットボールの試合があったとき、これはまち全体に声援が聞こえてくるんじゃないかというぐらい、本当にまち全体で地元チームを応援している、そういうふうな一体感がまちに出てきたのかなというふうに思っております。
それ以外の日も、試合がないような日も、スタジアムのほうも開放していただいておりますので、すっかり市民の皆さまの憩いの場になっているかなというふうに思っております。
また、スタジアムシティの中のフードコートであるとか飲食店であるとか、あるいは各ショッピングモールのショップですね、テナントも本当ににぎわっているようでございまして、そういう意味で、そこににぎわいが出てきたなというふうに思っております。
他方で、まち全体にそのにぎわいが波及しているかと、回遊・周遊は順調にいっているかということについては、まだそこはしっかりと見極めなくちゃいけないなというふうに思っておりますし、シャトルバスも運行を始めたところでございますけれども、そういったものを活用しながら、そしてうまく町なかのほうでも、あるいは町なかに限らず周辺部も含めて、例えばホームの試合があったときにうまく連携したイベントを行うなど、いろいろな仕掛けをつくりながらスタジアムシティによるにぎわいをまち全体に波及させる、そういう取組をこれからもしっかり行っていかなくてはいけないというふうに思っております。
記者(共同通信)
原爆資料館のリニューアルについて、今年度最終案がまとまって、来年度から具体的な設計案を決めていくと思うんですけれども、加害展示についてその中で決めるということですが、市長としてどういうふうな方針を取っていきたいかというところを教えてください。
鈴木市長
原爆資料館の展示更新でございますけれども、運営審議会のほうでこれまでも議論いただきまして、それからパブリックコメントもたくさんの方から御意見を賜って、そういった議論をさせていただいているところでございます。
3月19日に基本設計の最終案を御了承いただいたところでございますけれども、来年度も実施設計の策定ということで、引き続き運営審議会の皆さまの御意見を伺いながら具体的な展示内容について検討するということにしておりますので、そういう中で慎重に検討していきたいというふうに思っております。
記者(KTN)
2点お尋ねしたいんですけれども、先ほども御説明があった松山町周辺の陸上競技場などの移転に関して、反対をされていた被爆者団体の方との話合いというのは今後も続けていく方針なのか、どう理解を求めていこうと思っていらっしゃるのかというところについてと、もう一点が平和祈念式典なんですけれども、85歳以上の方が非常に多くなっているというお話もありましたが、屋内での開催だったりとか、今後の在り方の変更など検討されていることがあれば教えていただきたいと思います。
鈴木市長
御質問ありがとうございます。まず、平和公園スポーツ施設再配置に関する被爆者団体の皆さまとの話合いでございますけれども、先ほど御説明させていただきましたとおり、今の平和公園西地区は昔の駒場町であって、そこで本当に大きな犠牲が払われたということ、そういった犠牲に対して、犠牲者の皆さまを悼み、そして平和の思いを共有する、そういった考えの下でスポーツ施設再配置を行っていくということで、先ほど申し上げたような平和発信の場を設けるということもございますので、そういったところについても、被爆者団体の皆さま、被爆者の皆さまのお声というのは大変貴重だというふうに思っておりますので、ぜひまた被爆者団体の皆さまのお声も伺いながら整備について検討していきたいというふうに思っております。
それから、式典が屋内か屋外かというところでございますけれども、近年猛暑が続いておりまして、とりわけ8月9日のあたりというのは最も暑い時期でございますので、そういう中で、暑熱対策をどういうふうに行っていくかということ、これは現在検討中でございますので、そういう中でまた考えていきたいというふうに思っております。
記者(長崎新聞)
ロープウェイの件で2点お聞きしたいんですけれども、延伸については今後の検討ということでしたけれども、市長は先日の一般質問でも、あったらいいなという思いはあるという発言をされておりました。延伸した場合の効果について、市長がどうお考えになっているのかというのをまず1点お聞きしたいのと、あともう一点が、今後老朽更新を見据えながら検討を継続していくというお話でしたけれども、延伸の可否については、老朽更新の方向性がまとまった段階で同時に判断することになるのか、それともその前とかになるのか、可否の判断のタイミングについてお聞きしたいです。
鈴木市長
御質問ありがとうございます。すみません、2点目の質問をもう一度繰り返していただいていいですか。
記者(長崎新聞)
今後、ロープウェイの更新というのを見据えながら延伸のことについても検討を継続していくということでしたけれども、延伸の可否については、方向性がまとまった段階で判断していくことになるのか、判断のタイミングはどういう感じになるのかというのをお聞きしたいです。
鈴木市長
方向性とおっしゃっているのは、老朽更新の方向性ということですか。
記者(長崎新聞)
そうですね、老朽更新の方向性。
鈴木市長
まず、ロープウェイ整備の効果でございますけれども、単純にコストを度外視すれば、先ほどあったらいいなという私の言葉も引用していただきましたけれども、今も既に稲佐山ロープウェイ、これは長崎の観光の魅力の1つとして大きな力を発揮していると思います。長崎の観光のセールスポイント1つが夜景でございます。日本新三大夜景、そして世界新三大夜景でもございます。そういった夜景のポイントに行くための移動手段として、非常に有効な移動手段として今も機能しているというふうに思っております。そういう意味では、ロープウェイというのは、引き続き長崎の稲佐山に登る手段ということで役割を果たし続けてほしいなというふうに思いますし、それがもっと使いやすく、もっと便利な形で、より多くの人に使ってもらえるように、そういう形になると長崎の観光の振興にとっても大きな力を発揮してくれるんじゃないかなというふうに思っております。
それから、老朽更新の方向性を決めることと、延伸の可否の決定の前後関係という御質問というふうに理解させていただきましたが、老朽更新のタイミングがありますので、いずれにしても老朽更新のタイミングを見据えながら、どうやって老朽更新をしていくかということを考えるときには、少なくとも延伸するかどうかというところの判断はしておかなくちゃいけないだろうというふうに思っております。