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更新日:2024年11月28日 ページID:040503
長崎市歴史的風致維持向上計画(令和2年3月国認定)の重点区域である東山手・南山手区域(長崎居留地エリア)において、歴史的風致の維持向上を図ることで持続可能な地域を実現するため、長崎居留地歴史まちづくり協議会(以下、協議会とする。)と長崎市が協働して、将来像とその実現のための基本的な方向について示す「重点区域歴史まちづくり計画(通称:長崎居留地歴まちグランドデザイン、以下、グランドデザインとする。)」を令和3年11月に策定いたしました。
グランドデザインに基づき実施する事業・取組みについて、官民が協働して計画的かつ戦略的に実施していくため、基本となる考え方や事業・取組み内容について整理し関係者で共有するとともに、内外に向けて、この地域で取り組んでいる歴史まちづくりの考え方や事業・取組みに関する説明書としての役割を果たすことを目的とします。
令和3年度から令和11年度(上位計画の計画期間)とします。
社会情勢の変化、進捗の評価、事業・取組みの追加等により必要に応じて変更を行うこととします。
将来像の実現に向けた49の対応課題を、課題解決に必要となる「時間」と「お金」に応じ、4つの領域に分類し、これを参考に領域の特性に合わせ各主体が積極的に取り組みます。詳しい内容については資料編を御覧ください。
将来像の実現に向け、計画的かつ戦略的に対応方針1~5の課題解決に取り組んでいきます。
協議会での議論を基に、対応方針ごとに重点的に推進するテーマを「重点アクション」として設定し、下記の基準に基づき選定した事業・取組みを多様な主体が協働して重点的に推進します。
対応方針1から4に該当する「交流・消費機能の立地」等のハード施策や、「移住・定住」の取組みなどのソフト施策の土台となる対応方針5「地域特性を踏まえた土地利用のあり方の検討」については、先行して進めます。
重点アクションの事業・取組みの選定基準(懸案となっているもの、事業効果が高いもの、各主体連携により推進されるもの、協議会が主となって推進するもの、影響が大きい公共事業)に基づき、以下のとおり重点アクションを設定します。
統廃合から10年以上が経過した2つの小学校跡地の活用について、グランドデザイン等を基に官民で協働して検討を行います。
地盤が低いことから台風や高潮、あびきにより、たびたび浸水被害が出ている大浦川周辺について、浸水被害対策等の環境整備を行います。
クルーズ船2隻同時寄港が可能となるように岸壁を延伸し、国際ゲートウェイ機能(国際ターミナル、ツアーバス駐車場等)や、バス、タクシー等の乗降のための交通広場、及び臨港道路を整備します。また、山手地区との回遊性を向上させるためのエントランス・広場空間を整備するなど観光・交流機能及び都市機能を強化します。
斜面地で増加している空き家や空き地を有効に活用して移住・定住者を増やし、歴史的風致の基礎となる住民を増加させるため、様々な団体が連携して地区内の空き家や空き地を調査し、活用可能なものについては活用希望者とのマッチングを図ります。また、斜面地ならではの暮らしについて来訪者が体感できる施設整備や情報発信を行います。
「学びの丘」として呼ばれた長崎居留地エリアにおける子供や学生の地域愛の醸成やまちづくりの協働を行うため、エリア内の公立学校や歴史あるミッション・スクールと協議会が連携し、歴史の勉強、まち歩き、まちづくり研究、学校関係者と地域住民によるまち歩き等を行います。
伝統ある地域の営みを現代の価値観のなかで継承するとともに、長崎居留地エリアの特長を生かした新たな体験コンテンツを創造するため、地域資源を活用したイベントの開催や観光体験ツアーの造成に積極的に取り組むとともに、これらの総合的な社会実験の場として長崎居留地まつりを位置づけます。
グランドデザインにおける「暮らし軸(石橋~大浦天主堂電停周辺)」、「さるく軸(オランダ通り周辺~グラバー通り(坂)周辺)」への商業機能の集積を図るため、商業振興イベントの開催、賑わいづくりのための市民活動への補助、隣接するエリアとの連携を強化する案内・誘導サインの整備等を行います。
地域の資産である歴史的建造物を生かして長崎居留地エリアの魅力を高めるため、歴史的建造物のユニークべニュー(特別な利用)の開発・利用を推進します。また、市有洋館等については、必要な保存整備を行うとともに、民間活力の導入を促進することで地域住民や来訪者、事業者のニーズに合致した魅力的な活用を行います。
長崎居留地ならではの景観を保全し、その価値をより一層高めるため、情報技術(地理情報システム等)を活用した景観情報分析を行い、景観構造や景観形成に関する方針、土地利用規制、各種基準等について網羅した景観まちづくりガイドラインの策定を行います。ガイドラインに基づき、景観支障物件への対策、修景助成金の創設検討、夜間景観の向上等に取り組みます。
長崎居留地エリア内の様々な事業・取組みを俯瞰し、地域の価値・誇りを地域と共有するとともに、対外的に「長崎居留地」としてのイメージを浸透させ、興味関心を喚起するため、長崎居留地の情報を一元化するための基盤となるポータルサイトを整備し、これと連動したSNSによる情報発信を行います。また、地域の歴史や活動等について発信するシンポジウムの開催等を行います。
トーマス・グラバーの出生地であるスコットランドから長崎市に贈られた「ナガサキタータンチェック」を地域資産として継承するため、長崎居留地エリアにおけるシンボルとしての普及や新たな商品開発に繋がる社会実験を行うとともに、グラバー園やグラバー通り等の人目に付く場所の装飾物に積極的に活用します。また、今後の全市的な活用を推進するため「ナガサキタータン協議会」の設立に向けて働きかけます。
暮らし環境の充実や、歴史的風致を最大限に生かしたまちづくり活動や地域経済活動の活性化を図るため、歴史的建造物の配置や生活環境等の地域の特性を踏まえながら、一部の地域について建物用途規制の緩和等を行う歴史的風致維持向上地区計画の導入を検討します。
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