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第2回文学講座(H19.3.24)

ページID:0020112 更新日:2025年3月13日更新 印刷ページ表示

題目 日本人の宗教性と日本文化
講師 下野孝文氏(県立長崎シーボルト大学)

第2回文学講座(H19.3.24)の画像

 平成19年3月24日(土曜日)、文学講座を開催いたしました。
 当日は大雨・強風という悪天候の中にもかかわらず、41名もの方が受講に足を運んでくださいました。
 2回目となった今回も、下野孝文教授(県立長崎シーボルト大学)を講師としてお招きし、「日本人の宗教性と日本文化」をテーマに、ご講義いただきました。
 約2時間の講座では、遠藤がエッセイ「何のために小説を書くか」の中で述べた「合わない洋服(キリスト教)を和服に仕立て直す」という創作上の試みを、芥川龍之介の「神神の微笑」について遠藤が見解を述べた「「神神の微笑」の意味」を題材にお話していただきました。
 芥川にとって問題となるのは西洋の思想や文物が日本に取り入れられる際、「すべて日本的に変容され、アレンジされる」ということを日本文化の特徴として指摘することであるのに対し、遠藤にとっては、その「アレンジ」の度合い~キリスト教を本質まで変えて別物にしてしまったのかどうか~ということが重要な問題となっていたことや、そもそも自然や人間という現象世界を超越した上位に「神」を設定する西洋の思考方法に対し、日本人は古代から、自然にも人間にも神を見出す傾向があり、そうした宗教性が前述の日本文化と深く関係していることなどについて分かりやすい解説があり、興味深くメモをとる受講者もいらっしゃいました。


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