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更新日:2023年6月7日 ページID:037838
令和2年3月に国の認定を受けた長崎市歴史的風致維持向上計画の重点区域である東山手・南山手地区において、地域主体の長崎居留地歴史まちづくり協議会と行政が一体となって、地区の将来像や将来像の実現に向けた方針等を示す「歴史まちづくり計画」を令和3年11月に策定しました。これに基づき歴史的建造物の保存・活用と周辺環境の整備等を推進します。
本計画の対象は、長崎市歴史的風致維持向上計画の重点区域の範囲(東山手・南山手区域)とします。ただし、重点区域と一体となってまちなみを形成している大浦小学校区の地域についても本計画を参考としながら総合的にまちづくりに取り組んでいく必要があります。
本計画は、重点区域において歴史的資源を生かしたまちづくり(歴史まちづくり)に官民協働で取り組み、地域の歴史的風致の維持向上を図ることで持続可能な地域を実現するため、将来像とその実現のための基本的な方向性を示すことを目的とします。
本計画は上位計画である長崎市歴史的風致維持向上計画において掲げられたまちづくりの方針に基づき策定します。また、長崎市都市計画マスタープラン等の行政計画や地域コミュニティが策定するまちづくり計画等との整合を図ります。
令和3年度から令和11年度(上位計画の計画期間)とします。それ以降については、計画の達成状況に鑑みて検討することとします。
今後、本計画に基づく実施計画を策定し、法定の長崎市歴史的風致維持向上計画に反映することで、国の支援を得ながら取組みを進めます。
営みとつながりが創る 新しい居留地物語
~居留地から居住地へ~
地域の宝である歴史的資源や景観資産は、先人たちの営みや交流によって形づくられ、現代にその価値を伝えています。その一方で、現代の人々の営みや交流もまた、未来の歴史となります。この歴史を生かしたまちづくりを通して、この地域が人々から選ばれる特別な居住地へと進化することで、未来に向かって新しい居留地の物語を育んでいきたいという想いが込められています。
地域における暮らしの安全性・快適性・利便性を向上させるとともに、地域活動や歴史文化を継承する担い手を増やします。
地域における暮らしの安全性・快適性・利便性を向上させるとともに、地域活動や歴史文化を継承する担い手を増やします。
時代のニーズに対応する環境を整備し、移住・定住人口を増やします。
多様な目的で活動・来訪する市内外の人々にとって魅力あるスポットやコンテンツを創出し、来訪者の増加による地域経済の活性化を目指すとともに、地域と人、人と人とをつなぐ場や機会を増やします。
様々な人が地域に関わり、楽しく継続的に地域活動に参画できる仕組みを整えます。
地域の特長を生かした魅力的な交流・消費スポットや体験コンテンツ、イベント等を創出し、新たな経済効果を生み出します。
洋館等の歴史的資源や、眺望や町並み等の景観資産を積極的に活用することにより魅力と価値を高め、持続可能な維持・保存の体制を構築します。
歴史的建造物の用途の見直しや民間活力の導入を促進し、賑わいと経済波及効果を生み出すことで、歴史的建造物の持続的な保全を目指します。
各種規制や支援制度が連携した総合的な景観形成や、具体的な視点場を設定した細やかな景観形成を推進し、資産としての価値を高めます。
様々な取組みを俯瞰し、歴史的資源を活用したインナーブランディングの形成と、海外を含む地域外への積極的な情報発信を通じて「長崎居留地」としてのイメージを浸透させ、興味関心を喚起します。
暮らし環境の充実や、地域の歴史的資源を最大限に生かしたまちづくり活動や地域経済活動の活性化を図るため、歴史的建造物の配置や生活環境等の地域の特性を踏まえながら、この地域ならではの土地利用のあり方を検討します。
区域内には、多様な歴史や土地利用状況などがあることから、それぞれの特徴を生かした6つのゾーンを設定し、各ゾーンの将来像の実現に向けた歴史まちづくりを推進します。
住民や来訪者の行動の拠点を設定し、市有の歴史的建造物や施設、土地をゾーンの考えに基づき住民の活動を活発化するスポットや来訪者の交流・消費を促進するスポットとして積極的な用途の見直し・再生を図ることで、歴史まちづくりの先導的役割を果たします。
拠点を行動の発地として、新たな消費・交流スポットや観光施設、景観スポットを繋ぐルートを設定し、周辺の景観形成の強化や歩行環境の充実化、賑わいづくり等を図ることで、「歩いて楽しい」歩行ネットワークを構築します。
旧長崎英国領事館は観光の拠点として居留地の魅力や情報に充分に触れることができるとともに、オランダ通りや石橋電停周辺には魅力的な店舗が集積するなど高い利便性を発揮し、多様な来訪者や地域住民、学生、会社員等の多くの人で賑わっています。
旧長崎英国領事館(陸のゲート) 観光案内や情報発信・展示機能、物販・飲食等の多様な機能が集積した地域活性化・交流機能を持つ拠点として活用します。 |
ミッション・スクールやオランダ坂周辺、東山手洋風住宅群を中心として、文教地区としての環境や歴史文化を生かした新たなビジネスや文化・芸術活動、地域活動を行う若者やクリエイターらの活動拠点が形成され、相互に刺激し合うことで新たな文化が創造され、それを目的とした多様な来訪者で活気に溢れています。
東山手甲十三番館 飲食・物販等の消費機能や案内・誘導機能、学生や住民の利用促進のための交流機能を強化します。 |
東山手洋風住宅群(7棟) |
2つの世界遺産の構成資産を核として、その周辺には飲食・物販等の魅力的な店舗・スポットが軒を連ね、国内外からの来訪者がゾーン内を自由に散策しながら多様な体験を楽しみ、また、市民も目的を持って日常的に訪れたりと、長崎市の歴史文化の中心地として大いに賑わっています。
旧スチイル記念学校 住民のまちづくり・市民活動の拠点、来訪者と住民の交流機能を検討します。また、旧杠葉本館方面への新たな動線整備や樹木の剪定・伐採により眺望を確保します。 |
旧杠葉本館・旧杠葉氏宅 物販・飲食・宿泊等を複合させた消費・交流機能を検討します。また、駐車場の確保や樹木の剪定・伐採によりグラバー園方面の眺望を確保します。 |
歴史的建造物と坂道や路地、閑静な住宅街が織りなす歴史的な生活景観のなかに、お洒落な店舗や宿泊施設が散在し、落ち着いた雰囲気のなかで小人数のグループや個人の来訪者が静かに散策と発見を楽しみながら、住民とも自然な交流が行われるなど、居住と観光が共存しています。
どんどん坂周辺 電線・電柱類の移設やブロック塀等の工作物の修景を強化します。また、夜間の景観整備を行います。 |
浪平小学校跡地 住民の憩いや防災機能等を備えた広場や駐車場機能を検討します。また、樹木の剪定・伐採により眺望を確保します。 |
斜面地ならではの眺望や自然、人のつながりに共感する移住者が増加し、長崎らしい暮らし方ができる地域として市内外で認知され、新旧の住民により地域コミュニティが形成されるとともに、居住者の営み・活動に共感する来訪者が訪れ、コミュニティとの交流がゆるやかに行われています。
移住・定住の促進 空き家・空き地の活用の仕組みづくりや、斜面地暮らしの魅力を発信します。 |
住環境の整備 空き地の情報を把握し、広場や農園として有効活用します。 |
クルーズ船で訪れる国内外の観光客等の交通拠点として機能集積がなされ、ここを起終点として多くの人が区域内を回遊するとともに、市民の生活の場としても利用され、長崎市の歴史ある海の国際玄関口として、往時のように市民や国内外の来訪者など多様な人々の交流が盛んに行われています。
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