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開館1周年記念企画展「作家の書棚より」
平成13年4月から11月まで開館1周年を記念して開催した企画展では、旧蔵書の中でも特に資料的価値が高い「書き込み本」を中心に展示しました。
主な展示品には、堀辰雄『菜穂子』(創元社 昭和16年)、『日本文学全集 芥川龍之介集』(新潮社 昭和34年)、『武功夜話』1~4巻・補巻(吉田蒼生雄訳 新人物往来社 昭和62年)などがあります。
昭和19年、慶応義塾大学予科時代に病床の堀辰雄を訪ねることを精神的豊かさの糧とした遠藤の軌跡や、日本文学において、西洋と日本的なものとの対決の問題を扱った先人である芥川龍之介に対する思いの一端を読み取ることができます。
『武功夜話』は、晩年立て続けに発表した歴史小説三部作である、『反逆』『男の一生』『決戦の時』が生まれるきっかけとなった戦国史料です。