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蚊焼・為石漁港を中心に、古くから定置網漁業が盛んで、活きのいい蚊焼ぶりやひおうぎ貝は有名です。近年では養殖漁業が中心になり、「獲る漁業」から「育てる漁業」へと様変わりしています。
また、江戸時代に始まったと伝えられる蚊焼鍛冶は、三和地区の特筆すべき伝統工芸です。当時の刀匠・吉田左馬ノ守直種の弟子が、刃物の焼き入れに適した蚊焼の水と焼刃土を利用し、良質の刃物を作り上げ、その後代々盛んになりました。現在では4軒の鍛冶屋の職人が伝統の技を守り続け、南蛮ボードとともに特殊な模様の包丁「業物(わざもの)」が特産品となっています。
蚊焼は漁村集落で、海辺には煉瓦や石塀が残されています。深堀三和線は、伊王島、高島、軍艦島などの島々が見られ、ダイナミックに変化する眺望景観が連続します。
川原、宮崎の海岸は礫を中心とする浜堤で、背後地の川原大池は、ラグーンが発達したものです。一帯は樹林に覆われ、昆虫や野鳥が豊富です。